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🔬 数字で見る、話題の企業
⚠️ 本記事は公開情報(有価証券報告書・決算短信等の一次情報)に基づく情報提供であり、特定銘柄の売買推奨や投資助言ではありません。目標株価の提示や将来の業績・株価の予測は行っていません。投資には元本割れリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。

🔬 セブン&アイ・ホールディングス(3382)を数字で見る|コンビニエンスストア事業を中心とするグループを有価証券報告書と決算短信で確認

公開日:2026年10月25日 / 読了時間:約35分 / カテゴリ:数字で見る企業(第27回・日本株)

「数字で見る、話題の企業」シリーズ第27回は、有価証券報告書の「沿革」に「2005年 9月 当社設立。東京証券取引所市場第一部上場。」と書かれている持株会社、株式会社セブン&アイ・ホールディングス(証券コード3382、以下「セブン&アイ」)を取り上げます。有報の「事業の内容」は、グループを「流通業を中心とする企業グループ」とし、「主として国内コンビニエンスストア事業、海外コンビニエンスストア事業を行っております」と書いています。このシリーズの狙いは「この会社の将来性を、自分で見積もれる状態」を作ることで、上がるか下がるかの結論は書きません。①事業の中身 ②事業が使われるつながりの中での位置 ③歴史 ④直近の決算の数字 ⑤会社自身が挙げるリスク ⑥上がる材料・下がる材料を対で並べ、⑦次に何を見ればよいかを整理します。初めて出てくる言葉は、その場で説明します。

この記事が根拠にしている書類は2つで、数字の出どころを分けて書きます。①有価証券報告書(上場会社が決算期ごとに金融庁へ出す、事業や決算をくわしく書いた報告書。以下「有報」。第21期・2025年3月1日〜2026年2月28日。2026年5月20日提出)。②決算短信(上場会社が決算の内容を証券取引所に早く知らせる書類)の、2027年2月期 第2四半期(中間期)のもの(2026年3月1日〜8月31日。2026年10月8日公表)。決算短信は、決算短信自身に「公認会計士又は監査法人のレビューの対象外です」と書かれています。会計基準は日本基準(IFRS〈国際財務報告基準〉ではなく、日本の会計ルール)で、売上は「営業収益」、本業の利益は「営業利益」と呼びます。会社の2027年2月期の通期予想は、有報にも決算短信にも載っていますが、この記事は会社の予想の数字を扱わないので、数字は書きません。

📌 30秒でわかるこの記事
  • 2026年2月期(有報・連結・日本基準)の営業収益(売上のこと)は10兆4,302億円(前期比−12.9%)、営業利益は4,229億円(同+0.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,927億円(同+69.2%)でした。営業収益は、スーパーストア事業や銀行業の会社が期の途中で連結の範囲から外れた影響などで減りました(有報は、スーパーストア事業とその他の事業の変動の主な理由として、子会社の連結除外を挙げています)。純利益の増え方は営業利益と大きく違い、特別損益(通常の営業活動とは別に生じた利益や損失)が前期の−1,052億円(損失)から+571億円(利益)になったことも関わっています
  • 営業収益の構成(セグメント合計に対する割合・当サイト計算)は、海外コンビニエンスストア事業81.7%、国内コンビニエンスストア事業8.7%、スーパーストア事業6.6%など。営業利益は、国内コンビニエンスストア事業が2,225億円(前期比−4.7%)、海外コンビニエンスストア事業が2,222億円(同+2.8%)でした。2026年2月期には約6,000億円の自己株式の取得(会社が自社の株式を買い戻すこと)も行われました
  • 2026年10月8日の決算短信(2027年2月期の中間期・監査法人のレビューの対象外)では、営業収益5兆4,602億円(前年同期比−2.8%)、営業利益2,322億円(同+11.5%)、親会社株主に帰属する中間純利益1,244億円(同+2.2%)でした。前年同期はスーパーストア事業などを連結していた期間を含むため、連結の範囲が同じではありません。「上がる材料」「下がる材料」を各5件ずつ、出典付きで対に並べます。上がる・下がるの結論は書きません
💡 なぜセブン&アイか(選定根拠):本シリーズは日本株を中心にする方針で、直近3本(オリエンタルランド・IHI・ファーストリテイリング)はすべて日本株でした。当サイトが機械的に集計する候補データ(edinet-yuho.json の candidates[]=直近14日の日本株ランキング〈値上がり・値下がり・出来高急増〉に2回以上登場した銘柄、ランキング基準日2026-10-23時点)は、セブン&アイの登場を2026年10月14日(出来高急増)・10月20日(値上がり)の2回と数えています。最後に登場した日(10月20日)から中3営業日以上あいていること(「熱が残っているうちは書かない」ルール。同データの cooled: true)、有報の本文が取得できていること、直近3本がすべて日本株であることを確かめたうえで、候補の中の1社として選びました。ランキングに登場した理由(なぜ値上がりや出来高の増加があったか)は、一次情報で確かめられないため書きません。

当サイトの解説記事に、この会社が主役の記事はありません。2026年5月15日公開の円キャリートレードの解説記事の表に、他の会社の名前と並んで社名が1回出ますが、主役ではありません(この記事は、その表の内容を引用・参照していません)。直近14日のニュース記事に、この会社を扱ったものはありません。
数字の出どころと確認日(2026-10-25):①2026年2月期の数字と、会社のリスク・歴史の記述は、有価証券報告書 第21期(2025年3月1日〜2026年2月28日、2026年5月20日提出)(同じ書類のPDF:EDINET公式のダウンロード)から引いています。②2027年2月期の中間期の数字は、決算短信〔日本基準〕(連結)2027年2月期 第2四半期(中間期)(2026年10月8日公表)から、2026年10月の社債発行は「無担保社債発行に関するお知らせ」(2026年10月23日)から引いています。有報と決算短信は数字を混ぜずに、別の表で書き分けています。会計基準は日本基準です。

