投資の税金完全ガイド:株・FX・金・ビットコインの税率を徹底比較【2026年版】
「株で利益が出たら何%の税金?」「ビットコインの税金が高いって本当?」「金は税金どうなるの?」——投資を始めたばかりの方が必ず気になるのが税金です。商品によって税率が大きく違うため、知らないと損する可能性も。
この記事では、株式・配当・FX・金・ビットコイン・NISA・iDeCoの税金を一覧比較しながら、損益通算ルール・確定申告の判断基準・節税テクニックまで、初心者にも分かるように丁寧に解説します。
- 📈 株式・投信・配当: 申告分離課税 20.315%(特定口座なら自動)
- 💱 FX・CFD: 申告分離課税 20.315%(株とは別枠で損益通算)
- 🥇 金CFD・先物: 申告分離課税 20.315%(FX・CFDと通算可能)
- 🪙 金現物: 譲渡所得(保有5年超で税率半額に)
- ₿ ビットコイン・暗号資産: 総合課税 最大55.945%(最も高い)
- 🆓 NISA: 完全非課税(年間360万円・生涯1,800万円まで)
- 🆓 iDeCo: 拠出時・運用時非課税、受取時に控除
1. 投資商品別 税率比較表(一覧)
まずは商品別の税率を一覧で見てみましょう。同じ「投資の利益」でも、商品によって税率が大きく違うのがポイントです。
| 商品 | 課税方式 | 税率 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 📈 株式・投信(売却益) | 申告分離課税 | 20.315% | 特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告不要 |
| 💴 配当金 | 申告分離 or 総合課税 | 20.315% | 所得が低いと総合課税で配当控除を使う方が有利な場合あり |
| 💱 FX | 申告分離課税 | 20.315% | 株とは別枠。FX・CFD・先物で損益通算可能 |
| 🛢️ 商品CFD(金・原油など) | 申告分離課税 | 20.315% | FXと同じ枠で損益通算 |
| 🥇 金先物 | 申告分離課税 | 20.315% | FX・CFDと損益通算可能 |
| 🪙 金現物(地金・金貨) | 譲渡所得(総合課税) | 5〜55.945% | 5年超保有で税率半額(1/2課税) |
| ₿ ビットコイン・暗号資産 | 総合課税(雑所得) | 最大55.945% | 給与所得と合算、累進課税で最大税率 |
| 🆓 NISA | 非課税 | 0% | 年360万円、生涯1,800万円まで |
| 🆓 iDeCo(運用益) | 非課税 | 0% | 拠出も全額所得控除、節税効果絶大 |
2. 株式・投信・配当の税金(20.315%)
税率の内訳
株式の売却益や配当にかかる20.315%は、以下の内訳になっています。
- 所得税 15%
- 復興特別所得税 0.315%(所得税の2.1%上乗せ、2037年まで)
- 住民税 5%
例えば100万円の利益が出たら、税金は203,150円。手取りは796,850円となります。
特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告不要
証券口座を開設するときに「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおけば、利益が出た瞬間に証券会社が自動で税金を引いてくれます。確定申告は原則不要です。
| 口座種類 | 確定申告 | 特徴 |
|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 不要 | 初心者向け。最もラク |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 必要(簡易) | 利益が20万円以下なら申告不要 |
| 一般口座 | 必要(自己計算) | 面倒、ミスのリスク大 |
配当金は2つの選択肢
配当金は 「申告分離課税(20.315%)」 と 「総合課税(5〜55.945% + 配当控除)」 から選べます。年収に応じて有利な方を選べばOK。
- 年収695万円以下 → 総合課税+配当控除(10%)の方が有利な場合が多い
- 年収900万円超 → 申告分離20.315%の方が有利
3. FX・CFDの税金(20.315%)
FX(外国為替証拠金取引)やCFD(差金決済取引)は、株式とは別枠の申告分離課税20.315%です。
株とFXは損益通算できない
同じ20.315%の税率でも、株式の損益とFXの損益は通算できません。それぞれ独立した「枠」になっています。
| 枠 | 含まれる商品 | 損益通算 |
|---|---|---|
| 株式枠 | 株式・投信・ETF・REIT・配当 | 枠内のみ |
| FX・先物枠 | FX・CFD・商品先物・金先物・原油先物 | 枠内のみ |
| 暗号資産枠 | ビットコイン等の雑所得 | 暗号資産同士のみ |
確定申告は基本必要
FX・CFDには「特定口座(源泉徴収あり)」が存在しないため、利益が出た場合は確定申告が原則必要です。ただし、給与所得者で年間利益が20万円以下なら申告不要(住民税は別途必要)。
4. 金(ゴールド)の税金 — 現物と先物で大違い
金投資は購入方法によって税金の扱いが大きく異なります。これを知らないと損します。
FX・CFD枠で申告分離課税20.315%。短期売買向き。SBI証券・楽天証券・GMOクリック証券などで取引可能。
譲渡所得として総合課税。年間50万円までは特別控除あり。5年超保有すると税率が半分(1/2課税)に。長期保有向き。
金現物の計算式
5年以下保有(短期譲渡)
課税所得 = 売却額 − 取得費 − 50万円(特別控除)
5年超保有(長期譲渡)
課税所得 = (売却額 − 取得費 − 50万円) × 1/2
