MarketWatch AI
AI投資×行動経済学
日本人投資家のためのマーケット情報サイト
📚 解説記事
⚠️ 本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録もしていません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

🧪 上昇トレンドでの逆張り買いは勝ちやすい? 6月66.7%から8月42.1%に低下
AIシグナル研究日誌 #87

カテゴリ:🧪 AIシグナル研究日誌  |  公開:2026年9月2日  |  読了:約10分

毎回ひとつの仮説を実データで検証し、勝っても負けても全公開する研究日誌の第86回です。前回この仮説を扱った #62 では前向きN=148で勝率51.0%・期待値CI全域プラスを確認し昇格が確定しました。

今回は、直近8月の前向き成績がベースライン(42.9%)に近づいているという観察をきっかけに、trend=上昇×reversalL(昇格済み)の前向き268件を月別・シグナル別に分解します。「昇格=完全安定」ではなく、定期的な追跡が欠かせないことを示す事例です。

⏱️ 30秒でわかる今回のまとめ

① 全期間(N=371)勝率48.5%、95%CI=[43.5%,53.6%]で、この集計時点ではベースライン43%を上回る
② 前向き月別推移:6月66.7%→7月47.7%→8月42.1%(ベースライン収束)
③ RSI型(前向きN=62)は64.5%と相対的に高め(ただし小標本)、BB型(前向きN=206)は40.8%で損益分岐の目安を下回る
④ BB型が前向き全体の大半(206/268件)を占めるため、全体勝率がBB型に引き下げられている

1. 今回の仮説と背景

仮説:上昇トレンド(higher_tf_trend = 上昇)中に発火した逆張り買いシグナル(reversal_long = True=RSI過売り反発またはBB下限タッチのロング)は、全シグナルのベースライン(42.9%)を有意に上回る勝率を持つ。

この仮説は2026年6月22日にトラッカーに登録され、過去の記事(#22、#47、#62)でも繰り返し検証されてきました。前回の公開時点(#62、N=148)では昇格基準を満たしていましたが、本日のトラッカー更新でN=268と大幅に積み上がり、8月単月の成績がベースラインとほぼ並んだことが確認されました。

この記事は「8月に収束した」という事実を報告するものです。相場の流れや市場環境によって成績は変動します。将来の結果を約束するものではありません。

2. 発火場面の図解(チャート風)

下図は、trend=上昇×reversalL が発火する場面のイメージです。上昇トレンド継続中に一時的な押し(RSI過売り・BB下限タッチ)が発生し、そこが逆張りロングの発火ポイントになります。

発火 BB下限 RSI:30割れ (売られすぎ) 上昇トレンド継続中 (上位足トレンド方向) 価格 時間→ 高 低

※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)。上昇トレンド継続中に一時的な押し(BB下限タッチ・RSI過売り)が発生した場面(オレンジ枠のバー)が発火ポイントです。

3. IS期間 vs 前向き期間の比較

仮説を登録した2026年6月22日を境に、発見時(IS期間)と前向き期間(OOS)を厳密に分けて比較します。

期間N(件数)k(勝ち)勝率95%CI
IS(〜2026-06-22)1035654.4%[44.8%, 63.7%]
前向き(2026-06-23〜)26812446.3%[40.4%, 52.2%]
全期間(IS+OOS)37118048.5%[43.5%, 53.6%]
ベースライン(全シグナル)3,9851,70842.9%[41.3%, 44.4%]

IS期間の54.4%から前向き46.3%へ約8ppの低下が見られます。これは多くの仮説で観察される「発見後の自然な低下」であり、過学習(データへの過剰適合)の影響が含まれている可能性があります。ただし前向き期間のCI下限(40.4%)はベースライン(42.9%)に近く、昇格基準を完全に割り込んではいない状況です。

損益分岐点について: このシグナルエンジンはSLが −1.5R、TP1が +2.0R の設計です。単純計算で勝率43%以上が「期待値プラス」の目安(0.43×2.0 + 0.57×(−1.5) = 0.005R ≈ ±0)になります。本記事では43%を損益分岐の目安として参照します。

4. 月別前向き推移 ─ 8月の収束を確認

前向き期間(2026年6月23日以降)を月別に分解すると、収束の傾向が明確に見えます。

月Nk(勝ち)勝率95%CI
2026年6月(後半・発見直後) 1812 66.7% [43.7%, 83.7%]
2026年7月 12861 47.7% [39.2%, 56.3%]
2026年8月 12151 42.1% [33.7%, 51.1%]
ベースライン参考 —— 42.9% —

6月後半(発見直後)の66.7%はN=18と小さく、過大評価に注意が必要です。7月の47.7%はベースライン超えを維持していましたが、8月は42.1%とベースライン(42.9%)とほぼ同水準に低下しました。

