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⚠️ 本記事は市場の取引時間・時間帯ごとの特徴に関する「情報提供」であり、特定の銘柄・商品の売買推奨や投資助言ではありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録もしていません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

🕐 取引時間の話|東京・ロンドン・NYと動きやすい時間帯

公開日:2026 年 8 月 20 日 / 読了時間:約 12 分 / カテゴリ:投資の基礎知識

「夜中に大きく動いた」「朝起きたら値が飛んでいた」——投資を始めると、こういう経験に驚く方がいます。株でも FX でも、いつ・どの市場が開いているかを知ることは、値動きのパターンを理解する第一歩です。

世界の主要取引所は東京・ロンドン・ニューヨークを中心に 24 時間近くリレーしています。それぞれが開く時間帯には参加者が増えて値が動きやすく、逆に誰も取引していない"デッドゾーン"ではスプレッドが広がって薄商いになります。この記事では、市場のリレー構造から、なぜその時間帯に動くのかまでを図解で解説します。

📌 この記事の結論(3 行サマリ)

1️⃣ 3 市場のリレー:世界の取引はどう回っているか

投資の世界では、東京 → ロンドン → ニューヨークの 3 極が地球の自転に合わせて順番に開場します。それぞれが「主役の時間帯」を担い、次の市場にバトンをつなぐイメージです。

東京・ロンドン・ニューヨーク3市場のリレー(JST 24時間・冬時間ベース) 3市場のリレー(JST・冬時間ベース) 0時 3時 6時 9時 12時 15時 18時 21時 24時 前場 9:00-11:30 後場 12:30-15:30 東証 17:00 → (翌1:30) LSE(冬) NYSE(冬) →翌6:00 ▲ロンドン×NY重複(最高流動性帯) 東京証券取引所 ロンドン証券取引所(冬) NYSE(冬) 重複帯
▲ JST(日本標準時)ベースで見た3市場のリレー(冬時間)。東証は9〜15:30、ロンドンは17時頃から始まり、NYは23:30前後に開場。青い斜線エリア(24時前後と0〜翌1:30)がロンドンとNYの重複帯で、一日で最も流動性が高い時間帯。※ 概念を示すイメージ図です。夏時間は各1時間早まります。

この図から見えるのは、東京の後場が終わる15:30からロンドンが開く17時までの約1.5時間は、株式市場の視点では「間」の時間だということです。もちろん FX は 24 時間動いていますが、大きな機関投資家が参加している市場が"主役"を持つ時間帯と、そうでない時間帯があります。

2️⃣ 東京証券取引所の構造:前場・後場とは

東京証券取引所(JPX)には特徴的な仕組みがあります。1日を「前場」と「後場」の2セッションに分け、間に昼休み(11:30〜12:30)を挟む体制です。2024年11月には後場終了時刻が 15:00 から 15:30 に30分延伸され、同時に「クロージングオークション(板寄せ)」が新設されました(出典:JPX 公式発表)。

セッション時刻(JST)特徴
前場(ザラバ※1)9:00 – 11:30注文受付は8:00から。国内機関が一斉に参加しJPYペアのスプレッドが締まる
昼休み11:30 – 12:30株式売買は停止。この間に指値を変更できる
後場(ザラバ)12:30 – 15:25午後の相場。引けにかけて出来高が増える傾向
プレ・クロージング15:25 – 15:30注文受付のみ・売買は成立しない
クロージングオークション(大引)15:302024年11月新設。板寄せ(※2)で終値を確定
💡 ザラバ(※1)とは、個々の注文がリアルタイムでマッチングされる通常の売買時間のことです(対義語=板寄せ)。
板寄せ(※2)とは、一定時間に集まった注文を一度にまとめて単一価格で約定させる方式で、始値・終値の決定に使われます。
💡 ポイント:前場と後場の「開始直後」は注文が集中しやすく、値動きが激しくなることがあります。特に前場9時台の開始直後は、前日夜の海外市場の動きを消化する動きが一度に出ます。

東証の昼休みは独特の存在

世界の主要取引所(LSE、NYSE)に昼休みはありません。東証の昼休みは日本独自の慣行で、この時間帯は先物や FX では継続取引が行われています。昼休み中に重要なニュースが出た場合、後場の寄付(12:30の始値)でギャップを開けて始まることがある点を覚えておくと良いでしょう(詳しくは 持ち越しリスクと週末ギャップ をご参照ください)。

3️⃣ ロンドン・ニューヨーク市場の時間(JST 換算)

欧米の取引所にはサマータイム(夏時間)があるため、JST との時差が季節によって変わります。英国は BST(UTC+1)、米国は EDT(UTC-4)が夏時間で、いずれも JST より 1 時間早く始まります。

