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🧪 AIシグナル研究日誌 #28
blocked=True×ショート 前向き反証開始(p=0.003)——in-sampleの47.8%はメタル交絡とmacd_dead偏りの人工産物か(過去データの集計・将来を保証しません)

カテゴリ:🧪 AIシグナル研究日誌  |  公開:2026年7月2日  |  読了:約9分

第5回(2026年6月13日)の研究で「blocked=True(S/R壁あり)のシグナルは全体 53.7%」という初期エッジを確認しました。第17回(2026年6月22日)では方向別に分解し「blocked=True×ショートが 55.9%(19/34)」と報告。そのまま前向きトラッカーに登録し、出来事を待ちました。今回(2026年7月3日)、前向きデータが 16 件に達したタイミングで集計すると、2/16 件しか勝っていないという急落が判明しました。この乖離が統計的ノイズなのか、それとも in-sample エッジの崩壊なのかを解剖します。

⏱️ 30秒でわかる今回のまとめ

① blocked=True×ショート in-sample(全期間): 47.8%(33/69)95%CI [36.5%〜59.4%] E(R)=+0.116——損益分岐43.0%は超えるが幅広いCI
② 主ドライバー解剖: メタル(GC/SI)×blocked×ショート 88.9%(8/9)が全体を引き上げ。ma_dead×blocked×ショート 70.0%(14/20)が第二の高値要因
③ 主ドラッグ要因: macd_dead×blocked×ショート 34.9%(15/43)——このシグナルが発火件数の大半(43/69件)を占め全体を引き下げる
④ 前向きトラッカー(signal_lab_tracker.py 出力・verify対象外): 2/16件。二項検定 p=0.003——in-sample CI[36.5%〜59.4%]と95%CIが完全分離
⑤ 対照群: blocked=True×ロングの前向きは19/31件で健在。blocked効果はロング方向に限定される可能性
⑥ ⚠️ すべて過去データの集計。将来の成績を保証するものではなく、売買推奨でもありません

🔍 なぜ今回この仮説を選んだか

毎朝 signal_lab_tracker.py update を実行し、前向きトラッカーの状態を確認しています。2026年7月3日の今朝の更新で、「blocked=True×dir=short」の欄が目を引きました——前向き平均R が −0.71、95%CI[−1.10〜−0.32](全域マイナス)となっており、これは前向き N=16 件のうち 2/16 件しか勝っていないことを意味します。

in-sample の 47.8%(33/69)と前向きの 12.5%(2/16)という差は、「何かが変わったのか、それとも単なる小サンプルのノイズか」という問いを生みます。この問いに答えるため、今回は in-sample の構成要素を解剖し、前向き期間の外れ値の原因を探ります。これは優先度②(前向きで大きく動いた仮説)に該当する今日の研究テーマです。

📋 仮説と事前宣言

今回の仮説と、その合否を事前に判定するための基準を宣言します。

主仮説(H1):blocked=True×ショート の in-sample エッジは、前向きデータと統計的に有意差がある(CIが分離する)。

交絡仮説(H2):in-sample の 47.8% は、特定のシグナル種別またはグループの高成績によって人工的に引き上げられている。

事前宣言した合否基準

📊 検証結果①:in-sample 全体

決済済みシグナル 1,328 件のうち、blocked=True(S/R 壁あり)×ショート方向の全件を集計しました。

条件 k / n 勝率 95% CI(Wilson) 期待値 E(R) 備考
blocked=True×ショート(主仮説) 33 / 69 47.8% [36.5%〜59.4%] +0.116 CI 幅 23pp——安定エッジなし
blocked=True×ロング(対照) 43 / 89 48.3% [38.2%〜58.5%] +0.127 方向差わずか 0.5pp
blocked=False×ショート(対照) 81 / 207 39.1% [32.7%〜45.9%] −0.087 壁なしは損益分岐43%割れ
in-sample では blocked=True×ショートが 47.8% で損益分岐 43.0% を超えているように見えますが、CI 幅が 23pp(36.5%〜59.4%)と非常に広く、エッジとして確定するには N が不足しています(第17回でも同様の懸念を記録)。

📊 検証結果②:シグナル別分解

blocked=True×ショートの 69 件は、どのシグナルで構成されているでしょうか。

primary_signal k / n(IS全体) 勝率 95% CI 前向き件数(参考)
macd_dead(MACDデッドクロス) 15 / 43 34.9% [22.4%〜49.8%] 前向き 1/12(tracker値)
ma_dead(MAデッドクロス) 14 / 20 70.0% [48.1%〜85.5%] 前向き 0/3(tracker値)
first_pullback_short 他 4 / 6 66.7% 前向き 1/1

最も注目すべき点が二つあります。

第一に、macd_dead が 43 件(62%)を占める主力シグナルでありながら、34.9% と損益分岐以下です。ma_dead の 70.0% が全体平均を引き上げていますが、その件数は 20 件に過ぎません。

第二に、前向き16件のうち 12 件が macd_dead(75%)です。in-sample での主力シグナルが前向き期間にも偏って出現し、かつ in-sample 34.9% だったものが前向きでさらに落ちて 1/12=8.3% になっています。前向きの「惨状」は macd_dead の偏在が最大の説明変数です。

