🧪 AIシグナル研究日誌 #46
昇格3仮説の降格ルール追跡——指数×ロング 全N=342・直近FWD66件で急失速
毎回ひとつの仮説を実データで検証し、勝っても負けても全公開する研究日誌の第46回です。前回(#45)では指数×ショートの前向き逆転(IS 28.1% → FWD 52.8%)を解析しました。今回は視点を変え、現在も「✅昇格」を維持している3仮説——指数×ロング・上昇トレンド×逆張り買い・金属ロングgate——が、2026-07-18 に新設された「降格ルール」のもとで今どういう状態にあるかを追跡します。
きっかけは前回(#44, 2026-07-19)の降格ルール初日チェックで3仮説すべてに「CI 基準割れ候補」の旗が立ったことです。2日後の本日(2026-07-21)に最新データを集計すると、指数×ロングの最新N=66件で21.2%・E(R)=-0.505・CI全域マイナスという加速的な悪化が浮かびました。
① 指数×ロング 全N=342: 45.6%(156/342) E(R)=+0.064 CI[-0.059,+0.188]——CI下限マイナスでエッジ基準未達(前向き直近66件での急失速は本文参照)
② rsi_oversold_bounce: 59.3%(32/54) E(R)=+0.383——4シグナル中で唯一の高勝率(N=54)
③ trend=上昇×reversalL: 52.3%(103/197) E(R)=+0.220 CI[+0.057,+0.383]——正のエッジ域で昇格維持
④ metal×long gate: 25.6%(50/195) E(R)=-0.402 CI[20.0%,32.2%]——ゲート仮説継続(CI全域低水準)
① 降格ルールとは
2026-07-18 に新設された降格ルールの要点は次の通りです。
- 昇格後も定期的に再判定する——チェックポイント(前向き N が一定の倍数を超えたとき)ごとに昇格基準を再チェック
- 基準割れ2回連続で降格——edge 仮説なら「CI 下限 > 0 の割れ」、gate 仮説なら「CI 上限 < 0 の割れ」が2回続いたとき
- 再昇格は可能——降格後に回復すれば再昇格できる(⛔反証のみラチェット)
- tracker 表の CI はクラスタ補正 SE を使う——同じデータを素の Wilson 95%CI で見ると幅が狭い。tracker は日付クラスタで補正するため CI が広くなる傾向がある
前回(#44, 2026-07-19)の時点で、3昇格仮説はいずれも tracker 上の CI が 0 をまたぐ「1回目基準割れ候補」と記録されました。本日(2026-07-21)の最新集計で状況を確認します。
② 指数×ロング(全N=342):全体統計と前向き時系列分析
指数グループ(NKD=F・ES=F・NQ=F・YM=F・^FTSE)のロングシグナル全件(2026-05-21〜2026-07-20)を集計すると、以下の通りです。
| 区分 | k/n | 勝率 | E(R) | E(R) 95%CI |
|---|---|---|---|---|
| 全体(N=342) | 156/342 | 45.6% | +0.064 | [-0.059,+0.188] |
全N=342 での 45.6%(E(R)=+0.064)はCI下限がマイナス(-0.059)でエッジ基準未達。これを前向き登録日(2026-06-12)前後に分割した時系列分析を以下に示します(参考値・独立検証外)。
前向き時系列分析(参考・独立検証外)
独立オラクルは日付フィルタに対応していないため、以下は参考分析です。前向き期間(2026-06-12以降 N=221件)を時期別に分解すると、段階的な悪化が見えます。
| 期間 | k/n | 勝率 | E(R) | R 95%CI(参考) |
|---|---|---|---|---|
| IS(登録前 N=121) | 59/121 | 48.8% | +0.138 | [-0.071,+0.346] |
| FWD 前期(n=1〜104) | 62/104 | 59.6% | +0.391 | [+0.170,+0.612] |
| FWD 中期(n=105〜155) | 21/51 | 41.2% | -0.039 | [-0.358,+0.279] |
| FWD 最新(n=156〜221 / N=66件) | 14/66 | 21.2% | -0.505 | [-0.737,−0.273] |
| FWD 全体(N=221) | 97/221 | 43.9% | +0.024 | [-0.129,+0.177] |
昇格当初の前期(N=104)は 59.6%・E(R)=+0.391 と健全でしたが、中期(N=51)で 41.2%・E(R)=-0.039 と崩れ、最新(N=66)は 21.2%・E(R)=-0.505 で CI 全域マイナスが確定。FWD 全体の平均 E(R)=+0.024 は前期好成績の残像であり、足元は明確に悪化しています。
前向きシグナルの期待値(E(R))推移(参考)。前期+0.39 → 中期-0.04 → 最新-0.51 と段階的に悪化。最新N=66件の CI[-0.737,-0.273]は全域マイナス。
③ シグナル別——rsi_oversold が唯一の高勝率
