🔬 りそなホールディングス(8308)を数字で見る|預金・貸出・手数料の銀行グループを有価証券報告書で確認
「数字で見る、話題の企業」シリーズ第22回は、預金を集めて企業や個人に貸し出し、有価証券でも運用し、手数料の業務も行う銀行グループの持株会社、株式会社りそなホールディングス(証券コード8308、以下「りそな」)を取り上げます。このシリーズの狙いは「この会社の将来性を、自分で見積もれる状態」を作ることで、上がるか下がるかの結論は書きません。会社が金融庁の開示システム(EDINET)に提出した有価証券報告書(上場会社が決算期ごとに金融庁へ出す、事業や決算をくわしく書いた報告書。以下「有報」。第25期・2025年4月〜2026年3月)と、証券取引所を通じた適時開示をもとに、①事業の中身 ②お金が集まって使われるまでの流れの中での位置 ③歴史 ④直近の決算の数字 ⑤会社自身が挙げるリスク ⑥上がる材料・下がる材料を対で並べ、⑦次に何を見ればよいかを整理します。銀行は、一般の会社とは決算書の項目の名前が違います(たとえば「売上高」の代わりに「経常収益」)。初めて出てくる言葉は、その場で説明します。
- 2025年度(2026年3月期・第25期)の連結の経常収益(銀行の売上高にあたる数字)は約1兆3,572億円(前期比+21.5%)、経常利益は約3,909億円(同+33.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は約2,587億円(同+21.3%)でした(日本基準・連結=グループ全体の数字)。会社の説明では、業務粗利益(銀行の本業の稼ぎを表す数字)は8,088億円で、前期より1,172億円増えました
- 会社は、貸出金の平均残高の増加と貸出金利回りの上昇で、国内の預貸金利益(貸出金の利息から預金の利息を引いた分)が578億円増えたと書いています。一方で、預金の利回りも0.10%から0.22%に上がっています。金融再生法開示債権(返済が滞るなどした貸出金の区分)の比率は1.19%(前期1.33%)、連結自己資本比率(国内基準)は12.54%でした
- 2026年10月1日に、鉄道会社との資本業務提携に係る株式譲渡(連結子会社の株式会社関西みらい銀行(上場していません)の発行株式の20%)が完了したと開示されました(関西みらい銀行は引き続き連結子会社)。この記事は有報(2026年3月期)と適時開示だけを根拠にしていて、2026年4月以降の四半期の決算は扱っていません。「上がる材料」「下がる材料」を各5件ずつ、出典付きで対に並べます。買い時かどうかの結論は書きません
edinet-yuho.json の candidates[]=直近14日の日本株ランキング〈値上がり・値下がり・出来高急増〉に2回以上登場した銘柄、ランキング基準日2026-10-19時点)は、りそなの登場を2026年10月7日・10月14日の2回と数えています。最後に登場した日から中3営業日以上あいていること(「熱が残っているうちは書かない」ルール。同データの cooled: true)、有報の本文が取得できていること、当サイトのニュース記事と14日以内に重ならないこと、本シリーズの直近の回と重ならないことを確かめたうえで、候補の中の1社として選びました(時価総額の金額や順位は本文に書きません)。当サイトの解説記事に、この会社が主役の記事はありません(
ls guide-*.html と guides.html を社名・証券コードで確認。2026年8月15日のニュース記事に社名が出る箇所が1つありますが、主役ではなく、14日より前の記事です)。ランキングに登場した理由(なぜ値上がり・値下がり・出来高の増加があったか)は、一次情報で確かめられないため書きません。1️⃣ りそなはどんな会社か
りそなは、有報の「事業の内容」によると、株式会社りそな銀行、株式会社埼玉りそな銀行、株式会社関西みらい銀行、株式会社みなと銀行等とともに「りそなグループ」を構成する持株会社(自分では主な事業をせず、子会社の経営を束ねる会社)です。連結会社数は国内連結子会社30社、海外連結子会社3社、持分法適用関連会社(出資先の損益を、持ち分に応じて自社の連結の数字に取り込む会社)6社です。これらは「銀行・信託業務のほか、クレジットカード業務、ベンチャーキャピタル業務、ファクタリング業務、投資運用業務、投資助言・代理業務、リース業務などの金融サービスを提供」しています。本店は東京都江東区にあります。連結の従業員数は20,813人(2026年3月31日現在・前期末は20,174人。ほかに平均臨時従業員数が8,141人)です。会社は長期ビジョンとして、「お客さま・地域社会にもっとも支持され、ともに未来へ歩み続けるソリューショングループ」である「リテールNo.1」をめざすと書いています(出典:有価証券報告書 第25期「事業の内容」「沿革」「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「主要な経営指標等の推移」、2026-10-20確認)。
銀行グループは、売上高や営業利益でなく、「業務粗利益」と「業務純益」で部門ごとの成績を管理しています。有報は、グループの事業部門を「個人部門」「法人部門」「市場部門」の3つに分け、これを報告セグメント(会社が業績を管理・開示するときの事業の区分)にしています。各部門の主な事業活動は有報に次のように書かれています。
