🔬 ウォルマート(WMT)を数字で見る|米国の大手小売の稼ぎ方をSEC開示資料で確認
「数字で見る、話題の企業」シリーズ第14回は、米国の小売の会社 Walmart Inc.(ティッカー:WMT、以下「ウォルマート」)を取り上げます。このシリーズの狙いは「この会社の将来性を、自分で見積もれる状態」を作ることで、上がるか下がるかの結論は書きません。会社が米国の証券取引委員会(SEC)に出した書類から、①事業の中身 ②産業のつながりの中での位置 ③歴史 ④直近の決算の数字 ⑤会社自身が挙げるリスク ⑥上がる材料・下がる材料を対で並べ、⑦次に何を見ればよいかを整理します。
- ウォルマートは、米国を中心に19か国で1万900を超える店とネット通販を運営する小売の会社です。2026年1月に終わった1年間(会社の呼び方で fiscal 2026)の売上高(総収入)は7,131.63億ドルでした
- 純売上高の約68.4%が米国の「ウォルマートU.S.」、約18.5%が米国の外の「インターナショナル」、約13.2%が会員制の倉庫型店「サムズ・クラブU.S.」です
- 2026年5〜7月の3か月(第2四半期)は、売上高(総収入)が前年同期より5.9%増え、営業利益は28.8%増えました。ただし営業利益には、関税の還付(約29億ドル)が含まれると会社は説明しています(会社は、そのかなりの部分を同じ四半期のうちに値下げなどに回したとも書いています)
- 「上がる材料」「下がる材料」を各5件ずつ、出典つきで対に並べます。買い時かどうかの結論は書きません
earnings-calendar.json の米国企業で、決算発表が2営業日前〜14日前の会社=該当なし(直近の発表予定は期間の外)。②直近15〜60日の当サイトのニュース記事(guide-news-*.html)で主役として扱われた海外企業=8月17日のニュース記事(米国の大手小売3社の決算が集中した週を扱った記事で、ウォルマートは主役の1社)のウォルマート、8月26日の記事のModerna などが見つかりました。10月1日の記事のMicronは14日以内のため対象外、NVIDIA・Apple・Broadcom・Applied Materials・AMDは本シリーズで90日以内に掲載済みのため対象外です。残った候補のうち時価総額が最大の1社としてウォルマートを選びました(時価総額の金額は本文に書きません)。ウォルマートは、米国で食品や日用品などを個人向けに売る大手小売です。直近の決算発表は2026年8月20日(米国時間)で、発表の当日・翌日ではありません。本シリーズでのウォルマートの掲載は今回が初めてで、ウォルマートが主役の既刊の記事もありません。1️⃣ ウォルマートはどんな会社か
ウォルマートは、店とネット通販の両方で商品を売る小売の会社です。米国アーカンソー州ベントンビルに本社があり、毎週およそ2億8,000万人の客が、19か国の1万900を超える店と、会社のネット通販のサイトやアプリを利用していると、会社は10-Kに書いています。2026年1月31日時点の従業員は約210万人です(出典:10-K「Item 1. Business」、2026-10-12確認)。株式は米国のナスダック(Nasdaq)市場で取引されています(同出典)。
会社は事業を3つの区分(セグメント)に分けて公表しています(同出典)。
- ウォルマートU.S.:米国の50州などで4,611店(大型の総合スーパー、ディスカウントストア、小型の食品スーパーなど)と、walmart.com などのネット通販を運営する、いちばん大きな区分
- ウォルマート・インターナショナル:米国の外の18か国で5,743店。メキシコと中米、中国、カナダ、インド、アフリカなど。インドではネット通販の Flipkart(フリップカート)や、スマートフォンの決済の PhonePe(フォンペイ)の株の過半数を持っています
- サムズ・クラブU.S.:会員だけが買い物できる倉庫型の店を米国で601店運営。年会費は「Club」が50ドル、「Plus」が110ドルです
2026年1月期の売上高(総収入、原文 Total revenues)は7,131.63億ドルで、そのうち純売上高(Net sales)が7,064.13億ドル、会費とその他の収入(Membership and other income)が67.50億ドルでした(出典:10-K、2026-10-12確認)。3つの区分のeコマースの売上を足すと約1,504億ドル(ウォルマートU.S. 約996億ドル、インターナショナル 約358億ドル、サムズ・クラブU.S. 約150億ドル)で、純売上高の約21.3%にあたります(当サイト計算。出典:同10-Kの注記)。インターナショナルの中では、メキシコと中米が524.92億ドル、中国が246.23億ドル、カナダが237.24億ドルでした(同出典)。
2️⃣ どのつながりの中にいるか
