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⚠️ 本記事は当サイトの過去データ検証(バックテスト)とライブ実測の結果を共有する「情報提供」であり、特定の金融商品の売買推奨や投資助言ではありません。過去の検証成績は将来の成果を保証しません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

🧪 指標の組み合わせ大全——死んだ指標は場所で蘇り、弱い逆張りは静かに死ぬ

公開日:2026 年 7 月 21 日 / 読了時間:約 13 分 / カテゴリ:AIシグナル研究日誌

RSIが30を切ったら買い」「MACDがゴールデンクロスしたら買い」——テクニカルの教科書ルールを単体で過去データに当てると、多くは期待値ゼロかマイナス。これが当ラボ(AIシグナル研究日誌)の検証で繰り返し出てきた正直な現実です。では、指標はもう役に立たないのでしょうか。

今回、当サイトのシグナル検証基盤を使って「指標×指標の組み合わせ」を体系的に総当たりしました。素材は約20年(2006年11月〜2026年7月)×監視18銘柄×クローズ済み18,099回の日足シグナルです。見えてきた結論を一言でいうと——指標は単体では死んでいても「場所」(他の指標が示す文脈)とセットにすると蘇るものがあり、逆に一見無難な組み合わせが静かに期待値を削っている。この記事は、その「蘇る組み合わせ」と「静かに死ぬ組み合わせ」の大全です。

📌 この記事の結論(3 行サマリ)

1️⃣ どう調べたか——約20年×18銘柄×18,099回+ライブ2,400回

先に検証の枠組みを簡単に。当サイトは金・銀・原油・日経CME・S&P500・ナスダック・ダウ・FTSE・ビットコイン・主要FX9ペアの18銘柄を実際のシグナルエンジンで監視しています。今回はそのエンジンと同じ発火条件を約20年の日足に遡って適用し、決着(利確または損切り)がついた18,099回のシグナルを分析しました。

なぜここまで面倒な手順を踏むのか:過去データは「探せば何かしら光って見える」ものだからです。当ラボでは訓練→検証→ライブの三重チェックを通ったものだけを知見として台帳に載せ、通らなかったものは通らなかったと正直に書きます(この記事の後半にも「不合格」がたくさん出てきます)。

2️⃣ 発見① 死んだ指標は「場所」で蘇る——MACDゴールデン×底値圏

最初の主役はMACDのゴールデンクロス(買い転換のサインとされる定番シグナル)です。実はこのシグナル、当サイトのライブ実測では単体だと勝率39.0%・平均-0.09R(282回)と、期待値マイナスの「要注意リスト」に入っていました。教科書の定番が実データでは働かない——よくある残念な結末に見えます。

ところが「場所」で切ると景色が変わりました。価格がMA25とMA75の両方より下=下げ切った底値圏で出たゴールデンクロスに限ると:

MACDゴールデンクロス件数勝率平均R備考
単体(ライブ実測)282回39.0%-0.09R期待値マイナスの要注意シグナル
×両MA下(訓練 2006-2020)655回47.6%+0.140RFDR補正を通過(q=0.063)
×両MA下(検証 2021-2026)254回49.2%+0.167R信頼区間の下限もプラス=両期間合格
×両MA下(ライブ実測・参考)108回41.7%-0.03R直近窓ではまだ横ばい。前向き検証で追跡中
→ 表は横にスクロールできます
平均R ±0 -0.09R 単体(ライブ282回) =死んでいる +0.140R ×両MA下(訓練655回) +0.167R ×両MA下(検証254回) 「底値圏」という場所に限ると両期間プラス=蘇る
図1:MACDゴールデンクロスの平均R比較(当サイト検証基盤・日足)。単体のライブ実測は期待値マイナスだが、「価格がMA25・MA75の両方より下」という底値圏の条件を重ねると、訓練・検証の両期間でプラスに転じた。同じサインでも「どこで出たか」で別物になる。

解釈はシンプルです。ゴールデンクロスは「勢いの転換」を示す道具なので、すでに上がり切った場所で出るクロスはただの騒音になりやすい。一方、売られ切った底値圏で出るクロスだけが「転換の初動」を捉えている可能性がある——約20年のデータはそう示唆しています。移動平均線の解説記事で紹介した「位置関係で相場の局面を読む」考え方が、別の指標の生死を分けた形です。