TDnet(東京証券取引所の適時開示サイト。適時開示=上場会社が、株価に影響しうる情報を証券取引所を通じてすぐに公表する仕組み)は、当サイトが一覧を閲覧できた2026年9月16日〜10月25日(40日分・87ページ・5,671件)を、社名ではなく証券コード33820で全ページ検索しました(9月15日以前の一覧は閲覧できませんでした)。セブン&アイ自身の開示は4件でした。2026年10月8日15時30分の「2027年2月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」、同日の決算補足資料と決算説明資料(この2つは存在を確認しただけで、内容は使っていません)、2026年10月23日12時30分の「無担保社債発行に関するお知らせ」です。配当や自己株式の取得についての単独のお知らせは、この期間の一覧にはありませんでした。会社のIRサイトは、当サイトの調査環境から接続を拒否されたため(迂回はしていません)、内容を取得していません。

億円の数字は、百万円単位の表の億円未満を切り捨てたもの(会社の文章中の億円表示と同じ方法)で、「当サイト計算」と書いた増減率や構成比は、その数字から当サイトが計算して四捨五入したものです。株式分割:有報の経営指標等の注に、2024年3月1日付で普通株式1株を3株に分割した旨が書かれており、1株当たりの数字は第17期の期首に分割が行われたものとして計算されています。2025年3月以降、有報でも決算短信でも株式分割の記載はありません(発行済株式総数の変動は自己株式の消却によるものです)。有報の「重要な後発事象」には、2026年4月9日の取締役会で事業セグメントの変更を決議した旨だけが書かれています(個別財務諸表では「該当事項はありません」)。有報の提出後(2026年5月20日以降)の出来事は、決算短信に書かれた範囲だけを使っています。会社が文章に書いている言葉は、会社の書き方のまま引いています。成長の見通し・景気・為替・燃料需要などについて会社が書いている部分は、会社の認識として引用するだけで、この記事の見方ではありません。出資先・売却や出資の相手・提携先・商品メーカーなどの名前は、この記事では一般名に置き換えています(出典には書かれています)。

1️⃣ セブン&アイはどんな会社か

有報の「事業の内容」によると、セブン&アイは純粋持株会社(自分では事業をせず、グループの会社の株式を持って全体を統括する会社)で、当社を含む154社でグループを構成しています(2026年2月28日現在)。会社の2026年2月期の区分(報告セグメント)は「国内コンビニエンスストア事業」「海外コンビニエンスストア事業」「スーパーストア事業」「金融関連事業」「その他の事業」の5つです。連結の従業員数は35,967人で、前期末の62,012人から減っています(有報は、減少の理由として、米国の事業会社の直営店の店舗数の減少や、スーパーストア事業・銀行業の会社が連結の範囲から除外されたことなどを挙げています)。有報の「大株主の状況」(2026年2月28日現在)では、上位10名の所有株式数の割合の合計が45.43%と書かれています(上位には、信託業務として株式を持つ信託銀行の信託口が含まれると有報の注にあります。株式の需給や値動きについての見方ではありません)。

会社は有報の「経営方針」で、「2025年9月からコンビニエンスストア(CVS)事業に特化した新たな体制となり、それに先立ち、同年8月に「7-Elevenの変革」と題した計画…を発表しました」と書き、2030年に目指すグループ像を「セブン‐イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する、「食」を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」としています(会社の方針の紹介で、この記事の見方ではありません)(出典:有価証券報告書 第21期「事業の内容」「従業員の状況」「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「大株主の状況」、2026-10-25確認)。

💡 用語メモ:営業収益は、連結損益計算書では「売上高」と「営業収入」を足したものです(営業収入には、加盟店からの収入が含まれます)。営業利益は、本業の利益(営業総利益から販売費及び一般管理費を引いた利益)です。経常利益は、営業利益に受取利息・支払利息などの営業外の損益を加減した利益です。特別利益・特別損失は、通常の営業活動とは別に生じた利益や損失(固定資産の売却益や、減損損失など)です。連結は、グループ全体を1つの会社とみなした数字、持分法適用会社は、出資先の損益を持ち分に応じて自社の連結の数字に取り込む会社です。連結の範囲から除外は、それまで連結に含めていた子会社を、含めなくなることです。チェーン全店売上は、直営店と加盟店(独立した事業体)の売上を合計したもの、既存店売上は、前の年からある店舗の売上です。のれんは、会社を買収したときに、買収価格が相手の純資産を上回った部分を資産に計上したもの、減損損失は、店舗などの資産の収益性が落ちたとき、帳簿の価値を切り下げて費用にしたものです。

2026年2月期の、セグメント別の営業収益と営業利益は次のとおりです(有報・連結・日本基準。2026年2月期は2025年3月1日〜2026年2月28日)。構成比と、営業収益の前期比は、当サイトが百万円単位の数字から計算しました。

