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⚠️ 当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録もしていません。本記事は信用取引の仕組みを解説する「情報提供」であり、信用取引の利用を推奨するものでも、特定の銘柄・手法の売買助言でもありません。信用取引はレバレッジを伴う高リスク取引です。投資判断はご自身の責任で行ってください。

💰 信用取引の基礎|制度信用・一般信用・逆日歩・追証の仕組みを図解

公開日:2026 年 8 月 15 日 / 読了時間:約 15 分 / カテゴリ:投資の基礎知識

株式投資を続けていると、「信用取引」という言葉を耳にする機会が増えてきます。手持ち資金の約3倍程度までの取引ができる、価格が下がっているときでも利益を狙える(空売り)——そんな特徴から、上級者向けのツールとして知られています。しかし仕組みを理解せずに使うと、追証(おいしょう)と呼ばれるマージンコールや強制決済に追い込まれるリスクがあります。

本記事では「信用取引とはそもそも何か」という基本から、制度信用と一般信用の違い、逆日歩(ぎゃくひぶ)が発生するメカニズム、追証が生まれる条件まで、段階的に図解で解説します。なお本記事は制度(仕組み)の解説を目的としており、信用取引の利用を勧めるものではありません。レバレッジが資産に与えるリスクの詳細については、レバレッジとナンピンの正体の記事もあわせてご参照ください。

📌 この記事の結論(3 行サマリ)

1️⃣ 信用取引とは──現物取引との根本的な違い

株式の「現物取引」は、手持ちの資金の範囲でしか株を買えない取引です。100万円しか持っていなければ、買える株は100万円分が上限です。

一方、信用取引は証券会社に「保証金」を預けることで、その何倍もの株を売買できる仕組みです。証券会社から資金や株式を借りて取引します。大きな特徴は2つあります。

信用取引は「リターンを増やす手段」である前に、「リスクも同じ比率で増える仕組み」です。また損失が預けた保証金を超えることもあります。仕組みを十分に理解してから検討することが基本です。

2️⃣ 委託保証金の仕組み──「30%で3.33倍」を図解

信用取引を始めるには、証券会社に委託保証金(いたくほしょうきん)を預ける必要があります。法律で定められた最低ラインは次の2つです(金融商品取引法に基づく規定)。

この「30%」から逆算すると、最大レバレッジは約3.33倍(= 1 ÷ 0.30)になります。

委託保証金30%で最大3.33倍の取引ができることを示す概念図 現物取引 100万円の株を買うには 自己資金 100万円 ↕ 取引額 100万円 レバレッジ = 1倍 信用取引(委託保証金率30%) 100万円の株を買うのに必要な保証金は… 建玉(取引額)100万円 保証金 30万円 (30%) 証券会社からの 借入 70万円 (70%) 30万円の保証金で100万円を取引 レバレッジ ≈ 3.33倍 ※ 最低保証金額は30万円(法定)。株価や口座状況により条件は異なります。
▲ 現物取引では100万円の株に100万円が必要(左)。信用取引なら30万円の保証金で100万円分を取引できる(右)。ただし利益・損失ともに約3.33倍の規模になる。建玉が思い通りに動かなければ、預けた保証金をすべて失う以上の損失が生じることもある。※ 概念を示すイメージ図です。
💡 保証金率は証券会社が高く設定できる:30%は法定の「最低ライン」です。各証券会社は独自に30%を超える保証金率を設定することがあります。また、株価急落時や特定の銘柄では、取引所や証券会社が臨時に保証金率を引き上げることもあります(委託保証金率の変更)。

なお上の図は「自己資金と借りた分の比率」を直感的に示したイメージです。実際の信用買いでは買付代金そのものを証券会社から融資してもらい、委託保証金はその担保として差し入れる位置づけになります(現金のほか代用有価証券も利用できます)。

3️⃣ 空売り(カラ売り)──価格下落時に利益を狙う仕組み

信用取引で特徴的なのが、「売りから入れる」仕組みです。現物取引では「まず株を買い、後で売る」という順番しかありませんが、信用取引では「先に株を売り、後で買い戻す」という逆の順番が可能です。これを空売り(カラ売り・信用売り)と呼びます。

