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🧪 AIシグナル研究日誌 #14
円クロスの「−2σタッチ買い」は本当に稼げるか——同じ逆張りでも bb と RSI で成績が真逆になった謎

カテゴリ:🧪 AIシグナル研究日誌  |  公開:2026年6月19日  |  読了:約9分

「同じ逆張り系シグナルなのに、なぜこれほど差がつく?」——そんな疑問が今回の出発点です。前回(#9)の研究で、円クロス(ドル円・ユーロ円・ポンド円・豪ドル円)のロングシグナルでは、ボリンジャー−2σタッチが探索的に65%と高い勝率を示したと記録しました。ただ、そのときはサンプルN=40の「気になるメモ」止まりで、正式な仮説検証ではありませんでした。今回はN=45に積み上がったところで正式に仮説を立て、事前宣言した基準に照らして合否を判定します。

⏱️ 30秒でわかる今回のまとめ

円クロス4通貨ペアで bb_lower_touch(ボリンジャー−2σタッチ)×ロングの勝率は過去データ上 60.0%(27/45)、損益分岐の 43% を上回る。95%信頼区間の下限も 45.5% と43%を超え、事前宣言した「CI下限≥43%」をクリアした(通過A)
② 驚いたのは同じ「逆張り買い」でも rsi_oversold_bounce(RSI売られすぎ反発)は14.3%(3/21)と真逆。どちらも「売られすぎで買う」感覚だが、過去データ上の結果はまったく異なる
1h足に絞ると73.3%(22/30)と一段と強く、4h足では33.3%(5/15)と損益分岐を下回る——足の選択で大きく異なる傾向が見られた
④ 通貨別では4ペアともプラス圏だが、豪ドル円(AUDJPY)は45.5%(5/11)とやや低め。ポンド円(61.5%)・ドル円(77.8%)が集計上は頑健だった
⑤ N=45はまだ事前宣言の目標「N≥60」に未達。結果は「途中経過として通過A」であり、N≥60で改めて確認が必要
⑥ ⚠️ すべて過去データの集計であり、将来の成果を保証しません。特定の銘柄・通貨ペアの売買を推奨するものでもありません

🎯 今回の仮説と事前宣言

当サイトのシグナルシステムが円クロスでロングシグナルを出す際、代表的な「逆張り系」には2種類あります。bb_lower_touch(ボリンジャーバンドの−2σラインへのタッチ)rsi_oversold_bounce(RSIが売られすぎ水準からの反発)です。どちらも「売られすぎたから買う」という感覚では似ています。

今回立てた仮説は次の1本です。

仮説:「円クロス4通貨ペア(ドル円・ユーロ円・ポンド円・豪ドル円)において、bb_lower_touch シグナルによるロングエントリーの勝率は、損益分岐となる43%を有意に上回るか」

事前宣言した合否基準:「N≥60のとき、95%信頼区間(ウィルソン法)の下限が43%を超えていれば通過A(エッジあり)」(#9 探索記録時に宣言)

なぜ43%が損益分岐か:当システムのSL=-1.0R / TP1=+1.33R のリスクリワードでは、期待値がプラスになるには 1/(1+1.33)≈43.0% 以上の勝率が必要です

📊 検証結果——通過A、ただし途中経過

シグナルログ(決済済み 866件)を集計しました。フィルタ条件:group=jpy_fx(円クロス4ペア)、direction=long(ロング)、primary_signal=bb_lower_touch。

集計対象件数(N)勝ち(k)勝率95%CI(ウィルソン)判定
bb_lower_touch × 円クロス ロング(主仮説)452760.0%[45.5%, 73.0%]✅ 通過A
 同 × 1h足のみ302273.3%[55.6%, 85.8%]✅ 通過A
 同 × 4h足のみ15533.3%[15.2%, 58.3%]❌ 損益分岐未達
rsi_oversold_bounce × 円クロス ロング(対照)21314.3%[5.0%, 34.6%]❌ 大きく下回る
円クロス ロング 全体(比較群)1275240.9%[32.8%, 49.6%]参考
円クロス 全体ベースライン1746738.5%[31.6%, 45.9%]参考

主仮説の結果:勝率60.0%(27/45)、95%CI下限 45.5% は宣言した基準の43%を上回り、通過A(エッジあり、過去データ上)です。ただし、N=45 はまだ宣言目標の N≥60 に達していません。この判定は「途中経過の通過A」であり、N≥60 に到達したときに改めて確認します。

