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🧪 AIシグナル研究日誌 #103
上昇中の逆張り買い——RSI型62%とBB型42%の分裂が降格警戒ストライク1を生んだ

カテゴリ:🧪 AIシグナル研究日誌  |  公開:2026年9月  |  読了:約9分

毎回ひとつの仮説を実データで検証し、勝っても負けても全公開する研究日誌の第103回です。前回このシリーズ(#100)では、昇格済みの「上昇トレンド中の逆張り買い」がRSI型とBB型で大きく成績が分かれることを確認しました。

今回はその後続として、前向きトラッカーで降格警戒ストライク1が入ったことを受け、FWD N=318の現時点データでシグナル別・時間足別・グループ別に解剖します。「何がRCI(期待値)の下限をマイナスに押し下げたのか」を数字で追います。

⏱️ 30秒でわかる今回のまとめ

① FWD N=318で勝率47.2%、E(R)=+0.101、RCI下限−0.028(降格警戒ストライク1の根拠)
② 内部分裂:RSI型(48/77=62.3%、E(R)=+0.455)vs BB型(102/241=42.3%、E(R)=−0.012)——20pp差
③ BB型(241件・BB型がFWDの主体)が損益分岐43%前後で伸び悩んでいるため全体のRCIが押し下げられている
④ 日足は69.6%(16/23)と高水準ながらN=23で小サンプル。指数グループは38.8%(31/80)と最弱

① 今回の仮説——降格警戒ストライク1とは何か

「上昇トレンド中の逆張り買い(trend=上昇×reversalL)」は、#22#36を経て前向き検証で昇格した仮説です。逆張り買い(reversalL)とは、RSI過売り反発(rsi_oversold_bounce)またはBB下限タッチ(bb_lower_touch)によるロングシグナルを指します。

この研究で使う「降格警戒ストライク」とは、昇格後も前向きデータを継続チェックし、期待値のCIが基準を連続2回割り込んだときに降格させるという仕組みです。今回は1回目のストライクが入りました。2回連続で割り込んだ時点で「蓄積中」に戻ります。

降格警戒ストライク1は「昇格取り消し」ではありません。前向きで期待値が弱まってきたというシグナルで、次のチェックポイントで回復すれば解消されます。

今回の事前宣言(検証前に立てた合否基準):

② 検証方法(IS/FWD分離・事前宣言)

この研究では、過去データ(in-sample = IS)と前向きデータ(FWD)を登録日で分離して評価します。登録日は2026年6月22日で、それ以前の発火をIS、以降をFWDとします。

評価指標:

勝率の損益分岐は43%(SL=1.5ATR/TP1=2ATR 時のR:R比から算出)。これを基準に評価します。

【図1】上昇トレンド中の逆張り買い発火条件(チャート概念図) RSI過売り/BB下限タッチ ← 発火(ロングエントリー候補) MA(上昇) BB上限 BB下限 価格↑ ※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)

上昇トレンド中(MAが右肩上がり)に、一時的な下押しでRSI過売りまたはBB下限に到達した瞬間が逆張り買いシグナルの発火条件。「押し目買い」の典型的な発火タイミング。

③ 結果①:FWD全体 47.2%——RCI下限がマイナス転落

期間k / n勝率95%CI(勝率)E(R)RCI(E(R)の95%CI)
IS(2026-06-22より前)54 / 10153.5%[43.8%, 62.9%]+0.248[+0.019, +0.476]
FWD全体(2026-06-22以降)150 / 31847.2%[41.7%, 52.7%]+0.101[−0.028, +0.229]

IS(登録前の過去データ)での勝率53.5%・E(R)=+0.248と比べ、FWD全体は47.2%・E(R)=+0.101に低下しています。RCIの下限が−0.028とマイナスになったことが、今回の降格警戒ストライク1の直接的な原因です。

ただし、上昇×ロング全体のFWDは41.9%・E(R)=−0.023であることを踏まえると、reversalLフィルター(逆張りシグナル限定)が全体に対して+5.3ppの選別効果を発揮していることも見えます。

【図2】IS vs FWD 期待値(E(R))比較 E(R)=0 +0.248 IS N=101 +0.101 FWD全体 N=318 +0.455 FWD RSI型 N=77 −0.012 FWD BB型 N=241 +0.5R 0R ※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)

RSI型とBB型の期待値の乖離が明確。BB型(N=241、全体の76%)がほぼゼロ付近のため、全体の期待値が引き下げられている。

④ 結果②:RSI型62% vs BB型42%の20pp分裂が主因

シグナル種別k / n勝率95%CIE(R)RCI
RSI過売り反発(rsi_oversold_bounce)48 / 7762.3%[51.2%, 72.3%]+0.455[+0.200, +0.709]
BB下限タッチ(bb_lower_touch)102 / 24142.3%[36.3%, 48.6%]−0.012[−0.158, +0.133]

FWD全体で最も重要な発見は、RSI型とBB型の間に20ppの大きな差があることです(ppはパーセントポイント=割合どうしの差を表す単位)。

BB型が全体の241件(76%)を占めているため、BB型の低迷が全体のRCIを引き下げて降格警戒ストライク1に至ったと考えられます。

BB型のN=241はある程度の統計力を持ちますが、月別の推移(7月41.8% → 8月37.6% → 9月45.5%)では月ごとのブレが大きく、まだ確定的な結論ではありません。傾向として損益分岐付近を推移していると読むのが適切です。

月別のシグナル別推移:

RSI型 勝率 (k/n)BB型 勝率 (k/n)
2026年7月66.7% (20/30)41.8% (41/98)
2026年8月58.6% (17/29)37.6% (35/93)
2026年9月53.3% (8/15)45.5% (15/33)