0% 21% 43% 64% 86% 損益分岐43% 66.7% 6月(N=18) 47.7% 7月(N=128) 42.1% 8月(N=121) 月別前向き勝率の推移(trend=上昇×reversalL)

※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)。破線は損益分岐の目安(43%)。8月はベースライン水準に収束しています。

5. RSI型 vs BB型の二極化

逆張り買い(reversal_long)は技術的に2種類のシグナルを含んでいます:RSI過売り反発(rsi_oversold_bounce)とBB下限タッチ(bb_lower_touch)です。前向き期間でこの2種類を比較すると、大きな乖離が確認されます。

シグナル種別前向きNk(勝ち)勝率95%CI
RSI過売り反発(rsi_oversold_bounce) 6240 64.5% [52.1%, 75.3%]
BB下限タッチ(bb_lower_touch) 20684 40.8% [34.3%, 47.6%]
前向き合計 268124 46.3% [40.4%, 52.2%]

RSI型は前向き64.5%(N=62)と相対的に高い水準でしたが、サンプル数が少なく信頼区間の幅も広いため、今後の集計で変動する可能性があります。一方、BB型は40.8%(N=206)で損益分岐の目安(43%)を下回りました。BB型が前向き全体の77%(206/268件)を占めるため、全体勝率がBB型に引きずられる構造になっています。

RSI型(上昇トレンド中)の解釈: 上昇トレンド継続中に「売られすぎ」が発生する場面は、一般に「押し目」と呼ばれる状態にあたります。RSI過売りは相対的に強い売られすぎのサインとされ、上昇トレンドという背景が加わることで反発が起きやすかった可能性が考えられます。ただしこれは過去データから見た傾向の解釈にすぎず、特定の売買手法や取引タイミングを推奨するものではありません。
BB型の40.8%はベースライン(42.9%)を下回っています。BB下限タッチは「売られすぎ」を示す指標としてRSIより弱い可能性があり、上昇トレンド環境でも単独では損益分岐に届かない場合があります。これは引き続き観察が必要な課題です。

6. 二極化の構造(概念図)

下図はRSI型とBB型が全体勝率に与える影響のイメージを示しています。

前向き268件の内訳と勝率(trend=上昇×reversalL) 268件 BB 77% (206件) RSI 23% (62件) 構成比 RSI型(N=62) 64.5% BB型(N=206) 40.8% 損益分岐 43% 全体(N=268) 46.3%

※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)。BB型(206件・77%)が全体を引き下げ、全体勝率46.3%はRSI型(64.5%)とBB型(40.8%)の加重平均になっています。

7. 考察と交絡点

① 8月の収束はBB型の増加率と関係するか

月別推移の悪化の一因として、BB型の比率変化が考えられます。BB下限タッチは1時間足・4時間足でより頻繁に発火するため、ボラティリティが落ち着いた8月にBB型の発火数が相対的に増えた可能性があります。ただし、今回の分析では月ごとのシグナル別内訳まで踏み込んでいないため、今後の調査課題です。

② RSI型が少ない理由

RSI型(rsi_oversold_bounce)は、価格がRSI30以下という「強い売られすぎ」が条件です。上昇トレンド中にこれほど強い押しが発生する場面は相対的に少なく、全体の23%にとどまります。RSI型が多く発火する局面(急落後の反発局面など)は、市場の不安定さを反映している場合があります。

③ IS期間の高さは過学習の影響も

IS期間(N=103)の54.4%は、仮説発見の過程でさかのぼって確認した数値です。前向き46.3%との約8ppの差は、ある程度のデータへの過適合を示している可能性があります。前向き検証を重ねることで、より信頼できる推定値が得られます。

今回の分析では9月のデータがN=1と少なく分析から除外しています。また、月別の分析は月ごとのサンプル数が小さく(N=18〜128)、偶然変動の影響を受けます。結果の解釈には注意が必要です。

📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)

基準日 2026-09-02/昇格=前向きN≥80(🏁ホールドアウト合格はN≥30)・平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない・基準合格2回連続で確定(2026-07-19〜)/降格=昇格後の再判定で基準割れ2回連続→🟡へ(2026-07-18〜・再昇格可)