| 部門 | 主な事業活動(有報の記載) | 業務粗利益(2025年度) | 前期比 | 与信費用控除後業務純益 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 個人部門 | 主として、個人のお客さまを対象として、個人ローン・資産運用・資産承継等に係るコンサルティングを中心とした事業活動 | 4,105億円 | +543億円 | 1,716億円 | +431億円 |
| 法人部門 | 主として、法人のお客さまを対象として、企業向貸出、信託を活用した資産運用、不動産業務、企業年金、事業承継等、事業成長のサポートを中心とした事業活動 | 4,854億円 | +275億円 | 2,469億円 | +155億円 |
| 市場部門 | 主として、資金・為替・債券・デリバティブ等につきまして、金融市場を通じた調達と運用 | −828億円 | 損失が318億円改善 | −880億円 | — |
出典:有価証券報告書 第25期「事業の内容」「セグメント情報」「経営者による分析」(2026-10-20確認)。部門の数字は「経営者による分析」の記載で、億円単位のまま引いています。有報のセグメント注記の表には、3つの部門のほかに「その他」の区分(事業セグメントに当たらない経営管理部門の数字など)があり、その業務粗利益は約34億円、注記の表の合計は約8,166億円です(百万円単位を当サイトが換算)。3部門の数字(「経営者による分析」の億円単位の数字を足すと約8,131億円、注記の表の「計」は813,225百万円)も注記の合計も、連結の業務粗利益(8,088億円)とは一致しません。注記の差異調整は利益の段階で示されていて、業務粗利益の段階での差の内訳は書かれていないため、この記事では差の理由を推測しません。与信費用=貸倒引当金(貸したお金が返ってこない場合に備えて積む準備金)の繰り入れや貸出金の償却などから、回収できた額を引いた費用です。与信費用控除後業務純益=実質業務純益(銀行本来の業務活動による利益)から与信費用を引いたもので、有報では、これをセグメント利益としています。市場部門の業務粗利益には、有報の説明によると、「株式関連損益の一部を含めて」あり、「仕切りレートの変更による収益移転の影響△617億円が含まれて」います(仕切りレート=部門のあいだでお金をやりとりするときの社内の金利)。有報は、市場部門で調達した資金を個人部門・法人部門で使う場合、社内の一定のルールで計算した損益をそれぞれの部門の業績に振り分けていると書いています。前期の同じ収益移転の影響は△1,231億円でした(セグメント注記の△123,136百万円を当サイトが換算)。
2025年度の業務粗利益 8,088億円のうち、資金利益は5,920億円(前期4,804億円)で、国内の預貸金利益は4,077億円(前期3,499億円)、円債利息等(円建ての債券の利息や金利スワップの収益)は524億円(前期371億円)でした。役務取引等利益は2,035億円(前期2,023億円)、信託報酬(償却後)は270億円(前期256億円)です。会社は、信託報酬と役務取引等利益を合わせて「フィー収益」と呼び、2025年度は2,305億円で、「5期連続で過去最高益を更新」したと書き、決済関連やAUM(預かり資産など、運用を任された資産の残高を指す一般的な略語)が牽引したと説明しています。
2️⃣ お金が集まって使われるまでの流れの中のどこにいるか
次にどれが来る・上がる・下がるという話ではなく、りそなが、お金の集まり方と使われ方のどこに立っているかを地図にして示します。答え(次はどれか)は渡しません。地図だけを渡します。銀行は、預金者から預かったお金(預金)や市場などから調達したお金を、企業や個人への貸出金、国債などの有価証券への投資に振り向け、その利息の差や手数料で収益を得る、というしくみの中にいます。有報は、「当グループの中核事業は銀行業であり、主に首都圏や関西圏のお客さまから預入れいただいた預金を貸出金や有価証券で運用しております」と書いています。
りそなが、この流れの「集めて、貸して、運用する」位置に立っている根拠は、会社自身の開示にあります。2026年3月末の連結の預金は63兆7,279億円、貸出金は47兆6,346億円、有価証券は11兆4,795億円です。貸出金の内訳は、国内で、不動産業向けが10兆2,362億円(貸出金全体の21.5%・当サイトの計算)、製造業向けが4兆2,233億円、卸売業・小売業向けが3兆8,187億円、国・地方公共団体向けが4兆6,650億円で、自己居住用住宅ローンは14兆7,376億円です。有報は、与信ポートフォリオ(貸出金などの構成)では「中堅・中小企業向け貸出金や、住宅ローンを中心とした個人向け貸出金が大きな割合を占めており、与信の小口分散が図られております」と書いています(出典:有価証券報告書 第25期「経営者による分析」「事業等のリスク」)。
- お金の出し手とのつながり:預金は、国内個人預金が39兆3,733億円、国内法人預金が20兆1,151億円で、いずれも前期末より増えています(4行単体の合計)。有報の「事業等のリスク」には、トップリスク(会社が重大な影響を及ぼす可能性が高いと選んだリスク)の一つとして、「預金獲得競争激化による預金調達力の低下、預金調達コストの上昇」が挙げられています。
