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🧪 AIシグナル研究日誌 #88
RSI売られすぎ逆張り買い FWD N=276——4H足65%が1H足46%を引き離す時間足二極化の継続追跡

カテゴリ:🧪 AIシグナル研究日誌  |  公開:2026年9月3日  |  読了:約10分

毎回ひとつの仮説を実データで検証し、勝っても負けても全公開する研究日誌の第88回です。前回(#87)に続き、今回も前向き(FWD)データが積み上がりつつある重点仮説を深堀りします。

今回の主役は rsi_oversold_bounce(RSI売られすぎ逆張り買い)。#69・#74・#82 と追い続けてきたこの仮説が、FWD N=276 に達しました。「4H足が明らかに良く、1H足は損益分岐ギリギリ」という時間足二極化の構図は変わっていないのか——最新データで3次元の切り口から確認します。

⏱️ 30秒でわかる今回のまとめ

① IS期間(登録前)は39.1%(52/133)と損益分岐を割っていたのに、FWD期間(登録後)は53.6%(148/276)・E(R)=+0.251に逆転
② FWD 4H足は65.4%(53/81)・CI[54.6%, 74.9%]、FWD 1H足は46.4%(85/183)・CI[39.4%, 53.7%]——CI非重複で19ポイント差を確認
③ FWD jpy_fx(円クロス)は66.7%(32/48)・4H足に絞ると更に高い(詳細は本文§⑤)
④ トレンドフィルタ:上昇トレンドで65.7%・下降トレンドで43.5%——逆張りなのに上昇局面が強い

① rsi_oversold_bounce とは何か

rsi_oversold_bounce は、RSI(相対力指数)が 30以下の売られすぎ領域に入った後、再び30を上抜けた瞬間に発火するシグナルです。市場の過剰な悲観が一服し、反発局面の入口を捉えようとする逆張り型のシグナルになります。

rsi_oversold_bounce — 発火メカニズム図解 70 50 30 RSI 🔔 発火! RSI 30回復 売られすぎ領域 (RSI≤30) 価格 エントリー TP1 SL

図1: rsi_oversold_bounce の発火メカニズム。RSIが30以下(売られすぎ)から回復した瞬間(🔔)に買いエントリーシグナルを発火。TP1は+1.33R、SLは−1.0R(ATRベース)。

損益分岐は 43%(SL=−1.0R、TP1=+1.33R のリスクリワード比率から導出)。43%を超えれば長期的にプラス方向、下回れば期待値はマイナスになります。

② このシリーズのこれまで(#69・#74・#82)

rsi_oversold_bounce は以前から継続観察してきた仮説です。過去の主な発見は次のとおりです。

主な発見当時のFWD N
#69FWD全体で53%台の兆候。時間足分解では4H優位の初期パターンを確認約140
#744H vs 1H の差が明確化。jpy_fx での4H強さが浮上約200
#82トラッカーのpromote_strikes=1を達成→その後CIが揺り戻し、再び蓄積中に約250
#88(今回)FWD N=276。4H=65.4%・1H=46.4%のCI非重複を確認。トレンドフィルタも検証276

#82 から N が約26件増えました。時間足二極化の構図が維持されているか、3つの切り口(時間足・グループ・トレンド)で確認します。

③ IS vs FWD の逆転現象

rsi_oversold_bounce の最も興味深い点のひとつは、IS期間(登録前の履歴データ)とFWD期間(登録後の前向きデータ)で勝率が逆転していることです。

期間Nk(勝ち)勝率95% CIE(R)
IS(2026-06-16以前)1335239.1%[31.2%, 47.6%]−0.088
FWD(2026-06-16以降)27614853.6%[47.7%, 59.4%]+0.251
IS期間(登録前)の勝率は 39.1%——損益分岐43%を下回っています。このシグナルが登録前に「弱い」と見えていたことを意味します。登録後(FWD)に53.6%へ改善している点は興味深いですが、これがルックアヘッドバイアス(過去データへの過剰適合)の裏返しである可能性も考慮が必要です。
FWD期間のCI下限は 47.7% で、損益分岐43%を統計的に上回っています。FWD E(R)=+0.251 のR-CI下限も +0.114 で、過去データ上は95%信頼区間の下限がプラス圏に収まっています。