指数×ロング 全N=342 をシグナル別に分解すると、明暗がはっきり分かれました。
| シグナル | k/n | 勝率 | E(R) | コメント |
|---|---|---|---|---|
| rsi_oversold_bounce | 32/54 | 59.3% | +0.383 | 唯一の高勝率(N=54) |
| bb_lower_touch | 45/100 | 45.0% | +0.050 | 損益分岐付近 |
| high_break | 26/57 | 45.6% | +0.064 | 損益分岐付近 |
| macd_golden | 29/69 | 42.0% | -0.019 | 損益分岐やや割れ |
rsi_oversold_bounce(RSI 売られすぎからの反発買い)が 59.3%(32/54)と 4 シグナル中で突出した成績です。E(R)=+0.383 で CI[+0.074,+0.691]——CI 下限がプラスに入り、全シグナル中唯一エッジの統計的根拠があります。bb_lower_touch・high_break は 45% 前後で損益分岐付近。macd_golden はわずかに損益分岐割れです。
トレンド別内訳(全体)
| トレンド | k/n | 勝率 | E(R) |
|---|---|---|---|
| 上昇 | 87/199 | 43.7% | +0.020 |
| 中立・もみあい | 44/96 | 45.8% | +0.069 |
トレンド別では「上昇トレンド中のロングが最も有利」という期待に反し、中立・もみあいがわずかに上回る結果です。ただし E(R) はいずれも 0 付近で有意差は出ていません。
④ 銘柄別内訳——YM=F がやや低め
| 銘柄 | k/n(全体) | 勝率 | E(R) | コメント |
|---|---|---|---|---|
| NKD=F(日経 CME) | 41/76 | 53.9% | +0.259 | 4銘柄中最高勝率 |
| ES=F(S&P500) | 41/91 | 45.1% | +0.051 | 損益分岐付近 |
| NQ=F(ナスダック) | 35/79 | 44.3% | +0.034 | 損益分岐付近 |
| YM=F(ダウ) | 27/68 | 39.7% | -0.074 | 4銘柄中最低・損益分岐割れ |
全体集計では NKD=F が 53.9%(41/76)と最も高く、YM=F が 39.7%(27/68)と最低です。前向き期間限定の時系列分析では NQ=F の FWD 44件が特に悪化(直近 N=50 で 30% 台)しており、「NQ=F のロングシグナルは前向きで急失速」というパターンが続いています。
時間足別(全体)
| TF | k/n | 勝率 | E(R) |
|---|---|---|---|
| 1h(1時間足) | 93/194 | 47.9% | +0.119 |
| 4h(4時間足) | 58/135 | 43.0% | +0.002 |
1h 足が 47.9% と 4h 足(43.0%)をやや上回る傾向は、シリーズ #15(4H 足ロングの系統的アンダーパフォーマンス)と整合しています。
⑤ trend=上昇×reversalL(全N=197):52.3%・正のエッジ域
上昇トレンド中の逆張り買い(rsi_oversold_bounce・bb_lower_touch)仮説は、2026-07-17(#42)に ✅ 昇格しました。本日の全件集計は以下です。
| 区分 | k/n | 勝率 | E(R) | E(R) 95%CI |
|---|---|---|---|---|
| 全体(N=197) | 103/197 | 52.3% | +0.220 | [+0.057,+0.383] |
全N=197 で 52.3%・E(R)=+0.220、E(R)CI[+0.057,+0.383]は両側ともプラスで「正のエッジ域」に入っています。3仮説の中では最も健全な数値です。
グループ別(全体)
| グループ | k/n | 勝率 | E(R) | コメント |
|---|---|---|---|---|
| jpy_fx(円クロス) | 28/49 | 57.1% | +0.333 | 好調 |
| index(指数) | 43/77 | 55.8% | +0.303 | 全体では好調 |
| other_fx(ドル建て FX) | 20/49 | 40.8% | -0.048 | 損益分岐割れ |
全体集計では index も 55.8%(43/77)と好調ですが、これはIS期間(昇格前)の成績が含まれています。前向き期間限定の時系列分析では index の FWD 26 件が 30.8% まで下落しており(#36 参照)、構造的に「IS 好調・FWD 急落」のパターンが見られます。other_fx は全体で 40.8%(20/49)と損益分岐割れです。
前向き時系列参考(独立検証外)
| 区分 | k/n(参考) | 勝率 | E(R) | R 95%CI |
|---|---|---|---|---|
| FWD 昇格時(N=81) | 44/81 | 54.3% | +0.267 | [+0.013,+0.522] |
| 昇格後追加(N=15) | 5/15 | 33.3% | -0.222 | [-0.798,+0.354] |