- お金の使い手とのつながり:会社は営業基盤を「東京都・埼玉県を主とした首都圏と大阪府を主とした関西圏」と書いています。貸出先の企業や個人の動きは、貸出金の利息と、返済が滞った場合の費用(与信費用)の両方に関わります。有価証券は、国債が5兆5,656億円、地方債が2兆453億円、社債が1兆1,122億円、株式が9,902億円、その他の証券が1兆7,660億円です。
- 前後の工程にいる会社や機関の種類:お金の出し手には、個人や法人の預金者、他の金融機関、日本銀行などがあります。使い手には、中堅・中小企業から大企業、住宅を買う個人、国や地方公共団体などがあり、同じ地域や全国で銀行業を営む他の銀行グループや、決済・資産運用のサービスを提供する他の業態の会社とは、お客さまを取り合う関係にもなります(ここは一般的な説明で、有報の言葉ではありません)。
このつながりが変わる・弱まる条件も、会社自身が有報で挙げています。競争の激化によって、「貸出金増加が進まない、リスクに見合った貸出金利鞘が確保できない、預金調達力が低下する、手数料収入が期待通りに得られない」場合には、業績や財務状況に悪影響が出る可能性がある、と会社は書いています(貸出金利鞘=貸出金の利回りから、資金を調達するコストを引いた差)。また、融資先の業況悪化や、首都圏・関西圏の経済の低迷などで、与信費用が増える可能性があるとも書いています(出典:同有報「事業等のリスク」、2026-10-20確認)。
3️⃣ 歴史年表——事実で確認できる出来事
各行に、クリックして確かめられる出典を付けた事実の年表です。原因を決めつけたり物語にしたりはせず、確認できる出来事だけを並べています。この年表は、有価証券報告書と適時開示だけで作っています(Wikipediaなどの二次情報は使っていません)。提携先の鉄道会社の社名は、この記事では書いていません(出典の適時開示には書かれています)。
| 年月 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2001年12月 | 株式会社大和銀行、株式会社近畿大阪銀行、株式会社奈良銀行の3行が株式移転により持株会社「株式会社大和銀ホールディングス」を設立。同じ月に、大阪証券取引所と東京証券取引所の各市場第一部に上場 | 有価証券報告書 第25期「沿革」(2026-10-20確認) |
| 2002年3月 | 株式会社あさひ銀行が、株式交換により当社の完全子会社となった | 有価証券報告書 第25期「沿革」(2026-10-20確認) |
| 2002年10月 | 当社の商号を株式会社りそなホールディングスに変更(2002年4月に新しいグループ名を「りそなグループ」とした、と有報に記載) | 有価証券報告書 第25期「沿革」(2026-10-20確認) |
| 2003年3月 | 株式会社大和銀行と株式会社あさひ銀行が、分割・合併により、株式会社りそな銀行と株式会社埼玉りそな銀行に再編 | 有価証券報告書 第25期「沿革」(2026-10-20確認) |
| 2003年7月・8月 | 7月に株式会社りそな銀行が、預金保険機構に対して総額1兆9,600億円の普通株式と議決権付優先株式を発行。8月に、当社と同銀行の株式交換により、預金保険機構が当社の普通株式と議決権付優先株式を取得した(有報は別の箇所で、「多額の公的資金による資本増強を受けた」と書いている) | 有価証券報告書 第25期「沿革」「コーポレート・ガバナンスの状況(内部統制システム)」(2026-10-20確認) |
| 2014年7月 | 預金保険機構に対して発行した当社の普通株式と議決権付優先株式(総額1兆9,600億円)を完済 | 有価証券報告書 第25期「沿革」(2026-10-20確認) |
| 2017年11月〜2018年4月 | 2017年11月に株式会社関西みらいフィナンシャルグループを設立。2018年4月に、同社が株式会社関西アーバン銀行および株式会社みなと銀行とそれぞれ株式交換を実施し、この2社が同社の完全子会社となった。同社は東京証券取引所の市場第一部に上場 | 有価証券報告書 第25期「沿革」(2026-10-20確認) |
| 2021年3月 | 株式会社関西みらいフィナンシャルグループが当社の完全子会社となるのに先立ち、同社は東京証券取引所市場第一部の上場を廃止 | 有価証券報告書 第25期「沿革」(2026-10-20確認) |
| 2022年4月 | 東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行 | 有価証券報告書 第25期「沿革」(2026-10-20確認) |
| 2024年4月 | 当社が、株式会社関西みらいフィナンシャルグループを吸収合併 | 有価証券報告書 第25期「沿革」(2026-10-20確認) |
| 2026年3月31日 | 2026年度から2028年度(2027年3月期〜2029年3月期)の新しい中期経営計画(会社の3年間の経営計画)を公表(有報の「経営者による分析」に「2026年3月31日公表の中期経営計画」と記載) | 有価証券報告書 第25期「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「経営者による分析」(2026-10-20確認) |