次にどれが来る・上がる・下がるという話ではなく、ウォルマートが「商品が作られてから消費者に届くまで」の工程のどこに立っているかを地図にして示します。答え(次はどれか)は渡しません。地図だけを渡します。
ウォルマートが「店舗・ネット」の箱にいる根拠:10-Kによると、2026年1月31日時点で、米国と18か国に合計10,955の店(会社の言い方では retail units)を持ち、純売上高の約21.3%がeコマースの売上です(§1。当サイト計算)。ウォルマートは「物流センター」と「配達」の箱にも一部で立っています。米国では192か所の物流施設(自社のトラックと外部の運送会社を組み合わせて使う)、米国の外では179か所を使っていると10-Kに書かれています。10-Kには、米国のほぼすべての店が当日の受け取りと配達に対応していると書かれています。また、配達を請け負うドライバーが使う会社のしくみ(Spark Driver)を運営していることが、10-Qの訴訟の注記からわかります(出典:10-K「Item 1」「Item 2. Properties」・10-Q 第2四半期「Note 5」、2026-10-12確認)。
前後の工程にいる会社の種類:川上には、食品や日用品のメーカー、農家や食肉の加工の会社、衣料・家電・家庭用品を作る工場(海外の工場を含む)があります。その先に、海運や港の会社、トラックの運送会社、倉庫の会社が続きます。川下には、配達を請け負う個人や運送の会社がいます。④の箱の上には、ウォルマートの店やサイトに広告を出すメーカーや、マーケットプレイスに出店する会社もいます。さらに同じ④の箱には、ほかの総合スーパー、会員制の倉庫型店、ネット通販の会社、ドラッグストア、食品スーパーなどがいて、10-Kはこれらを競争相手の種類として挙げています。
つながりが細る条件:会社は第2四半期の10-Qで、米国で売っている商品のうち輸入品は3分の1未満で、輸入品の多くは中国・ベトナム・メキシコ・インド・カナダから来ていると書いています。10-Kでは、米国の店で売る一般の商品のかなりの部分が外国で作られており、関税などの貿易の政策の変更が、仕入れの値段や売る値段を通じて、事業と利益率に影響してきたし、今後も影響し得ると書いています(出典:同10-Q「経営者による分析」・10-K「Item 1A. Risk Factors」)。つまり、②の箱(輸入)にかかる条件が変わると、①から④へのつながりの太さそのものが変わり得ます。
3️⃣ 歴史年表——事実で確認できる出来事
確かめられる出来事だけを並べた年表です。原因の決めつけや物語にすることは避けています。今回は、すべての行をSECに出された会社の書類で確かめられました(10-Kの「The Development of Our Company(会社の歩み)」の節など)。
| 年月 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 1945年 | 創業者のサム・ウォルトン氏が、アーカンソー州ニューポートで雑貨店(Ben Franklin のフランチャイズ)を開いた | 10-K「Item 1. Business」(2026-10-12確認) |
| 1962年 | それまでの雑貨店に加えて、ディスカウントストアを開き始めた | 10-K「Item 1. Business」 |
| 1970年 | 株式を公開(新規株式公開) | 10-K「Item 1. Business」 |
| 1983年 | 最初のサムズ・クラブを開いた | 10-K「Item 1. Business」 |
| 1988年 | 最初のスーパーセンター(食品と一般の商品を1か所で売る大型の店)を開いた | 10-K「Item 1. Business」 |
| 1991年 | メキシコでの合弁事業(ほかの会社と共同で出資して営む事業)で、初めて米国の外へ進出 | 10-K「Item 1. Business」 |
| 1996年 | walmart.com と samsclub.com を立ち上げ、ネット通販を始めた | 10-K「Item 1. Business」 |
| 1998年 | 最初の Walmart Neighborhood Market(小型の食品スーパー)を開いた | 10-K「Item 1. Business」 |
| 2007年 | ネットで買った商品を店で受け取れるサービス(Site-to-Store)を始めた | 10-K「Item 1. Business」 |
| 2018年 | インドの Flipkart と PhonePe の株の過半数を取得 | 10-K「Item 1. Business」 |
| 2021年2月 | 英国の子会社だった Asda(アズダ)を売却 | 10-Q 第2四半期「Note 5. Contingencies」(2026-10-12確認) |
| 2024年2月 | 1株を3株に分ける株式分割(2024年2月22日の株主が対象) | 8-K(2024-01-31提出、2026-10-12確認) |