📈 可視化:blocked×ショート IS 成績の分解

blocked×S 全体 macd_dead ma_dead メタル(GC/SI) 指数グループ 47.8% 34.9% 70.0% 88.9% 28.6% 0% 43%(損益分岐) 100%

図1:blocked=True×ショートの in-sample 成績分解。損益分岐43%(黄破線)に対し、全体47.8%のうち macd_dead(62%を占める)は34.9%と分岐以下、メタルグループ(13%)の88.9%が全体を引き上げている。過去データの集計であり将来を保証しない。

📊 検証結果③:グループ別——メタル交絡の正体

次にグループ別(資産クラス別)に分解します。

グループ k / n(IS全体) 勝率 95% CI 前向き件数(参考)
メタル(GC=F / SI=F) 8 / 9 88.9% [56.5%〜98.0%] 前向き 1/1(tracker値)
他FXクロス(EURUSD など) 11 / 22 50.0% [30.7%〜69.3%] 前向き 0/3
円クロスFX(USDJPY など) 7 / 16 43.8% [23.1%〜66.8%] 前向き 0/3
指数(日経 / S&P500 など) 4 / 14 28.6% [11.7%〜54.6%] 前向き 1/8

最重要発見:メタルグループ(GC=F・SI=F)×blocked×ショートの in-sample 成績が 8/9=88.9% と際立って高い。全69件のうち9件(13%)を占めるこのグループが、全体平均を大幅に引き上げていました。

逆に指数グループ(日経先物・S&P500・Nasdaq・ダウ・FTSE)は 4/14=28.6% と損益分岐を大きく下回っています。指数でのショートエッジの低さは、第25回(指数×ショート 27.4%)でも確認済みの構造的特性です。

メタル除外後の in-sample:group=metal の 9 件を除いた 60 件での集計は 25/60=41.7%(CI: [30.1%〜54.3%])——損益分岐 43% を既に割り込んでいます。つまり、「blocked=True×ショートに全体的なエッジがある」という見立て自体が、メタルの 88.9% に依存した集計の罠でした。

📊 検証結果④:前向きデータ(signal_lab_tracker.py 出力)

以下は signal_lab_tracker.py update --date 2026-07-03 の出力です。この値は verify.py の照合対象外(日付フィルターは verify.py が非対応)であり、参考値として掲載します。

条件 前向き k/n(登録日以降) 前向き平均 R 95%CI(R) 状態
blocked=True×ショート(主仮説) 2/16(登録日: 2026-06-25) −0.708 [−1.10〜−0.32] 🟡蓄積中
blocked=True×ロング(対照) 19/31 +0.430 [+0.02〜+0.84] 🟡蓄積中

前向き 16 件の内訳

tracker 登録日(2026年6月25日)以降に決済された blocked=True×ショートの全件:

前向き期間の特徴として、metal グループの発火がほぼゼロ(1件のみ)であった点が目立ちます。in-sample で 88.9% を叩き出したメタルショートが沈黙し、代わりに in-sample でも低パフォーマンスだった指数・FX の macd_dead が多発した結果です。

🔢 統計的分離:二項検定と CI

「前向き 2/16 という結果は、in-sample 勝率 47.8% が本当の勝率だとしたら、どれくらい珍しいか?」を計算します。

Wilson 95%CI を並べると:

H1 通過(反証確認):前向き CI 上限(36.0%)が in-sample CI 下限(36.5%)を下回っており、二つの CI は完全に分離しています。これは統計的に「前向きデータが in-sample の推定値と異なる」ことを示しています。N=16 という小サンプルでの結論のため、今後も継続観察は必要ですが、「エッジなし」の方向性は明確です。

📊 対照群:blocked=True×ロング

比較のために、同じ「壁あり」でもロング方向の前向き成績を確認します。

方向 in-sample k/n IS 勝率 前向き k/n(参考) 前向き E(R)(参考)
blocked=True×ショート 33 / 69 47.8% 2/16 −0.708 CI[−1.10〜−0.32]
blocked=True×ロング 43 / 89 48.3% 19/31 +0.430 CI[+0.02〜+0.84]

in-sample ではロング(48.3%)とショート(47.8%)の差がわずか 0.5pp なのに、前向きでは ロングが堅調(期待値+0.43)なのに対し、ショートが急落(期待値−0.71)という真逆の動きをしています。

この対比は「blocked=True というフィルターは、ロング方向には有効だが、ショート方向には機能しない(あるいは逆効果)」という可能性を示唆しています。S/R 壁は「価格の行く手を阻む障害」ですが、ショートの場合は「壁がある = 下抜けしにくい = ショートが失敗しやすい」という逆の論理も成り立ちます。

🎯 解釈と今後の方針

in-sample エッジの正体

blocked=True×ショートの in-sample 47.8%(33/69)は、3つの構造的要因が組み合わさっていました:

  1. メタル交絡:GC=F・SI=F の blocked=True×ショートが 8/9=88.9% と異常高成績。わずか 9 件が全体平均を大きく引き上げていた。メタル除外後の in-sample は 25/60=41.7% で損益分岐割れ。
  2. ma_dead 高成績(小N):ma_dead×blocked×ショートが 14/20=70.0% と高いが、N=20 は CI 幅が大きく(48.1%〜85.5%)、前向きでは 0/3 と沈黙。
  3. macd_dead が過半数かつ低成績:全件の 62% を占める macd_dead が 34.9% と既に損益分岐以下。in-sample でも引き下げ要因だったものが、前向きではさらに低い 1/12=8.3% になった。

今後の方針

⚠️ この検証の限界(必読)

📡 前向きトラッカー定点観測

基準日 2026-07-03 時点のトラッカー全体(signal_lab_tracker.py table --html 出力)を掲載します。

📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)

基準日 2026-07-03/昇格=前向きN≥80(🏁ホールドアウト合格はN≥30)・平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない

仮説種別宣言基準前向き現在値(平均R)状態
指数×ロング(全足ライブ)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.33 CI[+0.12~+0.54](68/119・勝率57%)✅昇格
group=allgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.05 CI[-0.10~+0.20](108/240・勝率45%)🟡蓄積中
blocked=Falsegate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.05 CI[-0.11~+0.22](87/193・勝率45%)🟡蓄積中
dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.10 CI[-0.07~+0.27](86/182・勝率47%)🟡蓄積中
blocked=False×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.04 CI[-0.15~+0.22](67/151・勝率44%)🟡蓄積中
trend=中立・もみあい×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.18 CI[-0.04~+0.39](57/113・勝率50%)🟡蓄積中
tier=neutralgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.11 CI[-0.32~+0.10](43/113・勝率38%)🟡蓄積中
tf=4h×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.08 CI[-0.13~+0.30](52/112・勝率46%)🟡蓄積中
trend=下降gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.02 CI[-0.21~+0.24](44/101・勝率44%)🟡蓄積中
group=other_fx×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.17 CI[-0.07~+0.40](49/98・勝率50%)🟡蓄積中
group=metalgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.12 CI[-0.36~+0.12](32/85・勝率38%)🟡蓄積中
group=indexedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.11 CI[-0.36~+0.14](31/81・勝率38%)🟡蓄積中
trend=下降×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.03 CI[-0.22~+0.29](35/79・勝率44%)🟡蓄積中
売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.09 CI[-0.36~+0.17](28/72・勝率39%)🟡蓄積中
reversalL(逆張り買い)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.29 CI[+0.01~+0.57](37/67・勝率55%)🟡蓄積中
blocked=False×dir=shortgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.15 CI[-0.14~+0.43](32/65・勝率49%)🟡蓄積中
trend=下降×dir=shortgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.15 CI[-0.14~+0.44](31/63・勝率49%)🟡蓄積中
group=metal×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.15 CI[-0.46~+0.16](19/52・勝率36%)🟡蓄積中
trend=中立・もみあい×dir=shortedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.19 CI[-0.51~+0.12](17/49・勝率35%)🟡蓄積中
trend=下降×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.23 CI[-0.15~+0.62](19/36・勝率53%)🟡蓄積中
group=metal×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.13 CI[-0.51~+0.25](13/35・勝率37%)🟡蓄積中
tier=goodgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.67 CI[+0.31~+1.02](25/35・勝率71%)🟡蓄積中
trend=中立・もみあい×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.51 CI[+0.13~+0.89](22/34・勝率65%)🟡蓄積中
tier=good×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.68 CI[+0.31~+1.05](23/32・勝率72%)🟡蓄積中
signal=low_breakgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.17 CI[-0.26~+0.59](15/30・勝率50%)🟡蓄積中
group=btc×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.16 CI[-0.61~+0.29](9/25・勝率36%)🟡蓄積中
trend=上昇×reversalLedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.22 CI[-0.27~+0.70](12/23・勝率52%)🟡蓄積中
group=index×reversalLedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.23 CI[-0.31~+0.77](10/19・勝率53%)🟡蓄積中
blocked=True×dir=short(今回テーマ)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.71 CI[-1.10~-0.32](2/16・勝率12%)🟡蓄積中
group=btc×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.17 CI[-0.77~+0.44](5/14・勝率36%)🟡蓄積中
group=index×dir=shortgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.30 CI[-0.51~+1.10](5/9・勝率56%)🟡蓄積中

本研究は signals-log.json の過去データを Python スクリプト(signal_lab_verify.py・signal_lab_sweep.py・signal_lab_tracker.py)で決定論的に集計したものです。すべての数値は過去の集計値であり、将来の投資成果を約束・保証するものではありません。Wilson 95%CI・二項検定 p 値は統計的な幅・傾向の参考値であり、確定的な事実を示すものではありません。本コンテンツは情報提供・教育を目的としており、金融商品取引法に基づく投資助言ではありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録もしておらず、特定の銘柄・売買の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。損失が生じた場合でも当サイトは一切の責任を負いません。掲載データに誤りがある場合はお知らせください。