| 2026年5月1日 | 取締役会で、当社と、連結子会社の株式会社関西みらい銀行(上場していません)、鉄道会社の3社が、資本業務提携契約を結ぶことを決議し、同日締結。鉄道会社が、その銀行の株式2,000万株(発行株式総数の20%)を当社から取得する(取得総額900億円)。有報の記載では、株式譲渡の実施日は2027年3月期中の予定。有報はこの出来事を「重要な後発事象」(決算日のあとに起きた、決算の数字には入っていない重要な出来事)として載せている | 有価証券報告書 第25期「連結財務諸表注記(重要な後発事象)」(2026-10-20確認) |
| 2026年5月12日 | 取締役会で、自己株式の取得枠(上限350億円)の設定と、期末配当(1株14.50円)を決議したと、有報に記載 | 有価証券報告書 第25期「経営者による分析」「配当政策」(2026-10-20確認) |
| 2026年6月19日 | 有価証券報告書 第25期を提出 | EDINET 有価証券報告書 第25期(2026-10-20確認) |
| 2026年7月31日 | 取締役会で、自己株式の取得(上限3,000万株・500億円、取得期間2026年8月3日〜2027年1月31日、東京証券取引所での市場買付け)を決議(10月1日の適時開示の「ご参考」欄に記載) | TDnet 適時開示(2026-10-01 16:00)(2026-10-20確認) |
| 2026年10月1日 | 鉄道会社が、関西みらい銀行の株式2,000万株(取得価額900億円)を取得し、株式譲渡が完了。異動後の議決権所有割合は20.0%。その銀行は鉄道会社の持分法適用関連会社となったが、「引き続きりそなHDの連結子会社」と開示された。新しい銀行サービスは、鉄道会社が銀行代理業(銀行に代わって預金や貸出などの契約の仲介をする業務)の許可を受けることを前提に、当初2027年度中の予定を前倒しし、「2027年春頃提供開始を目指します」とされた | TDnet 適時開示(2026-10-01 16:00)(2026-10-20確認) |
| 2026年10月1日 | 自己株式の取得状況を開示。2026年9月1日〜30日に、普通株式3,205,700株(取得価額 7,974,826,150円)を取得。7月31日の決議に基づく2026年9月30日までの累計は、7,669,000株(取得価額 18,610,828,150円) | TDnet 適時開示(2026-10-01 16:00)(2026-10-20確認) |
持株会社=自分では主な事業をせず、子会社の経営を束ねる会社です。株式移転・株式交換=会社の株式を使って、新しい親会社をつくったり、別の会社を完全子会社にしたりする方法です。預金保険機構=預金者を守るためにつくられた公的な機関です。議決権付優先株式=配当などで普通株式より優先される条件のついた株式です。持分法適用関連会社=出資先の損益を、持ち分に応じて自社の連結の数字に取り込む会社です。自己株式の取得=会社が自分の発行した株式を市場などから買い戻すことです。
4️⃣ 直近の決算の数字(有報 第25期)
まず、有報 第25期(2025年4月1日〜2026年3月31日、2026年6月19日提出)の連結の数字です(日本基準)。有報の財務諸表(決算書)は、会社の外の監査法人による監査(決算の数字が正しいかを確かめること)を受けています。確認日は2026-10-20です。
| 指標(連結・日本基準) | 2025年度(2026年3月期) | 2024年度(2025年3月期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 経常収益 | 約1兆3,572億円 | 約1兆1,175億円 | +21.5% |
| うち資金運用収益 | 約8,226億円 | 約6,172億円 | 約+2,055億円 |
| (参考)資金調達費用(経常費用の一部。預金の利息など) | 約2,307億円 | 約1,367億円 | 約+940億円 |
| うち役務取引等収益(手数料の収入) | 約2,935億円 | 約2,846億円 | 約+89億円 |
| 業務粗利益 | 8,088億円 | 6,916億円 | +1,172億円 |
| 経費(除く銀行臨時処理分) | 4,657億円 | 4,441億円 | +216億円 |
| 実質業務純益 | 2,982億円 | 2,479億円 | +503億円 |
| 経常利益 | 約3,909億円 | 約2,921億円 | +33.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 約2,587億円 | 約2,133億円 | +21.3%(会社の説明は+453億円) |
| 1株当たり当期純利益 | 113.82円 | 92.40円 | — |
| 連結自己資本利益率(有報の表の定義) | 9.18% | 7.77% | — |
| 経費率(連結) | 57.5% | 64.2% | −6.6ポイント |
| 1株当たり配当額(年間) | 29円(中間14.5円・期末14.5円) | 25円(中間11.5円・期末13.5円) | +4円 |
| 連結総資産(期末) | 約76兆2,978億円 | 約77兆3,708億円 | 約−1兆729億円 |
| 連結純資産(期末) | 約2兆9,283億円 | 約2兆7,528億円 | +1,755億円 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 約−4兆7,375億円 | 約−2,933億円 | 約−4兆4,442億円 |
| 現金及び現金同等物(期末) | 約13兆4,661億円 | 約19兆3,168億円 | −5兆8,506億円 |
