⚠️ 本記事は情報提供のみを目的とし、特定の金融商品・売買の推奨ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。過去の検証結果は将来の成果を保証しません。
🧪 AIシグナル研究日誌 #079
2026年8月25日 | 基準日: 2026-08-25

日足逆張り買いは損益分岐を超えるか
── bb_lower_touch / rsi_oversold_bounce × 1D足 正式検証

仮説: 1D足の逆張り買いシグナルは損益分岐43%を有意に超過するか

⏱ 30秒でわかる

日足(1D)の逆張り買いシグナル(bb_lower_touch / rsi_oversold_bounce)35件を検証。 全件の勝率は71.4%(95%CI下限 54.9%)で、95%CI下限ベースでは損益分岐43%を上回る結果となった。 IS期間(72.0%)・前向き期間(70.0%)の両期間でも同方向の高勝率が維持されている。 ただし事前宣言 H2(両期間とも閾値以上)は前向き期間がわずかに届かず未達(詳細は §10)。 またN=35は小サンプルであり、 金属グループ(42.9%・N=7)が全体を引き下げるアウトライヤーとなっている点に留意が必要。 前向き検証は引き続き蓄積中(FWD N=10)。 さらに、同じ条件を当サイトの20年の日足リプレイで測ると期待値はマイナスで、本文の結果と食い違う(§7-5)。

1. 背景と事前宣言

これまでの研究で、RSI売られすぎ逆張り買いの前向き勝率は 1H足で47.0%(#069・FWD N=115)、4H足で67.8%(#074・FWD N=59)と確認されてきた。 時間足が長くなるほど勝率が高まる傾向があるとすれば、日足(1D)ではさらに改善する可能性がある。 本研究ではこの仮説を正式に検証する。

対象シグナル定義

reversal_long(逆張り買い): 方向がロング(買い)かつ primary_signal が bb_lower_touch または rsi_oversold_bounce のいずれかに該当するシグナル。 検証対象は標準18銘柄に加え、拡張ユニバース(^SOX 等)の完了済みシグナルも含む(verify.py準拠)。

SL = ATR×1.5、TP1 = ATR×2.0(R=+1.33)、TP2 = ATR×3.0(R=+2.0)。損益分岐は43%。

📋 事前宣言(verify.py準拠)
  • H1: 全件(tf=1d × reversal_long)の95%CI下限 > 43% かつ N≥20
  • H2: IS(〜2026-07-15)と FWD(2026-07-15〜)の両勝率が72%以上で整合
  • H3: bb_lower_touch 単体の95%CI下限 > 43%

2. メイン結果 ── tf=1d × reversal_long 全件

区分Nk(勝)勝率 95%CI平均RRCI(95%)
1d × reversalL 全件 3525 71.4% [54.9%, 83.7%] +0.667R [+0.312, +1.021]
1d × Long 全般(対照) 12259 48.4% [39.7%, 57.1%] +0.128R [−0.082, +0.338]
✅ H1 クリア:CI下限 54.9% > 43%、N=35 ≥ 20。 対照群(1d Long全般 48.4%)との差は +23.0pp。 平均R の RCI 下限は +0.312 でプラス圏に収まっている。
時間足別 前向き(FWD)勝率の比較 #069 (1H) / #074 (4H) / #079 今回 (1D) ※ FWD N が異なるため直接比較は参考値 0% 25% 50% 75% 100% 43% 47.0% 1H 足 #069 N=115 67.8% 4H 足 #074 N=59 70.0% 1D 足 ★今回 #079 N=10

図1 ─ 時間足別の前向き(FWD)勝率。1H は #069 の 1H 単体(54/115)、4H は #074 の 4H 単体(40/59)。長い時間足ほど高勝率の傾向が見られるが、出典回も N も異なるため直接比較は参考程度。

3. シグナル別内訳 ── BB vs RSI

シグナルNk勝率95%CI平均RRCI(95%)
bb_lower_touch(BB下限タッチ) 2015 75.0% [53.1%, 88.8%] +0.750R [+0.296, +1.204]
rsi_oversold_bounce(RSI売られすぎ反発) 1510 66.7% [41.7%, 84.8%] +0.556R [−0.021, +1.132]

BB下限タッチ(75.0%・RCI全域プラス)が RSI売られすぎ(66.7%・RCI下限がわずかにマイナス)を上回っている。 ただし両者とも N が20件・15件と小サンプルのため、シグナル間の差(8.3pp)を確定的に評価するには 追加データの蓄積が必要。

