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🧪 AIシグナル研究日誌 #25
「指数の売り」をデータで検証——ショート勝率27%の解剖

カテゴリ:AIシグナル研究日誌  |  公開:2026年6月30日  |  読了:約10分

毎回ひとつの仮説だけを実データで検証し、勝っても負けても全公開する研究日誌の第25回です。第21回(#21)では指数グループのロングシグナルが前向きトラッカーで初めて✅昇格したことをお伝えしました。そのときの補足データに「指数×ショートは30.4%(N=56)」という数字がありました。

今回は、その数字が「偶然の低さだったのか、それとも構造的な問題なのか」を正式に検証します。N=62まで増えた今、指数のショートシグナルは本当に勝率が低いのか——決定論的な数え直しで答えを出します。

⏱️ 30秒でわかる今回のまとめ

① 指数×ショート全体: 17/62=27.4% CI[17.9%〜39.6%] → CI上限39.6%が43%を下回り、損益分岐割れを統計的に確認(棄却確認・H1クリア)
② 指数×ロング(116/220=52.7%)との方向差: 25.3pp——同じ指数でもロングとショートで圧倒的な開き(H2クリア・≥10pp)
③ 上昇トレンド中の指数ショート(N=50): 14/50=28.0% CI[17.5%〜41.7%]——指数ショートの主体は上昇中の逆張り売りであることが判明
④ 最低勝率シグナル: 安値ブレイク×指数×ショート=2/18=11.1% CI[3.1%〜32.8%]

① 今回の仮説と事前宣言

第21回(#21)の結果では、指数×ショートが30.4%(17/56)という低い勝率を示していました。しかし、N=56は少なく「たまたまだろう」という解釈もできました。今回は、N=62に増えた段階で正式な合否判定を行います。

💡 この研究で使う「損益分岐43%」とは
当サイトのシグナルはTP1(利確目標1)がATR×2倍、SL(損切り)がATR×1.5倍で設計されています。この比率(R:R=1:1.33)で長期的にプラスになるには、勝率が最低43%必要です。43%を大きく下回る場合、そのシグナルは「使えない」と判断できます。

今回の仮説と事前宣言は以下の通りです(検証前に設定し、後から変えない)。

条件事前宣言(合格基準)
H1(主仮説)指数×ショートのWilson法95%CI上限が43%を下回る、かつN≥20
H2(補助仮説)指数×ロングとの方向非対称が10pp以上ある

② 検証方法

前回と同じ「もしも検証(反実仮想集計)」の手順です。過去のシグナルログを見て「もしこの条件だったら、勝率はどうだったか?」を数え直します。シグナルを操作したり未来のデータを使ったりはしません。

項目内容
データ勝敗確定済みの1,188件(tp1またはslに到達済み)
指数グループの定義NKD=F(日経先物)・ES=F(S&P500先物)・NQ=F(ナスダック先物)・YM=F(ダウ先物)・^FTSE(英国FTSE)の合計5銘柄
勝ちの定義TP1またはTP2に到達(≒利確)
負けの定義SLに到達(≒損切り)
統計手法Wilson法による95%信頼区間(CI)を全数字に添付
損益分岐43%(R:R=1:1.33のポジション設計で長期プラスになる最低勝率)

③ 結果①:全体の勝率確認(H1・H2)

指数グループの全クローズ件数282件(ロング220件・ショート62件)を集計した結果です。

区分件数勝率95%CI期待値E(R)H1/H2判定
指数×ショート6227.4%17.9%〜39.6%−0.540R✅ H1クリア(CI上限39.6%<43%)
指数×ロング22052.7%46.1%〜59.2%+0.345R✅ H2クリア(差25.3pp≥10pp)

H1・H2ともにクリアし、判定:✅ 通過A(棄却確認)。指数×ショートの勝率はCI上限が39.6%にとどまり、損益分岐43%を有意に下回ることが確認されました。また指数×ロングとの差は25.3ppと、宣言した10pp基準を大幅に上回りました。

60% 40% 20% 0% 43% 損益分岐ライン 52.7% 指数×ロング (116/220件) 27.4% 指数×ショート (17/62件) ← 差25.3pp →

図1:指数グループのロング(52.7%)とショート(27.4%)の勝率比較。43%損益分岐ラインを基準に、方向によって明確に異なる結果が出ている。

これは単純な「ショートが難しい」という話ではなく、同じ指数グループでロングとショートが25.3pp差という、方向依存の強い非対称です。なぜこれほどの差が生まれるのか、次のセクションで掘り下げます。

④ 結果②:シグナル別——安値ブレイクが最低

指数×ショート62件を、どの種類のシグナルで売りが出たかに分けて集計しました。

シグナル種別件数勝率95%CI備考
MACDデッドクロス(macd_dead)3633.3%20.2%〜49.7%最多、CI下限が低い
安値ブレイク(low_break)1811.1%3.1%〜32.8%最低勝率
移動平均デッドクロス(ma_dead)633.3%9.7%〜70.0%N小・参考値
安値ブレイク(low_break)×指数×ショートは18件中わずか2勝(11.1%)。「安値を割ったから売る」という戦略が指数では機能しにくい可能性を示しています。
0% 20% 40% 70% 43% MACDデッド 33.3%(12/36) 安値ブレイク 11.1%(2/18) 指数×S全体 27.4%(17/62)