出典:有価証券報告書 第25期「主要な経営指標等の推移」「経営者による分析」「連結損益計算書」「配当政策」(2026-06-19提出、2026-10-20確認)。億円の数字のうち、業務粗利益・経費・実質業務純益・総資産・純資産・営業活動によるキャッシュ・フロー・現金及び現金同等物は有報の「経営者による分析」に書かれた億円単位の数字、そのほかは百万円単位の表を当サイトが億円に直したもの(億円未満四捨五入)で、増減の率も当サイトの計算です。実質業務純益=業務粗利益から経費を引き、持分法投資損益を加えたもので、銀行本来の業務活動による利益を表します。経費率=経費を業務粗利益で割った割合で、低いほど稼ぎに対する費用が小さいことを表します。連結自己資本利益率=親会社株主に帰属する当期純利益を、期中平均の連結純資産で割った割合です(会社が目標にしている「株主資本ROE」は定義が少し違い、2025年度は10.6%・前期は9.3%と書かれています)。営業活動によるキャッシュ・フロー=銀行では、貸出金の増減や預金の増減が含まれるため、一般の会社と読み方が違います。有報は、貸出金の増加等により支出が増え、コールマネー(金融機関どうしの短期の資金貸借)及び借用金の減少等により収入が減ったことによる、と説明しています。なお、有報は、貸借対照表の現金預け金(13兆7,855億円、前期末比5兆7,633億円減)の減少を「主に日銀預け金の減少」によるものと説明しています(現金預け金と現金及び現金同等物は範囲が少し違います)。
5期の数字では、連結経常収益は約8,447億円(2021年度)から約13,572億円(2025年度)へ、親会社株主に帰属する当期純利益は約1,100億円から約2,587億円へと動きました(出典:同有報「主要な経営指標等の推移」)。有報の「金融経済環境」には、2025年度の環境として、次のように書かれています。会社は「日本銀行が昨年度の2025年1月の利上げに続き、12月に政策金利を0.5%から0.75%へ引き上げるなど段階的な利上げを実施し、マイナス金利解除後の金融政策の正常化が進展しました」と書き、「短期金利の上昇に加え、貸出金利や預金金利にも上昇圧力が波及するなど、金融環境に変化がみられました」としています。また、国内の長期金利は「一時2.4%近傍と1999年以来、約27年ぶりの水準まで上昇する場面もみられました」と書いています。これは会社が過去の環境として書いた事実で、この記事は今後の金利を予想しません。
貸出金の利回りと預金の利回り(国内)
有報の「国内・海外別資金運用/調達の状況」で、国内(りそなと国内の連結子会社)の数字を並べると次のとおりです。会社は、資金運用収支(国内)が前期より1,121億円増えて5,846億円になった理由を、「貸出金の平残増加に加え貸出金利回りが上昇したことにより預貸金利益が増加し」(平残=平均残高)と説明しています。
| 国内 | 平均残高(2025年度) | 利息(2025年度) | 利回り(2025年度) | 利回り(2024年度) |
|---|---|---|---|---|
| 資金運用勘定(合計) | 約72兆9,550億円 | 約8,128億円 | 1.11% | 0.84% |
| うち貸出金 | 約45兆4,493億円 | 約5,470億円 | 1.20% | 0.93% |
| うち有価証券 | 約10兆7,004億円 | 約1,435億円 | 1.34% | 1.17% |
| うち預け金(日銀預け金など) | 約15兆7,087億円 | 約958億円 | 0.60% | 0.28% |
| 資金調達勘定(合計) | 約72兆3,699億円 | 約2,283億円 | 0.31% | 0.18% |
| うち預金 | 約62兆3,829億円 | 約1,400億円 | 0.22% | 0.10% |
出典:有価証券報告書 第25期「国内・海外別資金運用/調達の状況」(2026-10-20確認)。平均残高と利息は百万円単位の表を当サイトが億円に直したもの(億円未満四捨五入)で、利回りは有報の数字です。平均残高は、原則として日々の残高の平均です。前期の貸出金の平均残高は約43兆4,054億円、預金の平均残高は約62兆3,935億円です。資金運用勘定=貸出金・有価証券・預け金など、お金を運用している資産のまとまりです。資金調達勘定=預金・借用金など、お金を調達している負債のまとまりです。利回り=利息を平均残高で割った割合です。預貸金利益=貸出金の利息から預金の利息などを引いた、預貸金の利ざやによる利益です。この表は、貸出金の利回りも預金の利回りも上がったという記載の事実を並べたもので、今後の方向を示すものではありません。
貸出金・預金・有価証券と、資産の質
2026年3月末の連結の貸出金は47兆6,346億円で、前期末より3兆1,001億円増えました。住宅ローン残高(グループの4つの銀行の単体合計)は17兆6,526億円(前期末17兆1,257億円)です。預金は63兆7,279億円(同3,095億円増)、有価証券は11兆4,795億円(同1兆1,720億円増。会社は「主に国債が増加し」と説明)です。
| 金融再生法開示債権(連結) | 2026年3月末 | 2025年3月末 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | 564億円 | 542億円 | +21億円 |
