📊 MarketWatch AI
日本人投資家のためのマーケット情報サイト

🌸 Sell in May(5月に売れ)は本当か?データで検証する投資格言の真実と2026年戦略

公開日:2026年5月11日 / 読了時間:約8分 / カテゴリ:投資の基礎知識
⚡ この記事を1分でわかる図解サマリー
🍁
11月〜4月(強い半年)
+6.7%
S&P500 平均リターン
(1950〜2024年)
🌻
5月〜10月(弱い半年)
+1.7%
S&P500 平均リターン
(1950〜2024年)

確かに5月〜10月は歴史的に弱いが、マイナスではない。「売れ」は誇張、「警戒せよ」が正解。

1. 「Sell in May」とは何か?

📜 正式な格言

"Sell in May and go away,
come back on St. Leger Day"

(5月に売って退散、セントレジャーの日に戻ってこい)

「5月に株を売り払って夏は休み、秋に戻ってきて買い戻せ」という投資の有名な経験則。St. Leger Dayは9月中旬の英国競馬の伝統的開催日で、米国版では「ハロウィン(10月末)」まで延長されることもあります。

2. 格言の起源

18世紀のロンドン金融街で生まれた格言。当時の貴族・商人は夏に田舎の領地に避暑し、ロンドンを離れる文化がありました。市場参加者が減ると流動性が低下し、相場は方向感を失うため、「夏は休んで秋に戻る」が合理的だったというわけです。

現代では夏季休暇は短くなりましたが、米欧ファンドマネージャーの夏休みは依然として7〜8月に集中。アルゴ取引が増えた現代でも、夏は出来高が薄くなる傾向は残っています。

3. データで検証:本当に5月から弱い?

📊 S&P500 半年別 平均リターン(1950〜2024年・75年間)
期間平均リターン勝率評価
11月〜4月+6.7%77%🟢 圧倒的に強い
5月〜10月+1.7%63%🟡 弱いがプラス
差分+5.0pt+14pt🔴 統計的に有意

出典:S&P Dow Jones Indices、ストックトレーダーズアルマナック

結論:格言は半分正しい。 5月〜10月の方が確かに弱い(+1.7%)が、マイナスではない。完全に売って退散すると、その+1.7%を取り逃がす。

4. 月別パフォーマンスを可視化

📈 S&P500 月別平均リターン(過去75年)
+1.2
+0.4
+1.1
+1.5
+0.2
+0.1
+1.2
−0.1
−0.4
+0.8
+1.7
+1.4
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月

数値=平均月次リターン(%)。赤=Sell in May期間、緑=強い月、黄=中立、赤バー=マイナス月

本当に怖いのは8〜9月。 5月単体はまだプラス。歴史的暴落(1987年ブラックマンデー=10月、リーマンショック=9〜10月、コロナショック=2〜3月)も9〜10月に集中している点に注意。
広告 / PR

5. なぜ5月〜10月は弱いのか?5つの仮説

REASON 01
① 夏季休暇による流動性低下

欧米のファンドマネージャー・トレーダーが7〜8月に長期休暇。市場参加者が減って大口注文が出にくく、相場が方向性を失う。少額のショックが大きな値動きを生みやすい。

REASON 02
② ボーナス・年末需要の不在

11〜12月は年末ボーナスや節税買いで需要が高まる。一方、5〜10月はそうした強い買い圧力がないため、上昇エネルギーに欠ける。

REASON 03
③ 企業決算の谷

米国の決算発表は1月・4月・7月・10月に集中。5〜6月・8〜9月は決算材料が枯渇し、株価の上昇要因が乏しい。

REASON 04
④ 心理的な「夏季調整」

4月までの強い上昇後、5月に利確売りが出やすい。「春の上昇 → 夏の調整 → 秋の暴落 → 冬の反発」という季節パターンが心理的に強化されている。

REASON 05
⑤ 歴史的暴落の心理的トラウマ

ブラックマンデー(1987年10月)、リーマンショック(2008年9〜10月)、アジア通貨危機(1997年7月)など、世界的暴落が秋に集中。投資家心理が「秋は怖い」を学習している。

6. 日経平均にも当てはまるのか?

📊 日経平均 半年別 平均リターン(1985〜2024年・40年間)
期間平均リターン勝率米国との比較
11月〜4月+5.2%68%🟢 同じ傾向
5月〜10月−0.8%50%🔴 米国より弱い
日経平均は米国よりSell in Mayの傾向が強い。 5月〜10月は平均でマイナスになることも。これは日本独特の決算スケジュール(3月本決算→5月発表→材料出尽くし)と、お盆・年末の流動性パターンが影響している。

7. 2026年の特殊事情と戦略

🎯 2026年特有のファクター
要因強気/弱気解説
米利下げ期待🟢 強気FOMC反対4票で6月利下げ観測
日銀利上げ圧力🔴 弱気円高で輸出株に逆風
連続介入リスク🔴 弱気4/30+5/6で3回目警戒
日経歴史的高値🟡 中立調整リスクと押し目買い欲が拮抗
戦争・地政学🔴 弱気原油急騰リスク継続
新NISA積立フロー🟢 強気毎月1兆円超の安定買い
米トランプ関税🔴 弱気夏に追加関税報道のリスク

2026年は強気と弱気の材料が拮抗。Sell in Mayの典型的な「夏の調整」シナリオは十分にありえます。

8. 結論:個人投資家はどうすべきか

🎯 結論:「売る」のではなく「警戒する」
  1. 新NISA積立は絶対に止めない:機械的継続が長期で最強。5月だからやめる、は最悪
  2. 個別株の利確タイミングとしては有効:高値圏で含み益大なら一部利確検討
  3. FXレバレッジは縮小:流動性低下で値動き荒くなる可能性
  4. キャッシュ比率を10〜20%確保:夏の調整時の押し目買い余力に
  5. 10月末まで「警戒モード」:新規大規模投資は秋以降に持ち越し
やるべきこと
• NISA積立を継続
• キャッシュ比率を高める
• 高配当・ディフェンシブ株シフト
• ストップロス設定強化
やってはいけないこと
• 全保有株を一括売却
• 積立投資の停止
• レバレッジ拡大
• 5月恐怖でパニック判断
覚えておきたい一言: 「Sell in May」は短期トレーダー向けのアドバイスであって、長期積立投資家には関係ない。むしろ夏の調整は安く買えるチャンスと捉えるべき。
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。過去のデータは将来のリターンを保証しません。投資判断はご自身の責任で行ってください。