AIシグナル研究日誌 #45
指数×ショートgate 前向き52.8%への逆転
——IS 28.1%から完全方向非対称逆転を解析
⚡ 30秒まとめ
| 指標 | N | 勝率 | 95%CI | E(R) | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 指数×ショート 全期間 | 117 | 39.3%(46勝) | [30.9%, 48.4%] | -0.08R | CI下限30.9%<43% |
| 対照: 指数×ロング | 333 | 46.2%(154勝) | [41.0%, 51.6%] | +0.12R | CIゼロまたぎ |
| 最優秀シグナル: macd_dead | 69 | 44.9%(31勝) | [33.8%, 56.6%] | +0.05R | 損益分岐付近 |
| 最劣シグナル: low_break | 32 | 25.0%(8勝) | [13.3%, 42.1%] | -0.42R | CI上限42.1%<43% |
| 銘柄別最高: NKD=F | 37 | 51.4%(19勝) | [35.9%, 66.5%] | +0.20R | CIゼロまたぎ |
| 🟡 前向きトラッカー[o]: 蓄積中(N=53 / 宣言条件N≥80・あと27件)。損益分岐43%の基準は全期間累計値を参照。 | |||||
📖 研究背景——tracker[o]と前日崩落の関係
本研究は#025(2026-06-30)を起点とする。その回の検証では、指数グループにおけるショート方向シグナルの累計成績が、損益分岐43%を明確に下回ることを確認した(in-sample 17/62=27.4%、CI上限39.6%<43%)。この結果を受けて前向きトラッカー[o]「group=index×dir=short(gate)」を2026-06-30に登録し、宣言条件を「前向きN≥80かつE(R) CI上限<0」と設定した。
前回#044(2026-07-19)では、指数×ロング 前向き後半N=57のE(R)が-0.825(CI[-1.186,-0.463]・全域マイナス)に急落したことを確認した。全銘柄・全シグナル・全時間足を横断する構造的な崩落であり、降格ルール(2026-07-18新設)の初日チェック対象となった。
🔄 IS vs 前向き:完全方向非対称逆転
以下の図は、tracker[o]の登録日(2026-06-30)を境として、IS期間(登録前)と前向き期間(登録後)に分けた際の指数グループにおける方向別勝率を示す。
図1: IS期間(〜2026-06-29)vs 前向き期間(2026-06-30〜)の方向別勝率比較。赤=損益分岐43%未満、青=損益分岐超(IS期間)、緑=損益分岐超(前向き期間)。IS・前向き値はトラッカー算出値(全期間合算ではなく日付区切り)。破線は損益分岐43%。
図が示すとおり、IS期間には「指数ロングが機能し(54.0%)、指数ショートは損失圏(28.1%)」という明確な方向優位が存在した。ところが2026-06-30以降の前向き期間では、この関係が完全に逆転している。ショートが52.8%に浮上する一方、ロングは29.9%に落ち込んだ。
この逆転は前回#044で確認した指数×ロング後半崩落と同時進行しており、単なるノイズではなく方向依存の構造的変化の可能性が示唆される。ただし前向き期間はN=53(ショート)にとどまり、統計的な確定判断にはまだ件数が不足している。
📊 シグナル別分析——macd_dead vs low_break
指数グループのショートシグナルのうち最多はmacd_dead(MACDデッドクロス)で69件、次いでlow_break(安値ブレイク)32件、ma_dead(MAデッドクロス)14件の順である。
| シグナル | N | 勝率 | 95%CI | E(R) | 所感 |
|---|---|---|---|---|---|
| macd_dead | 69 | 44.9%(31勝) | [33.8%, 56.6%] | +0.05R | 損益分岐付近。CIが43%をまたぐ |
| low_break | 32 | 25.0%(8勝) | [13.3%, 42.1%] | -0.42R | CI上限42.1%<43%。明確な損失圏 |
| ma_dead | 14 | 42.9%(6勝) | [21.4%, 67.4%] | -0.04R | N=14と少なく、CI幅が極めて広い |
macd_dead(44.9%)は全体平均39.3%を5.6pp上回り、CIは[33.8%, 56.6%]でほぼ損益分岐付近。単独では「指数ショートの中ではやや有利」という解釈もできるが、CI下限33.8%は損益分岐の43%を大きく下回っており、確定的な優位性の主張には件数が不足している。
対照的にlow_break(25.0%)はCI上限42.1%が損益分岐43%を下回っており、これは統計的に損益分岐を下回る可能性が高いと解釈できる。macd_deadとlow_breakの差は19.9ppに達し、シグナル種別による分散が指数ショート全体を押し下げている可能性がある。
🏦 銘柄別分析——NKD=F が最高勝率
指数グループには日経CME先物(NKD=F)、S&P500先物(ES=F)、Nasdaq先物(NQ=F)、ダウ先物(YM=F)が含まれる。
| 銘柄 | N | 勝率 | 95%CI | E(R) | 所感 |
|---|---|---|---|---|---|
| NKD=F(日経CME) | 37 | 51.4%(19勝) | [35.9%, 66.5%] | +0.20R | 最高勝率。CI下限35.9%で確定打なし |
| ES=F(S&P500) | 23 | 43.5%(10勝) | [25.6%, 63.2%] | +0.02R | 損益分岐付近。N=23と少なく幅広CI |
| NQ=F(Nasdaq) | 27 | 29.6%(8勝) | [15.9%, 48.5%] | -0.31R | 全銘柄中最低。ただしCI上限は43%超 |