| 危険債権 | 3,197億円 | 3,342億円 | −145億円 |
| 要管理債権 | 2,052億円 | 2,207億円 | −155億円 |
| 不良債権合計(A) | 5,814億円 | 6,093億円 | −278億円 |
| 債権合計(B) | 48兆5,810億円 | 45兆6,250億円 | +2兆9,560億円 |
| 不良債権比率(A÷B) | 1.19% | 1.33% | −0.13ポイント |
出典:有価証券報告書 第25期「経営者による分析」(億円単位のまま引用、2026-10-20確認)。元本補塡契約のある信託勘定を含む数字です。増減は有報の記載で、四捨五入のため差が合わない箇所があります。金融再生法開示債権=金融機関が、貸出金などの状態を、金融再生法という法律の基準で4つに分けて開示するものです。ここでは、返済が難しくなった程度の高いものから、破産更生債権及びこれらに準ずる債権、危険債権(経営破綻のおそれがある先への債権)、要管理債権(返済の条件を緩めたものや、3か月以上延滞しているもの)の3つを足して「不良債権」としています。残りの正常な債権は47兆9,996億円です。不良債権比率=不良債権が債権全体に占める割合です。会社は、これを「引き続き低水準で推移しております」と書いています。
与信費用は、前期の115億円から140億円に増えました(会社の説明は「25億円増加」)。連結自己資本比率(国内基準)は12.54%です。自己資本比率は、銀行の資産の大きさに対して、損失を吸収できる自己資本がどれだけあるかを見る割合で、有報は、「国内基準」を適用していると書いています(国際統一基準とは別の基準です)。連結の自己資本の額は2兆3,532億円、リスク・アセット(資産を、リスクの大きさに応じて重み付けして足した額)は18兆7,569億円です。有報の「事業等のリスク」には、「当社は連結自己資本比率を、国内グループ銀行は連結自己資本比率及び単体自己資本比率を4%以上に維持する必要があります」と書かれています。会社が目標にしている普通株式等Tier1比率(国際統一基準・バーゼル3最終化・完全実施、その他有価証券評価差額金除き)は、2025年度が10.08%(前期10.18%)です。普通株式等Tier1比率=自己資本のうち、普通株式や内部留保など、損失をもっとも吸収しやすい部分だけで計算した割合です。バーゼル3=国際的に活動する銀行向けの自己資本の国際ルールで、会社はこのルールの計算方法を当てはめ、保有する有価証券を時価で評価した差額(その他有価証券評価差額金)を除いた数字を目標の物差しにしています。上の連結自己資本比率(国内基準)12.54%とは計算の物差しが違うため、2つの数字を比べたり差を読んだりはできません(出典:同有報「事業等のリスク」「経営者による分析」「自己資本の充実の状況」)。
有価証券の含み損益(その他有価証券の評価差額)
銀行は、株式や債券などの有価証券を時価で評価した差額を、決算書の純資産に直接反映する区分(その他有価証券)を持っています。有報の数字は次のとおりです。
| その他有価証券の評価差額(連結) | 2026年3月末 | 2025年3月末 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 株式 | 7,067億円 | 6,208億円 | +858億円 |
| 債券 | −1,831億円 | −1,213億円 | −618億円 |
| うち国債 | −1,280億円 | −832億円 | −447億円 |
| うち地方債 | −283億円 | −234億円 | −49億円 |
| うち社債 | −267億円 | −146億円 | −121億円 |
| その他 | 289億円 | −226億円 | +516億円 |
| 合計 | 5,524億円 | 4,768億円 | +756億円 |
出典:有価証券報告書 第25期「経営者による分析」(億円単位のまま引用、2026-10-20確認)。連結貸借対照表の「有価証券」のほか、「現金預け金」中の譲渡性預け金、「買入金銭債権」中の信託受益権を含めた数字です。評価差額=時価と、取得したときの価額(取得原価)の差です。プラスは含み益、マイナスは含み損にあたります。純資産の部の「その他有価証券評価差額金」は3,926億円(前期末3,446億円)です。そのうち、その他有価証券で市場価格のある株式は、取得原価ベースで2,008億円、時価ベースで9,075億円です。評価差額は期末の時価で決まるため、決算期ごとに大きく動きます。有報の「事業等のリスク」には、「国内外の市場金利が上昇した場合には当グループが保有する円建債券や外国通貨建債券をはじめとする債券ポートフォリオの価値が下落することによって想定以上の評価損や実現損失が発生し、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります」と書かれています。
経常利益などに含まれる「本業以外」の項目
経常利益は、本業の稼ぎ(実質業務純益)に、臨時の損益(臨時損益)などを加えて出されます。有報の表の臨時損益は、2025年度が+408億円(前期+446億円)で、株式等関係損益、不良債権処理額、与信費用戻入額、持分法による投資損益などを含みます。有報は、実質業務純益にも持分法による投資損益を含める定義にしているため、表の数字を単純に足し合わせても経常利益にはなりません。臨時損益の内訳には、増える項目と減る項目の両方があります。
