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⚠️ 本記事は公開情報(SEC提出資料等の一次情報)に基づく情報提供であり、特定銘柄の売買推奨や投資助言ではありません。目標株価の提示や将来の業績・株価の予測は行っていません。投資には元本割れリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。

🍎 Apple(AAPL)を数字で見る|iPhone22%増収の四半期決算とEU・DOJ訴訟という材料

公開日:2026年9月1日 / 読了時間:約14分 / カテゴリ:数字で見る企業(第1回・海外株)

「数字で見る、話題の企業」シリーズ第1回は、米国のApple Inc.(NASDAQ: AAPL)を取り上げます。このシリーズの狙いは「この会社の将来性を自分で見積もれる状態」を作ることであり、上がるか下がるかの結論は書きません。会社自身がSEC(米証券取引委員会)に提出した一次情報——四半期報告書(Form 10-Q)と年次報告書(Form 10-K)——から、①事業の中身 ②歴史 ③直近決算の数字 ④会社自身が認めているリスク ⑤上がる材料・下がる材料を対で並べ、最後に⑥次に何を見ればよいかを整理します。

📌 30秒でわかるこの記事
  • 2026年4-6月期決算(SEC提出Form 10-Q)で売上高$1,094.17億(前年同期比+16.4%)・iPhoneが+22%と牽引
  • 会社自身が開示するリスク要因(Form 10-K)は関税・競争環境・EU/DOJの規制訴訟など5点を紹介
  • 「上がる材料」「下がる材料」を各5件ずつ、出典付きで対に並べます。買い時かどうかの結論は書きません
💡 なぜAppleか(選定根拠):今週は本シリーズの「海外株」の番でした(前回が空の初回のため日本株から検討)。当サイトの決算カレンダー(earnings-calendar.json)で直近2〜14日以内に決算発表があった米国企業のうちNVIDIA(8/26発表)とWalmart(8/20発表)が候補になりましたが、NVIDIAは8/27公開の決算速報記事で、Walmartも8/17・8/20前後の当サイトのデイリーニュース記事で、いずれも直近で主役として扱われたばかりのため今回は見送り、直近15〜60日の当サイト記事で主役だった海外企業からAppleを選定しました(2026年8月2日公開の速報記事でApple 2026年度第3四半期決算を既報)。候補の中で時価総額が最大でした(2026-09-01確認)。なお日本株側は、いったん8/26〜8/28にランキング2回以上登場という条件を満たすアドバンテスト(6857)を候補にしましたが、有価証券報告書の一次情報に本セッションの環境から到達できなかったため見送り、詳細は台帳に記録しています。

1️⃣ Appleはどんな会社か——セグメント別の売上構成

Appleはスマートフォン(iPhone)、パソコン(Mac)、タブレット(iPad)、ウェアラブル機器(Apple Watch・AirPods等)とその関連サービスを設計・製造・販売する企業です(出典:Form 10-K「Item 1. Business - Company Background」、2025年10月31日提出、2026-09-01確認)。製品ラインはiPhone・Mac・iPad・Wearables, Home and Accessoriesの4区分と、広告・AppleCare・クラウドサービス・デジタルコンテンツ・決済・サブスクリプション等をまとめたServices区分の計5区分で構成されます。

2026年度第3四半期(2026年4-6月期、暦年ベース)の売上高1,094.17億ドルの内訳は次のとおりです(出典:Form 10-Q、2026年7月31日提出、2026-09-01確認)。

Apple 2026年度第3四半期(2026年4-6月期)の製品・サービス別売上高構成比 製品・サービス別 売上構成比(2026年4-6月期・合計1,094.17億ドル) 合計 $1,094.17億 iPhone $542.52億(49.6%・同+22%) Services $307.39億(28.1%・同+12%) Mac $103.52億(9.5%・同+29%) Wearables等 $78.83億(7.2%・同+6%) iPad $61.91億(5.7%・同▲6%)
▲ Form 10-Q「Products and Services Performance」の数値をもとに作成(2026年7月31日提出、2026-09-01確認)。iPhoneが売上の約半分を占め、Servicesが2番目の柱。iPadのみ前年同期比で減収。※概念を示すイメージ図です。