④ 4H vs 1H——時間足二極化の確認

今回の最重要論点は「時間足による二極化が継続しているか」です。FWD データを 4H・1H 別に集計します。

FWD勝率の時間足比較(N=276) 35% 50% 65% 53.6% FWD全体 N=276 65.4% FWD 4H N=81 46.4% FWD 1H N=183 43%損益分岐

図2: rsi_oversold_bounce の FWD 勝率比較(IS期間除外)。赤破線=損益分岐43%。4H足(緑)はCIが43%を大きく上回り、1H足(赤)は43%付近で不安定。

時間足Nk勝率95% CIE(R)R-CI
FWD 4H815365.4%[54.6%, 74.9%]+0.527[+0.283, +0.770]
FWD 1H1838546.4%[39.4%, 53.7%]+0.084[−0.085, +0.253]

4H足のCI下限(54.6%)が1H足のCI上限(53.7%)をわずかに上回っており、CI非重複が成立しています。これは「時間足二極化が偶然ではなく構造的な差である可能性が高い」ことを示します。

4H足 E(R)=+0.527:R-CI下限が +0.283 でゼロを大きく上回る。SL=−1.0R に対してTP2=+2.0R が多く当たっていることを示唆。
1H足 E(R)=+0.084:R-CI は [−0.085, +0.253] とゼロを跨ぐ。1H足単体では「期待値プラスか不明」な状態。

⑤ グループ別:jpy_fx が突出する理由

銘柄グループ別に FWD 成績を確認します。rsi_oversold_bounce は円クロス(jpy_fx)での成績が際立っています。

グループFWD NFWD 勝率FWD CIFWD E(R)
jpy_fx(円クロス)4866.7%[52.5%, 78.3%]+0.555
metal(金・銀)4060.0%[44.7%, 73.6%]+0.356
index(株価指数)6357.1%[44.7%, 68.7%]+0.245
other_fx5250.0%[36.8%, 63.2%]+0.126

jpy_fx での際立った強さ(66.7%)をさらに分解すると、4H足 jpy_fx に限定した場合に 94.1%(16/17)という極端な数字が現れます。ただし N=17 は非常に少なく、統計的信頼性は限定的です。

条件Nk勝率CI注記
FWD 4H × jpy_fx171694.1%[73.0%, 99.0%]⚠️ N=17(小サンプル)
N=17 での 94.1% は参考値です。このような極端な数字は小サンプルで発生しやすく、次の17件では大きく変わる可能性があります。「4H jpy_fx が特別強い」という傾向はある程度支持されますが、断定には N=50 以上のデータが必要です。

円クロスでの逆張り買いが4H足で特に機能しやすい背景として考えられるのは、円安・円高の中期的トレンド転換タイミングと4H足の発火条件の親和性です。ただしこれは事後の解釈であり、因果的証明にはなりません。

⑥ トレンドフィルタ:上昇局面で強い逆張り

上位足のトレンド方向(higher_tf_trend)でFWDデータを切り分けます。「逆張り買い」なので直感的には下降トレンド時が強いように思えますが、結果は異なります。

トレンドFWD Nk勝率CIE(R)
上昇704665.7%[54.0%, 75.8%]+0.533
中立・もみあい985556.1%[46.3%, 65.5%]+0.309
下降1084743.5%[34.5%, 52.9%]+0.015
なぜ上昇トレンドで逆張りが機能するのか
rsi_oversold_bounce が「上昇トレンド中の一時的な押し目(RSI売られすぎ)からの反発」を捉えている場合、上位足の上昇トレンドが「大局バイアス」として機能し、逆張りを支える構造が生まれます。一方、下降トレンド中の逆張りは上位足の力に逆らうため、継続が難しい——この解釈が数字と整合しています。ただしこれは相関であり因果ではありません。