事業(報告セグメント)内容・動き(有報の記載)営業収益構成比前期比営業利益(2026年2月期)前期前期比
国内コンビニエンスストア事業国内のコンビニエンスストア事業。有報は「出来立て商品の「セブンカフェ ベーカリー」や「セブンカフェ ティー」の全国展開を図りました」と書いています9,145億円8.7%+1.2%2,225億円2,335億円−4.7%
海外コンビニエンスストア事業米国・豪州・中国などのコンビニエンスストア事業。ガソリンの販売を含みます(有報の売上表)8兆5,568億円81.7%−6.7%2,222億円2,162億円+2.8%
スーパーストア事業2025年9月1日付で、この事業の子会社(持株会社の傘下)が連結の範囲から除外されました(それまでの業績は連結に含まれます)6,894億円6.6%−51.9%175億円104億円+68.2%
金融関連事業2025年6月24日付で、銀行業の子会社とその子会社9社が連結の範囲から除外されました(それまでの業績は連結に含まれます)1,371億円1.3%−35.3%209億円320億円−34.5%
その他の事業同じ持株会社の傘下にあった子会社のうち、この区分に入っていたものも、2025年9月1日付で連結の範囲から除外されました1,797億円1.7%−44.0%69億円57億円+20.8%
セブン&アイ・ホールディングスの2026年2月期の事業別の営業収益の構成(連結)と、事業ごとの営業利益(前期との比較) 上:事業別の営業収益の構成(連結・2026年2月期・単位:億円・構成比は当サイトの計算) 国内コンビニ事業 9,145(8.7%) 海外コンビニ事業 85,568(81.7%) スーパーストア事業 6,894(6.6%) 金融関連事業 1,371(1.3%) その他の事業 1,797(1.7%) 構成比は、セグメント合計(調整額を引く前)10兆4,778億円に対する割合です。 連結の営業収益は10兆4,302億円。構成比は四捨五入のため、合計が100%にならないことがあります。 下:事業ごとの営業利益(単位:億円・濃い色が2026年2月期、薄い色が前期) 国内コンビニ事業 2,225 2,335 海外コンビニ事業 2,222 2,162 スーパーストア事業 175 104 金融関連事業 209 320 その他の事業 69 57 営業利益は、会社の連結損益計算書の営業利益と同じ定義のセグメント利益です。億円未満は切り捨て。 上と下は別の切り口で、棒の長さの目盛りも違います。全社の調整額(−672億円)は載せていません。
▲ 有価証券報告書 第21期「経営者による分析」(百万円または億円表示、億円未満切り捨て、2026-10-25確認)。構成比は、セグメント合計に対する割合を当サイトが計算したもの(四捨五入)。※概念を示すイメージ図です。

2つのコンビニエンスストア事業の営業収益は、セグメント合計の90.4%、営業利益は90.7%(セグメント合計の営業利益4,902億円に対する割合。いずれも当サイト計算)にあたります。有報には、チェーン全店売上も書かれています。国内コンビニエンスストア事業は5兆4,693億円(前期比+1.9%)、米国の事業会社は9兆7,254億円(同−7.3%)で、米国の事業会社の全店売上のうち、ガソリンが5兆7,303億円(構成比58.9%・前期比−10.2%)、商品が3兆9,950億円(同41.1%・前期比−2.9%)でした。同じ書類に、グループ全体で加盟店の売上を含めた「グループ売上」が16兆9,920億円(前期比−7.9%)とあります(出典:有価証券報告書 第21期「経営成績等の概況」「主要な子会社の売上状況」、2026-10-25確認)。

会社は2026年4月9日の取締役会で事業セグメントの変更を決議し、2027年2月期から「国内コンビニエンスストア事業」「海外コンビニエンスストア事業」「その他の事業」の3区分になりました(スーパーストア事業と金融関連事業は「その他の事業」に入ります)。この変更は有報の「重要な後発事象」にも書かれています。次の節以降の2026年2月期の数字は旧区分、2027年2月期の中間期の数字(決算短信)は新区分です。

2️⃣ 事業が使われるつながりの中のどこにいるか

次にどれが来る・上がる・下がるという話ではなく、セブン&アイの事業が、食品・飲料・燃料などが店舗を通じてお客様に届くまでの流れのどこに入っているかを地図にして示します。答え(次はどれか)は渡しません。地図だけを渡します。有報の記載から読み取れるセブン&アイは、商品の開発や店舗運営の指導、直営店の運営を自社グループで行い、商品の供給元や製造・配送では取引先の会社と組んでいる会社です。

セブン&アイ・ホールディングスが立っている工程の地図。食品・飲料などの製造会社と燃料の供給会社、製造・配送の取引先、グループの商品開発と加盟店への経営指導、直営店の運営と加盟店、お客様という商品の流れのうち、グループが自ら行う箇所を濃い枠で示す。外側の枠組みとして景気・個人消費、ガソリン需要、為替、人手不足があり、会社が有価証券報告書のリスクで挙げている 工程の地図(色の濃い枠=セブン&アイグループが自ら行っていると有報に書かれている箇所) 商品の流れ(一般的な工程を簡単にしたもの) 食品・飲料などの 製造会社と 燃料の供給会社 製造・配送の 取引先 (工場・物流事業者) [グループの事業] 商品開発・加盟店 への経営指導 [グループの事業] 直営店の運営 (加盟店は独立事業体) お客様 (個人など) 上の流れを支える、グループが自ら行っていると有報に書かれている仕事 [グループの事業]加盟店との契約と経営の指導(加盟店基本契約) 店舗・商品・販売の状況の助言、販売情報や仕入の援助など(有報「重要な契約等」の国内の例) 外側の枠組み:景気・個人消費、ガソリン需要、為替、人手不足 会社が有価証券報告書の「事業等のリスク」で挙げているもの つながりが弱まる条件:仕入ルートの寸断・配送の停滞・給油所併設店の来客減など 会社自身が有価証券報告書で挙げているもの(この記事の5節) ※矢印は「製品や取引が流れる方向」を示す事実の関係です。業績や株価が連動する方向を示すものではありません。 ※濃い枠は有報で確認できる箇所で、各箇所での売上や利益の大きさを示すものではありません。
▲ 事業が使われる流れの中でのセブン&アイグループの位置(概念図)。流れの並びは一般的なしくみを簡単にしたもので、有報の言葉ではありません。濃い枠の内容は、有報の「事業の内容」「重要な契約等」「経営者による分析」に出てくるものから選んだ例で、すべてではありません(2026-10-25確認)。白い枠は役割の一般名で、特定の会社を指すものではありません。※概念を示すイメージ図です。

