🍣 FOOD&LIFE COMPANIES(3563)を数字で見る|スシロー運営会社を有価証券報告書で確認
「数字で見る、話題の企業」シリーズ第5回は、回転すし「スシロー」を中核事業とする株式会社FOOD&LIFE COMPANIES(証券コード3563)を取り上げます。このシリーズの狙いは「この会社の将来性を自分で見積もれる状態」を作ることであり、上がるか下がるかの結論は書きません。会社が金融庁の開示システム(EDINET)に提出した一次情報——有価証券報告書(第11期・2024年10月〜2025年9月)——から、①事業の中身 ②産業のつながり ③歴史 ④直近決算の数字 ⑤会社自身が認めているリスク ⑥上がる材料・下がる材料を対で並べ、最後に⑦次に何を見ればよいかを整理します。
- FOOD&LIFE COMPANIESは回転すし「スシロー」(国内・海外)、持ち帰りすし「京樽」、寿司居酒屋「杉玉」等を展開する持株会社。第11期(2024年10月〜2025年9月)の売上収益は4,295.74億円(前期比+19.0%)、営業利益360.93億円(同+54.4%)で、会社は「連結会計年度として過去最高を更新」と説明している
- 海外スシロー事業の売上収益は1,314.20億円(前期比+42.6%)で全体の30.6%を占め、国内スシロー事業(61.9%)に次ぐ規模に成長。会社自身が海外事業展開のリスクも開示している
- 「上がる材料」「下がる材料」を各5件ずつ、出典付きで対に並べます。買い時かどうかの結論は書きません
edinet-yuho.jsonのcandidates[]=直近14日の日本株ランキング〈値上がり・値下がり・出来高急増〉に2回以上登場した銘柄、2026-09-25時点で15銘柄)から、直近のランキング登場日から3営業日以上経過した銘柄(「熱が残っているうちは書かない」ルール)を機械的に絞りました。⚠️ この絞り込みでは東証の連休(2026年9月21〜23日は敬老の日・国民の休日・秋分の日で3日連続休場、economic-events.jsonで確認)を営業日から除外する必要があり、これを踏まえると当該基準を満たすのはFFRIセキュリティ(3692・最終登場9/17)とFOOD&LIFE COMPANIES(3563・最終登場9/17)の2社でした(両社とも9/18・9/24・9/25の3営業日が経過)。いずれも本レーンでの90日以内の既刊なし、個別deep-dive記事の既刊なし(ls guide-*.htmlとguides.htmlを社名・証券コードでgrepして確認)、直近14日のニュースレーン(guide-news-*.html・NEWS_LEDGER.md)との重複もなしを確認したため、候補の中で時価総額が最大だったFOOD&LIFE COMPANIESを選定しました。release.tdnet.info)および会社IRサイトへの接続が本記事執筆時点でブロックされていました(経路遮断・403、実測確認済み)。このため直近四半期の決算短信ではなく、直近の本決算(有価証券報告書 第11期・通期、2025年12月22日提出)の数字を使用しています。有価証券報告書とEDINET開示システムへの接続自体は正常に到達できています。1️⃣ FOOD&LIFE COMPANIESはどんな会社か
FOOD&LIFE COMPANIESは持株会社として経営方針の策定・経営管理を担い、連結子会社19社とともに直営方式による回転すし店のチェーン展開を主たる事業としています(出典:有価証券報告書 第11期「事業の内容」、2025年12月22日提出、2026-09-26確認)。会社は5つの報告セグメントを開示しています:国内スシロー事業(子会社の株式会社あきんどスシローが運営)、海外スシロー事業(韓国・台湾・シンガポール・香港・タイ・中国大陸・インドネシア・マレーシア・米国で展開)、京樽事業(持ち帰りすし「京樽」・「回転寿司みさき」等)、国内杉玉事業(寿司居酒屋「鮨・酒・肴 杉玉」)、そのほかの事業です。
第11期(2024年10月〜2025年9月)の販売実績(セグメント別・外部顧客向け)は次のとおりです(出典:同有報「生産、受注及び販売の実績 (3)販売実績」)。
京樽事業・国内杉玉事業・その他事業の内訳は、京樽事業234.25億円(前期比▲2.1%)、国内杉玉事業81.53億円(同+19.8%)、その他事業6.74億円です(出典:同有報「販売実績」)。会社の説明によるセグメント利益(事業区分ごとの利益。経営者による分析より)は、国内スシロー事業180.08億円(前期比+26.7%)、海外スシロー事業163.24億円(同+126.9%)、京樽事業0.60億円(前期はセグメント損失3.50億円)、国内杉玉事業0.64億円(同▲51.1%)でした。
2️⃣ どのつながりの中にいるか
次にこれが来る・上がる・下がるという話ではなく、FOOD&LIFE COMPANIESが食のサプライチェーンのどの工程に立っているかを地図として示します。答え(次はどれか)は渡しません。地図だけを渡します。
