MACDゴールデンクロスが「2本の移動平均線の下」で起きたとき、反発をねらう買いは勝ちやすい? 146回の前向き確認【研究日誌 #110】
- 「MACD(マックディー:値動きの勢いの変わり目を見る指標)のゴールデンクロス(短い平均線が長い平均線を下から上に抜けること)」が、価格が2本の移動平均線(25本・75本)よりも下にある場面で発生したとき、反発をねらう買いシグナルを集計しました。
- 前向き(2026年7月21日以降): 146回中71回的中 = 48.6%、1回あたりの平均損益は損切り幅を1としたとき +0.14(プラス)
- 偶然のぶれを考えた範囲(勝率の95%の幅)は 40.7%〜56.7%。下限が勝ち負けのとんとん(43%)を下回るため、まだ確実に「勝ちやすい」とは言えません。
- ただし、金・銀は9回中7回 = 77.8%、原油も9回中7回 = 77.8% と高めの数字が出ています(いずれも回数が少なく、偶然の可能性があります)。
- 反対に、ユーロドルなど「その他の通貨ペア」は48回中17回 = 35.4% と弱い傾向がありました。
- グループによって大きく違いが出ているため、引き続きデータを積み上げて確認を続けます。
「MACDゴールデンクロスが移動平均線の下で起きる」とはどんな場面か
この研究では、次の2つの条件が同時に成立したときに注目しています。
- 条件1:MACDゴールデンクロス MACD(マックディー:2本の移動平均線の差で、値動きの勢いの変わり目を見る指標)の短い線が長い線を下から上へ抜けたとき(買いの勢いに転換したサイン)
- 条件2:価格が2本の移動平均線(25本・75本)よりも下 移動平均線(直近25本・75本の値段を平均してつないだ線)が価格の上にある状態=価格がまだ下に抑えられている「底値圏」のような場面
この2つが重なると、「値段は低い位置にあるが、勢いが上向きに変わり始めた」という場面になります。底値から反発を狙うタイミングとして使われることがあるシグナルです。
移動平均線(いどうへいきんせん)=直近の決まった本数の値段を平均してつないだ線。25本線・75本線がよく使われます。
MACDゴールデンクロス=MACDの短い線が長い線を下から上に抜けるとき。買い転換の目安とされます。
「移動平均線の下にある」=価格が2本の平均線より低い位置にある状態。
チャートで見るとこんな場面(概念図)
図1: 価格が2本の移動平均線(25本・75本)の下にあるとき、MACDゴールデンクロスが発生した場面のイメージ。オレンジ点線の枠がシグナルの発火バー。このような「底値圏での転換サイン」が研究の対象です。
検証の結果:前向き146回の数字
この仮説(条件)は2026年7月20日に登録し、翌21日以降の新しいシグナルを前向きに集計しています。
146回中71回的中 = 48.6%
1回あたり平均損益(損切り幅=1): +0.14
偶然のぶれを考えた勝率の幅(95%): 40.7%〜56.7%
勝ち負けがとんとんになる目安の勝率(43%)は超えていますが、「偶然のぶれの幅」の下限が40.7%で、43%を下回っています。つまりまだ「確実に勝ちやすい」とは言い切れない段階です。
図2: 登録前(過去)と登録後(前向き)の勝率比較。橙点線は勝ち負けがとんとんになる目安の43%。前向きは48.6%だが、ぶれの幅(青いバー)の下限が43%を下回る。
グループ別に見ると大きな違い
全体の48.6%という数字の中には、グループによって大きな差があります。前向き(2026年7月21日以降)の結果を銘柄のグループ別に分けると、次のとおりです。
| グループ | 回数 | 勝率 | 平均損益(損切り幅を1として) | 偶然のぶれの幅(95%) |
|---|---|---|---|---|
| 金・銀(コモディティ) | 9回中7回 | 77.8% | +0.82 | 45.3%〜93.7% |
| 原油(コモディティ) | 9回中7回 | 77.8% | +0.82 | 45.3%〜93.7% |
| 株価指数 | 49回中27回 | 55.1% | +0.29 | 41.3%〜68.1% |
| 円がらみの通貨ペア | 21回中9回 | 42.9% | 0.00 | 24.5%〜63.5% |
| その他の通貨ペア | 48回中17回 | 35.4% | −0.17 | 23.4%〜49.6% |
| ビットコイン | 9回中4回 | 44.4% | +0.04 | 18.9%〜73.3% |
金・銀・原油(コモディティ)はそれぞれ9回中7回的中で77.8%と際立っています。一方で「その他の通貨ペア」(ユーロドルやポンドドルなど)は35.4%で、勝ち負けのとんとん(43%)を下回っています。