この流れの中に立っている根拠は、会社自身の開示にあります。2つのコンビニエンスストア事業は、営業収益でセグメント合計の90.4%(当サイト計算。有報の表から)を占めます。

このつながりが変わる・弱まる条件も、会社自身が有報で挙げています。「サプライチェーンリスク」として、「気候変動などに伴う工場生産停止等により、仕入ルートの一部が寸断する可能性があります。また、物流における配送委託業者における燃料費高騰や人財不足により、サプライチェーンが寸断される可能性があります」と書いています。燃料については、「経営視点リスク」の1項目に「ガソリン需要の低下」があり、「各国の脱炭素政策の方向性に応じて、ガソリン車の販売規制やEV等への移行が進むことにより、将来的にガソリン販売から得られる収益が減少し、給油所が併設された店舗への来客数も減少する可能性があります」と書いています(出典:有価証券報告書 第21期「事業等のリスク」「重要な契約等」、2026-10-25確認。会社の認識であり、この記事の見方ではありません)。

産業のつながりがあることと、株価が連動することは別です。同じ工程にいる会社でも、業績も株価も会社ごとに大きく異なります。ここでお伝えしているのは産業構造の事実であって、値動きの予想ではありません。景気・個人消費・為替・燃料の需要や価格などの先行きについても、この記事は何も予想していません。投資の判断は、かならずご自身の責任で行ってください。

3️⃣ 歴史年表——事実で確認できる出来事

各行に、クリックして確かめられる出典を付けた事実の年表です。原因を決めつけたり物語にしたりはせず、確認できる出来事だけを並べています。この年表は、有価証券報告書と適時開示(決算短信など)だけで作っています(Wikipediaなどの二次情報は使っていません)。売却や出資の相手・提携先の社名は、この記事では一般名に置き換えています(出典には書かれています)。

年月出来事出典
2005年9月国内のコンビニエンスストア事業会社、総合スーパーの事業会社、外食の事業会社の3社が共同して株式移転により完全親会社となる持株会社(当社)を設立することを、2005年4月に取締役会で決議。2005年9月、当社設立。東京証券取引所市場第一部上場(3社の社名は出典に書かれています)有価証券報告書 第21期「沿革」(2026-10-25確認)
2005年11月米国のコンビニエンスストア会社の株式を、子会社を通じて公開買付けにより取得し、完全子会社とした(有報の沿革の書き方による)有価証券報告書 第21期「沿革」(2026-10-25確認)
2006年1月/6月ある会社の株式65.45%を取得し、その子会社である百貨店の会社ほか11社が当社の子会社となった(2006年1月)。同年6月、追加取得と株式交換を経て、その会社が完全子会社となった有価証券報告書 第21期「沿革」(2026-10-25確認)
2021年5月米国で、ある企業から、1社とその他20社の株式その他の持分を取得し、これらが連結子会社となった(海外コンビニエンスストア事業に区分)有価証券報告書 第21期「沿革」「事業の内容」(2026-10-25確認)
2022年4月東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場に移行有価証券報告書 第21期「沿革」(2026-10-25確認)
2023年9月百貨店事業の子会社の発行済株式の全部を譲渡し、同社及びその子会社を連結の範囲から除外有価証券報告書 第21期「沿革」(2026-10-25確認)
2024年3月2024年3月1日付で、普通株式1株を3株に株式分割有価証券報告書 第21期「主要な経営指標等の推移」の注(2026-10-25確認)
2025年3月6日取締役会で、食品スーパーマーケット事業及び専門店・その他事業に属する会社の管理機能等の権利義務を、投資ファンドが設立する買収目的会社の完全子会社に、吸収分割で承継させることを決議有価証券報告書 第21期「企業結合等関係」(2026-10-25確認)
2025年4月9日取締役会で、自己株式の取得(上限400,000,000株・6,000億円、取得期間2025年4月10日〜2026年2月28日)を決議有価証券報告書 第21期「自己株式の取得等の状況」(2026-10-25確認)
2025年6月24日銀行業の子会社の株式の一部を、その会社が公表した自己株式買付けに応じて譲渡。このときの当社グループの議決権比率は39.9%となり、同社とその子会社9社は連結の範囲から除外、同社は持分法適用会社となった有価証券報告書 第21期「企業結合等関係」「沿革」(2026-10-25確認)
2025年8月6日「7-Elevenの変革」と題した計画を公表(有報の「経営者による分析」の記載)有価証券報告書 第21期「経営方針」「経営者による分析」(2026-10-25確認)
2025年9月1日吸収分割の手続きが完了し、スーパーストア事業等に属する子会社が連結の範囲から除外。買収目的会社への再出資が完了し(出資比率35.07%)、同社は持分法適用会社となった有価証券報告書 第21期「企業結合等関係」「沿革」(2026-10-25確認)
2026年4月9日取締役会で事業セグメントの変更を決議(2027年2月期から新区分。有報の「重要な後発事象」にも記載)有価証券報告書 第21期「重要な後発事象」(2026-10-25確認)
2026年5月20日有価証券報告書(第21期)を提出有価証券報告書 第21期「表紙」(2026-10-25確認)
2026年7月15日自己株式284,297,500株を消却(2026年7月9日の取締役会決議に基づく)決算短信 2027年2月期 中間期「株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記」(2026-10-25確認)
2026年7月31日/8月3日取締役会で自己株式の取得を決議(7月31日)。8月3日に自己株式189,663,300株(399,999百万円)を取得。取得の一部にはファシリティ型自己株式取得(ASR)の方法が使われた決算短信 2027年2月期 中間期「追加情報」(2026-10-25確認)
2026年8月17日2026年7月31日の取締役会決議に基づき、株式会社3社を割当先とする第三者割当による自己株式144,927,534株の処分を実施決算短信 2027年2月期 中間期「株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記」(2026-10-25確認)
2026年10月8日2027年2月期 第2四半期(中間期)決算短信を公表。同日の取締役会で、国内無担保普通社債の発行(発行総額1,200億円以下)を包括決議したと「重要な後発事象」に記載決算短信 2027年2月期 中間期(2026-10-25確認)
2026年10月23日無担保社債の第20回・第21回・第22回(総額1,100億円)の発行を決定「無担保社債発行に関するお知らせ」(2026-10-25確認)