| 臨時損益などの主な項目(連結) | 2025年度 | 2024年度 | 増減 | 利益への向き |
|---|---|---|---|---|
| 株式等関係損益 | 1,200億円 | 876億円 | +323億円 | 押し上げ |
| うち株式等売却益 | 1,224億円 | 887億円 | +337億円 | 押し上げ |
| 持分法による投資損益 | −448億円 | 4億円 | −452億円 | 押し下げ |
| 不良債権処理額 | −306億円 | −303億円 | −3億円 | 押し下げ |
| 与信費用戻入額(回収できた額など) | 96億円 | 187億円 | −91億円 | 押し上げ(前期より小さい) |
| 特別利益 | 30億円 | 97億円 | −66億円 | 押し上げ(前期より小さい) |
| 特別損失 | −100億円 | −79億円 | −20億円 | 押し下げ |
出典:有価証券報告書 第25期「経営者による分析」「連結損益計算書」「連結財務諸表注記(連結損益計算書関係)」(億円単位のまま引用、2026-10-20確認)。四捨五入のため合計が合わない箇所があります。特別利益・特別損失は、経常利益のあとに加わる項目です。株式等関係損益=株式の売却益・売却損・償却などを合わせた損益です。会社は、2025年度の増加を「政策保有株式の売却が進展したことにより」と説明しています。政策保有株式=取引先との関係維持などのために持つ株式で、会社は「2030年3月末までに2024年3月末比、簿価で2/3以上の削減を目指してまいります」と書いています。持分法による投資損益=出資先の損益のうち、持ち分に応じた額を自社の決算に取り込むものです。2025年度の有報の注記では、その他の経常費用の内訳の注記に、持分法投資損失(44,832百万円・前期はなし)が載っていますが、その原因や内訳は、この記事で読んだ範囲の開示には書かれていません。こうした項目は期ごとに入る項目も金額も違い、同じ項目が今後も出るかどうかは、この記事で読んだ範囲の開示には書かれていないため、書きません。
株主への還元と、会社の方針
2025年度の1株当たり配当は29円(前期25円)で、会社は、2025年5月〜7月に約300億円、2025年11月〜2026年1月に約350億円の自己株式を取得したと書いています。総還元性向(配当と自己株式の取得の合計が、当期純利益に対して占める割合)は50.5%(前期45.8%)です。新しい中期経営計画(2026年度〜2028年度)では、総還元性向の目標を「50%以上」とし、2029年度のDOE(純資産配当率=配当の総額が純資産に占める割合)の目標を、従来の3%程度から3.5%程度へ引き上げたと書かれています。これらは会社の方針と目標で、当サイトの予測ではありません。会社は計画の概要として、「金利のある世界の定着により、預金・貸出金の量的拡大に加え、その質的向上が、収益力および健全性を左右する重要な要素となっています」と書き、「リカーリング収益の強化を図り、金利環境に左右されない安定的な収益構造への転換を推し進めます」としています(リカーリング収益=毎年・毎月、継続的に入ってくる収益)。
5️⃣ 会社自身が挙げているリスク
以下は有価証券報告書(第25期)の「事業等のリスク」から、会社自身が挙げているものの要旨です。書き手の推測ではなく会社の自己申告である点が、このシリーズで最も大事にしている情報です。会社は、「トップリスク」(重大な影響を及ぼす可能性が高いリスク)、「経営環境等に関するリスク」、「リスクカテゴリー毎のリスク」に分けて書いています。ここではそのうち5つを紹介します。原文は有価証券報告書 第25期「事業等のリスク」 でご確認ください。
- ①競争の激化:金融業界の規制緩和やAI活用などのデジタル化、日本のデフレ環境からの転換、金融機関の統合・再編・業務提携などにより「事業環境は厳しさを増して」いるとし、競争に十分対応できない場合には、「貸出金増加が進まない、リスクに見合った貸出金利鞘が確保できない、預金調達力が低下する、手数料収入が期待通りに得られない、生産性向上が進展しない等、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります」と書いています。トップリスクにも、「預金獲得競争激化による預金調達力の低下、預金調達コストの上昇」が挙げられています。
- ②与信費用の増加(貸出先の業況悪化など):融資先の業況悪化、貸出条件の変更や金融支援の求めの増加などで与信費用が増える可能性があるとしています。「当グループは東京都・埼玉県を主とした首都圏と大阪府を主とした関西圏を主要な営業基盤としており、これらの地域の経済状態が低迷した場合や、大規模な自然災害(震災、風水害等)、各種感染症等が発生した場合は、融資先の信用状態の悪化、不動産担保価値の下落等により、当グループの与信費用が増加する可能性があります」と書いています。特定の業種に貸出が集まることによるリスクも挙げ、トップリスクの一つに「与信集中業種の業況及び連関する取引先の業績悪化」を載せています。