✅ H3 クリア:bb_lower_touch の CI下限 53.1% > 43%。 RCI の下限も +0.296 でプラス圏に収まっている。
シグナル別勝率比較(1D足・逆張り買い) 0% 25% 50% 75% 100% 43% 75.0% bb_lower_touch N=20 66.7% rsi_oversold N=15

図2 ─ 1D足逆張り買いのシグナル別勝率。BB下限タッチが75.0%でリード。点推定はいずれも43%(赤破線)を上回るが、RSI 側は95%CI下限が41.7%で43%を下回る(N=15)。

4. IS / FWD 整合性(登録日 2026-07-15 基準)

区分Nk勝率95%CI平均RRCI(95%)
IS(fired_before 2026-07-15) 2518 72.0% [52.4%, 85.7%] +0.680R [+0.261, +1.099]
FWD(fired_from 2026-07-15) 107 70.0% [39.7%, 89.2%] +0.633R [−0.065, +1.332]
⚠️ H2 方向性整合・閾値未達
IS 72.0%・FWD 70.0% の両期間で概ね同方向の高勝率が観察された(方向性の整合は確認)。 ただし FWD 70.0% は事前宣言の「両期間72%以上」閾値に対して若干未達(−2.0pp)。 FWD N=10 は極小サンプルであり CI 幅が [39.7%, 89.2%] と非常に広い点も踏まえ、 H2 は「方向性整合・閾値条件付き」と評価する。蓄積継続が必要。

FWD 内訳

区分Nk勝率E(R)
FWD bb_lower_touch7457.1%+0.333R
FWD rsi_oversold_bounce33100.0%+1.333R
FWD index(指数)3266.7%+0.556R
FWD jpy_fx(円クロス)5480.0%+0.867R
FWD other_fx(ドルクロス)11100.0%+1.333R
FWD 拡張指数(^SOX)100.0%−1.000R
⚠️ FWD内訳の解釈注意
FWD rsi_oversold_bounce の100%(3/3)や other_fx の100%(1/1)は N が極小のため短期ノイズの可能性がある。 FWD 拡張指数(^SOX)の敗北も N=1 の参考値に過ぎない。いずれも確定的な判断には至らない。 なおグループ別の内訳は 3+5+1+1=10 で FWD 総数と一致する(金属は FWD 期間の発火が 0 件のため行が無い)。
IS / FWD 期間別勝率の整合性(1D 逆張り買い) 0% 25% 50% 75% 100% 43% 72.0% IS 期間 N=25(〜7/15) 70.0% FWD 期間 N=10(7/15〜)

図3 ─ IS期間(72.0%)と前向き期間(70.0%)の比較。方向性の一貫性は確認されるが、FWD N=10 は暫定値。

5. グループ別内訳

グループNk勝率95%CI平均R備考
指数(index)6583.3%[43.6%, 97.0%]+0.944R小サンプル
他FX(other_fx)6583.3%[43.6%, 97.0%]+0.944R小サンプル
円クロス(jpy_fx)8675.0%[40.9%, 92.9%]+0.750R
BTC(btc)3266.7%[20.8%, 93.9%]+0.556R極小サンプル
原油(oil)44100.0%[51.0%, 100.0%]+1.333R極小・N=4
金属(metal)7342.9%[15.8%, 75.0%]0.000R⚠️ 唯一の損益分岐付近
拡張指数(^SOX)100.0%[—]−1.000R拡張ユニバース・N=1

全グループ合計で N=6+6+8+3+4+7+1=35、k=5+5+6+2+4+3+0=25 となり全件の数値と一致する。 金属グループのみが勝率42.9%・平均R 0.0R と損益分岐付近にとどまり、 全体の「引き下げ要因」となっている。 金属(N=7)と拡張^SOX(N=1)を除いた5グループでは 22/27=81.5% と大幅に高くなる。 ただし指数・他FX・BTC・原油はいずれも N≤6 の極小サンプルであり、CI幅が非常に広い。

⚠️ 金属グループの留意点
金属(GC=F・SI=F)は過去の研究(#013・#039・#064)でも「ロング逆張りが構造的に弱い」と繰り返し確認されている資産クラス。 この研究#079でも同様の傾向が現れているが、N=7 では確定的な棄却はできない。 金属除外後の全体勝率が高い点は、今後の検証で優先的に確認すべき論点になりうる(探索的な観察のみ)。

