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"通貨が強い方向"に入ると勝ちやすい? 79回で確かめたら逆だった話【研究日誌 #127】

公開:2026年10月18日 / カテゴリ:AIシグナル研究日誌 / 読了目安:約5分

⏱ 30秒でわかる
  • 「ドルが強い場面でドルを買うほうが勝ちやすい」という考えを前向きに確かめました。
  • 結果は逆でした。同じ向きに入ると勝率22.8%(100回やって約23回しか勝てない)でした。
  • 全体の前向き期間平均(36.7%)を大幅に下回り、損益のぶれの幅(-0.69から-0.25)がどちらに転んでもマイナスになりました。
  • 「逆向きに入ったとき」は勝率43.4%で、全体に近い水準でした。
  • この仮説は正式に「⛔反証確定」となりました(前向き79回)。

1. 今日確かめた問い

「今、ドルが一番強い。だからドルを買う方向で入ろう」——こういう考えは、投資の本や動画でよく見かけます。FX(外国為替)の世界では、複数の通貨の強さを数字で比べる「通貨の強弱マトリクス(マトリクス=表のこと)」が広く使われています。

この研究サイトでは、AIが毎日シグナル(売買のタイミングの候補)を計算するとき、その場面での通貨の強弱も一緒に記録しています。9月28日からは「シグナルの向きと通貨の強弱が同じかどうか」も記録し始め、前向き(その後の本番の成績)を数えてきました。

今日(10月18日)、その前向きが79回(決済確定分)に到達し、結果がはっきりしました。

「通貨の強さと同じ向き」とは何か
たとえばドル円を「買う」シグナルが出たとき、同じ時刻の計算で「ドルは円よりも強い」という結果が出ていれば、「シグナルの向きと通貨の強弱が同じ」となります。逆に「ドルは円より弱い」という結果が出ていれば「向きが逆」です。

2. どのようにして調べたか

なぜ「事前登録」をするのか
「結果を見てから仮説を作ると、勝てるパターンだけ選びやすくなる」という問題があります。この研究は結果を見る前にゴールの基準を宣言し、その後の成績だけを「前向き」として数えています。事前登録より前のデータは「参考」として別に示します。

3. 事前登録の前の成績(参考)

9月28日以前、通貨の強さと同じ向きのシグナルは788回ありました。

期間 回数 勝率 偶然のぶれの幅(信頼区間) 1回あたり平均損益(損切り幅比)
事前登録前の期間
〜2026年9月28日
788回 40.4% 37.0%〜43.8% -0.058

事前登録前の全体の目安(43%前後)よりやや低めでしたが、信頼区間が重なっているため「確かな差」とは言えませんでした。「もしかしたら良くないかも」という程度の段階で事前登録しました。

4. 前向きの成績(主な結果)

9月29日以降、79回のシグナルが確定しました(利益確定18回、損切り61回)。

⛔ 反証確定 — 前向き79回の結果、この期間の「通貨の強さと同じ向き」は負けやすかったことが確認されました。
期間 回数 勝率 偶然のぶれの幅(信頼区間) 1回あたり平均損益(損切り幅比) 損益のぶれの幅
前向きの期間
2026年9月29日〜
79回 22.8% 14.9%〜33.2% -0.47 -0.69〜-0.25

損益のぶれの幅は-0.69から-0.25でした。どちらに転んでもマイナス(0を含まない)なので、偶然だけでは説明しにくいマイナスと言えます(あくまでこの期間の記録での話です)。これが「反証確定」の判断の根拠です。

「損益の単位について」
ここでいう平均損益は、損切りになったときの損を1として表した数字です。たとえば「-0.47」は「1回損切りしたときの損と比べて、平均で0.47倍の損をした」という意味です。プラスなら利益、マイナスなら損です。

5. 向きごとの比較

「同じ向き」「逆向き」「全体」の3つを比べると、はっきりした差が見えました。

場面 回数 勝率 偶然のぶれの幅(信頼区間) 1回あたり平均損益(損切り幅比)
通貨の強さと同じ向き 79回 22.8% 14.9%〜33.2% -0.47
通貨の強さと逆向き 76回 43.4% 32.9%〜54.6% +0.01
全体(前向き期間の比較基準) 411回 36.7% 32.2%〜41.5% -0.14

「同じ向き」の22.8%は、全体の36.7%よりも13.9ポイント低い数字です。「逆向き」の43.4%は全体に近い水準で、こちらの損益のぶれの幅(-0.25〜+0.28)は0を含んでいるため「逆向きが有利」とはまだ言えません。

今回わかったのは「同じ向きが不利だった」ということです。「逆向きが有利かどうか」は別の問いとして、これからの前向き計測(2026年10月19日以降を登録済み)で確かめていきます。

6. 図で見ると

通貨の強弱と「同じ向き」のシグナルが出る場面(概念図) 通貨強弱マトリクス 「ドルが強い」を確認 ↓ 同じ向きに買いシグナル 同じ向き シグナル 損切りライン 損切り 前向き79回の結果 勝率 22.8% ※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)

図1:「通貨の強さと同じ向き」のシグナルが発火する場面のイメージ。上昇トレンド中に通貨マトリクスで「ドルが強い」と確認し、ドルを買う方向でシグナルが出た例。しかし前向き79回の集計では、このような場面では損切りになるケースが多く、勝率は22.8%にとどまりました。

向きごとの勝率比較(前向き・2026年9月29日〜) 0% 25% 50% 全体 36.7% 22.8% 79回 同じ向き 43.4% 76回 逆向き 36.7% 411回 全体 ※ 前向き期間(2026年9月29日〜)の集計値を示した図です