RSI型は月ごとに変動しながらも一貫して損益分岐43%を上回り続けています。BB型は8月が最も低く(37.6%)、9月はやや回復(45.5%)していますが、Nが小さいため引き続き観察が必要です。

⑤ 結果③:時間足別——日足69%の高水準・1H/4Hは44〜46%

時間足k / n勝率95%CIE(R)RCI
1時間足(1h)84 / 18246.2%[38.0%, 54.4%]+0.077[−0.093, +0.246]
4時間足(4h)50 / 11344.2%[33.8%, 55.1%]+0.032[−0.182, +0.247]
日足(1d)16 / 2369.6%[49.1%, 84.4%]+0.623[+0.175, +1.072]

日足での逆張り買いは69.6%(16/23)、E(R)=+0.623、RCI下限+0.175と際立って高い数字を示しています。ただしN=23と小サンプルであることに注意が必要です。CIの幅が広く(49.1%〜84.4%)、偶然の影響を排除できていません。

1H・4Hはともに損益分岐43%付近で推移しており、大きな差は見られません。1H(46.2%)は微妙に上回り、4H(44.2%)はほぼ均衡しています。

⑥ 結果④:グループ別——指数38.8%が最弱

グループk / n勝率E(R)コメント
指数(index)31 / 8038.8%−0.096IS68.6%から急落。弱点継続
金属(metal)12 / 2352.2%+0.217N=23小サンプル
BTC(btc)14 / 2556.0%+0.307N=25小サンプル
原油(oil)9 / 1656.2%+0.312N=16小サンプル

グループ別で最も注目すべきは指数グループ(38.8%・N=80)です。IS期間では68.6%と最高だったものが、FWDでは38.8%に急落しています。このIS/FWD乖離は#100でも確認されており、「上昇トレンド中の逆張りシグナルは指数では機能しにくい」という傾向が引き続き確認されています。

金属・BTC・原油はいずれも50%超と良好な数字を示していますが、N数が20件台と小さく、統計的な確定打は得られていません。

交絡点検:BB型が全体の76%を占めているため「BB型の低迷 = 全体の低迷」という構造があります。RSI型だけで見ると依然として62%と健全であり、「仮説そのものが崩れた」ではなく「シグナル種別による大きな格差がある」が正確な解釈です。
【図3】FWD 勝率マップ(シグナル種別 × グループ、N=318) RSI型 (N=77) BB型 (N=241) 合計 (N=318) 指数 FX その他 参考値 ∼38% (主体・損益分岐割れ) 38.8% ∼60%台 ∼42〜45% ∼47% 62.3% 42.3% 47.2% 高め(43%超) 低め(43%未満) ※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)

RSI型(右列合計62.3%)とBB型(中列合計42.3%)の差が全体の平均を押し下げている構造を概念的に示す。指数グループでのBB型が最も弱い傾向。

⑦ 事前宣言の評価——3条件すべてクリア

仮説基準実測値判定
H1:FWD RCI下限 ≤ 0降格ストライク1の確認RCI下限 = −0.028✅ クリア
H2:RSI型 vs BB型の差 ≥ 15pp内部分裂の確認62.3% − 42.3% = 20.0pp✅ クリア
H3:日足 E(R) > max(1H, 4H) E(R)時間足優位の確認1d=+0.623 > 1h=+0.077 > 4h=+0.032✅ クリア

3条件とも事前宣言の基準をクリアしました。「降格警戒ストライク1の原因はBB型の低迷にある」という仮説は、今回の検証で支持されました。

ただし、これは「RSI型の逆張り買いが有効」という主張ではなく、「BB型とRSI型を区別せずに発火させると全体が平均化される」という構造の確認です。投資判断の参考情報として読んでください。

📡 前向きトラッカー定点観測

基準日 2026-09-19/昇格=前向きN≥80(🏁ホールドアウト合格はN≥30)・平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない・基準合格2回連続で確定(2026-07-19〜)/降格=昇格後の再判定で基準割れ2回連続→🟡へ(2026-07-18〜・再昇格可)

仮説種別宣言基準前向き現在値(平均R)状態
trend=上昇×reversalLedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.11 CI[-0.04~+0.26](150/315・勝率48%)✅昇格
group=allgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.04 CI[-0.02~+0.09](1525/3437・勝率44%)🟡蓄積中
blocked=Falsegate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.04 CI[-0.02~+0.10](1218/2732・勝率45%)🟡蓄積中
blocked=False×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.06 CI[-0.02~+0.14](976/2154・勝率45%)🟡蓄積中
tf=4h×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.06 CI[-0.04~+0.17](434/954・勝率46%)🟡蓄積中
tier=neutralgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.05 CI[-0.04~+0.13](410/914・勝率45%)🟡蓄積中
group=indexedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.02 CI[-0.11~+0.08](385/914・勝率42%)🟡蓄積中
売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.21 CI[+0.04~+0.39](187/359・勝率52%)🟡蓄積中
dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.06 CI[-0.02~+0.13](1177/2596・勝率45%)⛔反証
trend=中立・もみあい×dir=shortedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.11 CI[-0.26~+0.04](112/293・勝率38%)⛔反証

※ 全仮説の一覧は省略。主要なもののみ掲載。trend=上昇×reversalL(✅昇格)は降格警戒ストライク1の状態。次のチェックポイントでRCI下限がプラスに回復すれば維持、再びマイナスなら降格(蓄積中へ)となります。また、rsi_oversold_bounce(全足)のCI[+0.04〜+0.39]が両端プラスを保っており、今後の動向が注目されます。なお上表は基準日時点のトラッカー集計のため、件数が本文の集計(318件)とわずかに異なります。

⑧ 次回に向けて

今回の観察から、次回以降に追いたい問いを記録しておきます:

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