逆張り2シグナルの対比(円クロス ロング) 損益分岐 43% bb_lower_touch (主仮説) 60.0%(27/45)✅ rsi_oversold _bounce 14.3%(3/21)❌ 円クロス全体 38.5%(ベースライン) 同じ「逆張り買い」でも、bb と RSI で3倍以上の差。シグナルの種類が重要
図1:円クロスロングにおける逆張り2シグナルの比較(概念図・実価格不使用)。緑=bb_lower_touch 60.0%、赤=rsi_oversold_bounce 14.3%。損益分岐43%の線を基準に、同じ「逆張り」でも真逆の位置にある。過去データ集計であり将来を保証しません。

😮 同じ「逆張り」なのに真逆——bb vs RSI の謎

今回いちばん驚いた発見は、bb_lower_touch(60.0%)と rsi_oversold_bounce(14.3%)の大差です。どちらも「売られすぎたと判断して買う」という意味では同じ逆張り系です。なのに、円クロスのロングでは3倍以上の差がつきました。なぜでしょうか。

仮説として考えられる理由の一つは、「指値型(価格が来るのを待つ)」と「状態型(指標の状態を見る)」の違いです。bb_lower_touch は「価格がある水準(−2σ)まで実際に下がった」という事実を確認してから発火します。一方、rsi_oversold_bounce は RSI という加工指標の数値が一定水準を下回ったかどうかを見ます。前者は「実際に下げきった」という価格の現実を直接確認するため、FX固有の短期的な反発タイミングを捉えやすい可能性があります。

これはあくまで過去データ上の傾向の解釈です。「bb_lower_touch のほうが仕組みとして優れている」と断言できるわけではありません。サンプル数が少ないほうのrsi(N=21)は信頼区間が非常に広く(CI[5.0%~34.6%])、今後の集計によって変化する可能性があります。現時点では「過去のデータ上でそういう傾向が見られた」という記録です。
bb vs RSI:発火の仕組みの概念比較 bb_lower_touch ここで発火 −2σ 実際の価格が−2σに到達したとき rsi_oversold_bounce 30(閾値) ここで発火 RSI指標が閾値を下回ったとき 概念図。値は実際の価格・RSI値ではなくイメージです。
図2:発火の仕組みの概念比較。bb_lower_touch は実際の価格が−2σラインに触れたときに発火(価格の現実確認)、rsi_oversold_bounce はRSI指標が閾値を下回ったときに発火(加工指標の状態確認)。仕組みの違いが成績差の一因となっている可能性があります。あくまで過去データ上の観察です。

📐 例題:1h足と4h足で別の生き物

問題:bb_lower_touch × 円クロス ロングは1h足でも4h足でも同じように勝てるか?

同じシグナル名でも、時間足によって成績が大きく変わることがわかりました。

時間足件数(N)勝ち(k)勝率95%CI期待値(E(R))
1h足302273.3%[55.6%, 85.8%]+0.709R
4h足15533.3%[15.2%, 58.3%]−0.223R

1h足は 73.3%(22/30)と強く、期待値も +0.709R(95%CI: +0.334〜+1.084)と信頼区間の下限がプラスに収まっています。一方、4h足は 33.3%(5/15)で損益分岐を大きく下回ります。

ただし、4h足はN=15と小サンプルで、95%信頼区間が [15.2%〜58.3%] と非常に広い点に注意が必要です。「4h足はダメ」と確定させるにはデータが足りません。1h足のN=30も、宣言した目標N=60にはまだ届いていません。

例題の学び:「bb_lower_touch × 円クロス ロング」を一括りにしてしまうと、過去データ上で有望な1h足と、損益分岐割れの可能性がある4h足が混ざってしまいます。時間足は「同じシグナル名でも別の条件」として分けて見ることが重要です。ただしN=15の4h足は断定に不十分なサンプルです。
bb_lower_touch × 円クロス ロング:1h vs 4h 比較 損益分岐 43% 1h足 (N=30) 73.3%(22/30) 4h足 (N=15) 33.3%(5/15)※N=15と小サンプル 同じシグナル名でも足の違いで大きく異なる(過去データ・将来を保証せず)
図3:1h足(緑・上)と4h足(赤・下)の勝率比較。損益分岐43%を基準に、1h足は明確に上回り、4h足は下回る傾向(過去データ上)。4h足はN=15で信頼区間が広く、断定は禁物です。

🔍 交絡点検(何が結果を歪めうるか)

統計上の落とし穴を確認します。結果を歪めうる交絡因子を4点点検しました。

① TF偏り(1h と 4h の比率)