| FWD 全体(N=96) | 49/96 | 51.0% | +0.191 | [-0.044,+0.426] |
昇格後の追加 N=15 が 33.3%・E(R)=-0.222 に下落していることは気になりますが、N=15 は小サンプルで CI は[-0.798,+0.354]と極めて広く、断定できる状況ではありません。tracker のクラスタ補正 CI では FWD 全体が[-0.01,+0.39]と基準割れ接近の状態です。
⑥ metal×long gate(全N=195):25.6%でゲート仮説継続
金属(GC=F・SI=F)ロングの回避 gate の全件集計です。
| 区分 | k/n | 勝率 | E(R) | 95%CI |
|---|---|---|---|---|
| 全体(N=195) | 50/195 | 25.6% | -0.402 | E(R) CI[-0.545,-0.258] |
全N=195 で 25.6%・E(R)=-0.402、E(R)CI[-0.545,-0.258]は両側ともマイナス。win% の Wilson CI も[20.0%,32.2%]で全域低水準です。「金属ロングシグナルを回避する gate 仮説」は全体統計でも明確に維持されています。
前向き期間参考(独立検証外)
| 区分 | k/n(参考) | 勝率 | E(R) | R 95%CI |
|---|---|---|---|---|
| FWD 全体(N=109) | 36/109 | 33.0% | -0.229 | [-0.436,−0.022](raw CI 全域マイナス) |
| tracker 補正 CI | — | — | -0.23 | [-0.56,+0.10](クラスタ補正) |
⑦ 降格ルール判定まとめ
| 仮説 | 種別 | 全体N | 全体E(R) | 全体E(R)CI | FWD tracker CI | 基準 | tracker 判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 指数×ロング | edge | 342 | +0.064 | [-0.059,+0.188] | [-0.23,+0.28] | CI 下限>0 | ✅昇格(チェックポイント待ち) |
| 上昇×reversalL | edge | 197 | +0.220 | [+0.057,+0.383] | [-0.01,+0.39] | CI 下限>0 | ✅昇格(チェックポイント待ち) |
| metal×long gate | gate | 195 | -0.402 | [-0.545,-0.258] | [-0.56,+0.10] | CI 上限<0 | ✅昇格(tracker CI では基準割れ接近) |
3仮説すべて tracker 上では引き続き ✅ 昇格です。降格には「チェックポイントでの基準割れ2回連続」が必要で、tracker の内部カウンタがそれを管理しています。今後、N が次のチェックポイント閾値を越えた際に、現在の状態が 2 回目の連続基準割れとして記録されると、正式な降格に移行します。
降格ルールはチェックポイント(N が min_n の倍数を超えたとき)ごとに再判定します。指数×ロング N=221 は前回チェックポイント(例:N=160, 200 等)では基準割れ 1 回、今回の N=221 時点ではまだ「連続 2 回」を満たしていないか、次のチェックポイントを待っている状態と考えられます。tracker の実装次第で判定タイミングが変わりますが、いずれにせよ「降格に向けた進行中」であることに変わりありません。
⑧ 📡 前向きトラッカー定点観測
過去データ(in-sample)の検証と並行して、「登録日以降の新規シグナル」を前向き(out-of-sample)で追跡しています。
📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)
| 仮説 | 種別 | 宣言基準 | 前向き現在値(平均R) | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 指数×ロング(全足ライブ) | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R +0.02 CI[-0.23~+0.28](97/221・勝率44%) | ✅昇格 |
| group=metal×dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R -0.23 CI[-0.56~+0.10](36/109・勝率33%) | ✅昇格 |
| trend=上昇×reversalL | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R +0.19 CI[-0.01~+0.39](49/96・勝率51%) | ✅昇格 |
| group=all | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R -0.01 CI[-0.10~+0.09](342/803・勝率43%) | 🟡蓄積中 |
