🧪 AIシグナル研究日誌 #83
上昇×逆張り買い 降格確定:BB主体77%が引き下げ、RSIは健在(前向きN=257・2回連続判定)
毎回ひとつの仮説を実データで検証し、勝っても負けても全公開する研究日誌の第83回です。前回の降格警戒(#73)では、trend=上昇×reversalL(上昇トレンドでの逆張り買いシグナル)の前向き成績について「RCI下限がマイナスに転じた」として警戒フラグを立てました。
本日2026年8月29日時点で、前向きN=257件、RCI下限のマイナス継続は6日目(2026-08-24〜)に達しました。#73(降格警戒1回目)に続く2回目の確認が完了したため、本記事で降格確定の判定を行います。
① trend=上昇×reversalL の前向き勝率:46.7%(120/257)、RCI下限 -0.076 でマイナス継続 → 降格確定
② 主犯はbb_lower_touch(198/257件・約8割):勝率40.9%、E(R)=-0.045(RCI上限+0.132)
③ rsi_oversold_bounceは健在:勝率66.1%、E(R)=+0.542(RCI全域プラス)
④ 最悪コンボ:BB×index(指数)は勝率31.5%、E(R)=-0.265。最良:RSI×jpy_fx(円クロス)は76.5%、E(R)=+0.784
① 今回の仮説と降格ルール
「trend=上昇(高位足トレンドが上昇)×reversal_long(逆張り買いシグナル発動)」という条件は、2026年6月22日に昇格登録されました。IS期間(〜2026-06-22)では勝率54.4%(56/103)、RCI下限+0.016と有望な成績を示していたため、前向き検証(FWD)へ進みました。
2026年8月中旬(#73)に「RCI下限が初めてマイナスに転落」と記録し、降格警戒フラグを立てました。本研究ノートのルールでは、「RCI下限の連続マイナスを2回の日誌で確認した場合、降格確定」とします。
E(R)の95%信頼区間下限のことです。プラスなら「統計的に期待値プラスである可能性が高い」、マイナスなら「長期的に損をする可能性が否定できない」ことを意味します。cluster補正(同日発火をまとめて1クラスターとして扱う)により、過多推定を防いでいます。
逆張り買い(reversal_long)とは
本システムでの「逆張り買いシグナル」は、主に次の2種類です:
- rsi_oversold_bounce(RSI売られすぎ反発):RSI が30を下回った後に反発 → 短期的な売られすぎからの回復を狙う
- bb_lower_touch(ボリンジャー下限タッチ):価格がボリンジャーバンド下限(−2σ)に接触 → 統計的な「下方逸脱」からの回帰を狙う
「上昇トレンド下での逆張り買い」とは、高位足のトレンドが上昇方向を示している状況で、これらの反発シグナルが発動した場合を指します。直感的には「大きな流れに逆らわず、短期の押し目(下落)で拾う」戦術です。
② チャート風図解:上昇トレンドで逆張り買いが発動する瞬間
以下の概念チャートは、「上昇トレンド下での逆張り買いシグナル(rsi_oversold_bounce と bb_lower_touch)がチャートのどの位置で発動するか」を示しています。
概念図:上昇トレンド(高位足)が続く中で、ボリンジャー下限タッチ(BB)またはRSI30割れ反発(RSI)の逆張りシグナルが発動する局面。実際の価格ではなくシグナル発動の「位置感」を示したもので、実データに基づく数値ではありません。
③ IS期間 vs 前向き(FWD)期間
まず全体像を確認します。シグナル登録日(2026-06-22)を境に、登録前(IS期間)と登録後(FWD期間)を比較します。
| 区分 | N(件数) | k(勝ち) | 勝率 | 95%CI(勝率) | E(R) | RCI(下限,上限) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 全期間(IS+FWD) | 360 | 176 | 48.9% | [43.8%, 54.0%] | +0.141 | [+0.001, +0.281] |
| IS期間(〜6/22) | 103 | 56 | 54.4% | [44.8%, 63.7%] | +0.269 | [+0.016, +0.521] |
| FWD期間(6/23〜) | 257 | 120 | 46.7% | [40.7%, 52.8%] | +0.089 | [-0.076, +0.255] |
前向き期間の3分割(時系列推移)
FWD期間を3等分して、時系列の変化を確認します。
| 期間 | N | k | 勝率 | E(R) | RCI |