4️⃣ 直近の決算の数字(有報と決算短信)

【有報】2026年2月期(第21期・連結・日本基準)

まず、有報の連結の数字です。期間は2025年3月1日〜2026年2月28日、前期(第20期)は2024年3月1日〜2025年2月28日です。前期の数字は、有報に書かれた遡及適用後(会計ルールの変更をさかのぼって適用した後)の数字です。確認日は2026-10-25です。この表の主な数字は、有報に付く監査法人の監査報告書の対象となった連結財務諸表に基づきます(従業員数・ROEなどは監査の対象外の記載です)。

指標(連結・日本基準)2026年2月期2025年2月期増減
営業収益(売上高+営業収入)10兆4,302億円11兆9,727億円−12.9%
営業利益4,229億円4,209億円+0.5%
経常利益3,774億円3,745億円+0.8%
税金等調整前当期純利益4,345億円2,693億円+61.3%(当サイト計算)
親会社株主に帰属する当期純利益2,927億円1,730億円+69.2%
1株当たり当期純利益118.81円66.62円—
総資産(期末)9兆1,429億円11兆3,861億円−2兆2,431億円(当サイト計算)
純資産(期末)3兆6,481億円4兆2,232億円−5,750億円(当サイト計算)
自己資本比率(期末)39.6%35.4%+4.2ポイント(当サイト計算)
自己資本利益率(株主のお金に対する1年の利益の割合。ROE)7.6%4.5%—
営業活動によるキャッシュ・フロー6,667億円8,764億円−23.9%
投資活動によるキャッシュ・フロー−4,773億円−7,323億円—
財務活動によるキャッシュ・フロー−1兆1,098億円−3,926億円—
現金及び現金同等物(期末)4,261億円1兆3,498億円—
連結の従業員数(期末)35,967人62,012人—

出典:有価証券報告書 第21期「主要な経営指標等の推移」「経営者による分析」「連結財務諸表」(2026-05-20提出、2026-10-25確認)。億円は百万円単位の表の億円未満切り捨て。キャッシュ・フロー=お金の出入りで、営業活動は本業の稼ぎや運転資金、投資活動は設備や有価証券・子会社株式などへの投資や売却、財務活動は借入・返済・社債・配当・自己株式の取得などによるものです。

営業収益の前期との差は−1兆5,424億円です。セグメント別に見ると(調整額を除く・当サイト計算)、国内コンビニエンスストア事業が+104億円、海外コンビニエンスストア事業が−6,139億円、スーパーストア事業が−7,426億円、金融関連事業が−749億円、その他の事業が−1,411億円です。有報は、スーパーストア事業とその他の事業の変動の主な理由として、子会社が連結の範囲から除外されたことを挙げています。為替の影響については、「為替による影響は前年同期と比べ、グループ売上は1,466億円、営業収益は1,197億円、営業利益は31億円減少しております」と書かれています。

セグメントの動きについて、有報は次のように書いています(会社の説明の紹介で、各事業の先行きについてこの記事は何も予想していません)。

【有報】5期の推移

セブン&アイ・ホールディングスの連結営業収益と、親会社株主に帰属する当期純利益の推移。2022年2月期から2026年2月期まで、有価証券報告書の主要な経営指標等の数字(日本基準) 上:連結営業収益(日本基準・単位:億円・億円未満切り捨て) 87,497 118,113 114,717 119,727 104,302 下:親会社株主に帰属する当期純利益(日本基準・単位:億円・億円未満切り捨て) 2,107 2,809 2,246 1,730 2,927 第17期 2022年2月期 第18期 2023年2月期 第19期 2024年2月期 第20期 2025年2月期 第21期 2026年2月期 第17期は収益認識会計基準の適用前、第18期以降は適用後の数字です(有報の注)。各期で連結の範囲が違います。 第21期(2026年2月期)は、スーパーストア事業や銀行業の会社が期の途中で連結の範囲から外れています。 上と下は別の切り口で、棒の長さの目盛りも違います。
▲ 有価証券報告書 第21期「主要な経営指標等の推移」(連結・日本基準、億円未満切り捨て、2026-10-25確認)。※概念を示すイメージ図です。
期(連結・日本基準)営業収益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益1株当たり当期純利益自己資本比率自己資本利益率(ROE)株価収益率(有報の表・参考)
第17期(2022年2月期)8兆7,497億円3,585億円2,107億円79.56円34.1%7.5%23.4倍
第18期(2023年2月期)11兆8,113億円4,758億円2,809億円106.05円32.9%8.7%19.1倍
第19期(2024年2月期)11兆4,717億円5,070億円2,246億円84.88円35.1%6.2%26.3倍
第20期(2025年2月期)11兆9,727億円3,745億円1,730億円66.62円35.4%4.5%32.2倍
第21期(2026年2月期)10兆4,302億円3,774億円2,927億円118.81円39.6%7.6%18.5倍

出典:有価証券報告書 第21期「主要な経営指標等の推移」(2026-10-25確認)。1株当たり当期純利益は、2024年3月1日付の1株を3株にする株式分割が第17期の期首に行われたと仮定して計算された、分割後の基準の数字です。第17期は収益認識会計基準の適用前、第18期以降は適用後の数字です(有報の注)。株価収益率(PER)は、有報の表にある、年度末の株価と1株当たり当期純利益から計算された倍率で、確認日時点の株価で計算した倍率ではありません。倍率が高いか低いかの評価はしません。