6. 対照群との比較

比較軸1D × reversalL(今回)1D Long 全般(対照)
件数 N35122
勝率71.4%48.4%+23.0pp
95%CI 下限54.9%39.7%
平均R+0.667R+0.128R+0.539R

1D足全体の48.4%に対して、逆張り買いシグナルに絞ると71.4%と23.0ppの差がある。 これは「逆張りシグナル(bb_lower_touch / rsi_oversold_bounce)の絞り込みが 日足レベルでも有効である可能性を示唆している」と言えるが、 両者の N(35 vs 122)の違いにも注意が必要で、確定的な結論ではない。

7. 交絡点検と留意事項

7-1. 小サンプルの影響

N=35 は先行研究(#069: 全期間 N=312 / #074: 全期間 N=353=IS 133+FWD 220)と比較して大幅に少なく、 CI 幅が広い。特に FWD N=10 は暫定値に過ぎず、数件の結果変化でCI が大きく動く。 昇格基準(前向きN≥80)まではまだ遠く、引き続き蓄積が必要。

7-2. 金属が主なアウトライヤー

金属グループ(N=7、42.9%)のみが損益分岐付近にとどまっており、 ^SOX(拡張ユニバース・N=1)を除く他グループ(指数・他FX・円クロス・BTC・原油)は66%以上を示している。 これは過去研究(#013: 金属ロング20年BT→直近逆転)の知見と整合する。 ただし金属の7件はすべて IS 期間(〜2026-07-15)の発火で、FWD 期間の発火は 0 件。 したがって FWD 70.0% に金属はまったく寄与していない(IS 72.0% 側だけを引き下げている)。

7-3. シグナル間の差異

BB(75.0%)vs RSI(66.7%)の差は8.3pp。 ただし RSI 側の CI が [−0.021, +1.132] でゼロをわずかに含むため、 「RSI に有意なエッジがある」と断言できる段階ではなく、N 増加後の再検証が必要。

7-4. 時間足の比較解釈

1H(47.0%) → 4H(67.8%) → 1D(70.0%) の時間足勾配は興味深いが、 FWD の N が 115/59/10 と大きく異なるうえ出典回も #069/#074/今回とばらばらで、単純比較は困難。 日足の優位性を主張するには N=80 超の前向きデータが必要。

7-5. 20年の日足リプレイでは、同じ母集団がマイナス

本研究の対象(1D足の逆張り買い)を、当サイトの日足リプレイ (ライブと同じ発火ロジックを過去20年の日足に当てた検証データ・#013 と同じもの)で測り直すと、 結果は本文と逆を向く。

母集団N勝率平均R平均Rの95%CI
20年リプレイ 全期間4,54139.7% −0.055[−0.099, −0.011]
同 2026-01-01〜06-10(ライブ計測の直前12927.9% −0.339[−0.54, −0.14]
同 2026-06-11〜07-17(ライブ計測期間と重複)2152.4% +0.222[−0.39, +0.83]
本文のライブ計測 2026-06-11〜08-2535 71.4%+0.667[+0.32, +1.02]

20年を年別に割ると、平均Rが有意にプラスだったのは2017年の1年だけで、有意にマイナスは6年ある。 探索に一度も使っていない2021年以降(ホールドアウト期間)でも N=1,238 で −0.021[−0.11, +0.06]にとどまり、 本文のライブ計測の区間[+0.32, +1.02]とは重ならない

リプレイ側の不具合ではない。同じ期間(2026-06-11〜07-17)で突き合わせると、 全件が −0.025 対 −0.033、ロング全体が +0.018 対 +0.016 とほぼ一致する。 食い違いは逆張り買いの筋に限られている。

⚠️ この並びをどう読むか
本文の +0.667 は、ライブで計測を始めた日から都合よくプラスに転じている形になっている。 直前の同じ年の129件は −0.339 だった。 これは「エッジが本物で、たまたま最近から効き始めた」可能性と同じくらい、 観測期間の取り方による見かけ上のもの(観測窓の選択効果)である可能性を示す。 現時点で「日足の逆張り買いにエッジがある」と読むべきではなく、 判断を保留する材料が一つ増えたと読むのが妥当。 なお #013(20年で最良だった金属ロングが直近ライブで最悪)はこの逆向きの例で、 長期と直近が食い違うこと自体は当サイトで繰り返し観測されている。