全45件のうち 1h=30件(67%)、4h=15件(33%)。1h が多数を占め、高い全体勝率を引き上げている可能性があります。「bb_lower_touch × 円クロス ロング 全体 60.0%」は1h の好成績に引き寄せられている点に注意が必要です。

② Ticker(通貨ペア)偏り

通貨ペアN勝ち(k)勝率95%CI
USDJPY=X(ドル円)9777.8%[45.3%, 93.7%]
GBPJPY=X(ポンド円)13861.5%[35.5%, 82.3%]
EURJPY=X(ユーロ円)12758.3%[32.0%, 80.7%]
AUDJPY=X(豪ドル円)11545.5%[21.3%, 72.0%]

全4ペアが損益分岐43%を上回っていますが、豪ドル円(45.5%)は境界付近。いずれもN=9〜13と小さく、信頼区間が非常に広いため銘柄別の確定的な結論は出せません。

③ Trend(トレンド方向)偏り

4h足が上昇トレンドで0勝3敗という気になる数字があります(0/3・N=3の極小サンプル)。ただし4h×上昇はN=3のためノイズの範囲を出ません。全45件のトレンド内訳は上昇21件・中立19件・下降5件で下降が少なく、「下げ相場でのbb_lower」の検証はまだ不十分です。

④ N=45 は宣言目標N=60に未達

事前に「N≥60でCI下限43%超を確認する」と宣言していました。現在N=45でCI下限45.5%>43%は満たしていますが、N=60到達まで評価は「途中経過の通過A」です。追加15件で逆転する可能性も否定できません。

⚖️ 判定と次のステップ

項目宣言基準結果判定
N ≥ 60必須N=45(未達)⏳ 途中経過
CI下限 ≥ 43%必須(N達成時)45.5%(達成)✅ 基準クリア
全体判定両方クリアN未達🟡 途中経過・通過A方向

現時点での結論:方向としては通過Aの条件を満たしているが、N=45は事前宣言した目標N≥60に到達していません。引き続き前向きトラッカーで追跡し、N=60に達した時点で正式な最終判定を行います。

通過A方向の根拠:勝率60.0%(27/45)・CI下限45.5%・E(R)=+0.398(CI下限+0.061)は、いずれも過去データ上でエッジの存在を示唆しています。特に1h足(73.3%・E(R)+0.709)の頑健さは、グループの集計を支える主要因と考えられます。
注意すべき逆説:4h足(5/15=33.3%)と rsi_oversold_bounce(3/21=14.3%)は過去データ上でエッジが確認できません。同じ「逆張り買い」でも条件次第で真逆になる可能性があります。過去の集計上の傾向であり将来を示すものではありません。

⚠️ この検証の限界(必読)

⚠️ 本記事は情報提供・教育を目的としており、投資助言ではありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録もしていません。特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。

📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)

過去データの結果だけでなく、登録日以降の新規シグナルで「本当に再現するか」を前向きに追跡しています。昇格基準:前向きN≥80かつ平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない。

基準日 2026-06-19/昇格=前向きN≥80・平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない

仮説種別宣言基準前向き現在値(平均R)状態
指数×ロング(全足ライブ)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.65 CI[+0.32~+0.98](29/41・勝率71%)🟡蓄積中
trend=中立・もみあい×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.36 CI[-0.81~+0.08](6/22・勝率27%)🟡蓄積中
売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.12 CI[-0.70~+0.45](6/16・勝率38%)🟡蓄積中
trend=中立・もみあい×dir=shortedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.33 CI[-0.29~+0.96](8/14・勝率57%)🟡蓄積中
group=metalgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.00 CI[-0.92~+0.92](3/7・勝率43%)🟡蓄積中
trend=下降×dir=shortgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.22 CI[-1.19~+0.74](2/6・勝率33%)🟡蓄積中
group=metal×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.40 CI[-0.72~+1.52](3/5・勝率60%)🟡蓄積中
group=metal×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.75 CI[-0.39~+1.89](3/4・勝率75%)🟡蓄積中
other_fxクロス(日足・回避)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -1.00 CI[-1.00~-1.00](0/1・勝率0%)🟡蓄積中
指数×ロング(日足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
メタル×ロング(日足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
BTC×ロング(日足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
指数×逆張り買い(日足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
ショート全般(日足・回避)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
下降トレンド発火(日足・回避)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
group=other_fx×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
group=btc×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
trend=中立・もみあい×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
group=btc×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
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