取引所夏時間(JST)冬時間(JST)備考
ロンドン証券取引所(LSE)16:00 – 翌0:3017:00 – 翌1:30英国は3月最終日曜〜10月最終日曜がBST
NYSE / Nasdaq22:30 – 翌5:0023:30 – 翌6:00米国は3月第2日曜〜11月第1日曜がEDT
日本にはサマータイムがないため、英米の夏時間切り替えのたびに JST との時差が1時間ずれます。米国主要指標の発表時刻も同様にずれるため、毎年3月・11月前後に時刻の確認を習慣化するといいでしょう。

4️⃣ 市場が重なる時間帯:なぜその時間に動くのか

2つ以上の市場が同時に開いている時間帯を「オーバーラップ」と呼びます。参加者の数が増え、売買注文が集中するため、ボラティリティ(価格の変動幅)が大きくなりやすいです。

ロンドン×ニューヨーク重複帯のボラティリティ概念図(FX) FXボラティリティのイメージ(JST 15:00〜翌6:00・冬時間) 15時 16 17 18 19 20 21 22 23 24時 翌1 翌2 翌3 翌4 翌5 翌6 ロンドン開場(17時) NY開場(23:30) ▼ 重複帯 最高流動性 指標発表 21:30頃(夏)
▲ FXボラティリティのイメージ(JST・冬時間)。緑シェードはロンドン開場、赤シェードはNY開場、青シェードはロンドン×NYの重複帯(23:30〜翌1:30)。橙の縦線は米国主要指標(NFP・CPI等)発表時刻の目安。図では夏時間(21:30)の位置に示しており、冬時間では22:30へずれます。重複帯でボラティリティがピークを迎えるのは、世界最大の流動性を持つロンドンと米国のトレーダーが同時に活動するため。※ 概念を示すイメージ図です。

主要なオーバーラップ時間帯(JST)

重複夏時間(JST)冬時間(JST)特徴
東京 × ロンドン(FX)16:00 – 18:0017:00 – 18:00EUR/JPY などクロス円が動きやすい。東京の引けと重なる
ロンドン × NY(最重要)22:30 – 翌0:3023:30 – 翌1:30世界最大の流動性。EUR/USD、GBP/USD が活発。1日のなかで最もボラが出やすい

逆に言えば、ロンドンとNYのどちらも開いていない時間帯は「静かな時間」です。東証が閉まる15:30からロンドンが開く17時(冬時間)までの約1.5時間や、NYが閉まる翌5〜6時から東証が開く9時までの時間帯は、流動性が低い傾向があります。

5️⃣ FX セッションの特徴:株式と違う 24 時間市場

株式取引所と異なり、FX(外国為替)市場には公式な「取引時間」はなく、銀行や FX ブローカーが世界中で 24 時間取引を行っています。ただし、時間帯によって主役の地域・通貨ペアが変わります。

セッション慣例的な時間(JST)主役通貨ペア特徴
東京セッション9:00 – 18:00USD/JPY・EUR/JPY・クロス円全般JPY ペアのスプレッドが最も締まる。国内機関が参加し比較的落ち着いた値動きが多い傾向
ロンドンセッション冬:17:00〜
夏:16:00〜
EUR/USD・GBP/USD・EUR/GBP世界最大のFX取引量を誇るロンドン市場。1日の中でボラティリティが最も高い
NYセッション冬:23:30〜翌6:00
夏:22:30〜翌5:00
USD/JPY・EUR/USD・全般米国の経済指標発表と重なりやすく、急動意が起きやすい。ロンドンとの重複帯が最も活発
💡 ポイント:セッションの時間は慣例的なものであり、FX 市場に「閉店時間」はありません。ただし各セッションが終わるにつれて参加者が減り、スプレッドが少しずつ拡大していく傾向があります。

6️⃣ 薄商いの時間帯とスプレッド拡大

ここからは中上級向けの内容です。流動性(取引参加者の数)は時間帯によって大きく変わり、流動性が低い時間帯ではスプレッドが広がります。スプレッドとは買値と売値の差(コスト)のことで、広ければ広いほどトレードのコストが増えます。

📉 最もスプレッドが広がりやすい時間帯(JST):早朝 5:00 〜 9:00 ——NYセッションが終了し、東京セッションが始まる前の「デッドゾーン」。参加者が最も少なく、スプレッドが通常の数倍に拡大することがある。週明け月曜日の市場再開直後(東京9時直前)も同様に注意が必要。