|---|---|---|---|---|---|
| P1前(6/23〜7/17) | 85 | 42 | 49.4% | +0.153 | [-0.072, +0.378] |
| P2中(7/17〜8/12) | 86 | 46 | 53.5% | +0.248 | [+0.027, +0.469] |
| P3後(8/12〜8/27) | 86 | 32 | 37.2% | -0.132 | [-0.498, +0.234] |
P2中期(7/17〜8/12)までは+0.248と健全だったのに対し、P3後半(8/12〜8/27)が急激に悪化(37.2%、E(R)=-0.132)しています。P3だけでサンプルN=86・CI幅が広いため確定的な結論は難しいですが、直近の市場環境が全グループにわたって逆張り買いに不利だったことを示唆します。
④ シグナル別:BB vs RSI の明暗
今回の降格判定において最も重要な分析です。逆張り買いシグナルには bb_lower_touch(BB) と rsi_oversold_bounce(RSI) の2種類があります。
| シグナル種別 | IS N(勝率) | FWD N | k | FWD勝率 | E(R) | RCI |
|---|---|---|---|---|---|---|
| bb_lower_touch(BB) | 78(55.1%) | 198 | 81 | 40.9% | -0.045 | [-0.223, +0.132] |
| rsi_oversold_bounce(RSI) | 25(52.0%) | 59 | 39 | 66.1% | +0.542 | [+0.174, +0.911] |
FWD期間257件のうち198件(77%)がbb_lower_touch。E(R)がマイナスのBBが多数を占めることで、RSIの好成績が打ち消されています。実データに基づく概念図です。
⑤ グループ別:指数が最大の足かせ
銘柄グループ(金融商品の種類)ごとに FWD 成績を見ます。
| グループ | IS勝率(N) | FWD N | k | FWD勝率 | E(R) | RCI |
|---|---|---|---|---|---|---|
| index(株価指数) | 69.2%(52) | 68 | 24 | 35.3% | -0.176 | [-0.463, +0.110] |
| jpy_fx(円クロスFX) | 59.3%(27) | 79 | 41 | 51.9% | +0.211 | [-0.152, +0.574] |
| other_fx(ドルクロスFX) | 6.2%(16) | 67 | 34 | 50.7% | +0.184 | [-0.099, +0.467] |
| metal(貴金属) | 50.0%(4) | 15 | 7 | 46.7% | +0.089 | [-0.526, +0.704] |
注目点は2つです。
- index(株価指数):IS期間69.2%という高勝率が、FWDでは35.3%に急落。これは交絡ではなく実際の性能劣化です。
- jpy_fx・other_fx:それぞれ51.9%・50.7%で損益分岐43%を上回っており、健全な水準です。ただしRCIはゼロをまたぐため確定的プラスとはいえません。
最悪コンボ:BB×index
| 条件 | FWD N | k | 勝率 | E(R) | RCI |
|---|---|---|---|---|---|
| BB×index(株価指数) | 54 | 17 | 31.5% | -0.265 | [-0.556, +0.025] |
最良コンボ:RSI×jpy_fx
| 条件 | FWD N | k | 勝率 | E(R) | RCI |
|---|---|---|---|---|---|
| RSI×jpy_fx(円クロスFX) | 17 | 13 | 76.5% | +0.784 | [+0.239, +1.330] |
⑥ 時間足別(4H足 vs 1H足)
FWD期間の時間足別成績を確認します。
| 時間足 | FWD N | k | 勝率 | E(R) | RCI |
|---|---|---|---|---|---|
| 4H足 | 78 | 31 | 39.7% | -0.073 | [-0.305, +0.160] |
| 1H足 | 163 | 76 | 46.6% | +0.088 | [-0.151, +0.327] |
4H足(39.7%)が1H足(46.6%)を6.9pp下回っています。両時間足ともRCIがゼロをまたぐため確定的な差ではありませんが、4H足の逆張り買いはより厳しい結果です。これは前回の#78・#82でも確認された傾向と一致します。