FOOD&LIFE COMPANIESが「回転すしチェーン運営」の箱に立っている根拠は、会社自身の事業内容の開示にあります。会社は「高品質な食材の仕入れ、鮮度管理の徹底、店内調理へのこだわり」を事業の特徴として説明しており(出典:有価証券報告書「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」)、川上の水産物・米などの一次生産者や食品卸売・輸入商社から食材を仕入れ、店舗網(国内964店舗・海外234店舗、2025年9月末時点)で調理・提供する立場にあります(出典:同有報「事業上及び財務上の対処すべき課題」)。川下には、店舗を訪れる最終消費者(年間約1億8千万人が来店、出典:同有報「会社の経営の基本方針」)が続きます。
このつながりが切れる(弱まる)条件も、会社自身が有報のリスクで明記しています。「魚介類や米、その他の食材及び店舗用品の価格は、例えば、海水温上昇等の環境変化、天候不順・異常気象・自然災害の発生...取引先の倒産又は事故・災害による供給停止...の影響を受けます」(出典:有価証券報告書「事業等のリスク」(5)食材等の調達困難・価格高騰に伴うリスク、2026-09-26確認)。つまり、川上の一次生産・供給側で問題が起きれば、この工程間のつながりの強さそのものが変わり得るということです。
3️⃣ 歴史年表——事実で確認できる出来事
各行に出典を付した事実の年表です。原因の断定や物語化は避け、確認できる出来事のみを並べています。以下はすべて会社の一次情報(有価証券報告書「沿革」等)に記載された事実です。
| 年月 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 1984年10月 | 大阪府豊中市に株式会社すし太郎を設立、店名「すし太郎」として1号店を出店 | 有価証券報告書「沿革」(2025-12-22提出、2026-09-26確認) |
| 1996年9月 | 1皿100円均一の1号店となる高司店を兵庫県宝塚市に出店 | 同上 |
| 2000年12月 | 商号を株式会社あきんどスシロー(旧)に変更 | 同上 |
| 2003年9月 | 東京証券取引所市場第二部に株式を上場 | 同上 |
| 2008年11月〜2009年4月 | エーエスホールディングス株式会社による公開買付けが完了し子会社化、2009年4月に東京証券取引所市場第二部の上場を廃止 | 同上 |
| 2012年9月〜2013年1月 | CEILジャパン株式会社が旧・株式会社あきんどスシローを子会社化、その後吸収合併して株式会社あきんどスシローに商号変更 | 同上 |
| 2015年3月 | 単独株式移転により持株会社の株式会社あきんどスシローホールディングスを設立、持株会社体制に移行 | 同上 |
| 2017年3月 | 東京証券取引所市場第一部に株式を上場 | 同上 |
| 2021年4月 | 株式会社スシローグローバルホールディングスから株式会社FOOD&LIFE COMPANIESに社名変更。同時に株式会社京樽の全株式を取得し子会社化 | 同上 |
| 2022年4月 | 東京証券取引所の市場再編に伴い、新市場「プライム市場」に移行 | 同上 |
| 2024年11月 | 「2024年9月期-2026年9月期 中期経営計画」を公表(海外展開拡大・国内事業強化・サステナブル経営を軸とする成長戦略) | 有価証券報告書「事業等のリスク」(6)(2025-12-22提出、2026-09-26確認) |
| 2025年12月 | 有価証券報告書 第11期(2024年10月〜2025年9月)を提出 | 有価証券報告書(2025-12-22提出、2026-09-26確認) |
4️⃣ 直近決算の数字(有価証券報告書 第11期)
有価証券報告書 第11期(自2024年10月1日至2025年9月30日、2025年12月22日提出)の数字です。数値はすべて同資料に基づき、確認日は2026-09-26です。
| 指標 | 第11期(2024/10〜2025/9) | 第10期(前期・2023/10〜2024/9) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 4,295.74億円 | 3,611.29億円 | +19.0% |
| 営業利益 | 360.93億円 | 233.84億円 | +54.4% |
| 税引前利益 | 337.77億円 | 216.53億円 | +56.0% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 229.37億円 | 146.33億円 | +56.7% |
出典:有価証券報告書 第11期「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(2025-12-22提出)。確認日:2026-09-26。
会社の説明では、国内30店舗・海外55店舗の新規出店と海外スシロー事業の業績回復・成長により増収となり、売上収益・営業利益ともに「連結会計年度として過去最高を更新」したとしています(出典:同有報「経営成績」)。店舗数は、国内964店舗(うちテイクアウト専門店8店舗・FC17店舗)、海外234店舗、国内外合計1,198店舗(2025年9月末時点、前期末1,155店舗)でした(出典:同有報「業態別店舗数」)。
