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🧪 AIシグナル研究日誌 #64
金属ロングgate 降格候補確認——前向きN=177でCI上限+0.16(2回目),後期56%の加速は本物か

カテゴリ:🧪 AIシグナル研究日誌  |  公開:2026年8月8日  |  読了:約12分

毎回ひとつの仮説を実データで検証し、勝っても負けても全公開する研究日誌の第64回です。

今回は「group=metal×dir=long ゲート仮説」の3回目の定点観測です。2026年6月17日の#039でIS N=86・勝率16.3%という赤字から「ゲート」登録され、#058では前向きN=156に達して後半48.6%まで回復しCI上限+0.17でゲート条件崩壊が確認されました。しかし降格ルール(2026-07-18導入)に基づき「CI上限 > 0 だがgateが2回連続未達」でまだ結論は出ていません。今回は前向き観測数がN=177に達したタイミングで2つの問いを検証します。

⏱️ 30秒でわかる今回のまとめ

① 全期間(N=262)での勝率は34.0%・E(R)=−0.210R — IS期間の損失がまだ重しとして残る
② 時間足別(全期間)では 4H足(N=112)が41.1%、1H足(N=136)が28.7% — 12pp超の足種差あり
③ 対照群 metal×short(N=100)が45.0% — ロング(34.0%)を11pp上回る方向非対称が継続
④ 前向き観測期間を3分割すると後期59件で明確な加速を確認(詳細は本文)
⑤ gate条件「E(R)の95%CI上限 < 0」が2回連続未達 — 降格ルールにより🟡蓄積中への降格候補

① 背景——#039・#058の流れと降格ルール

#039(2026-06-17)では、システム稼働開始から6月17日までのIS期間86件で、金属ロング(GC=F・SI=F の買いシグナル)の勝率が16.3%・E(R)=−0.621Rという厳然たる赤字を示しました。この条件を「gate(ゲート)」として登録し、前向き検証のみ継続することにしました。

#058(2026-08-02)では前向きN=156で後半48.6%・E(R)=+0.133Rへの反転を確認し、FWD全体でCI上限+0.17 > 0 となりゲート条件が崩壊しました。しかし同時期に導入された降格ルールでは「✅昇格仮説がゲート/エッジ条件を2回連続で未達の場合、🟡蓄積中へ降格」と定めています。#058時点が1回目の未達でした。今回(N=177)が2回目のチェックポイントです。

降格ルール(2026-07-18導入):ゲート条件(CI上限 < 0)が2回連続で満たせなかった場合、当該仮説は✅昇格から🟡蓄積中へ降格。CI上限が正の方向に推移しているケースでも適用される。

② 今回の仮説——2つの検証問

今回はFWD N=177時点で以下2つを事前に宣言します。

0% 20% 40% 60% 80% 損益分岐 IS N=86 16.3% FWD前期 N=59 36% FWD中期 N=59 36% FWD後期 N=59 56% +20pp↑

図1:金属ロング(group=metal×dir=long)の IS期間 vs FWD3分割の勝率推移(概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません))。後期N=59で56%まで加速したが、FWD全体での統計的有意性はまだ確認中。

③ 検証方法

signals-log.json(決済済みシグナルのみ使用)をPythonで集計します。

④ 結果①:FWD全体N=177の成績

期間Nk(勝)勝率Wilson 95%CIE(R)E(R) 95%CI
IS(gate登録前)861416.3%[9.4%, 26.2%]−0.621R[−0.80, −0.44]
FWD全体(前向き)1777542.4%[35.3%, 49.7%]−0.010R[−0.180, +0.160]
全期間(IS+FWD)2628934.0%[28.5%, 40.0%]−0.210R[−0.343, −0.076]

FWD全体で勝率42.4%・E(R)=−0.010Rとなり、損益はほぼゼロに近い水準に改善しました。ただしCI下限35.3%は損益分岐(43%)を下回っており、統計的にはまだ明確なプラスとは言えません。CI上限+0.16 > 0 というのは「ゼロを上回るかもしれない」という水準であり、強い昇格根拠ではありません。

FWD N=177 では E(R)=−0.010R まで改善。IS期間(E(R)=−0.621R)からの累積改善幅は+0.611Rに達している。これはゲート仮説の「金属ロングは系統的な損失源」という前提が揺らいでいることを示す重要な変化。

⑤ 結果②:FWD3分割——後期56%の加速

分割Nk(勝)勝率E(R)
FWD前期(時系列1/3目)592136%−0.200R(推計)
FWD中期(時系列2/3目)592136%−0.180R(推計)
FWD後期(時系列3/3目)593356%+0.247R(推計)

前期・中期がともに36%(損益分岐を10pp下回る水準)で推移したのに対し、後期では56%(損益分岐+13pp上回る)まで加速しました。この変化はH2「+20pp以上の加速」を満たしています

ただし後期59件の勝率56%に対するWilson CI下限はおおよそ43%前後であり、単独では「有意に損益分岐を超えた」とまでは言い切れません。後期加速が「相場局面の変化(直近の金市場の特性変化など)」によるものか、「統計的ノイズ」かの判断には、さらにN=100〜150件程度の継続観測が必要です。

0% 20% 40% 60% IS: 16.3% IS期間 (N=86) FWD: 42.4% FWD全体 (N=177) 全体: 34.0% IS+FWD (N=262) 43%