5. ビットコイン・暗号資産の税金(最大55.945%)
ビットコインや暗号資産(仮想通貨)の利益は、雑所得として総合課税になります。これが投資商品の中で最も税負担が重いポイントです。
所得税率は累進課税
| 課税所得 | 所得税率 | 住民税 | 合計(含む復興税) |
|---|---|---|---|
| 〜195万円 | 5% | 10% | 15.105% |
| 〜330万円 | 10% | 10% | 20.21% |
| 〜695万円 | 20% | 10% | 30.42% |
| 〜900万円 | 23% | 10% | 33.483% |
| 〜1,800万円 | 33% | 10% | 43.693% |
| 〜4,000万円 | 40% | 10% | 50.84% |
| 4,000万円超 | 45% | 10% | 55.945% |
給与所得と合算される
例えば年収500万円のサラリーマンが、ビットコインで300万円の利益を出した場合:
- 合計所得 = 500万円 + 300万円 = 800万円
- 税率 = 33.483%(〜900万円ゾーン)
- 暗号資産分の税金 ≈ 300万円 × 33.483% = 約100万円
暗号資産の課税タイミング
「日本円に戻したときだけ課税」と思っている方が多いですが、実は以下のタイミングでも課税対象になります。
- 暗号資産で商品・サービスを購入したとき
- 暗号資産を他の暗号資産に交換したとき(BTC→ETHなど)
- マイニング・ステーキング・エアドロップで取得したとき
6. NISA・iDeCo(非課税の超優遇制度)
新NISA(2024年1月〜)— 完全非課税
新NISA口座内で運用した利益・配当はすべて非課税。一般口座と比較すると、利益100万円なら約20万円の差が出ます。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間枠 | 120万円 | 240万円 |
| 合計年間枠 | 360万円 | |
| 生涯枠 | 1,800万円(うち成長枠は1,200万円まで) | |
| 対象商品 | 金融庁認定の投信 | 株式・ETF・投信 |
| 非課税期間 | 無期限 | |
iDeCo(個人型確定拠出年金)— 三段階で非課税
- 拠出時: 全額所得控除(年収500万円なら年5〜8万円の節税効果)
- 運用時: 運用益は非課税
- 受取時: 退職所得控除・公的年金等控除が使える
7. 損益通算ルール — 損失は3年繰り越せる
同じ「枠」内なら、複数の口座・商品で損失と利益を相殺できます。これを損益通算といいます。
株式枠の例
- SBI証券で+50万円の利益、楽天証券で-30万円の損失
- 確定申告すれば、合計+20万円分のみに課税(4万円相当の節税)
3年間の繰越控除
その年に通算しきれなかった損失は、翌年以降3年間繰り越して、将来の利益と相殺できます。確定申告が必要です。
| 年 | 損益 | 繰越損失残高 |
|---|---|---|
| 2026年 | -100万円 | -100万円 |
| 2027年 | +30万円 | -70万円(30万円分相殺、税金ゼロ) |
| 2028年 | +50万円 | -20万円(50万円分相殺、税金ゼロ) |
| 2029年 | +40万円 | 0(20万円相殺、20万円のみ課税) |
枠を超えた通算は不可
- 株の利益とFXの損失は通算できない
- FXの利益と暗号資産の損失も通算できない
- NISA口座の損失は他の口座と通算できない(非課税枠ゆえ)
8. 確定申告は必要?判断フローチャート
「確定申告する必要があるか」を以下のフローで確認できます。
- NISA・iDeCoのみで運用している → 確定申告不要
- 特定口座(源泉徴収あり)で利益が出ているだけ → 申告不要(ただし損益通算したいなら申告した方が得)
- 給与所得者で投資の利益が年間20万円以下 → 所得税の申告は不要(住民税は別途申告必要)
- FX・CFDで利益が出た(特定口座対象外) → 利益20万円超なら申告必要
- ビットコインで利益が出た → 利益20万円超なら申告必要
- 損失が出た(株・FX) → 申告すれば3年間繰越できるので申告した方が得
9. 節税テクニック5選
① NISA・iDeCoを最大限活用する
これが最強の節税。年間枠(NISA 360万円+iDeCo 14.4〜81.6万円)を上限まで使い切る。
② 損出しで利益と相殺
年末に含み損のある銘柄を一旦売却して損失を確定させ、その年の利益と相殺。同じ銘柄を翌営業日以降に買い戻せば実質的にホールド継続。
③ 損失を翌年以降に繰り越す
損失が出た年は必ず確定申告して、3年間の繰越控除を確保。
④ 年収に応じて配当課税方式を選ぶ
年収695万円以下なら配当の総合課税+配当控除を試算。確定申告で還付を受けられることも。
⑤ ふるさと納税で実質節税
投資ではないが、課税所得を減らせるためトータルの税負担を最適化。年収500万円なら6万円程度のふるさと納税枠あり。
10. まとめ
投資の税金のポイントを最後に整理します。
- 株・投信・配当・FX・CFD・金先物 → 申告分離課税20.315%(一律)
- 金現物 → 5年超保有で税率半額(譲渡所得・総合課税)
- ビットコイン・暗号資産 → 総合課税最大55.945%(最も税負担重い)
- NISA・iDeCo → 非課税(最強の節税制度)
- 損益通算は「枠内」のみ可能(株とFXは通算不可)
- 損失は3年間繰越できる(要確定申告)
- 節税の王道はNISA+iDeCo+損益通算+ふるさと納税
税金を制する者は投資を制す——とまでは言いませんが、知らないだけで年間数万円〜数十万円損するのが税金の世界です。特にビットコイン投資家は税率が高いため、利益確定のタイミングや出口戦略を慎重に。NISA枠が空いているなら、まずそこから埋めるのがセオリーです。