【有報】本業以外の損益項目(上がる側にも下がる側にも)

2026年2月期の純利益の動きは、営業利益の動きと大きく違います。営業利益は+0.5%でしたが、親会社株主に帰属する当期純利益は+69.2%でした。その間に入る、営業外損益と特別損益(連結損益計算書)を、利益を増やす項目と減らす項目の両方で並べます。日本基準の有報には、国際会計基準のような「継続事業・非継続事業」の区分はありません。

項目(連結)2026年2月期2025年2月期内訳・会社の説明(有報)
営業外収益(合計)187億円257億円うち投資有価証券評価益は22億円(前期76億円)。受取利息は110億円(前期103億円)
営業外費用(合計)643億円721億円うち支払利息297億円(前期408億円)、社債利息197億円(前期205億円)、持分法による投資損失53億円(前期4億円)
営業外損益(純額)−455億円−464億円有報は、米国の事業会社の支払利息が減少したこと等によると書いています
特別利益(合計)1,429億円1,157億円うち固定資産売却益945億円(前期919億円。ほかに前期は事業構造改革に伴う固定資産売却益31億円)、スーパーストア事業持分変動益269億円(前期はなし)、投資有価証券売却益54億円(前期118億円)
特別損失(合計)857億円2,209億円うち減損損失328億円(前期982億円)、固定資産廃棄損225億円(前期231億円)、事業構造改革費用8億円(前期256億円)、関係会社事業関連損失(前期のみ464億円)
特別損益(純額)571億円−1,052億円有報は、子会社の非連結化等により特別利益を計上したこと等によると書いています
法人税等(税効果会計適用後)1,354億円863億円税効果会計適用後の負担率は31.2%と書かれています

出典:有価証券報告書 第21期「連結損益計算書」「経営者による分析」(2026-10-25確認)。内訳は主なものだけで、すべてではありません。固定資産売却益について、有報の注記には、米国の事業会社が2025年12月に実施したセール・リースバック(資産を売却して、そのまま借りて使い続ける取引)に伴う売却益が514億円(前期は2024年11月の実施で882億円)と書かれています。このほか、有報は、為替レートの違いによる円換算への影響(営業収益−1,197億円、営業利益−31億円)を書いています。提出会社(持株会社自身)の損益計算書には、特別損失として「買収提案対応費用」46億円と「スーパーストア事業組織再編費用」40億円があります(どちらも前期はなし)。この記事は、金額だけを有報から引いています(内容は有報の提出会社の損益計算書の表記のとおりで、この記事は意味づけをしていません)。

【有報】お金の出入り・自己株式・配当

【決算短信】2027年2月期 第2四半期(中間期)(連結・日本基準)

次に、2026年10月8日公表の決算短信(2027年2月期 第2四半期)の数字です。期間は2026年3月1日〜8月31日です。この数字は、決算短信自身に「公認会計士又は監査法人のレビューの対象外です」と書かれたもので、上の有報の数字とは出どころが違います。事業の区分は、2027年2月期からの新区分で、前年同期の事業別の数字は決算短信が新区分に組み替えて載せているものです。前年同期(2025年3月1日〜8月31日)にはスーパーストア事業と銀行業の子会社を連結していた期間が含まれるため、連結の範囲が同じではありません。決算短信は、その影響を調整した「実質ベース」の数字(会社の計算)も載せています。

指標(連結・日本基準)2027年2月期 中間期2026年2月期 中間期増減
営業収益5兆4,602億円5兆6,166億円−2.8%
営業利益2,322億円2,083億円+11.5%
経常利益2,219億円1,864億円+19.0%
親会社株主に帰属する中間純利益1,244億円1,218億円+2.2%
1株当たり中間純利益54.26円47.83円—
国内コンビニエンスストア事業(営業収益/営業利益)4,673億円/1,098億円4,625億円/1,217億円+1.0%/−9.8%
海外コンビニエンスストア事業(営業収益/営業利益)4兆9,666億円/1,504億円4兆2,211億円/801億円+17.7%/+87.7%
その他の事業(営業収益/営業利益)323億円/27億円9,455億円/414億円−96.6%/−93.4%
特別利益/特別損失63億円/541億円483億円/312億円うち減損損失は229億円(前年同期80億円)
営業活動によるキャッシュ・フロー3,370億円3,821億円−11.8%
総資産(期末)/自己資本比率9兆4,684億円/39.1%9兆1,429億円/39.6%(2026年2月末)—
為替レート(損益計算書・1米ドル)158.29円148.40円為替による影響は営業収益+3,110億円、営業利益+94億円(会社の記載)

出典:決算短信 2027年2月期 第2四半期(中間期)「経営成績等の概況」「中間連結財務諸表」(2026-10-08公表、2026-10-25確認)。増減は、「営業収益」から「営業利益」「経常利益」「親会社株主に帰属する中間純利益」までは会社の前年同期比、そのほかは当サイトが計算(四捨五入)。会社が示す「実質ベース」では、営業収益が4兆6,967億円→5兆4,602億円(実質ベース比+16.3%)、営業利益が1,700億円→2,322億円(同+36.6%)です。

決算短信の本文は、国内については「客単価が上昇し、既存店売上は前年同期を上回り、荒利率は前年同期並みとなりました。一方、店内調理設備や次世代店舗システムの導入の先行投資に加え物価上昇等により販管費が増加し」と書いています。米国の事業会社については「ドルベースの米国内既存店商品売上は前年同期を上回りました」「荒利率は前年同期から改善しました」と書き、第2四半期の3か月間は「客数は減少し、米国内既存店商品売上は前年同期をやや下回りました」と書いています。決算短信には、2027年2月期の連結業績予想と配当予想も載っていますが、この記事は会社の予想の数字を扱わないので、数字は書きません。