- ③市場の変動(金利・為替・株価):トレーディング業務や、債券・投資信託などへの投資運用業務は、「市場金利、為替レート、株価、債券価格等の変動により悪影響を被る可能性があります」とし、「国内外の市場金利が上昇した場合には当グループが保有する円建債券や外国通貨建債券をはじめとする債券ポートフォリオの価値が下落することによって想定以上の評価損や実現損失が発生し、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります」と書いています。市場金利の上昇、株価や為替レートの変動が生じるケースとして、「日本・米国の金融政策の変更、要人の発言、地政学リスクの顕在化、大規模なシステム障害や自然災害、各種感染症の発生等」を例に挙げています。
- ④政策保有株式の価格変動:「政策保有株式の時価が下落した場合、評価損や減損が生じ、当グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります」と書き、「公的資金による資本増強以降、政策保有株式残高を圧縮し、価格変動リスクの低減に努めてまいりました」としています。保有を続けるかどうかは、「個別銘柄毎に検証し、判断してまいります」とも書いています。
- ⑤システム障害とサイバー攻撃:預金、為替、融資などの勘定系システムや外部サービスがダウンしたり誤作動したりした場合、不正に使われた場合には、「当グループの業務停止、お客さま情報の漏えい、インタ-ネットバンキングを通じたお客さま預金の不正送金・不正引出し、Webサイト及び各種データの改竄等の被害が生じ」る可能性があるとしています。サイバー攻撃については、「サイバー攻撃は年々巧妙化しており、継続的な対策を実施する必要があります」と書き、専担部署を置いて演習や訓練を行っていると説明しています。
出典:有価証券報告書 第25期「事業等のリスク」(2026-06-19提出、2026-10-20確認)。有報のリスクには、このほか、国家間の対立や紛争、サステナビリティ(気候変動など)、各種法規制や政策変更、自己資本比率規制(「4%以上に維持する必要があります」)、自然災害、資金調達や流動性、格付、事務過誤、法令・コンプライアンス、人財などが並びます。会社は、リスクの顕在化の可能性を認識したうえで、発生の回避と、発生した場合の適切な対応に努めると書いています。なお、有報の金融商品に関する注記(バンキング業務のVaR=過去の相場の動きから統計的に計算した、一定の確率のもとで見込まれる損失額)では、グループのバンキング業務のリスク額は2026年3月末で1,610億円(前期末765億円)と開示されています(約161,017百万円と約76,476百万円を当サイトが億円に換算。出典:同有報「金融商品関係」)。
6️⃣ 上がる材料/下がる材料
ここがこの記事の主役です。会社の開示で確認できる事実だけを左右に対で並べます。どちらが重いかという重み付けはしません。
以上が、いま公開情報から拾える材料です。どう見るかはご自身で。投資の判断はご自身の責任で行ってください。
※ 材料の数は左右5件ずつで揃えています。上記は開示情報の要約であり、どちらが重要かの判断や将来の予測は行っていません。金利が上がったか下がったかの記載は、会社が過去の期について書いた事実で、今後の金利や日本銀行の政策を予想するものではありません。
7️⃣ これから何を見れば分かるか
次の決算(2027年3月期の第2四半期=2026年4〜9月)の発表日は、当サイトの決算予定データ earnings-calendar.json にりそなが載っておらず、一次情報でも確かめられていません。会社のIRサイト(投資家向けの情報を載せたページ)でご確認ください。この記事で挙げた材料がその後どうなったかは、次の開示で確かめられます。前回の通期決算(2026年3月期)の有報は2026年6月19日に提出されています。
- 預貸金利益と、預金・貸出金の利回り:2025年度の国内預貸金利益は4,077億円、貸出金の利回りは1.20%、預金の利回りは0.22%。次の報告で、これらの数字と、貸出金・預金の平均残高がどう書かれるか
- 手数料収入(フィー収益):2025年度は2,305億円。決済関連や預かり資産などの内訳がどう動いたか
- 不良債権比率と与信費用:2026年3月末の不良債権比率は1.19%、2025年度の与信費用は140億円。次の期末や中間期末の開示で、同じ物差しの数字がどうなったか
- 有価証券の評価差額と、株式等関係損益:2026年3月末のその他有価証券の評価差額は5,524億円(うち債券は−1,831億円)、株式等関係損益は1,200億円。政策保有株式の削減が進む中で、この項目がどう開示されるか
- 提携と株主還元:鉄道会社との提携の「具体的な影響」を会社が「精査中」としていること、自己株式の取得(上限500億円)の進み具合、新しい中期経営計画の財務目標の開示のされ方
有価証券報告書と半期報告書はEDINET(金融庁の開示システム)、適時開示はTDnetで、どちらも無料で見られます。決算短信と有価証券報告書の違いはこちらの解説に、適時開示のしくみはこちらの解説にまとめています。
8️⃣ まとめ
結論は出しません。この記事で確かめた公開情報をふまえ、次の決算・開示で見るべき指標はこの3つです。①預貸金利益(貸出金の利回りと預金の利回りの両方の動き)と手数料収入、②不良債権比率と与信費用(貸出先の状況に関わる数字)、③有価証券の評価差額や株式等関係損益などの、本業以外の項目を含む最終的な利益。どう評価するかは、読者ご自身の判断に委ねられます。
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