5️⃣ 会社自身が挙げているリスク
以下は有価証券報告書(第11期)の「事業等のリスク」で会社自身が開示しているリスク要因の要旨です。書き手の推測ではなく会社の自己申告である点が、このシリーズで最も重視する情報です。原文はEDINET掲載の有価証券報告書原文でご確認いただけます。
- ①食材等の調達困難・価格高騰:魚介類や米、その他食材の価格は海水温上昇等の環境変化、天候不順、国際的な漁獲制限、取引先の倒産・災害による供給停止等の影響を受け、価格高騰を顧客に転嫁できない場合は営業利益が減少すると明記。円安や水産資源の減少等による調達コスト上昇も挙げています。
- ②回転寿司業界及び外食産業全体における競合:ファミリーレストラン・ファストフード・コンビニ・宅配サービス等とも競合関係にあり、競合他社がマーケティング・広告宣伝への支出を増加させた場合、来店客数・店舗当たり売上高が減少する可能性があると明記。
- ③海外事業の展開に伴うリスク:海外234店舗の売上収益は連結売上収益の約30.6%を占め、消費者の嗜好の相違、現地の法規制変更、外国為替相場の変動、政変等の影響を受ける可能性があると明記。ALPS処理水の放出に伴う輸入規制や風評被害にも言及しています。
- ④減損会計の適用:ブランド(無形資産)53,596百万円及びのれん(買収した会社の純資産を上回って支払った金額)30,371百万円を計上し、合わせて総資産の21.1%を占めています。国際財務報告基準(IFRS)では償却せず毎年減損テストを実施する方式のため、店舗の将来キャッシュ・フローの大幅な減少等があれば減損損失が生じる可能性があると開示しています。
- ⑤中期経営計画に関するリスク:2024年11月公表の中期経営計画(2024年9月期〜2026年9月期)は様々な前提を置いており、前提が誤っていた場合でも成長戦略や事業運営を適時に変更できない可能性があると会社自身が明記しています。
出典:有価証券報告書「事業等のリスク」(2025-12-22提出、2026-09-26確認)。上記はリスク要因の一部を要約したもので、原文にはこの他にも多数の項目(食品衛生・自然災害・人材確保・情報通信システム・訴訟等)が記載されています。
6️⃣ 上がる材料/下がる材料
ここがこの記事の主役です。会社の開示で確認できる事実だけを左右に対で並べます。重み付けはしません。「以上が、いま公開情報から拾える材料です。どう見るかはご自身で」という位置づけです。
※ 各材料の件数は左右5件ずつで揃えています。上記は開示情報の要約であり、どちらが重要かの判断や将来予測は行っていません。投資の判断は、かならずご自身の責任で行ってください。
7️⃣ これから何を見れば分かるか
次の本決算(有価証券報告書 第12期・2026年9月期)は、前回の提出パターン(第11期は2025年12月22日提出)から2026年12月ごろになると見込まれます(あくまで過去の提出時期のパターンであり、2026-09-26時点で会社が正式発表した日程ではありません)。四半期ごとの決算短信はTDnetまたは会社IRサイトで確認できます(本記事執筆時点は前述の経路遮断により当サイトから直接確認できていません)。この記事で挙げた材料がその後どう推移したかは、次のように確認できます。
- 2026年9月期の会社目標(売上高4,850億円・営業利益405億円)に対する進捗→次回の決算短信・有報「経営成績」
- 海外スシロー事業の売上収益比率(30.6%)がさらに上昇するか→同上「経営者による分析」
- 国内店舗数の増減(前期▲8店舗)が今後も続くか→次回有報「業態別店舗数」
- ブランド・のれんの減損テスト結果→次回有報「事業等のリスク」(19)
- 京樽事業・国内杉玉事業のセグメント利益の推移→次回有報「経営者による分析」
いずれもEDINET(金融庁の開示システム)および会社のIRサイトで無料で確認できます。
8️⃣ まとめ
結論は出しません。この記事で確認した公開情報を踏まえ、次の決算・開示で見るべき指標はこの3つです。①2026年9月期の会社目標(売上高4,850億円・営業利益405億円)に対する進捗、②海外スシロー事業の売上収益比率がどう変化するか、③ブランド・のれんの減損テストの結果がどうなるか。どう評価するかは、読者ご自身の投資判断に委ねられます。
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⚠️ 当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録もしていません。本記事は金融庁の開示システム(EDINET)に提出された公開資料(有価証券報告書)等の一次情報に基づく情報提供であり、特定銘柄の売買推奨や投資助言ではありません。目標株価の提示、将来の業績・株価の予測、株価水準に関する評価的な断定は行っていません。会社の経営指標・中期経営計画として引用した内容は、あくまで「会社がそのように公表している」という事実の紹介です。投資には元本割れのリスクが伴います。投資判断はご自身の責任で行ってください。