📈 単利と複利とは?「利息に利息がつく」複利の力をやさしく図解
利息のつき方には「単利」と「複利」の2種類があります。長く運用するほど、この差は驚くほど大きくなります。
増え方は一定(直線)
雪だるま式(曲線)
複利の差が大きくなる
ざっくり:単利は直線、複利は曲線。時間をかけるほど複利が単利を引き離す。
1. 単利と複利の違い(利息のつき方)
お金を運用すると利息(リターン)がつきますが、その「つき方」に2種類あります。
| 方式 | 利息のつき方 | 増え方 |
|---|---|---|
| 単利(たんり) | 元本にだけ利息がつく。利息は受け取って、元本は増えない | 毎年おなじ額ずつ(直線的) |
| 複利(ふくり) | 元本+これまでの利息に利息がつく。利息を元本に組み入れて再投資 | だんだん加速(曲線的) |
たとえば100万円を年5%で運用すると、1年目はどちらも利息5万円で同じ。違いが出るのは2年目からです。単利は翌年もまた元本100万円に対して5万円。いっぽう複利は、利息を足した105万円に対して5%=5万2,500円の利息がつきます。この「利息が利息を生む」差が、年を追うごとに積み上がっていきます。
2. どれくらい差がつく?(100万円・年5%の例)
元本100万円を年5%で運用できたと仮定して、単利と複利でどれだけ差がつくかを並べてみます。
| 経過年数 | 単利(元本にだけ) | 複利(利息にも利息) |
|---|---|---|
| 10年後 | 150.0万円 | 約162.9万円 |
| 20年後 | 200.0万円 | 約265.3万円 |
| 30年後 | 250.0万円 | 約432.2万円 |
10年後の差は約13万円ですが、30年後には約182万円(複利432万円 − 単利250万円)にまで開きます。複利の効果は後半になるほど急加速する――これが「時間を味方につける」と言われる理由です。
3. 72の法則(資産が2倍になる年数の目安)
複利でお金が2倍になるまでの年数を、ざっくり暗算できる便利な目安が「72の法則」です。
例:年6%なら 72÷6=約12年/年3%なら 72÷3=約24年/年8%なら 72÷8=約9年。
あくまで複利を前提とした概算ですが、「この利回りだと、だいたい何年で倍になるか」を直感的につかむのに役立ちます。逆に言えば、利回りが高いほど、また期間が長いほど、複利は強く効くということでもあります。
4. 複利を効かせる3つの条件
利回りが高いほど複利は強く働きます。ただし高い利回りは高いリスクと裏表。「高利回り」だけを追うと、大きな損失で複利が逆回転することもあります(後述)。
複利は後半ほど加速します。だからこそ「早く始めて、長く続ける」ことが効きます。時間そのものが、複利にとって最大の燃料です。
複利の心臓部は「増えた分を再び投資に回す」こと。利息や配当・分配金を受け取って使ってしまうと、その部分は単利と同じになります。再投資してこそ複利です。
5. 複利の注意点(損失・手数料・税金・うまい話)
複利は「増える方向」だけでなく、マイナスや差し引かれるコストにも同じように効きます。良い面ばかりではない点を押さえておきましょう。
| 要因 | 複利への影響 |
|---|---|
| 大きな損失(ドローダウン) | 複利は損失方向にも働く。大きく減ると、元に戻すのにより大きな上昇が必要になる |
| 手数料・信託報酬 | 毎年差し引かれるコストも複利で効く。長期では小さな率の差が大きな差に |
| 税金 | 利益に課税されると、その分は再投資に回せず複利が目減りする |
| 途中の引き出し | 増えた分を使うと再投資されず、複利が止まる |
6. 個人投資家と複利(再投資・つみたて・NISA)
複利は理屈だけでなく、個人の資産形成でも身近に使えます。
- 配当・分配金の再投資:受け取った配当や投資信託の分配金を再び投資に回すと、複利が効きやすくなります。投資信託では分配金を自動で再投資するタイプ(再投資型)もあります。
- つみたて(積立投資):毎月コツコツ買い増しながら長期で持つことで、時間を味方につけやすくなります。買うタイミングを分散する考え方は ドルコスト平均法 を参照。
- NISA など非課税制度:利益に税金がかからない口座では、税金で削られない分だけ複利が効きやすいとされます。制度の概要は NISAの基本 で解説しています。
7. まとめ
- 単利=元本にだけ利息(直線的)。複利=利息にも利息(曲線的・雪だるま式)。
- 差は後半ほど加速。100万円・年5%なら30年で単利250万円 vs 複利約432万円(計算上の例)。
- 72 ÷ 年利% ≒ 2倍になる年数(72の法則)。利回りが高い・期間が長いほど複利は強い。
- 複利を効かせるカギは「利回り・期間・再投資」。とくに早く始め、長く続け、増えた分を再投資する。
- 複利は損失・手数料・税金にも効く。大きな下落と「元本保証で高利回り」のうたい文句には要注意。