📊 PERとPBRとは?株の割安・割高を見分ける2大指標をやさしく図解
株が「割安か割高か」を測る代表的なモノサシが PER と PBR。ざっくり言うと——
=稼ぐ力に対して割安/割高か
=持っている財産に対して割安/割高か
どちらも「数字が低いほど割安」の目安。ただし「安いには理由がある」こともあり、低PER・低PBR=買い、とは限りません。
1. PER・PBRは「株の値札」を読むモノサシ
同じ「1,000円の株」でも、ある会社は割安で、別の会社は割高かもしれません。株価そのものの数字(1,000円か、5,000円か)だけでは、高い・安いは判断できないからです。そこで使うのが、会社の中身(利益や資産)に対して株価が高いか安いかを測る指標——それが PER と PBR です。
2. PER(株価収益率)の仕組み
PER(Price Earnings Ratio/株価収益率)は、株価が「1株あたりの利益」の何倍かを表します。会社の「稼ぐ力」に対して株価が割安か割高かを見る指標です。
もう一つの読み方が「何年で元が取れるか」。PERが15倍なら、その会社が今の利益を出し続けた場合、株価のもとを利益で回収するのに約15年かかる、というイメージです。だからPERは低いほど割安とされます。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,500円 | 1,500円 |
| 1株あたり利益(EPS) | 150円 | 50円 |
| PER | 10倍(1500÷150) | 30倍(1500÷50) |
| 評価の目安 | 🟢 利益のわりに割安 | 🟡 利益のわりに割高(期待先行) |
同じ株価1,500円でも、稼ぐ力(EPS)が違えば割安度は変わります。
3. PBR(株価純資産倍率)の仕組み
PBR(Price Book-value Ratio/株価純資産倍率)は、株価が「1株あたりの純資産」の何倍かを表します。会社が持っている「財産(純資産)」に対して株価が割安か割高かを見る指標です。
カギになるのが PBR=1倍 という水準です。PBR1倍は、「株価」と「1株あたりの純資産(=会社を解散したときに理論上残る価値)」がちょうど同じ状態を意味します。
「会社をたたんだ方が価値がある」状態
「資産以上に稼ぐ・成長する」と評価
4. PERとPBRの違い・使い分け
| 観点 | PER(株価収益率) | PBR(株価純資産倍率) |
|---|---|---|
| 何と比べる? | 利益(フロー=稼ぐ力) | 純資産(ストック=持っている財産) |
| 計算 | 株価 ÷ EPS | 株価 ÷ BPS |
| 低いと | 利益のわりに割安 | 資産のわりに割安 |
| 弱点 | 赤字だと使えない・利益はブレる | 稼ぐ力(収益性)は見えない |
| 相性 | 安定して黒字の会社 | 資産が多い会社(銀行・不動産など) |
5. ROEとの関係:PBR = PER × ROE
PERとPBRをつなぐのが ROE(自己資本利益率=純資産でどれだけ効率よく稼いだか) です。じつは3つの指標には、きれいな関係式があります。
この式が教えてくれるのは、「PBRが高い会社は、ROE(稼ぐ効率)が高いことが多い」ということ。つまりPBRが高い=必ずしも割高ではなく、稼ぐ力が強いから市場が高く評価している場合がある、ということです。逆にPBR1倍割れが放置されている会社は、ROEが低い(資産を活かせていない)ことが背景にあるケースが少なくありません。
6. 「割安の罠」バリュートラップに注意
PER・PBRが低い株は魅力的に見えますが、「安いには理由がある」ことを忘れてはいけません。安いまま何年も上がらない、むしろ下がっていく——こうした株は バリュートラップ(割安の罠) と呼ばれます。
需要が縮んでいく業界の会社は、利益も資産価値も先細り。今のPER・PBRが低くても、将来の利益が減れば「割安」は幻になります。
資産はあるのに利益を生み出せない会社は、PBRが低いまま放置されがち。株主還元や事業改革が進まないと、なかなか見直されません。
たまたま今期だけ利益が大きいと、PERが一時的に低く見えます(景気の山=循環株に多い)。ピーク利益で計算した低PERは、来期には消えることも。
7. 個人投資家の使い方チェックリスト
- 同じ業種で比べる:業種で水準が全く違う。他業種との単純比較は避ける。
- 単独で判断しない:PER・PBR・ROEはセット。1つの数字で買い・売りを決めない。
- 「なぜ安い/高い」を考える:低いには低い理由、高いには高い理由がある。
- 利益の"質"を見る:一時的な利益か、続く利益か。赤字や特別利益に注意。
- 過去の自分のレンジと比べる:その会社の過去のPER・PBRの範囲と比べると違和感に気づける。
8. まとめ
- PER=株価が「利益」の何倍か(稼ぐ力に対する割安/割高)。低いほど割安、目安は業種で違う。
- PBR=株価が「純資産」の何倍か(財産に対する割安/割高)。1倍割れ=株価<解散価値。
- PBR=PER×ROE。PBRが高い会社はROE(稼ぐ効率)が高いことが多い。
- 低PER・低PBR=買い、ではない。「安いには理由がある」バリュートラップに注意。
- 指標はセットで・同業で・"なぜ"を考えて使う。最後は自分で判断。