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⚠️ 本記事は投資詐欺の手口と対策に関する一般的な「情報提供」であり、特定銘柄・金融商品の売買推奨や投資助言ではありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録もしていません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

👨‍👩‍👧 「誰にも言わないで」と言われたら|家族で決めておく3つのルール

公開日:2026 年 9 月 22 日 / 読了時間:約 9 分 / カテゴリ:投資詐欺から身を守る(第20回・シリーズ最終回)
30秒でわかるこの記事
手口は毎年変わります。SNSの広告、恋愛感情、偽の取引所、画面共有、暗号資産——この連載で19回かけて見てきた型も、来年には形を変えているはずです。 それでも「秘密にさせる」という一点だけは、ほぼ全部に共通しています。だからこの最終回は、新しい手口を覚える話ではありません。 手口を見分けられなくても止まれるように、家に手順を置いておく話です。

📊 まず、事実の確認

警察庁が2026年7月31日に公表した令和8年(2026年)上半期の暫定値では、特殊詐欺全体の認知件数は22,031件、被害額は1,816.2億円でした。1日あたりの被害額は10.0億円になります(出典:警察庁「令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」2026年7月31日公表、2026年9月22日確認)。

手口被害額(前年同期比)既遂1件当たり
SNS型投資詐欺797.9億円(+444.9億円)1,362.5万円
ニセ警察詐欺507.9億円(+108.9億円)1,163.9万円
SNS型ロマンス詐欺246.6億円(+6.3億円)984.1万円
架空料金請求詐欺74.6億円(+6.1億円)250.2万円
オレオレ詐欺68.9億円(+5.5億円)380.7万円
その他120.3億円(+47.0億円)293.2万円
合計1,816.2億円(+618.8億円)840.0万円

※出典:警察庁 同上(令和8年上半期・暫定値)。2026年9月22日確認。「既遂1件当たり」は既遂件数を分母とした警察庁の公表値で、認知件数(未遂を含む)で割った数とは一致しません。例えばSNS型投資詐欺は被害額797.9億円・認知件数5,893件なので、認知件数で割ると約1,354万円になります。どちらも正しく、分母が違うだけです。

被害は、高齢層だけの話ではありません

特殊詐欺全体で見ると、被害額・認知件数ともに60代が最多で、被害額では50代以上が約8割を占めます。ここだけを見ると「年配の方の問題」に見えます。

ただしSNS型投資詐欺に限ると、様子が変わります。被害額は60代が最多である一方、20代から50代が、被害額では約4割、認知件数では約6割を占めています(出典:警察庁 同上)。

件数で見ると、現役世代のほうが多い。1件あたりの金額は年齢が上がるほど大きくなる傾向があるため、被害額で見ると高齢層が目立ちます。しかし「何人が掛かっているか」で見ると、SNS型投資詐欺は20〜50代が約6割です。「自分はまだ若いから」「ネットには慣れているから」は、この数字の前では理由になりません。

この連載で繰り返しお伝えしてきたことですが、掛かるかどうかは判断力の問題ではありません。相手は、こちらの状況が揃うタイミングを待っています。転職、離婚、病気、老後の不安、子どもの学費——誰にでも、判断が急ぐ時期があります。

🔑 19回分を1枚に畳むと、共通点は1つだけ

この連載で扱ってきた手口を並べてみます。

SNSの広告・なりすまし 恋愛感情からの誘導 無登録業者・出金拒否 画面共有・遠隔操作 暗号資産への換金要求 来年の、まだ無い手口 共通するのは 「秘密にさせる」 ここを 断つ
【図】手口は入口が違っても、「秘密にさせる」という一点で重なります。
※概念を示すイメージ図です。

なぜ相手は秘密にさせたがるのか。理由は単純で、第三者が一人でも間に入ると、たいていの話はそこで止まるからです。家族に話す、窓口に電話する、職場の同僚に「こんな話があって」と言ってみる——どれか一つでも起きると、相手にとっては都合が悪い。

だから「あなただけに教えている」「まだ公開していない案件だから」「家族には心配をかけるから黙っておこう」という言い方が出てきます。この連載で見てきた19の手口のほとんどに、この要素がありました。

📋 家族で決めておく3つのルール

手口を覚えるアプローチには限界があります。来年には、この連載に無い手口が出てくるからです。そこで提案したいのは、中身を判定せずに止まれる手順を、あらかじめ家に置いておくことです。