| 2025年12月 | 株式の上場先をニューヨーク証券取引所からナスダックへ移した(ナスダックでの取引は12月9日に始まる予定と開示) | 8-K(2025-11-20提出)/10-K 表紙・Item 1(ナスダックでの取引を記載) |
| 2026年2月 | ジョン・ファーナー氏が社長兼CEO(最高経営責任者)に就任(それまではウォルマートU.S.の社長兼CEO) | 10-K「Information About Our Executive Officers」 |
| 2026年3月 | 配達のしくみ(Spark Driver)の支払いと運用をめぐる米連邦取引委員会(FTC)と一部の州の調査について、責任を認めない形で和解。1億ドルの判決に同意(うち約6,300万ドルは執行が停止され〔原文 suspended〕、残りの約3,700万ドルを2026年1月31日時点で計上) | 10-Q 第2四半期「Note 5. Contingencies」 |
| 2026年5〜7月 | 輸入者として払った関税の還付を、米国の税関・国境警備局(CBP)の手続きで約29億ドル受け取った | 10-Q 第2四半期 |
| 2026年8月 | 2026年5〜7月の決算を発表(20日)。2027年1月期の会社の見通しを引き上げた | 8-K 決算発表資料(2026-08-20提出) |
4️⃣ 直近の決算の数字(2026年5〜7月)
2026年5〜7月の3か月(会社の呼び方で2027年度の第2四半期。2026年8月20日発表)の数字です。前年同期(2025年5〜7月)と並べています。数字は決算発表資料(8-K)と10-Qからで、確認日は2026-10-12です。
| 指標 | 2026年5〜7月 | 2025年5〜7月 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高(総収入) | 1,879.37億ドル | 1,774.02億ドル | +5.9% |
| うち純売上高 | 1,861.00億ドル | 1,757.50億ドル | +5.9% |
| ウォルマートU.S. | 1,251.89億ドル | 1,209.11億ドル | +3.5% |
| インターナショナル | 351.98億ドル | 312.01億ドル | +12.8% |
| サムズ・クラブU.S. | 257.13億ドル | 236.38億ドル | +8.8% |
| うち会費とその他の収入 | 18.37億ドル | 16.52億ドル | +11.2% |
| 粗利率(純売上高に対する割合) | 25.4% | 24.5% | +0.96ポイント |
| 営業利益 | 93.83億ドル | 72.86億ドル | +28.8% |
| 純利益(ウォルマートの株主の分) | 63.66億ドル | 70.26億ドル | −9.4% |
| GAAPのEPS(希薄化後) | 0.80ドル | 0.88ドル | −9.1% |
| 調整後EPS(非GAAP) | 0.81ドル | 0.68ドル | — |
出典:8-K 決算発表資料「Walmart reports second quarter results」(2026-08-20提出)・10-Q 第2四半期(2026-08-28提出)。増減は会社の表の値。粗利率の差は会社の記載(96ベーシスポイント=0.96ポイント)。調整後EPSは会社が独自に計算した数字で、会社は前年同期の0.68ドルとの増減率を表に載せていないため「—」としています。確認日:2026-10-12。
営業利益と純利益の向きがちがう理由(会社の説明):
- 営業利益が増えた理由:会社は10-Qで、粗利率が上がった主な理由を関税の還付とし、値下げ(会社の言い方では price investments)や物流の燃料費の上昇がその一部を打ち消したと書いています。還付は約29億ドルで、売上原価を減らす形で計上し、依頼した還付のほぼ全額にあたるとしています。また、還付のかなりの部分を同じ四半期のうちに値下げなどに回し、2027年1月期を通じて値下げを優先する考えだと書いています。なお、前年同期の営業利益には、一部の訴訟に関わる費用4.4億ドルが含まれていました(出典:8-K 決算発表資料の調整表)。
- 純利益が減った理由:会社が持つ株式などの投資の時価の変動で、今回は12億ドルの損失(前年同期は27.08億ドルの利益)が「その他の損益」に入りました。会社は、これは主に投資先の株価の変動によるものと説明しています。一方で、税金の扱いの見直しで、法人税が約4億ドル、支払利息が約5億ドル減りました(出典:10-Q 第2四半期)。調整後EPSは、このうち投資の損益と税の見直しの分を除いた数字です。