| blocked=False | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.02 CI[-0.09~+0.14](273/624・勝率44%) | 🟡蓄積中 |
| tier=neutral | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R -0.07 CI[-0.20~+0.06](105/264・勝率40%) | 🟡蓄積中 |
| tf=4h×dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.04 CI[-0.15~+0.22](115/259・勝率44%) | 🟡蓄積中 |
| group=index | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R -0.15 CI[-0.30~-0.00](83/229・勝率36%) | 🟡蓄積中 |
| trend=中立・もみあい×reversalL | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.26 CI[-0.08~+0.60](40/74・勝率54%) | 🟡蓄積中 |
| blocked=True×dir=short | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R -0.09 CI[-0.37~+0.19](28/72・勝率39%) | 🟡蓄積中 |
| group=index×dir=short | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.19 CI[-0.12~+0.49](28/55・勝率51%) | 🟡蓄積中 |
| dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R -0.00 CI[-0.15~+0.15](250/584・勝率43%) | ⛔反証 |
| reversalL(逆張り買い) | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.27 CI[+0.04~+0.49](129/238・勝率54%) | ⛔反証 |
| tier=good | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.40 CI[+0.13~+0.68](80/133・勝率60%) | ⛔反証 |
| tier=good×dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.38 CI[+0.08~+0.68](74/125・勝率59%) | ⛔反証 |
| trend=下降×reversalL | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.39 CI[+0.01~+0.78](56/94・勝率60%) | ⛔反証 |
本日の注目トラッカー項目:
- 指数×ロング(全足ライブ):全体 45.6%(156/342)E(R)=+0.064、tracker CI[-0.23,+0.28]——CI 下限がマイナス圏。前向き直近 N=66 では 21.2%・CI 全域マイナスと急失速しており、降格ルールのチェックポイントへの接近が注目されます。
- metal×long gate:全体 25.6%(50/195)E(R)=-0.402、tracker CI[-0.56,+0.10]——CI 上限がわずかに+0.10 で gate 基準割れ接近。全体 E(R) CI[-0.545,-0.258]は全域マイナス維持。
- trend=上昇×reversalL:全体 52.3%(103/197)E(R)=+0.220、tracker CI[-0.01,+0.39]——CI 下限がほぼ 0。3仮説中で全体統計は最も健全ですが、昇格後追加 N=15 の軟調が今後の積み上がりに影響するか注目。
⑨ 次回に向けて
今回の検証で見えてきた主な課題と継続観察点:
- 指数×ロングの降格ルール確定時期——前向き直近N=66が21.2%・CI全域マイナスという状態が続けば、次のチェックポイントで2回目の連続基準割れとなり正式降格となる可能性があります。rsi_oversold_bounce(59.3%・32/54)は全体の中でエッジを維持しており、このシグナルだけに絞ったサブ仮説検証が次の課題です。
- trend=上昇×reversalL のグループ別精査——全体 52.3%(103/197)で正のエッジ域ですが、other_fx(40.8%)が損益分岐割れ。前向き期間では index も急落傾向。グループ選別がエッジ維持のカギとなります。
- metal×long gate の継続確認——全体 25.6%(50/195)で gate は明確ですが、tracker 補正 CI の上限が+0.10 に接近中。FWD 直近 23 件の 52.2% が短期ノイズか構造変化かを引き続き監視します。
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