図3: グループ別の前向き勝率。金・銀・原油(コモディティ)が77.8%と際立ち、その他の通貨ペアは35.4%と低い。橙点線は勝ち負けとんとんの43%ライン。
過去と前向きの比較
仮説を登録した2026年7月20日より前(過去データ)と、登録した翌日以降(前向き)の結果は次のとおりです。
| 期間 | 回数・的中 | 勝率 | 平均損益(損切り幅を1として) | ぶれの幅(95%) |
|---|---|---|---|---|
| 過去(2026年7月20日以前) | 110回中48回 | 43.6% | +0.02 | 34.7%〜53.0% |
| 前向き(2026年7月21日以降) | 146回中71回 | 48.6% | +0.14 | 40.7%〜56.7% |
| 全期間合計 | 256回中119回 | 46.5% | +0.09 | 40.5%〜52.6% |
過去データでは勝率43.6%・平均損益ほぼゼロ(+0.02)でした。前向きでは48.6%・+0.14とやや改善しています。ただし、前向きのぶれの幅(95%)の下限は40.7%でまだ43%を下回るため、「プラスの傾向がはっきりした」とは言えません。
グループ別で注目すべき変化があります。金・銀は過去データでは20回中3回(15.0%)と最も低かったのが、前向きでは9回中7回(77.8%)と大幅に改善しています。ただし回数がまだ少ないため、偶然の振れの可能性もあります。
時間足別では、1時間足:86回中42回(48.8%)、4時間足:55回中28回(50.9%)でした。4時間足がわずかに高い傾向ですが、いずれも勝ち負けとんとんに近い水準です。
注意点と今後の見通し
- 全体の結果はまだ「白黒つかない」段階です。前向き146回・勝率48.6%はプラスの傾向を示しますが、ぶれの幅の下限が43%を下回るため、統計的に「勝ちやすい」とは結論づけられません。
- コモディティの結果はまだ少ないです。金・銀・原油は各9回と少なく、偶然で高い数字が出た可能性があります。今後50回・100回と積み上げれば、より確かな傾向が見えてきます。
- その他の通貨ペアは弱い傾向が続いています。ユーロドルやポンドドルなどは過去も前向きも43%を下回っており、今後の変化に注目です。
- このシグナルは「MACDがゴールデンクロスしたとき」のすべてが対象ではなく、「移動平均線の下にある場面」に限定しています。条件が絞られているため回数は少なめになります。
前向き集計はチェックポイントごとに判定します。現在は🏁事前テスト合格(事前のテスト期間で損益のぶれ幅下限がプラス)を得ており、次回は前向き160回に達したときに再判定します。
📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)
| 仮説 | 種別 | 宣言基準 | 前向き現在値(平均R) | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 全銘柄のシグナル(買いも売りも) group=all | 負けやすいか gate | 前向きN≥80 平均RのCI上限<0 | 平均R +0.03 CI[-0.02~+0.08] 1605/3634・勝率44% | 🟡蓄積中 |
| 目標の手前に壁なしのシグナル(買いも売りも) blocked=False | 負けやすいか gate | 前向きN≥80 平均RのCI上限<0 | 平均R +0.04 CI[-0.02~+0.09] 1287/2900・勝率44% | 🟡蓄積中 |
| 「RSI売られすぎからの反発」のシグナル 売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足) | 勝ちやすいか edge | 前向きN≥80 平均RのCI下限>0 | 平均R +0.18 CI[+0.01~+0.35] 188/372・勝率50% | 🟡蓄積中 |
| 今回の仮説:MACDゴールデンクロス×2本のMAの下 ステート MACDゴールデン×両MA下(底値圏転換) | 勝ちやすいか edge | 前向きN≥30🏁 平均RのCI下限>0 | 平均R +0.16 CI[-0.05~+0.37] 73/147・勝率50% | 🟡蓄積中 |
今回の仮説(「MACDゴールデンクロスと2本の移動平均線の下」)は前向きで147回中73回的中(勝率50%、損益は損切り幅の+0.16倍)で、損益のぶれの幅は−0.05〜+0.37。下限がまだマイナスのため昇格には至っていません。なお、トラッカーは集計の区切りが本文の表と少し異なるため、回数・勝率が本文(146回中71回・48.6%)とわずかに違います。
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