図2:指数×ショート内のシグナル別勝率。43%損益分岐ライン(縦点線)を全シグナルが下回っている。安値ブレイクは特に低い。

MACDデッドクロスは33.3%(12/36)と損益分岐には届かないものの、安値ブレイク(11.1%)と比べれば相対的にはましです。安値を下抜けたからといって、指数を売ることは過去データでは非常に勝率が低い行動であることが分かります。

⑤ 結果③:なぜ低いのか——上昇中の逆張り売りが主体

なぜ指数×ショートがこれほど低いのかを探るために、シグナル発火時の「上位足トレンド」を確認しました。ここでの「上位足トレンド」は、1時間足シグナルなら4時間足、4時間足シグナルなら日足のトレンドを指します。

上位足トレンド件数勝率95%CI期待値E(R)
上昇(上位足が上昇中)5028.0%17.5%〜41.7%−0.520R
下降(上位足が下降中)714.3%2.6%〜51.3%−1.000R
中立・もみあい450.0%—(N小)
重要な発見:指数ショート62件のうち50件(約81%)が「上位足=上昇トレンド中」での発火でした。つまり、エンジンが出す指数の売りシグナルは、上昇中の相場を逆張りで売るケースが圧倒的多数です。これが低勝率の構造的な原因と考えられます。

上昇トレンドが続く指数に対して、エンジンは「MACDがデッドクロスした」「安値を割った」といった理由でショートシグナルを出すことがあります。しかし上位足が上昇トレンドのとき、そのような売り場は「一時的な押し目」に終わることが多く、SLに当たってしまうパターンが多い——というのが今回のデータから読み取れるストーリーです。

これは「上昇トレンドでは売りを控える」という相場格言と一致しており、過去データでもその方向性が確認できました。ただし、下降トレンド中の順張りショートはN=7と少なく、現時点で断定的な結論は出せません。

⑥ 結果④:グループ比較——指数ショートは全グループ最低

同じ「ショート」でも、どの銘柄グループかによって勝率は大きく異なります。指数グループは全6グループ中、最も勝率が低い結果になりました。

グループ件数勝率95%CI
指数(index)6227.4%17.9%〜39.6%
円クロスFX(jpy_fx)6136.1%25.2%〜48.6%
金属(metal)6142.6%31.0%〜55.1%
ドル建てFX(other_fx)9850.0%40.3%〜59.7%
原油(oil)2152.4%32.4%〜71.7%
BTC(btc)2356.5%36.8%〜74.4%
0% 20% 40% 60% 43% 指数 27.4%(62件) 円クロスFX 36.1%(61件) 金属 42.6%(61件) ドル建てFX 50.0%(98件) 原油 52.4%(21件) BTC 56.5%(23件)

図3:グループ別×ショートの勝率比較。43%損益分岐ライン(縦点線)を超えるのは金属・ドル建てFX・原油・BTCの4グループ。指数が最低(27.4%)、円クロスFX(36.1%)も損益分岐を下回る。

ドル建てFXのショートは50.0%(49/98)で損益分岐を超えており、BTCショートも56.5%(13/23、ただしN小)と良好です。これは、FXや暗号資産では「下方向への強いシグナル」が出やすい構造がある一方、指数は構造的に「上昇バイアス」を持ちやすいためとも解釈できます(探索的な観察です)。

銘柄別の内訳(参考)

指数グループ内でも、銘柄ごとの差はあります。ただしNが10〜20程度でブレ幅が大きく、確定的な結論は出せません。

銘柄件数勝率95%CI備考
ES=F(S&P500先物)1442.9%21.4%〜67.4%N小・CI幅大
NKD=F(日経先物)1931.6%15.4%〜54.0%N小
YM=F(ダウ先物)1020.0%5.7%〜51.0%N小
NQ=F(ナスダック先物)1513.3%3.7%〜37.9%N小・特に低い

NQ=F(ナスダック先物)のショートは13.3%(2/15)と全銘柄中で最も低い結果です。ナスダックは過去20年来の強いロングバイアスを持つ資産クラスとして知られており、それが反映されている可能性があります。ただしいずれもN<20のため、探索的な観察にとどめます。

⑦ 今回の決定事項

判定:✅ 通過A(棄却確認)
H1:指数×ショート CI上限39.6%<43%、N=62≥20 → クリア
H2:方向非対称25.3pp ≥ 10pp → クリア

指数グループのショートシグナルは、損益分岐43%を有意に下回ることが確認されました。

今回の検証から、次の事実が浮かび上がりました。

この結果は「指数のショートが絶対に使えない」を意味するものではありません。過去データの集計です。また、相場状況は変化します。投資判断はご自身の判断と責任で行ってください。

前向きトラッカーへの登録:本日新たに「group=index×dir=short(gate種別)」をトラッカーに登録しました。宣言基準は「前向きN≥80かつ平均R期待値のCI上限が0を下回る」。in-sampleの結果(E(R)=−0.540)をライブで追跡します。