決算短信には、資本に関する出来事も書かれています。2026年7月15日の自己株式284,297,500株の消却、8月3日の自己株式189,663,300株(3,999億円)の取得、8月17日の第三者割当による自己株式144,927,534株の処分(キャッシュ・フロー計算書では、自己株式の売却による収入3,000億円、自己株式の取得による支出4,000億円)です。中間期末の発行済株式総数(自己株式を含む)は2,320,258,349株、自己株式は53,174,608株(役員向け株式報酬の信託が持つ株式を含む)で、2026年2月末の2,604,555,849株・292,876,123株から変わっています。取得の一部にはファシリティ型自己株式取得(ASR)が使われ、決算短信は「実質的な取得総額又は取得株式数は上記より変動する可能性があります」と書いています。2026年10月8日の取締役会で決議された国内無担保普通社債の発行(発行総額1,200億円以下)に基づき、10月23日には第20回〜第22回(総額1,100億円)の発行が決定されました(利率は年2.435%〜3.568%、償還期限は2029年10月29日〜2036年10月29日、資金使途は社債償還資金・借入金返済資金・運転資金)(出典:「無担保社債発行に関するお知らせ」、2026-10-25確認)。

5️⃣ 会社自身が挙げているリスク

以下は有報(第21期)の「事業等のリスク」から、会社自身が挙げているものの要旨です。書き手の推測ではなく会社の自己申告である点が、このシリーズで最も大事にしている情報です。有報は、リスクを「中長期視点リスク(経営視点リスク)」と「短期視点リスク」に分けて書いています。ここでは5つを紹介します。原文は有価証券報告書 第21期「事業等のリスク」でご確認ください。

出典:有価証券報告書 第21期「事業等のリスク」(2026-05-20提出、2026-10-25確認)。有報のリスクには、このほか、国内・海外コンビニエンスストア事業の成長戦略に関するリスク(出店計画、設備導入、物流の混乱、食品安全、情報セキュリティなど)、人事・労務(カスタマーハラスメントを含む)、競争法(取適法・優越的地位濫用規制)、知的財産、サイバーセキュリティ・システム・個人情報、食品の品質表示・衛生管理、サプライチェーン、地震・風水害などの災害、人権、環境(気候変動・自然資本)が並びます。これらは2026年5月時点の有報の記載です。