空売りの流れ

  1. 証券会社を通じて株を借り、市場で売却する(新規の「売り」建玉を立てる)。
  2. その後、株価が下落した時点で株を買い戻す(「返済」)。
  3. 売却価格と買い戻し価格の差額が利益になる。

例えば、A社株を1,000円で空売りし、後に800円で買い戻せば、200円の利益です。反対に株価が1,200円に上昇した場合は200円の損失になります。空売りでは理論上、損失に上限がありません(株価が上がり続ける限り損失が拡大するため)。これが空売りのリスクの非対称性です。

4️⃣ 制度信用と一般信用──何がどう違うのか

日本の信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があります。どちらも「保証金を預けて取引する」という基本は同じですが、ルールが大きく異なります。

項目 制度信用取引 一般信用取引
ルールの根拠 証券取引所が定める 証券会社と投資家の契約
返済期限 6ヵ月(固定) 無期限(多くのネット証券)または証券会社が設定
逆日歩 あり(予測不能) なし
株の調達先 日本証券金融(日証金)経由 証券会社が直接調達
貸株料(金利) 標準的(低め) やや高め(逆日歩リスクの代わり)
対象銘柄(売り) 取引所指定の「貸借銘柄」のみ 証券会社次第(幅広い)

表に出てくる用語を補足すると、貸株料(かしかぶりょう)は空売りのために株を借りる対価として支払う費用(金利にあたるもの)、貸借銘柄(たいしゃくめいがら)は取引所が「制度信用で空売りしてよい」と指定した銘柄のことです。制度信用で空売りできるのはこの貸借銘柄に限られます。

大まかにまとめると、制度信用はルールが統一されている代わりに「逆日歩」という不確定コストが生じる可能性があります。一般信用は逆日歩がない代わりに貸株料がやや高めです。どちらを選ぶかは、取引期間の長さや空売りの意図によって変わります。

5️⃣ 逆日歩のメカニズム──制度信用で空売りする際の隠れたリスク

逆日歩(ぎゃくひぶ)は、制度信用取引で空売りをする場合にのみ発生するコストです。「想定外に大きな費用になることがある」ために、特に注意が必要です。

逆日歩が発生するメカニズムのフロー図 投資家が 空売りを注文 証券会社が 日証金から 株を借りる 日証金の株が 不足(貸株超過) 外部から 株を調達 (品貸入札) 逆日歩(品貸料)が決定 → 翌営業日に空売り保有者が負担 ⚠️ 逆日歩は入札によって毎日変動し、事前に金額は分からない ⚠️ 週末・連休をまたぐと日数分まとめて課される(3日分・4日分など) 出典参考:日本証券金融株式会社(日証金)品貸入札の仕組み
▲ 制度信用の空売りでは証券会社が日証金を通じて株を借りる。人気の空売り銘柄では日証金の在庫が不足し「品貸入札(しながしにゅうさつ)」が行われる。この入札で決まる「品貸料」が逆日歩として空売りしていた全投資家に徴収される。金額は翌営業日まで分からず、予算外のコストになることがある。※ 概念を示すイメージ図です。

逆日歩の特徴と注意点

📉 逆日歩の落とし穴:「ちょっと空売りして少し下がったら決済」と思っていたのに、逆日歩が膨らんで値下がり益を上回る費用になった——というケースがあります。特に人気の空売り対象銘柄ほど逆日歩が発生しやすい傾向があるため、注意が必要です。

6️⃣ 追証(マージンコール)──維持率20%割れで何が起きるか

信用取引で建玉(ポジション)を保有中に株価が不利な方向へ動くと、預けた保証金の価値が下がります。これが一定の水準を下回ると追証(おいしょう・マージンコール)が発生します。

ここで基準になるのが委託保証金維持率(維持保証金率)= 実質的な保証金の額 ÷ 建玉の金額です。含み損が膨らむほど分子が小さくなり、維持率は下がっていきます。一般に維持率20%が追証の下限ラインとされますが、この20%は最低水準であり、証券会社によっては25%など、より高い維持率を独自に設定していることがあります。実際の基準は利用する証券会社の規定をご確認ください。