📡 前向きトラッカー定点観測

過去データを元に「この条件は有望」と判断したものを登録し、登録後の成績を前向きに(事後的なつまみ食いなしで)追い続けます。宣言基準を先に決め、後から変えないのがルールです。

📡 前向きトラッカー定点観測

基準日 2026-06-30/昇格=前向きN≥80・平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない

仮説種別宣言基準前向き現在値(平均R)状態
指数×ロング(全足ライブ)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.34 CI[+0.12~+0.57](57/99・勝率58%)✅昇格
group=allgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.07 CI[-0.29~+0.15](42/105・勝率40%)🟡蓄積中
blocked=Falsegate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.05 CI[-0.29~+0.19](35/86・勝率41%)🟡蓄積中
dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.06 CI[-0.20~+0.32](36/79・勝率46%)🟡蓄積中
trend=中立・もみあい×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.14 CI[-0.12~+0.40](38/78・勝率49%)🟡蓄積中
tier=neutralgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.25 CI[-0.50~-0.01](24/75・勝率32%)🟡蓄積中
tf=4h×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.07 CI[-0.34~+0.20](28/70・勝率40%)🟡蓄積中
group=other_fx×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.10 CI[-0.18~+0.38](32/68・勝率47%)🟡蓄積中
blocked=False×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.04 CI[-0.24~+0.33](29/65・勝率45%)🟡蓄積中
group=metalgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.36 CI[-0.62~-0.10](17/62・勝率27%)🟡蓄積中
売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.26 CI[-0.54~+0.02](19/60・勝率32%)🟡蓄積中
trend=下降gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.15 CI[-0.45~+0.15](20/55・勝率36%)🟡蓄積中
trend=下降×dir=shortgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.14 CI[-0.17~+0.46](26/53・勝率49%)🟡蓄積中
group=indexedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.31 CI[-0.61~-0.02](15/51・勝率29%)🟡蓄積中
blocked=False×dir=shortgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.08 CI[-0.42~+0.27](17/43・勝率40%)🟡蓄積中
trend=下降×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.17 CI[-0.51~+0.18](15/42・勝率36%)🟡蓄積中
trend=中立・もみあい×dir=shortedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.18 CI[-0.53~+0.17](14/40・勝率35%)🟡蓄積中
group=metal×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.45 CI[-0.79~-0.11](8/34・勝率24%)🟡蓄積中
reversalL(逆張り買い)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.33 CI[-0.10~+0.77](16/28・勝率57%)🟡蓄積中
group=metal×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.40 CI[-0.79~-0.00](7/27・勝率26%)🟡蓄積中
signal=low_breakgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.03 CI[-0.44~+0.49](11/25・勝率44%)🟡蓄積中
trend=中立・もみあい×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.52 CI[+0.06~+0.99](15/23・勝率65%)🟡蓄積中
trend=下降×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.04 CI[-0.51~+0.59](8/18・勝率44%)🟡蓄積中
group=btc×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.18 CI[-0.72~+0.37](6/17・勝率35%)🟡蓄積中
group=index×reversalLedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.09 CI[-0.52~+0.70](7/15・勝率47%)🟡蓄積中
tier=good×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.87 CI[+0.38~+1.36](12/15・勝率80%)🟡蓄積中
tier=goodgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.87 CI[+0.38~+1.36](12/15・勝率80%)🟡蓄積中
trend=上昇×reversalLedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.48 CI[-0.21~+1.18](7/11・勝率64%)🟡蓄積中
group=btc×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.30 CI[-1.00~+0.40](3/10・勝率30%)🟡蓄積中
blocked=True×dir=shortedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -1.00 CI[-1.00~-1.00](0/5・勝率0%)🟡蓄積中
ショート全般(日足・回避)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.75 CI[-0.39~+1.89](3/4・勝率75%)🟡蓄積中
指数×ロング(日足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.22 CI[-1.75~+1.30](1/3・勝率33%)🟡蓄積中
other_fxクロス(日足・回避)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -1.00 CI[-1.00~-1.00](0/3・勝率0%)🟡蓄積中
下降トレンド発火(日足・回避)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -1.00 CI[-1.00~-1.00](0/1・勝率0%)🟡蓄積中
signal=ma_deadedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -1.00 CI[-1.00~-1.00](0/1・勝率0%)🟡蓄積中
メタル×ロング(日足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
BTC×ロング(日足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
指数×逆張り買い(日足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中
group=index×dir=short 🆕gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.00 CI[+0.00~+0.00](0/0・勝率0%)🟡蓄積中(本日登録)

注目点:「指数×ロング(全足ライブ)」は昇格後もN=99に増え、平均R +0.34(CI下限+0.12)を維持しています。指数はロングにおいて前向きに強さを示し続けており、今回のショートとの対比がより際立ちます。

⑨ 次回に向けて

今回の検証で、指数グループに関して「ロングは優秀、ショートは苦手」という非対称構造が確認されました。次のステップとしては:

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