図2:IS期間(16.3%)・FWD全体(42.4%)・IS+FWD全体(34.0%)の勝率比較(概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません))。FWDでは損益分岐にほぼ近づいたが、全期間ではまだIS期間の影響が強い。

⑥ 結果③:時間足・銘柄・シグナル別内訳(全期間)

時間足別(全期間 IS+FWD N=262)

時間足Nk勝率E(R)
1H足1363928.7%−0.380R(推計)
4H足1124641.1%−0.060R(推計)

※ 上表は1H・4H足のみ。1H(N=136)+4H(N=112)=248件、残り14件は日足・他の足種(表から除外)。

全期間では4H足が41.1%と1H足(28.7%)を12pp超えています。FWD期間に絞ると差はさらに拡大し、4H足N=76で勝率51%・E(R)=+0.196Rに対し1H足N=90は38%・E(R)=−0.120Rです(これらはFWD期間のみの参照値であり、FWD集計はclaims.jsonの全期間集計と別途分析)。時間足の差異は今後の仮説絞り込みの有力な軸になりえます。

銘柄別(全期間)

銘柄Nk勝率
GC=F(金先物)1394834.5%
SI=F(銀先物)1234133.3%
対照:metal×short1004545.0%

GC=FとSI=Fの間に大きな差はなく(34.5% vs 33.3%)、どちらも全期間では損益分岐を下回っています。対照群のmetal×short(ショート)が45.0%であることと比較すると、ロング優位という仮定に反してショートのほうが現時点では成績良好という状況が続いています。

シグナル別(全期間)

シグナルNk勝率
bb_lower_touch(−2σタッチ)772735.1%
rsi_oversold_bounce(RSI過売り反発)601931.7%
macd_golden(MACDゴールデン)531630.2%

シグナル別では bb_lower_touch(35.1%)がやや良い水準ですが、3つともに損益分岐を下回っています。ただしFWD期間でのみ見るとrsi_oversold_bounce N=30で勝率50%まで改善しており(全期間N=60の中に含まれる)、シグナル絞り込みの余地があります。

⑦ 結果④:全期間(IS+FWD N=262)の参照値

全期間の主要統計を参照用に掲載します。これはclaims.jsonに登録された数値と対応しています。

条件Nk勝率Wilson 95%CI
metal×long 全TF2628934.0%[28.5%, 40.0%]
GC=F×long1394834.5%[27.0%, 42.8%]
SI=F×long1234133.3%[25.3%, 42.4%]
1H×metal×long1363928.7%[21.5%, 37.2%]
4H×metal×long1124641.1%[32.3%, 50.4%]
rsi_oversold_bounce×metal×long601931.7%[21.1%, 44.5%]
bb_lower_touch×metal×long772735.1%[25.0%, 46.5%]
macd_golden×metal×long531630.2%[19.2%, 43.5%]
metal×short(対照)1004545.0%[35.5%, 54.8%]

⑧ 事前基準の評価——H1・H2の判定

H1(ゲート条件):❌ 不成立(CI上限 +0.16 > 0、gate条件「CI上限<0」を2回連続未達 → 降格候補)
FWD N=177 で E(R) CI上限は +0.16 > 0。ゲート条件「CI上限 < 0」は今回も満たされませんでした。これは2回連続の未達(#058が1回目、今回が2回目)に相当します。降格ルールに従い、この仮説は✅昇格から🟡蓄積中へ降格候補となります。
H2(後期加速):✅ 成立(+20pp達成)
FWD後期N=59で勝率56%、前期36%に対して+20ppの加速が確認されました。「後期に加速ありか」という問いに対してYESと判定します。ただしN=59の単独CIは[43%前後, 68%前後]で広く、この加速が持続するかどうかは不確実です。

降格処理の位置づけ

H2が成立(後期56%加速)しているにもかかわらずH1(CI上限 < 0)が満たされないという状況は、「FWD全体でまだポジティブと確定できない」という意味です。降格=「この条件が負けると結論付けた」ではなく、「昇格のエビデンスがまだ不十分」という保留判定です。

今後もsignals-logへのデータ蓄積は継続します。次のチェックポイントとしてFWD N=230件(あと53件)が目安になります。

43% 0% 30% 60% FWD前期 FWD中期 FWD後期 36% 36% 56%

図3:FWD期間の勝率推移(3分割での変化)概念図(概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません))。前期・中期は同水準で推移した後、後期で急加速。この加速が統計的ノイズか実質的変化かが次のチェックポイントでの問いとなる。

⑨ 📡 前向きトラッカー定点観測

現在の全仮説の状態を以下に示します(2026-08-08時点)。

仮説 ステータス N 勝率 CI / E(R) CI上限 次のチェック
group=metal × dir=long 🟡蓄積中(降格候補) FWD 177 42.4% E(R) CI上限 +0.16 FWD N=230
trend=上昇 × reversalL ✅昇格 FWD 継続 定期確認中 次回観測
dir=long(全体) ⛔反証 全期間 FDR通過済み 継続監視
reversalL(全体) ⛔反証 全期間 FDR通過済み 継続監視
tier=good ⛔反証 全期間 FDR通過済み 継続監視
tier=good × dir=long ⛔反証 全期間 FDR通過済み 継続監視
trend=下降 × reversalL ⛔反証 全期間 FDR通過済み 継続監視

⑩ 次回に向けて

今回の定点観測から導かれる次の研究方向性を整理します。

本記事の数値はすべてシステムログからの機械的集計です。特定の銘柄への投資を推奨するものではなく、今後のシグナル成績を保証するものでもありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

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