ルール① 一定額を超える送金は、実行する前に家族の誰か1人に口に出す

金額はご家庭で決めてください。10万円でも、30万円でも構いません。大事なのは金額の線ではなく、「口に出す」という手順そのものです。

相手を説得してもらう必要はありません。反対してもらう必要もありません。声に出して説明してみる、それだけで十分です。うまく説明できないと気づいた時点で、すでに役目を果たしています。

ルール② 金融の手続きで画面共有・遠隔操作を求められたら、内容にかかわらずその場で中断する

これは第15回で扱った型です。「操作を教えます」と言われて画面を共有し、その日のうちに複数の消費者金融から借り入れをさせられた相談事例が、国民生活センターに寄せられています(出典:国民生活センター「副業サポートや投資の名目で借金させる業者に注意!」2026年5月20日公表、2026年9月22日確認)。

相手が誰かを判定しないのが、このルールの要点です。「金融の手続きで、画面共有や遠隔操作を求めてくる正規の相手はいない」という一文で切ってください。本物かどうかを見極めようとすると、その時点で相手の土俵に乗ってしまいます。

ルール③ 「家族には内緒で」と言われた時点で、その話は終わりにする

この連載を1枚に畳んだのが、このルールです。内容を吟味する必要はありません。相手の話が本当かもしれない、と考える必要もありません。

秘密にさせようとした、という事実だけで十分です。正規の金融機関も、正規の取引先も、「ご家族には黙っていてください」とは言いません。言う必要がないからです。

この3つに共通しているのは、「相手を見抜かなくてよい」という点です。見抜こうとすると、相手のほうが場数を踏んでいる分だけ不利になります。中身を判定せずに、手順だけで止まる。それがこの連載を通じてお伝えしたかったことです。

⚠️ このルールの使い方について、2つだけ

家族を監視する仕組みにしないこと

この3つは本人が自分のために使う約束事です。誰かの送金を家族が承認する、という仕組みではありません。

監視にしてしまうと、かえって隠すようになります。「言いにくいことを言える関係」のほうが、結果として守りになります。ルール①を「報告義務」ではなく「声に出してみる場所を家の中に作っておく」と捉えていただくほうが、長く続きます。

高齢の家族を「判断力が落ちた人」として扱わないこと

数字が示しているのは、件数で見ればSNS型投資詐欺の約6割は20〜50代だという事実です。年齢の問題ではなく、誰でも状況が揃えば掛かるというのが、この連載の一貫した立場でした。

ですからこの3つのルールは、家族全員が自分に対して使うものとして置いてください。親に押し付ける話ではなく、自分も同じルールを使う、という形が自然です。

📞 迷ったときの相談先

📞 主な相談窓口
  • #9110(警察相談専用窓口)— 事件にするか迷う段階でも相談できます
  • 188(消費者ホットライン)— 契約や支払いのトラブル全般
  • 0570-050588(金融庁 金融サービス利用者相談室)— 業者が登録されているかなど
  • 0570-00-3581(金融庁 詐欺的な投資勧誘に関する相談窓口)

「まだ被害に遭っていないから」と遠慮する必要はありません。迷っている段階で相談するのが、最も被害が小さくて済む使い方です。

🔚 このシリーズについて

「投資詐欺から身を守る」は、本記事の第20回をもって完結します。SNS型・ロマンス型・無登録業者・ポンジスキーム・未公開株・情報商材・暗号資産・ディープフェイク・被害回復詐欺・口座売買・フィッシング・チャットグループ・利回り保証・借金をさせる型・画面共有・暗号資産への換金・政府公認を騙る型・正規業者には言えない約束・AIツール、そして本記事——20の型を扱ってきました。

全20回の索引はこちらの総目次にまとめています。気になる型があれば、そこから探してください。

投資の判断は、かならずご自身の責任で行ってください。本記事および本シリーズは、詐欺の手口と公的機関の情報を整理してお伝えするものであり、特定の金融商品・事業者の評価や、売買の推奨を行うものではありません。ここで紹介した3つのルールも、被害を防ぐことを保証するものではありません。実際に判断に迷われたときは、上記の公的な相談窓口をご利用ください。
【免責事項】
本記事は情報提供を目的として作成されており、金融商品取引法に基づく投資助言・投資勧誘・特定金融商品の売買推奨を行うものではありません。掲載されている情報は2026年9月22日時点の公開情報・一次情報をもとにした参考解説であり、その正確性・完全性を保証するものではありません。投資の判断および運用は、かならずご自身の責任と判断において行ってください。詐欺の手口は 今後も変化しており、本記事で扱った型に当てはまらないからといって安全とは限りません。実際に判断に迷われたときは、本文に記載した公的な相談窓口(#9110/188/金融庁)をご利用ください。