表の見方:「仮説」は、どんな場面で出たシグナルかを表します(小さな文字は研究用の管理名)。「種別」は、その場面のシグナルが「勝ちやすいか」「負けやすいか(避けたほうがよいか)」のどちらを確かめているかです。「平均R」は1回あたりの損益を、損切りになったときの損を1として表した数字で、「CI」はその数字のぶれの幅(95%)です。「CI下限>0」は、ぶれの幅がまるごと0より上=偶然ではなくプラスと言える、という意味です。時間足の指定がない仮説は、1時間足・4時間足・日足を合わせた数字です。
言葉の意味(8語・タップで開く)
  • 全銘柄=このシグナルが見張っている18銘柄(金・銀・原油・株価指数・為替・ビットコイン)
  • 株価指数=日経平均・S&P500・ナスダック100・NYダウ・英FTSE100
  • 円以外の通貨ペア=ユーロドル・ポンドドル・豪ドル米ドル・ユーロ豪ドル・ポンド豪ドル
  • 逆張り買い=下がったところで買うこと(ここでは「RSI売られすぎからの反発」か「ボリンジャーバンド−2σタッチ」で買ったもの)
  • 壁=利益確定の目標までの間にある直近の高値(売りなら安値)
  • 選別ランク=過去の成績をもとにシグナルを「最上位・良・普通・避けたい」に分けた目安
  • 移動平均線=直近25本・75本の値段の平均をつないだ線(日足なら25日・75日)
  • RSI=値動きの勢いを0〜100で表す指標(30以下は売られすぎ、70以上は買われすぎの目安)
仮説種別宣言基準前向き現在値(平均R)状態
上昇トレンド中の逆張り買い
trend=上昇×reversalL
勝ちやすいか
edge
前向きN≥80
平均RのCI下限>0
平均R +0.09
CI[-0.07~+0.25]
126/269・勝率47%
✅昇格
全銘柄のシグナル(買いも売りも)
group=all
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.03
CI[-0.03~+0.09]
1264/2867・勝率44%
🟡蓄積中
目標の手前に壁なしのシグナル(買いも売りも)
blocked=False
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.04
CI[-0.03~+0.10]
1003/2262・勝率44%
🟡蓄積中
目標の手前に壁なしの買い
blocked=False×dir=long
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.05
CI[-0.04~+0.14]
798/1770・勝率45%
🟡蓄積中
株価指数のシグナル(買いも売りも)
group=index
勝ちやすいか
edge
前向きN≥80
平均RのCI下限>0
平均R -0.04
CI[-0.14~+0.05]
324/792・勝率41%
🟡蓄積中
買い全般(4時間足のみ)
tf=4h×dir=long
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.08
CI[-0.04~+0.20]
360/778・勝率46%
🟡蓄積中
選別ランク「普通」のシグナル(買いも売りも)
tier=neutral
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.03
CI[-0.06~+0.13]
325/734・勝率44%
🟡蓄積中
円以外の通貨ペアの買い
group=other_fx×dir=long
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.04
CI[-0.09~+0.16]
289/651・勝率44%
🟡蓄積中
株価指数の買い
指数×ロング(全足ライブ)
勝ちやすいか
edge
前向きN≥80
平均RのCI下限>0
平均R -0.01
CI[-0.16~+0.14]
274/645・勝率42%
🟡蓄積中
値段が2本の移動平均線より上の買い
ステート 上昇配置(>MA25&75)×ロング
勝ちやすいか
edge
前向きN≥30🏁
平均RのCI下限>0
平均R +0.10
CI[-0.04~+0.24]
274/580・勝率47%
🟡蓄積中
目標の手前に壁なしの売り
blocked=False×dir=short
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R -0.02
CI[-0.15~+0.11]
217/516・勝率42%
🟡蓄積中
金・銀のシグナル(買いも売りも)
group=metal
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.05
CI[-0.11~+0.21]
169/375・勝率45%
🟡蓄積中
金・銀の買い
group=metal×dir=long
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.08
CI[-0.14~+0.31]
128/276・勝率46%
🟡蓄積中
もみあい中の逆張り買い
trend=中立・もみあい×reversalL
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.12
CI[-0.02~+0.26]
131/273・勝率48%
🟡蓄積中
「RSI売られすぎからの反発」のシグナル
売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足)
勝ちやすいか
edge
前向きN≥80
平均RのCI下限>0
平均R +0.23
CI[+0.02~+0.44]
141/267・勝率53%
🟡蓄積中
買い全般
dir=long
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.06
CI[-0.03~+0.14]
979/2162・勝率45%
⛔反証
下降トレンド中の逆張り買い
trend=下降×reversalL
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.26
CI[+0.05~+0.46]
119/221・勝率54%
⛔反証
逆張り買い全般
reversalL(逆張り買い)
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.14
CI[+0.02~+0.26]
360/737・勝率49%
⛔反証

※ 昇格=ライブ配信フィルタ/信頼度へ反映する「候補」の旗立てのみ。発火エンジンには自動で触れない(人間が最終反映)。状態は基準日時点の評価です。

📌 関連記事

⚠️ 本記事は情報提供を目的としており、投資助言・投資勧誘ではありません。掲載されている統計・数値は過去のシステムシグナルの集計結果であり、将来の相場を予測または保証するものではありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、金融商品取引法に基づく投資助言業・代理業の登録を行っていません。記載内容はいかなる意味においても投資の推奨・勧誘を目的としたものではありません。投資判断はご自身の責任と判断のもとで行ってください。