なぜスプレッドが広がるのか。FX ブローカーは流動性プロバイダー(主に大手銀行)から価格を仕入れています。薄商いの時間帯は流動性プロバイダー自身も少ないため、在庫リスクを嫌って提示する価格の幅を広げるのです。また、大型の指標発表の直前・直後にも一時的にスプレッドが拡大することがあります(プロバイダーが価格提示を一時引っ込めるため)。

スプレッドが広い時間帯に注文を出すと何が起きるか

💡 用語メモpips(ピップス)は為替レートの最小変動単位で、ドル円なら 0.01 円が一般的な換算(ブローカーにより異なる)。ATR(Average True Range)は一定期間の値動き幅の平均を示すテクニカル指標で、損切り幅の目安として使われます。

たとえば通常 0.3 pips のスプレッドが 3 pips に広がっているとき、成行で買いを入れると最初から 3 pips 分の含み損を抱えることになります。損切りライン(損切りの考え方)を ATR ベースで数 pips 単位で設定している場合、薄商い時のスプレッド分のコストが無視できないケースがあります。デッドゾーンの成行注文は避けるか、スプレッドを確認してから入るのが一般的な考え方です。

スプレッドの時間変化概念図(JST・FX例・冬時間ベース) スプレッドの時間変化イメージ(JST・冬時間) 0時 5時 9時 12時 15時 18時 21時 24時 デッドゾーン 5〜9時 東証開場 LSE開場 NYSE 開場 最低スプレッド 帯(重複) 標準
▲ FXスプレッドの時間変化イメージ(JST・冬時間)。赤シェードのデッドゾーン(5〜9時JST)が最もスプレッドが広がりやすい。東証開場(9時)・LSE開場(17時)・NYSE開場(23:30)で参加者が増えてスプレッドは改善し、ロンドン×NY重複帯(23:30〜翌1:30)が最も流動性が高く最低スプレッドに近づく傾向がある。※ 概念を示すイメージ図です。実際のスプレッドはブローカー・通貨ペア・市場環境により異なります。

7️⃣ 指標発表時刻との関係:時刻を知ると持ち越しリスクが見える

取引時間を理解すると、なぜ特定の時刻に急に動くのかがわかります。特に重要なのは米国の主要経済指標で、多くは米国東部時間(ET)の 8:30 に発表されます。

指標頻度夏時間(JST)冬時間(JST)
非農業部門雇用者数(NFP)毎月第1金曜21:3022:30
消費者物価指数(CPI)毎月(翌月中旬前後)21:3022:30
小売売上高・GDP速報等各種21:30(主要)22:30(主要)
FOMC 声明発表年8回翌3:00翌4:00
FOMC 議長記者会見FOMC同日翌3:30翌4:30

注目すべきは、NFP や CPI の発表時刻(21:30 / 22:30 JST)はロンドンとNYの重複帯の直前か入り口に当たるということです。流動性が最も高まるタイミングに、最大の材料が出ることになります。これが「夜中に急に動く」現象の主な正体です。

指標発表を挟む「持ち越し」は、発表直後に大きなスプレッドやスリッページ(注文価格と実際の約定価格のズレ)が起きやすくなります。逆指値(ストップ注文)が指定した価格で執行されない可能性も高まります(詳細は 持ち越しリスクと週末ギャップ)。当サイトの 経済カレンダー では各指標の発表予定日時を確認できます。

FOMC の発表時刻に注意

FOMC(米国連邦公開市場委員会)の声明発表は日本時間の深夜3〜4時(夏/冬)です。NYセッションが終わりかける時刻に突然大きな動きが出ることがあります。FOMC 前夜に FX や米株関連のポジションを持ち越す場合は、この時刻を意識しておくことが一般的なリスク管理の考え方です(経済指標の読み方入門も参照)。

8️⃣ 当サイトでの活かし方

MarketWatch AI では複数の機能で「時刻の文脈」を提供しています。

✅ まとめ:取引時間の知識をどう使うか
①「なぜ夜中に動いたか」が理解できる(ロンドン×NY重複帯・指標発表)。②持ち越しポジションのリスク(翌日の発表前後)を意識できる。③デッドゾーンの成行注文を避けることでスプレッドコストを抑えやすくなります。これらはすべて「損を小さくする」方向の知識で、勝率を上げる魔法ではありませんが、不必要なコストやサプライズを減らす基礎になります。

🔖 まとめ

取引時間は一見地味な知識に見えますが、「なぜその時間に動くのか」という市場の構造を理解するための土台です。

次のステップとして、実際の指標スケジュールを 経済カレンダー で確認する習慣をつけると、「今週の地雷はどこか」が見えてきます。また注文の種類(特に逆指値)については 注文方法の基本 をご覧ください。

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