既存店売上とeコマース:10-Qによると、2026年5〜7月の既存店売上(燃料を含む・会社の会計の暦で計算)は、ウォルマートU.S.が+3.3%、サムズ・クラブU.S.が+8.6%でした(サムズ・クラブU.S.は燃料の売上の伸びが+4.2ポイント分を占めます)。決算発表資料は別の暦(4週・5週・4週の小売の暦)と燃料を除く形で、ウォルマートU.S. +2.6%、サムズ・クラブU.S. +4.4%と書いており、計算のしかたのちがいで数字が異なります。eコマースの売上は、ウォルマートU.S.が約294億ドル(前年同期 約237億ドル)、インターナショナルが約99億ドル(同 約83億ドル)、サムズ・クラブU.S.が約47億ドル(同 約37億ドル)で、会社は世界全体のeコマースの売上が23%増えたと書いています(出典:10-Q・8-K、2026-10-12確認)。広告の事業は世界全体で38%、会費の収入(membership fee revenue)は世界全体で17%増えたと、会社は決算発表資料に書いています。
通期(1年間)の数字:2026年1月期の売上高(総収入)は7,131.63億ドルで、2025年1月期の6,809.85億ドルから4.7%増えました。営業利益は298.25億ドル(前期293.48億ドル)、ウォルマートの株主の分の純利益は218.93億ドル(前期194.36億ドル)、GAAPのEPS(希薄化後)は2.73ドル(前期2.41ドル)でした。2026年2〜7月の6か月の売上高(総収入)は3,656.88億ドルで、前年同期の3,430.11億ドルから6.6%増えています(出典:10-K・8-K 2026年5〜7月の決算発表資料、2026-10-12確認)。
お金の出入りと株主への還元:2026年2〜7月の営業活動によるキャッシュフロー(事業で入ったお金)は197.10億ドルで、前年同期の183.52億ドルから増えました。一方で、設備への投資は141.81億ドル(前年同期114.09億ドル)に増え、会社独自の計算によるフリーキャッシュフローは55.29億ドル(前年同期69.43億ドル)に減りました。同じ6か月で、会社は自社の株を4,230万株、約51億ドル分買い戻しました(自社株買い)。2026年2月に決めた300億ドルの買い戻しの枠のうち、7月31日時点で約251億ドルが残っています。会社は、買い戻した株を「消却したものとして扱い、まだ発行していない状態に戻す」(原文 constructively retired and returned to an unissued status の訳)と10-Qに書いています。2027年1月期の年間の配当は1株0.99ドルで、前の年度の0.94ドルから引き上げたと10-Kに書かれています(出典:8-K・10-Q・10-K、2026-10-12確認)。
5️⃣ 会社自身が挙げているリスク
以下は、会社がSECに出した10-K(2026年1月期)の「Item 1A. Risk Factors(リスク要因)」で、会社自身が開示しているリスクの要旨です。書き手の推測ではなく会社の自己申告である点が、このシリーズでいちばん大事にしている情報です。なお、第1四半期と第2四半期の10-Qは、10-Kのリスク要因から大きな変更はないと書いています。原文はSEC EDGARのウォルマートの提出書類一覧から確かめられます。
- ①関税と貿易の政策の変更:2026年1月期の純売上高の約82%を米国の2つの区分が占め、米国の店で売る一般の商品のかなりの部分は外国で作られていると書いています。関税などの変更は、仕入れの値段と売る値段の両方を通じて事業と利益率に影響してきたとし、2026年1月期には追加の輸入関税の影響を受けたと書いています。関税をめぐる状況が変わりやすい状態は2027年1月期も続くと見ており、その影響は大きくなり得るものの、正確には予測できないとしています。
- ②景気と消費者の動向:金利の上昇、ガソリンなどの燃料の値上がり、物価の上昇や下落、失業の増加、政府の支援のしくみの変更による購買力の低下、消費者の借金の増加などが、商品の需要を減らしたり、利益率の低い商品へ売れ筋を移したり、ぜいたく品の買い控えを招いたりし得ると書いています。
- ③競争の激しさ:店・ネット通販・会員制の倉庫型店の会社のほか、SNSを使った販売の場や、AIが客に代わって買い物を進める新しい道具(原文 agentic shopping tools)とも競っていると書いています。資金の豊富な新しい競争相手や、競争相手のAIの技術の進み方によって、競争の圧力が強まり得るとしています。
- ④サイバー攻撃と情報システム:会社や取引先の情報システムへの攻撃(身代金を要求するウイルスなど)で情報が漏れたり、システムが止まったりすると、客や金融機関、規制当局などからの請求、評判の低下、ネット通販の売上の減少につながり得ると書いています。AIの技術が進むことで、なりすましの危険が増しているとも書いています。