図2:3つの場面の勝率比較。「同じ向き」22.8%、「逆向き」43.4%、「全体」36.7%。青の破線は全体の勝率ラインです。

7. 結果を読むときの注意

8. まとめ

「ドルが強い場面でドルを買う」という直感的な考えを、79回の前向き検証で確かめました。

結果は「同じ向きに入ると22.8%しか勝てなかった」という、予想と反対のものでした。損益のぶれの幅(-0.69から-0.25)もどちらに転んでもマイナスで、偶然だけでは説明しにくい結果と判断しました。

なぜこうなるのでしょうか。一つの考えとして、「通貨が強い方向はすでに多くの人が同じ向きに入っていて、相場が動き過ぎている(買われすぎ・売られすぎ)可能性がある」という点が挙げられます。ただし、これは推測であり、確認はできていません。

今回の結論はシンプルです。「通貨の強さと同じ向きにトレードすると勝ちやすい」という根拠は、今回の前向き79回の検証では支持されませんでした(⛔反証確定)。

⛔ 仮説「通貨の強さと同じ向きのシグナルは勝ちやすい」は反証確定(前向き79回、勝率22.8%、損益のぶれの幅: -0.69〜-0.25)

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📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)

基準日 2026-10-18/昇格=前向きN≥80(🏁ホールドアウト合格はN≥30)・平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない・基準合格2回連続で確定(2026-07-19〜)/降格=昇格後の再判定で基準割れ2回連続→🟡へ(2026-07-18〜・再昇格可)

表の見方:「仮説」は、どんな場面で出たシグナルかを表します(小さな文字は研究用の管理名)。「種別」は、その場面のシグナルが「勝ちやすいか」「負けやすいか(避けたほうがよいか)」のどちらを確かめているかです。「平均R」は1回あたりの損益を、損切りになったときの損を1として表した数字で、「CI」はその数字のぶれの幅(95%)です。「CI下限>0」は、ぶれの幅がまるごと0より上=偶然ではなくプラスと言える、という意味です。時間足の指定がない仮説は、1時間足・4時間足・日足を合わせた数字です。表は、いま確かめている途中と昇格した仮説の一部です(件数の多い順の5本と、この回の主役の仮説)。確かめ終えた21本(⛔反証9本・⏹見込みなし12本)を含む全部の一覧は、シグナル研究のページの「エッジ番付」で見られます。
言葉の意味(15語・タップで開く)
  • 株価指数=日経平均・S&P500・ナスダック100・NYダウ・英FTSE100
  • 円の通貨ペア=ドル円・ユーロ円・ポンド円・豪ドル円
  • 円以外の通貨ペア=ユーロドル・ポンドドル・豪ドル米ドル・ユーロ豪ドル・ポンド豪ドル
  • 逆張り買い=下がったところで買うこと(ここでは「RSI売られすぎからの反発」か「ボリンジャーバンド−2σタッチ」で買ったもの)
  • 壁=利益確定の目標までの間にある直近の高値(売りなら安値)
  • 選別ランク=過去の成績をもとにシグナルを「最上位・良・普通・避けたい」に分けた目安
  • 移動平均線=直近25本・75本の値段の平均をつないだ線(日足なら25日・75日)
  • RSI=値動きの勢いを0〜100で表す指標(30以下は売られすぎ、70以上は買われすぎの目安)
  • MACD=2本の移動平均の差で勢いの変わり目を見る指標
  • ボリンジャーバンド=平均からのばらつきで引いた帯(−2σは下の線、+2σは上の線)
  • ゴールデンクロス=短い期間の線が長い期間の線を下から上へ抜けること(デッドクロスはその逆)
  • 順張り=値動きの向きに乗るシグナル(直近20本の高値・安値の抜け、MACD・移動平均線のクロス)
  • ADX=トレンドの強さを表す指標(20未満は弱い、25以上は強いの目安。上げか下げかは表さない)
  • VIX=米国株の「恐怖指数」(市場の不安が大きいほど高い)
  • ファンダの見立て=毎日朝夕のまとめ(経済指標・ニュース・金融政策)から出す、その銘柄の上げ下げの見立て
仮説種別宣言基準前向き現在値(平均R)状態
円以外の通貨ペアの買い
group=other_fx×dir=long
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R -0.03
CI[-0.14~+0.07]
385/926・勝率42%
🟡蓄積中
株価指数の買い
指数×ロング(全足ライブ)
勝ちやすいか
edge
前向きN≥80
平均RのCI下限>0
平均R +0.01
CI[-0.12~+0.15]
376/864・勝率44%
🟡蓄積中
値段が2本の移動平均線より上の買い
ステート 上昇配置(>MA25&75)×ロング
勝ちやすいか
edge
前向きN≥30🏁
平均RのCI下限>0
平均R +0.01
CI[-0.12~+0.13]
360/835・勝率43%
🟡蓄積中
目標の手前に壁なしの売り
blocked=False×dir=short
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R -0.01
CI[-0.12~+0.09]
303/717・勝率42%
🟡蓄積中
「RSI売られすぎからの反発」のシグナル
売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足)
勝ちやすいか
edge
前向きN≥80
平均RのCI下限>0
平均R +0.16
CI[+0.00~+0.31]
207/418・勝率50%
🟡蓄積中
通貨の強弱と同じ向きのシグナル(9月28日以降に出たもの/買いも売りも)
通貨の強弱と同じ向き
勝ちやすいか
edge
前向きN≥80
平均RのCI下限>0
平均R -0.50
CI[-0.83~-0.17]
18/84・勝率21%
⛔反証

※ 全仮説は シグナル研究のページ で確認できます。

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