⑦ P3後半(8/12〜8/27)の急落
直近の後半期間(P3:8/12〜8/27)は全グループが低調です。
| グループ | P3 N | k | 勝率 |
|---|---|---|---|
| metal(貴金属) | 9 | 4 | 44.4% |
| index(株価指数) | 25 | 7 | 28.0% |
| jpy_fx(円クロスFX) | 27 | 12 | 44.4% |
| other_fx(ドルクロスFX) | 18 | 7 | 38.9% |
P3でも index が最も低迷(28.0%)。シグナル別ではRSIでも44.4%と低下しており、市場全体で「押し目からの反発が起きにくい環境」だった可能性があります。
BBがFWDの多数派(77%)を占めることで、BB成績が全体を支配する「構造上の問題」があります。IS期間でindexが69.2%と高勝率だったのは、当時のIS期間の市場環境によるもので、交絡ではなく実際の崩落と判断します。P3後半の全グループ低下(28〜44%)は全体的な市場環境の変化を示唆します。
⑧ 降格確定の判定
本研究ノートの降格ルール:「前向き期間でRCI下限がマイナスを2回の日誌で確認した場合、降格確定」に基づき、以下の通り判定します。
- 🔴 #73(降格警戒1回目):FWD N≈205時点でRCI下限がマイナスに転落 → 降格警戒フラグ
- 🔴 #83(本記事・降格警戒2回目):FWD N=257時点でRCI下限=-0.076のマイナス継続(8/24〜6日連続) → 降格確定
trend=上昇×reversalL(上昇トレンド下での逆張り買い)は前向き検証において統計的根拠を失いました。昇格シグナルとしての使用を停止し、tracker status を「降格」に更新します。
ただし、rsi_oversold_bounce 単体(FWD勝率66.1%・RCI全域プラス)は引き続き有効であり、単独での昇格候補として別途検証を継続します。
今後の方針
- bb_lower_touch×index は積極的に使用しない(勝率31.5%・E(R)=-0.265)
- rsi_oversold_bounce は単独での新規昇格仮説として前向き検証を継続
- rsi_oversold_bounce×jpy_fx(FWD N=17・勝率76.5%)は昇格候補として注目、N=30超で再評価
- 本仮説は「市場環境変化(P3後半)の影響下で確認された降格」であるため、環境が変わった際に復帰評価の機会を設ける
📡 ⑨ 前向きトラッカー定点観測
本仮説のトラッカー直近履歴(2026-08-24〜2026-08-29)です。RCI下限が6日連続でマイナスを記録しています。
| 日付 | FWD N | avgR | RCI下限 | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 2026-08-24 | 236 | +0.117 | -0.057 🔴 | 警戒継続 |
| 2026-08-25 | 248 | +0.129 | -0.041 🔴 | 警戒継続 |
| 2026-08-26 | 249 | +0.134 | -0.035 🔴 | 警戒継続 |
| 2026-08-27 | 253 | +0.116 | -0.053 🔴 | 警戒継続 |
| 2026-08-28 | 254 | +0.121 | -0.046 🔴 | 警戒継続 |
| 2026-08-29 | 258 | +0.103 | -0.064 🔴 | ← 本日・降格確定 |
⑩ 次回に向けて
本日のスイープ解析(2026-08-29)では FDR 統計検定を通過する新規昇格候補が0件でした。次回(#84)は、tracker の定点観測から新たな変動が検出された場合、あるいは新規スイープFDR候補が出た場合に採択します。
なお、rsi_oversold_bounce×jpy_fx の単独昇格検討(FWD N=17・76.5%・RCI全域プラス)は今後の優先事項です。N=30超になった時点で独立した仮説として再評価します。
【重要】本記事はAIシグナル研究の記録であり、特定銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。過去・前向き検証の結果は将来の成績を保証しません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言業の登録もしていません。実際の投資判断は必ずご自身の責任と判断で行ってください。
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