- ⑤訴訟と規制の手続き:訴訟などの手続きで不利な結論や和解になれば、業績や財務に大きな影響が出得ると書いています。具体的な案件は10-Kの「Item 3. Legal Proceedings」と注記に並び、第2四半期の10-Qでは、医療用の鎮痛薬(オピオイド)をめぐる訴訟(米国の連邦地方裁判所でまとめて扱われている手続きの中に、2026年8月21日時点で約118件)、旧子会社 Asda の従業員による同一価値労働の請求(店の従業員が、自分たちの仕事は物流センターの従業員の仕事と同じ価値なのに、賃金などに差があると主張するもの。第3段階の審理は2026年11月23日に始まる予定)、インドの Flipkart への外国からの投資の規則についての通知、メキシコとインドの競争法の案件などを挙げています。会社はこれらの多くについて、損失の額や幅を合理的に見積もれないと書いています。訴訟の中身の正しさについて、この記事は判断しません。
出典:10-K「Item 1A. Risk Factors」「Item 3. Legal Proceedings」(2026-03-13提出)・10-Q 第2四半期「Note 5. Contingencies」「Item 1A. Risk Factors」(2026-08-28提出)の要旨(英語の原文を当サイトが要約したもの)。確認日:2026-10-12。原文には、このほかにも為替、医薬品の支払いのしくみ、人材の確保と人件費、仕入れ先、自然災害、税などの項目が並んでいます。
6️⃣ 上がる材料/下がる材料
ここがこの記事の主役です。会社の開示で確かめられる事実だけを左右に対で並べます。どちらが重いかという重み付けはしません。関税の還付(会社が依頼した還付のほぼ全額を第2四半期に受け取ったもの)は、両側で書き分けています。投資の判断は、かならずご自身の責任で行ってください。
※ 材料の数は左右5件ずつでそろえています。上の内容は開示の要約で、どちらが重いかの判断や将来の予測はしていません。為替一定・調整後の数字・フリーキャッシュフローは、会社が独自に計算した非GAAPの指標です。
以上が、いま公開情報から拾える材料です。どう見るかはご自身で。投資の判断はご自身の責任で行ってください。
7️⃣ これから何を見れば分かるか
次の四半期(2027年度の第3四半期)は、2026年10月31日に終わります(会社の四半期の区切りから。前の年の同じ四半期は2025年10月31日に終わっています)。その決算の発表日は、当サイトの決算予定データ(earnings-calendar.json)にはまだ入っていないため、この記事では日付を書きません。会社のIRサイト(投資家向けの情報のページ)で確かめてください。この記事で挙げた材料は、次のところで確かめられます。
- 会社が公表した第3四半期の見通し(純売上高3.0〜3.75%増・調整後EPS 0.62〜0.64ドル)と、実際の数字→次の8-K 決算発表資料
- 粗利率と営業利益に関税の還付がどれだけ含まれるか、還付を値下げに回したことについての会社の説明→次の10-Qの「経営者による分析」
- eコマースと広告の伸び、会費の収入→次の8-K 決算発表資料と10-Qの注記
- 「その他の損益」(投資の時価の変動)の大きさ→次の8-Kの損益計算書と調整表
- 訴訟の進み具合(Asda の第3段階の審理は2026年11月23日に始まる予定と10-Qに記載)→次の10-Qの「Note 5. Contingencies」と、2027年1月期の10-K
いずれもSEC EDGAR(米国の証券取引委員会の開示システム)と会社のIRサイトで、無料で確かめられます。
8️⃣ まとめ
結論は出しません。ウォルマートは、米国の店とネット通販を中心に、米国の外の店と会員制の倉庫型店を合わせて運営する小売の会社で、2026年1月期の純売上高の約68.4%をウォルマートU.S.が占めました。2026年5〜7月は売上高(総収入)が5.9%増え、営業利益は関税の還付を含めて28.8%増えた一方、純利益は投資の時価の変動で9.4%減りました。会社自身は、関税と貿易の政策、景気と消費者の動向、競争、サイバー攻撃、訴訟などをリスクとして挙げています。次の決算と開示で見るべき指標はこの3つです。①第3四半期の営業利益(関税の還付の扱いについての会社の説明を含む)と、会社の見通しとの比較 ②eコマースと広告の伸び ③関税と訴訟について会社がどう書くか。どう見るかは、読者ご自身の判断にゆだねます。
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⚠️ 当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録もしていません。本記事は米国の証券取引委員会(SEC)に提出された公開資料(Form 10-K・10-Q・8-K)等の一次情報に基づく情報提供であり、特定銘柄の売買推奨や投資助言ではありません。目標株価の提示、将来の業績・株価の予測、株価水準に関する評価的な断定は行っていません。会社の見通しとして引用した内容は、あくまで「会社がそのように公表している」という事実の紹介です。投資には元本割れのリスクが伴います。投資判断はご自身の責任で行ってください。