追証が発生するメカニズム──維持保証金率の変化を示す概念図 ① エントリー時(維持率 30%) 建玉 100万円 保証金 30万 借入 70万円 維持率 = 30万÷100万 = 30%(安全) 株価が11%下落 ② 追証発生(維持率 < 20%) 建玉 100万円(含み損11万円) 実質 保証金 19万 借入 70万円 含み損 ▲11万 維持率 = 19万÷100万 = 19% → 20%割れ = 追証発生!
▲ 保証金30万円で建玉100万円を保有(維持率30%)。株価が約11%下落すると含み損が11万円になり、実質保証金は19万円に。維持率が19%となり20%を割り込んで追証が発生。対処しない場合は強制決済になる。※ 概念を示すイメージ図です。

追証が発生したあとの流れ

  1. 証券会社から通知が来る(当日または翌営業日)。
  2. 設定された期限までに次のいずれかを行う:
    • 追加入金:現金や代用有価証券(保有株式などを一定の掛け目で評価し、担保として差し入れるもの)を追加で預けて維持率を20%以上に戻す。
    • 建玉の一部を決済:ポジションを減らして維持率を回復させる。
  3. 期限内に対処できなければ、証券会社による強制決済(強制ロスカット)が実行される。
📉 追証の怖い点:強制決済は多くの場合「翌営業日の寄り付き(始値)」で行われます。相場が大きく動いている局面では、想定より大幅に不利な価格での決済になることがあります。さらに最悪の場合、強制決済後も損失が預けた保証金を超え、超過分を証券会社に支払う義務が残ります

7️⃣ 信用倍率・貸借倍率の読み方

信用取引で蓄積されるデータは、相場の需給を読む指標としても使われます。代表的なのが以下の2つです。

① 信用倍率(しんようばいりつ)

信用倍率 = 信用買い残 ÷ 信用売り残

市場全体または個別銘柄の「信用取引の買い残高」と「売り残高」の比率です。全証券会社の信用取引データを合計したものが対象です。

② 貸借倍率(たいしゃくばいりつ)

貸借倍率 = 融資残 ÷ 貸株残

こちらは日本証券金融(日証金)のデータのみが対象で、制度信用取引の中でも日証金を経由した部分に限られます。解釈の考え方は信用倍率と同様です。

💡 信用残データの活用:当サイトの信用残・信用倍率の読み方の記事では、信用買い残と売り残の具体的な見方を詳しく解説しています。本記事は「制度の仕組み」、信用残記事は「データの見方」として、あわせてご参照ください。

8️⃣ 当サイトでの活かし方

MarketWatch AI では、個別銘柄の売買を推奨するサービスは行っていませんが、テクニカル分析や需給情報として信用取引関連のデータを活用できる場面があります。

信用取引はレバレッジ商品です。「仕組みを理解している」ことと「実際に使いこなせる」ことは別問題です。追証・強制決済が資産に大きなダメージを与えることを常に念頭に置いてください。詳細なリスクの解説はレバレッジとナンピンの正体の記事をご覧ください。
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9️⃣ まとめ

信用取引の仕組みについて、ポイントを整理します。

信用取引は現物取引にはない「売りから入れる柔軟性」と「資金効率」を提供する一方で、追証・強制決済・逆日歩といったリスクが現物取引にはない形で存在します。利用を検討する前に、まず仕組みを十分に理解し、余裕のある資金計画を立てることが大切です。

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⚠️ 当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録もしていません。本記事は信用取引の仕組みを情報提供として解説したものであり、特定の銘柄・手法の売買推奨や投資助言ではありません。信用取引はレバレッジを伴う高リスク取引であり、投資元本を超える損失が生じる可能性があります。記載の数値(委託保証金率・維持保証金率等)は2026年8月時点の一般的な情報に基づきますが、法令改正・各社規定の変更により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて証券会社や専門家にご確認ください。

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