| YM=F(ダウ) | 20 | 30.0%(6勝) | [14.5%, 51.9%] | -0.30R | NQ=Fと並ぶ低勝率。N=20と小サンプル |
最も目立つのはNKD=F(51.4%)の高勝率である。日経225先物のショートは指数グループ全体の平均を12.1pp上回っており、前向きトラッカー期間での挙動も注目される。ただしCI[35.9%, 66.5%]は幅広く、N=37では確定的な結論は保留すべきである。
一方NQ=F(29.6%)とYM=F(30.0%)は低勝率の傾向を示している。ナスダックとダウのショートが指数全体の平均を10pp程度下引きしている可能性があり、銘柄別の分散が大きいことが分かる。
📈 トレンド別分析——上昇中ショートへの集中
上位足トレンド別に指数×ショートを分解すると、以下のようになる。
| トレンド | N | 勝率 | 95%CI | E(R) | 件数比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 上昇トレンド | 77 | 36.4%(28勝) | [26.5%, 47.5%] | -0.16R | 65.8%(最多) |
| 下降トレンド | 19 | 52.6%(10勝) | [31.7%, 72.7%] | +0.36R | 16.2% |
| 中立・もみあい | 20 | 40.0%(8勝) | [21.9%, 61.3%] | -0.07R | 17.1% |
指数×ショートシグナルの65.8%(77/117件)が上昇トレンド中に発火している。これは逆張りショートが上昇相場において多く発生するという構造的な交絡を反映しており、#025でも同様の観察(80.6%が上昇中)が確認されていた。
上昇トレンド中ショートの勝率は36.4%(CI[26.5%, 47.5%])と損益分岐43%を下回る傾向があり、これが全体の39.3%を押し下げている主因と考えられる。一方、下降トレンド中ショート(52.6%)はCI幅が広いものの(N=19)、トレンド方向に沿ったショートは相対的に有利という直感と一致する。
⏱️ 時間足別分析
時間足別に見ると、1Hと4Hで若干の差がある。
| 時間足 | N | 勝率 | 95%CI | E(R) | 所感 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1H(1時間足) | 51 | 37.3%(19勝) | [25.3%, 51.0%] | -0.13R | 全体平均を2pp下回る |
| 4H(4時間足) | 65 | 40.0%(26勝) | [29.0%, 52.1%] | -0.07R | 1Hより2.7pp高い。ともにCI43%またぎ |
1Hと4Hの勝率差は2.7ppに留まり、いずれもCIが損益分岐43%をまたぐため、有意な時間足効果は確認できない。ロング方向では4Hが系統的に弱いことが#015で確認されているが、ショート方向では逆に4Hがやや優位の傾向を示している点は興味深い。サンプルサイズが十分でないため現時点では参考値として記録に留める。
🎯 前向きトラッカー[o]現状と判定基準
前向きトラッカー[o]は2026-06-30の登録時点から、指数×ショートシグナルの前向き成績を追跡している。宣言条件は「前向きN≥80かつE(R) CI上限<0(損益が95%信頼区間で全域マイナス)」である。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 登録日 | 2026-06-30(#025 通過A受け) |
| 宣言条件(gate) | 前向きN≥80かつE(R) CI上限<0 |
| 前向きN(2026-07-20確認) | 53件 |
| 前向き勝率 | 28/53 = 52.8% |
| 前向きE(R) | +0.233R |
| 前向きCI | [-0.10, +0.56] |
| 状態 | 🟡 蓄積中(N=53<80・宣言条件N≥80 まであと27件) |
| ゲート方向 | CI上限+0.56 >> 0(宣言条件と真逆の方向) |
tracker[o]の宣言条件は「E(R) CI上限が0を下回る(損失が確定的)」ことを期待して設定されたが、現在の前向きCI[-0.10, +0.56]はゼロをまたいでおり、CI上限は+0.56と大きくプラス方向を向いている。宣言条件とは正反対の挙動である。
N=53はまだ宣言条件のN≥80に27件不足しているため、ゲート判定(昇格または反証)は保留される。しかし前向き52.8%という数値は、IS期間の28.1%を24.7pp上回っており、方向非対称の逆転が示唆される重要なシグナルである。
🔍 解釈と今後の監視方針
IS→前向きの逆転:何が変わったか
IS期間における指数×ショートの不振(28.1%)は、その大半が上昇トレンド中の逆張りショートで構成されることと関係している(全体の約65%が上昇中に発火)。長期にわたる指数上昇相場において、逆張りショートは構造的に不利だった。
前向き期間(2026-06-30〜)では、この状況が変化した可能性がある。#044で確認した指数×ロングの後半崩落と時期的に重なっており、相場環境の変化(ボラティリティ上昇、方向感の転換など)がトレンド依存のシグナル性能に影響を与えている可能性が考えられる。
low_break の扱い
low_break(安値ブレイク)は指数ショートの中でCI上限42.1%<43%を達成した唯一のサブグループであり、統計的に損益分岐を下回る傾向が示された(全期間累計N=32)。前向き期間での挙動も含めて引き続き観察する。
今後の監視ポイント
- tracker[o] N=80到達時のゲート判定: 現在N=53、あと27件。52.8%が維持されるかどうか
- 指数×ロングとの方向非対称の継続確認: #044の崩落が一時的か構造的かの判断材料
- シグナル別追跡: macd_dead(44.9%)が損益分岐を維持するかどうか
- NKD=F ショート(51.4%)の前向き追跡: 日経CME先物ショートの優位性が継続するか
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