2️⃣ 歴史年表——事実で確認できる出来事

各行に出典を付した事実の年表です。原因の断定や物語化は避け、確認できる出来事のみを並べています。

出来事出典
1976年スティーブ・ジョブズ、スティーブ・ウォズニアックらがApple Computerを設立。「Apple I」を発売米議会図書館「This Month in Business History」(2026-09-01確認)
1980年12月に新規株式公開(IPO)。1株22ドルで460万株を売り出しCNN「Apple Fast Facts」(2026-09-01確認)
1984年1月にMacintoshを発表CNN「Apple Fast Facts」(2026-09-01確認)
2001年iPod(携帯音楽プレーヤー)の販売を開始CNN「Apple Fast Facts」(2026-09-01確認)
2007年iPhoneを発表CNN「Apple Fast Facts」(2026-09-01確認)
2011年8月にティム・クック氏がCEOに就任(10月にスティーブ・ジョブズ氏死去)CNN「Apple Fast Facts」(2026-09-01確認)
2020年独自設計の「Apple Silicon」(Mシリーズ)へMacのプロセッサ移行を開始Wikipedia「Apple silicon」(2026-09-01確認)
2024年2月に空間コンピュータ「Apple Vision Pro」を発売Wikipedia「Apple Vision Pro」(2026-09-01確認)
2024年3月にEUがDMA(デジタル市場法)に基づく正式な非遵守調査を開始。3月にDOJ(米司法省)がスマートフォン市場での独占的地位を巡り反トラスト法違反で提訴Form 10-K「Item 3. Legal Proceedings」(2025-10-31提出、2026-09-01確認)
2025年4月にEU欧州委員会がDMA第5条(4)違反に対し5億ユーロの制裁金を科す決定。Appleは同決定を不服として控訴Form 10-K「Item 3. Legal Proceedings」(2025-10-31提出、2026-09-01確認)
2026年7月30日(米国東部時間・引け後)、2026年度第3四半期(4-6月期)決算を発表。売上高は前年同期比+16.4%の増収Form 8-K(2026-07-30提出)・Form 10-Q(2026-07-31提出)、当サイト2026-08-02記事
💡 補足:Appleの会計年度は9月最終土曜日で終わる52週または53週の期間です(例:2026年度第3四半期は暦年2026年4月から6月)。本記事の「〇年度」表記は米国会計基準に基づくため、暦年(カレンダーイヤー)と1四半期弱ずれる点にご注意ください(出典:Form 10-K「Company Background」)。

3️⃣ 直近決算の数字(2026年4-6月期・Form 10-Q)

2026年7月30日(米国東部時間・引け後)発表・7月31日SEC提出のForm 10-Q(2026年度第3四半期、期間は2026年4月から6月)の要点です。数値はすべて同資料に基づき、確認日は2026-09-01です。

指標2026年4-6月期2025年4-6月期増減率
売上高$1,094.17億$940.36億+16.4%
売上総利益$547.70億$437.18億+25.3%
営業利益$356.95億$282.02億+26.6%
純利益$297.89億$234.34億+27.1%
希薄化後EPS$2.02$1.57+28.7%
💡 EPSとは:1株あたり純利益(Earnings Per Share)のこと。「希薄化後」は新株予約権等が全て株式に転換された場合を仮定した、より保守的な算定方法です。

地域別(reportable segment=Form 10-Qの報告セグメント区分)の売上高は、Americas $457.81億、Europe $293.95億、Greater China $188.16億、Japan $65.54億、Rest of Asia Pacific $88.71億でした(出典:Form 10-Q「Note 10 – Segment Information」)。

Apple 2026年度第3四半期の地域別売上高(Americas/Europe/Greater China/Japan/Rest of Asia Pacific) 地域別 売上高(2026年4-6月期、単位:億ドル) Americas $457.8億 Europe $293.9億 Greater China $188.2億 Rest of Asia Pacific $88.7億 Japan $65.5億 ※ Corporate(全社共通費用)はセグメント外のため図から除外。 営業利益ベースでは為替・費用配分の影響で順位が変わる場合があります。
▲ Form 10-Q「Note 10 – Segment Information」の数値をもとに作成(2026-09-01確認)。Americasが最大、次いでEurope・Greater China。日本(Japan)は5区分中最小。※概念を示すイメージ図です。

キャッシュフロー計算書(財務活動区分)では、9カ月累計で自己株式取得$620.94億・配当支払$117.78億を計上(出典:Form 10-Q「Condensed Consolidated Statements of Cash Flows」)。別注記の「Note 7 – Shareholders' Equity」では、9カ月間で215百万株を$618億で取得したと記載されています(金額差はキャッシュフロー計算書とNote 7の集計範囲の違いによるもので、いずれも同じForm 10-Qの数値です)。四半期末時点の1株あたり四半期配当は0.27ドルで、会社は「取締役会の決議を条件に年次で増配する意向」を示しています(出典:Form 10-Q「Liquidity and Capital Resources」)。

4️⃣ 会社自身が挙げているリスク(Form 10-K「Risk Factors」より)

以下はForm 10-K(2025年9月27日期・2025年10月31日提出)の「Item 1A. Risk Factors」および「Item 3. Legal Proceedings」で会社自身が開示しているリスク要因の要旨です。書き手の推測ではなく会社の自己申告である点が、このシリーズで最も重視する情報です。原文はSEC EDGAR掲載のForm 10-K原文でご確認いただけます。

出典:Form 10-K「Item 1A. Risk Factors」「Item 3. Legal Proceedings」(2025-10-31提出、2026-09-01確認)。上記はリスク要因の一部を要約したもので、原文にはこの他にも多数の項目が記載されています。