6️⃣ 上がる材料/下がる材料

ここがこの記事の主役です。会社の開示で確認できる事実だけを左右に対で並べます。どちらが重いかという重み付けはしません。

📈 上がる可能性がある材料
海外コンビニエンスストア事業の営業利益が増えた。2026年2月期は2,222億円(前期比+2.8%)で、会社は米国の事業会社の営業利益(のれん償却前)を3,323億円(同+0.8%)とし、「コスト適正化を継続して実施した」と書いている。2027年2月期の中間期は、海外コンビニエンスストア事業の営業利益が1,504億円(前年同期比+87.7%)で、米国の事業会社は荒利率が前年同期から改善したと書かれている(ただし中間期は、1米ドル=148.40円から158.29円への為替の違いで、グループの営業利益が94億円増えたとも書かれている)。出典:有報 第21期「経営者による分析」、決算短信 2027年2月期 中間期(2026-10-08公表・レビュー対象外)/確認日2026-10-25/効くと:セグメントの営業利益の45.3%(当サイト計算)を占める事業の動きが、グループ全体の営業利益に響く
財務体質や利益率を示す数字が改善した。自己資本比率は35.4%から39.6%、自己資本利益率(ROE)は4.5%から7.6%、1株当たり当期純利益は66.62円から118.81円になった。中間期末の自己資本比率は39.1%と書かれている。出典:有報 第21期「主要な経営指標等の推移」、決算短信 2027年2月期 中間期/確認日2026-10-25/効くと:株主のお金の割合や、株主のお金に対する利益の割合に関わる(1株当たり当期純利益の増加には、特別損益の差も関わっている。下がる材料の3つ目を参照)
自己株式の取得と消却が進んだ。2025年4月9日の決議(上限6,000億円)に基づき、2026年2月期に284,297,500株(約6,000億円)を取得し、2026年7月15日に同数の284,297,500株を消却した。2026年8月3日にも189,663,300株(3,999億円)を取得した。中間期末の発行済株式総数は2,320,258,349株(2026年2月末は2,604,555,849株)。ただし2026年8月17日には、自己株式144,927,534株を第三者割当で処分している(割当先は株式会社3社)。出典:有報 第21期「自己株式の取得等の状況」、決算短信 2027年2月期 中間期/確認日2026-10-25/効くと:発行済株式の数が減る方向に動き、1株当たりの数字の計算に関わる(取得にはお金が出ていく面もある。下がる材料の4つ目を参照)
配当の金額が増えている。有報は「累進配当」を導入していると書く。提出会社の1株当たり配当額は、2025年2月期の40円から2026年2月期の50円(中間25円・期末25円)になった。決算短信の配当の状況では、2027年2月期の第2四半期末の配当は1株30円(前年の中間配当は25円)、配当支払開始予定日は2026年11月13日と書かれている。出典:有報 第21期「主要な経営指標等の推移」「配当政策」、決算短信 2027年2月期 中間期「配当の状況」/確認日2026-10-25/効くと:1株当たりで受け取る配当の金額に関わる(配当は会社の決議で決まり、将来も同じとは限らない。期末配当の決議の結果は確認していない)
国内コンビニエンスストア事業で、既存店売上が前年を上回った。有報は2026年2月期について「既存店売上が前年同期を上回った」と書き、チェーン全店売上は5兆4,693億円(前期比+1.9%)。決算短信は2027年2月期の中間期について「客単価が上昇し、既存店売上は前年同期を上回り」と書き、チェーン全店売上は2兆8,103億円(同+1.6%)。出典:有報 第21期「経営者による分析」、決算短信 2027年2月期 中間期/確認日2026-10-25/効くと:国内の売上の規模に響く(営業利益については、下がる材料の1つ目を参照)
📉 下がる可能性がある材料
国内コンビニエンスストア事業の営業利益が減った。2026年2月期は2,225億円(前期比−4.7%)で、有報は「米等の原材料価格の高騰により荒利率が前年同期を下回りました」「物価上昇等の影響により販管費は前年同期を上回り」と書いている。2027年2月期の中間期は1,098億円(前年同期比−9.8%)で、決算短信は「店内調理設備や次世代店舗システムの導入の先行投資に加え物価上昇等により販管費が増加し」と書いている。出典:有報 第21期「経営者による分析」、決算短信 2027年2月期 中間期/確認日2026-10-25/効くと:セグメントの営業利益の45.4%(当サイト計算)を占める事業の利益に響く
営業収益が減り、米国の事業会社の売上にも弱い面がある。連結の営業収益は−12.9%、海外コンビニエンスストア事業は−6.7%。米国の事業会社のチェーン全店売上は9兆7,254億円(前期比−7.3%)で、うちガソリンは−10.2%、商品は−2.9%。会社は「ドルベースの米国内既存店商品売上は前年を下回った」と書き、第4四半期は「10月及び11月の政府閉鎖影響等による客数減少の影響をカバーできず」と書いている。中間期の第2四半期の3か月間も、客数の減少で既存店商品売上は前年同期をやや下回ったと書かれている。出典:有報 第21期「経営者による分析」「主要な子会社の売上状況」、決算短信 2027年2月期 中間期/確認日2026-10-25/効くと:売上の規模と、利益の土台に響く
純利益の増加の中身に、本業以外の項目が大きく関わっている。2026年2月期の営業利益は+0.5%だったが、親会社株主に帰属する当期純利益は+69.2%で、特別損益は−1,052億円から+571億円になった。特別利益には固定資産売却益945億円(うち米国の事業会社のセール・リースバックに伴うもの514億円)とスーパーストア事業持分変動益269億円が含まれる。中間期は、特別利益が63億円(前年同期483億円)、減損損失が229億円(同80億円)で、中間純利益は+2.2%。出典:有報 第21期「連結損益計算書」「連結損益計算書関係」、決算短信 2027年2月期 中間期/確認日2026-10-25/効くと:本業以外の項目の増減が、純利益や1株当たり当期純利益の前年比を大きく動かす(項目の中身は期ごとに違う)
お金の出入りと、借入・社債の規模。営業活動によるキャッシュ・フローは6,667億円(前期比−23.9%)で、財務活動は1兆1,098億円の支出(自己株式の取得6,000億円、長期借入金の返済2,717億円、社債の償還2,100億円など)。現金及び現金同等物は1兆3,498億円から4,261億円になり、有利子負債(リース債務を含む)は2兆2,744億円。2026年10月23日には、無担保社債の第20回〜第22回(総額1,100億円、利率年2.435%〜3.568%)の発行が決定された。出典:有報 第21期「経営者による分析」、決算短信 2027年2月期 中間期、「無担保社債発行に関するお知らせ」(2026-10-23)/確認日2026-10-25/効くと:借入や社債の利払い(2026年2月期の支払利息と社債利息の合計は494億円・当サイト計算)に関わる
のれんが大きく、減損損失が出ている。のれんは2兆1,098億円で総資産の23.1%(当サイト計算)。減損損失は2026年2月期が328億円(前期982億円)、2027年2月期の中間期が229億円(前年同期80億円)。有報は「固定資産の減損に関するリスク」を挙げ、「減損処理が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります」と書いている。出典:有報 第21期「連結貸借対照表」「連結損益計算書」「事業等のリスク」、決算短信 2027年2月期 中間期/確認日2026-10-25/効くと:減損損失は特別損失になり、計上された期の純利益を減らす方向に働く

以上が、いま公開情報から拾える材料です。どれが重いか、どう見るかはご自身で。この記事は上がる・下がるの結論を出していません。投資の判断は、かならずご自身の責任で行ってください。

7️⃣ これから何を見れば分かるか

決算短信(2027年2月期の中間期)には、半期報告書の提出予定日が2026年10月14日、配当支払開始予定日が2026年11月13日と書かれています(どちらも予定で、この記事は半期報告書の提出を確認していません)。次の決算(2027年2月期の第3四半期=2026年9〜11月)の発表日は、当サイトの決算予定データ earnings-calendar.json に載っておらず、一次情報でも確かめられていません。会社のIRサイト(投資家向けの情報を載せたページ)でご確認ください。決算短信には、2027年2月期の連結業績予想と配当予想が載っています。この記事は会社の予想の数字を扱わないので、数字は書きません。

有価証券報告書と半期報告書はEDINET(金融庁の開示システム)、適時開示はTDnetで、どちらも無料で見られます。決算短信と有価証券報告書の違いはこちらの解説に、適時開示のしくみはこちらの解説にまとめています。

8️⃣ まとめ

結論は出しません。この記事で確かめた公開情報をふまえ、次の決算・開示で見るべき指標はこの3つです。①国内・海外それぞれのコンビニエンスストア事業の営業利益と、その内訳(既存店売上・荒利率・販管費・ガソリンの収益)、②特別損益・減損損失(純利益の中身)、③お金の出入りと資本政策(キャッシュ・フロー、自己株式、社債・借入、配当)。どう評価するかは、読者ご自身の判断に委ねられます。

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