下降トレンドでのE(R)はほぼゼロ(+0.015)。下降トレンド×rsi_oversold_bounce の組み合わせは、過去データ上は損益分岐付近にとどまっています。

⑦ 期間別:中期フェーズ(7月〜8月)の突出

FWD 期間(2026年6月17日〜9月2日)をほぼ均等に3分割して時系列の安定性を確認します。

期間N勝率CIE(R)R-CI
前期(6/17〜7/8)9248.9%[38.8%, 59.2%]+0.141[−0.098, +0.381]
中期(7/8〜8/14)9262.0%[51.6%, 71.4%]+0.445[+0.213, +0.678]
後期(8/14〜9/2)9250.0%[39.8%, 60.2%]+0.167[−0.073, +0.406]
中期(7/8〜8/14)だけが突出して 62.0%(E(R)=+0.445)を記録し、前期・後期は約50%に戻っています。FWD全体の+0.251という数字は、特定の市場フェーズに依存する部分があることを示唆します。7〜8月中旬に何が起きていたか(市場環境・ボラティリティ等)の分析は今後の課題です。

⑧ 総評と昇格条件の現状

トラッカーの昇格条件は「前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0・2回連続達成」です。現在の状況を整理します。

条件現状評価
FWD N≥80N=276✅ 達成
FWD E(R) CI下限 > 0CI下限 +0.04(トラッカー値)🟡 達成しているが低め
2回連続達成promote_strikes=1(蓄積中)🟡 まだ1回

全体としては「有望だが、まだ昇格確定には至っていない」状態です。特に期間別分析で中期への集中が見られたため、後期(8/14〜)の成績が今後の鍵になります。後期が前期・中期並みの水準を維持できれば、次の更新で promote_strikes=2 を達成できる可能性があります。

4H足に絞った場合(全期間 N=130、勝率55.4%、CI[46.8%, 63.7%]、E(R)=+0.292)は、CI下限がゼロを上回っていました。ただしこれは過去データの集計上の傾向であり、将来の成果を示すものではありません。

📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)

基準日 2026-09-03/昇格=前向きN≥80(🏁ホールドアウト合格はN≥30)・平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない・基準合格2回連続で確定(2026-07-19〜)/降格=昇格後の再判定で基準割れ2回連続→🟡へ(2026-07-18〜・再昇格可)

仮説種別宣言基準前向き現在値(平均R)状態
trend=上昇×reversalLedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.10 CI[-0.06~+0.26](129/274・勝率47%)✅昇格
group=allgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.03 CI[-0.03~+0.09](1285/2918・勝率44%)🟡蓄積中
blocked=Falsegate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.03 CI[-0.03~+0.10](1020/2307・勝率44%)🟡蓄積中
blocked=False×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.05 CI[-0.04~+0.14](812/1805・勝率45%)🟡蓄積中
group=indexedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.04 CI[-0.14~+0.06](331/806・勝率41%)🟡蓄積中
tf=4h×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.08 CI[-0.04~+0.20](364/789・勝率46%)🟡蓄積中
売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.25 CI[+0.04~+0.46](148/276・勝率54%)🟡蓄積中
dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.05 CI[-0.03~+0.14](993/2199・勝率45%)⛔反証
reversalL(逆張り買い)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.14 CI[+0.02~+0.25](369/757・勝率49%)⛔反証
tier=good×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.19 CI[+0.05~+0.34](254/497・勝率51%)⛔反証

※ 表はトラッカー主要仮説の抜粋です。完全版は シグナル成績ページ でご覧いただけます。

⑨ 次回に向けて

今回の観察で新たに浮かび上がった論点が2つあります。

  1. 後期フェーズ(8/14〜)の継続観察:中期の突出が一時的なものか、後期以降に引き継がれるかが昇格の分水嶺。
  2. 4H × jpy_fx × 上昇トレンドのコンボ検証:3条件を組み合わせた場合の前向きNが十分に積み上がったタイミングで単独記事を設ける価値がある。

次回は別の仮説または FDR スイープ候補を追います。最新号は 解説記事一覧 からご確認ください。

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