3️⃣ 発見② 「買われすぎ」は売りではない——強さは続く

次はRSIの「買われすぎ」の常識について。RSI70以上は買われすぎ=そろそろ下がる、と説明されることが多い水準です。ところが約20年のデータでは逆でした。

組み合わせ訓練(〜2020)検証(2021〜)判定
RSI70以上 × 上昇トレンド+0.176R(753回・q=0.007)+0.151R(405回・CI下限+0.02)✅ 両期間合格
上昇配置(価格>MA25&75)× 買いシグナル+0.081R(4,321回・q=0.007)+0.092R(1,747回・CI下限+0.03)✅ 両期間合格
RSI70以上(単体・条件なし)+0.136R(1,365回)+0.111R(549回・CI下限-0.003)△ 検証期間はわずかに基準未達
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ポイントは2つあります。第一に、「買われすぎ」サインが出るほど強い相場は、少なくとも数日〜数週間の時間軸では続きやすかったこと。モメンタム(勢い)の持続と呼ばれる現象で、世界中の市場研究で繰り返し報告されてきた傾向と整合します。第二に、RSI70以上「単体」では検証期間の信頼区間下限がわずかにゼロを割り込んだのに対し、「上昇トレンド中」という文脈を重ねると両期間で基準を通過したこと。ここでも「指標×場所」の掛け算が効いています。

誤読しないでください:これは「買われすぎで飛び乗れ」という意味ではありません。統計が言っているのは「買われすぎ=即・売り」という単純な逆張りが約20年のデータでは不利だった、ということまでです。高値圏の追撃はそれ自体の高値掴みリスクを伴います(当サイトの日本株検証でも「急騰直後の飛びつき」は繰り返し不利側でした)。

4️⃣ 発見③ 弱い逆張りは静かに死ぬ——RSI極値の裏付けという分水嶺

今回の検証でもっとも実用価値が高いのは、たぶんこの「避けるべき組み合わせ」です。ボリンジャーバンド下限タッチやサポートライン反発は、逆張り買いの定番サインとして人気があります。しかし「そのときRSIがどっちつかず(45〜55の中立帯)だったら」という条件を重ねると:

組み合わせ訓練(〜2020)検証(2021〜)判定
BB下限タッチ × RSI中立(45-55)-0.260R(370回・勝率31.1%・q=0.001)-0.134R(181回・勝率36.5%)🚫 危険。両期間ともマイナス方向
サポート反発 × RSI中立(45-55)-0.194R(465回・勝率34.2%・q=0.007)-0.096R(215回・勝率37.7%)🚫 危険。両期間ともマイナス方向
【対照】BB下限タッチ × RSI30以下(ライブ実測)勝率56.9%+0.33R(65回・勝率CI 44.8〜68.2%)✅ 極値の裏付けがあれば生きる
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平均R ±0 -0.260R ×RSI中立・訓練370回 -0.134R ×RSI中立・検証181回 -0.160R ×RSI中立・ライブ75回 +0.328R ×RSI30以下・ライブ65回 同じ「BB下限タッチ」でもRSI極値なら別物 RSIが中立のままの逆張り=訓練・検証・ライブの三面で全部マイナス
図2:ボリンジャーバンド下限タッチ(逆張り買いの定番サイン)の平均Rを、発火時のRSI水準で分けたもの。RSIが45〜55の「どっちつかず」のままの逆張りは訓練・検証・ライブすべてでマイナス。RSI30以下という「売られすぎの極値」の裏付けがあるライブ実測だけがプラスだった。件数が少ない区分は誤差幅が大きい点に注意。

なぜこうなるのか。バンド下限やサポートに触れたのにRSIが中立のまま、というのは「値段は下がったが、勢いとしては売られ切っていない」状態です。つまり反発の根拠が価格の位置だけで、勢いの面の裏付けがない。こうした「弱い根拠の逆張り」は、派手に崩れるというよりジワジワと期待値を削る形で静かに死んでいく——訓練期間で統計的に有意なマイナス、検証期間・ライブでも同じ向き、という三面一致がそれを物語ります。

当ラボはこの2つの組み合わせを、実運用では「回避ゲート」(該当したら見送りを検討する条件)として前向き検証に登録しました。ボリンジャーバンドの解説記事にも書いたとおり、バンドタッチは「自動で買うサイン」ではなく「注目する場所」——その注目に値するかどうかを、RSIの極値が仕分けてくれるわけです。

5️⃣ 発見④ シグナルの同時発火(コンボ)は「まだ証明中」

「複数のサインが同時に出たら強いのでは?」——直感的にはそう思えます。当ラボは7月19日に「同時発火コンボ」を体系的に洗い、有望そうな3本を前向き検証に登録しました。現時点の成績は次のとおり、期待は持てるがまだ証明されていない段階です。