5️⃣ 上がる材料/下がる材料

ここがこの記事の主役です。会社の開示・公的統計で確認できる事実だけを左右に対で並べます。重み付けはしません。「以上が、いま公開情報から拾える材料です。どう見るかはご自身で」という位置づけです。

📈 上がる可能性がある材料
iPhone売上が2026年4-6月期に前年同期比+22%(9カ月累計でも+22%)。会社は「Proモデルの販売増」を要因に挙げている。出典:Form 10-Q「Products and Services Performance」/確認日2026-09-01/効くと:主力製品の増収基調が続けば全社売上の伸びを牽引しうる
Services事業が四半期$307.39億(同+12%)・9カ月$917.28億(同+14%)。会社は「広告・クラウドサービスの伸長」を要因に挙げている。出典:Form 10-Q同上/確認日2026-09-01/効くと:ハードウェアより粗利率の高いServicesが拡大すれば全社の利益率に寄与しうる
9カ月累計で自己株式$620.94億分を取得(Note 7では215百万株・$618億と記載)、配当$117.78億を支払い。四半期配当は1株0.27ドルで、会社は年次増配の意向を表明。出典:Form 10-Q「Note 7 – Shareholders' Equity」「Condensed Consolidated Statements of Cash Flows」「Liquidity and Capital Resources」/確認日2026-09-01/効くと:株主還元の規模・継続姿勢は需給要因になりうる
2026年度第3四半期中にiOS 27・macOS 27等の新OSを発表し、「Siri AI」を導入したと開示。出典:Form 10-Q「Business Seasonality and Product Introductions」/確認日2026-09-01/効くと:新機能・新OSの投入は買い替え需要に影響しうる
9カ月累計売上高は$3,643.57億(前年同期$3,136.95億、+16.2%)と、直近四半期まで増収基調が続いている。出典:Form 10-Q「Condensed Consolidated Statements of Operations」/確認日2026-09-01/効くと:通期の業績進捗を測る土台になる
📉 下がる可能性がある材料
売上の過半数が米国外、製造委託先の多くが中国本土・インド・日本・韓国・台湾・ベトナム等に所在。米関税措置と各国の報復関税が「コスト増・供給網の変更」を招きうると会社は開示。出典:Form 10-K「Item 1A. Risk Factors」(マクロ経済・産業リスク)/確認日2026-09-01/効くと:関税動向次第でコスト構造や販売価格に影響しうる
会社は「スマートフォン・PC・タブレット・ウェアラブルの世界市場でシェアは少数派」と自認。価格競争の激しい市場での競争激化リスクを開示。出典:Form 10-K「Item 1A. Risk Factors」(競争リスク)/確認日2026-09-01/効くと:シェア争いの帰趨は各製品の売上・粗利率に影響しうる
iPadは2026年4-6月期に前年同期比▲6%(iPad mini・iPad Airの販売減が要因と会社は説明)と、5区分中唯一の減収。出典:Form 10-Q「Products and Services Performance」/確認日2026-09-01/効くと:製品区分ごとの強弱差が全体成長率に影響しうる
EU欧州委員会のDMA関連調査で2025年4月に5億ユーロの制裁金(控訴中)。別件(Article 6(4)調査)で違反認定なら全世界売上高の最大10%の制裁金が科されうると会社は開示。米DOJ等の独占禁止法訴訟も係属中。出典:Form 10-K「Item 3. Legal Proceedings」/確認日2026-09-01/効くと:規制対応コストやApp Store等のビジネスモデル変更を迫られうる
情報技術システムの障害・サイバー攻撃・ランサムウェア等のリスクを開示。「対策を講じても完全な防御は提供できない」と明記。出典:Form 10-K「Item 1A. Risk Factors」(情報セキュリティリスク)/確認日2026-09-01/効くと:重大インシデント発生時は事業・評判双方に影響しうる

※ 各材料の件数は左右5件ずつで揃えています。上記は開示情報の要約であり、どちらが重要かの判断や将来予測は行っていません。

6️⃣ これから何を見れば分かるか

次のApple決算(2026年度第4四半期・通期、2026年7-9月期)は2026年10月29日ごろと見込まれています(当サイトearnings-calendar.jsonに基づく見込みで、2026-09-01時点で会社の正式発表日ではない点にご注意ください)。この記事で挙げた材料がその後どう推移したかは、次の開示で次のように確認できます。

いずれもSEC EDGARのApple提出書類一覧(10-K)および同(10-Q)から無料で確認できます。

7️⃣ まとめ

結論は出しません。この記事で確認した公開情報を踏まえ、次の決算・開示で見るべき指標はこの3つです。①iPhone・Servicesの増収率が2026年4-6月期の水準(それぞれ+22%・+12%)を維持できるか、②関税を含むマクロ環境の悪化が粗利率(2026年4-6月期は50.1%)に表れ始めるか、③EU DMA Article 6(4)調査の結論と制裁金の有無。どう評価するかは、読者ご自身の投資判断に委ねられます。

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