8. 前向きトラッカー状況(2026-08-25更新)

📡 tf=1d×reversalL トラッカー現況(signal-lab-tracker.json 実測値)
  • 前向きN: 9件(登録日 2026-07-15 以降・標準ユニバースのみ)
  • 勝率: 7/9 = 77.8% 95%CI[45.3%, 93.7%]
  • 平均R: +0.815R RCI[+0.037, +1.592]
  • RCI下限 +0.037 > 0(ただし N=9 の暫定値であり、1件の増減で符号が変わりうる)
  • 昇格基準: 前向きN≥80 かつ RCI下限 >0 が2回連続 → まだ蓄積継続中
⚠️ §4 の FWD N=10 との差はユニバースの扱い
本文の検証は verify.py 準拠で拡張ユニバース(^SOX)を含むため FWD N=10・全期間 N=35。 一方トラッカーは標準ユニバースのみを数えるため FWD N=9・全期間 N=34。 差分の1件(^SOX・2026-07-28・bb_lower_touch)は loss のため k は 7 のまま変わらない。 母集団が1件違うだけで平均R の信頼区間の下限は符号をまたぐ(−0.065 ↔ +0.037)。 この規模では「RCI下限がプラスかどうか」は結論として扱えないという一例として記録しておく。

いずれにせよ FWD N=9〜10 という極小サンプルでは統計的な意味は限定的。 N=80 に向けてデータを積み重ね、次チェックポイントでの確認が必要。

9. 先行研究との位置づけ

研究回時間足対象FWD勝率FWD E(R)FWD N
#0691Hrsi_oversold(1H 単体)47.0%+0.095R115
#0744Hrsi_oversold 全体67.8%+0.580R59
#079 今回1Dreversal全体(BB+RSI)70.0%+0.633R10

FWD Nの違いが大きいため直接比較は慎重に行う必要があるが、 「時間足が長いほど逆張りシグナルの前向き勝率が高い傾向がある」という作業仮説と 矛盾しない結果が得られている。 ただし3行は研究回・観測期間・対象シグナルの範囲がいずれも異なり、 同一条件で時間足だけを振った比較ではない。確認された事実ではなく、 次に同一条件で検証すべき論点として扱う。

10. まとめと今後の方針

仮説条件結果判定
H1: 全件CI下限 > 43% ・ N≥20 CI下限54.9% > 43% / N=35≥20 ✅ クリア
H2: IS / FWD 両期間で72%以上 IS 72.0% ✅ / FWD 70.0% ⚠️(−2pp未達) ⚠️ 方向性整合・閾値未達
H3: bb_lower_touch CI下限 > 43% CI下限53.1% > 43% ✅ クリア

H1・H3 の2仮説がクリアされた。H2 は IS=72.0% と FWD=70.0% の両期間で同方向の高勝率が観察されたものの、 FWD が事前宣言の72%閾値をわずかに下回ったため「方向性整合・閾値未達」と評価する。 日足の逆張り買いシグナルが損益分岐43%を有意に超える可能性が示唆されるが、 N=35という小サンプルと、FWD N=10という極小の前向きデータ量を踏まえると、 現時点では「蓄積継続中」の評価が適切。 加えて §7-5 のとおり、同じ母集団を20年の日足リプレイで測ると期待値はマイナスで、 本文の結果は長期データの裏づけを持たない。 今後の方針として、前向きN=80 到達を目標にトラッカーでの観察を続ける。

📌 今後の確認ポイント
  • FWD N≥30(🏁 暫定確認)で CI下限の方向を確認
  • FWD N≥80 かつ RCI下限 >0 が2回連続で昇格基準充足
  • 金属グループ(N=7)の追加データで傾向が続くか確認
  • BB(75.0%) vs RSI(66.7%) の差が N 増加後も維持されるか

【免責事項】本記事はシグナル研究の記録を情報提供目的でまとめたものであり、特定の金融商品や売買の推奨・助言を行うものではありません。掲載している過去の検証結果や統計数値は、将来の損益や成果を保証するものではありません。投資にはリスクが伴い、元本が保証されるものではありません。実際の投資判断はご自身の判断と責任において行ってください。本記事の内容を利用・参照した結果生じたいかなる損失や損害についても、当サイトは一切の責任を負いません。