同時発火コンボ訓練(〜2020)検証(2021〜)現状
高値ブレイク × RSI買われすぎ+0.19R(553回・q=0.01)+0.107R(234回・CI下限-0.05)📊 検証期間単独では基準未達=前向き検証中
+2σ突破 × RSI買われすぎ+0.205R(294回)+0.131R(142回・CI下限-0.07)📊 同上
ダブルボトム × 高値ブレイク検証31回・+0.097R(件数不足)📊 同上
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3本とも方向はプラスで、特に「順張りブレイク×勢いの確認」という組み合わせの筋は発見②と整合的です。ただし検証期間単独で信頼区間の下限がプラスに届いたものはゼロ。さらに正直に書くと、高値ブレイク×RSI買われすぎのライブ実測は45回・勝率31.1%・-0.27Rと、直近の窓ではむしろ逆向きに出ています。当ラボの規律では、この状態で「使える」とは言いません。結論はこれからのライブデータが出します(進捗は日次の研究日誌とシグナル成績ページで自動更新されます)。

6️⃣ 発見⑤ 「失敗の逆」も対称ではない——売り失敗だけが強さの示唆

おまけとして、オーナー発案のユニークな仮説も検証しました。「行くはずが行かないのは、逆に強い」——つまりシグナルが損切りで失敗したら、その瞬間に反対方向へ入れば勝てるのでは?という発想です(ストップ・アンド・リバース)。約20年の日足で転換イベント10,497件を機械的に評価しました。

失敗からの転換訓練(〜2020)検証(2021〜)判定
買い失敗 → ショート転換-0.020R(5,180回)-0.015R(1,960回)❌ 完全にヌル(期待値ほぼゼロ)
売り失敗 → ロング転換+0.066R(1,512回・CI下限-0.003)+0.149R(590回・CI[+0.03, +0.27])△ 惜しい。ただし採用基準には未達
→ 表は横にスクロールできます
平均R ±0 -0.020R 買い失敗→ショート (訓練5,180回) -0.015R 同・検証1,960回 「上がるはずが上がらない→売り」はただのノイズ +0.066R 売り失敗→ロング (訓練1,512回) +0.149R 同・検証590回 「下がるはずが下がらない」だけが強さの示唆
図3:損切りで失敗したシグナルを翌日に反対方向へ転換した場合の平均R(縦のスケールは図1・図2と異なる)。買い失敗の転換は期待値ほぼゼロのノイズ。売り失敗(=下がるはずが下がらなかった)の転換だけがプラス方向で、検証期間は信頼区間の下限もプラスだった。ただし検証期間(2021年以降)はおおむね上昇相場であり、その追い風を拾っただけの可能性が残るため採用は見送り。

面白いのは綺麗な非対称性です。「上がるはずが上がらない→売り」は完全なノイズ。「下がるはずが下がらない→買い」だけがプラス方向——「売り物をこなして下がらない相場は強い」という古い相場観と符合します。ただし、プラスが立った検証期間はほぼ上昇相場だったため、時代の追い風と区別がつかないというのが統計的に正直な評価です。当ラボはこの仮説を採用せず、「気づき」として台帳に記録するに留めました。

7️⃣ 正直な注意——20年で本物でも「いま」効くとは限らない

ここまで「合格」と書いてきた3本の組み合わせにも、隠さず書いておくべきことがあります。2026年のライブ実測の直近窓では、3本とも未確認またはむしろ逆向きなのです。

両期間合格の3本約20年のバックテストライブ実測(直近窓)
MACDゴールデン × 両MA下+0.140R → +0.167R-0.03R(108回)=ほぼ横ばい
RSI70以上 × 上昇トレンド+0.176R → +0.151R-0.34R(60回)=逆向き
上昇配置 × 買いシグナル+0.081R → +0.092R-0.16R(479回)=逆向き
→ 表は横にスクロールできます

これをどう読むか。可能性は2つあります。(a)直近の相場が高値圏の乱高下でモメンタム系に逆風だっただけで、いずれ20年の平均に回帰する。(b)市場の構造が変わり、20年で本物だった優位性が本当に消えた。どちらかは現時点で誰にも分かりません。当ラボは過去にも「20年のデータでは本物、直近では機能不全」という組み合わせ(金属市場の逆張り系)を観察しており、答え合わせは5本すべてを前向き検証(これから発火するライブデータでの追試)に登録して、データに出させることにしています。

逆に、「避ける」側の知見は三面一致でした:発見③の「RSI中立の逆張り回避」は訓練・検証・ライブのすべてで同じ向き。当サイトの検証全体を通じて繰り返し出てくるパターンですが、「儲かる組み合わせ」より「避けるべき組み合わせ」のほうが実戦で頑健です。攻めの聖杯より守りのチェックリスト——これが実データの正直な教えです。

8️⃣ 実務への落とし込み——この大全の使い方

最後に、この検証結果を一般論としてどう活かせるかを整理します(繰り返しですが、特定の売買の推奨ではありません)。

📊 この検証の「その後」は毎日自動更新されます
今回登録した組み合わせを含む全仮説の前向き検証は、シグナル成績ダッシュボードと日次の研究日誌で追跡できます。
シグナル成績ダッシュボードを見る →

9️⃣ まとめ

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