🧪 AIシグナル研究日誌 #74
RSI売られすぎ逆張りは4H足で輝く
——1H足との25pp差と期待値+0.58R(前向きN=220)
① 仮説の背景
RSI売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce)は、RSIが30を下回ったタイミングで逆張りロングを試みるシグナルです。 研究日誌 #69(2026-08-11)では前向きN≥80・期待値CI下限>0(cluster補正後)の連続2本を確認し、暫定昇格としました。
しかし、tracker が示す現在値は R=+0.21 CI[-0.03〜+0.45](N=220、cluster補正後)と、CI下限がまだわずかにマイナスに接しています。 なぜ全体CIが引き下げられているのか——その正体を探るべく、今回は 時間足(4H vs 1H) で分解しました。
rsi_oversold_bounce(RSI売られすぎ逆張り)のエッジは4H足に集中しており、1H足は損益分岐(約43%)付近で無エッジである。
図1:RSI売られすぎシグナルの発火イメージ(左=4H足、右=1H足)。4H足は1本で大きく動くため、RSI30割れからの反発エネルギーが大きくTP到達しやすい(概念を示すイメージ図であり、実際の値動きではありません)
② 検証方法
対象は signals-log.json の closed シグナル(計3,427件)のうち、primary_signal = rsi_oversold_bounce に絞りました。 FWD期間の起点は前向きトラッカーへの登録日(2026-06-17)とし、それ以前を IS(in-sample)と定義します。
- IS:fired_at < 2026-06-17(133件)
- FWD:fired_at ≥ 2026-06-17(220件)
- 勝率定義:TP1 または TP2 到達 = 勝ち / SL = 負け(no_plan・pending は除外)
- 期待値 E(R):TP1=+1.333R、TP2=+2.0R、SL=−1.0R で計算
- Wilson信頼区間(95%)で統計的不確実性を確認
H1:4H足 FWD の E(R) RCI下限 > 0 かつ N ≥ 20
H2:1H足 FWD の E(R) RCI が 0 を跨ぐ(無エッジ確認)
H3:4H×jpy_fx の勝率CI下限 > 43%(参考・N小)
③ 検証結果
3-1. 全体とIS/FWD比較
| 期間 | N | 勝率 | 95%CI | E(R) | RCI |
|---|---|---|---|---|---|
| IS(〜2026-06-16) | 133 | 39.1% | [31.2%,47.6%] | −0.09R | [−0.28,+0.11] |
| FWD全体(2026-06-17〜) | 220 | 51.8% | [45.2%,58.3%] | +0.21R | [+0.06,+0.36] |
| FWD-P1(6/17〜7/1) | 73 | 41.1% | — | −0.04R | [−0.29,+0.21] |
| FWD-P2(7/1〜7/28) | 73 | 54.8% | — | +0.28R | [+0.04,+0.52] |
| FWD-P3(7/28〜8/20) | 74 | 59.5% | — | +0.39R | [+0.14,+0.63] |
FWD全体では51.8%・E(R)=+0.21R RCI[+0.06,+0.36] と改善していますが、tracker(cluster補正後)は CI[-0.03〜+0.45] とまだCI下限がわずかにマイナス圏です。 この乖離の正体が次の時間足分解で明らかになります。
3-2. 時間足別の比較
| 時間足 | N | 勝率 | 95%CI | E(R) | RCI | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 4H足(FWD) | 59 | 67.8% | [55.1%,78.3%] | +0.58R | [+0.30,+0.86] | ✅ CI全域プラス |
| 1H足(FWD) | 150 | 43.3% | [35.7%,51.3%] | +0.01R | [−0.17,+0.20] | ⚠️ 無エッジ |
| 日足(FWD) | 13 | 69.2% | [42.4%,87.3%] | +0.91R | [+0.35,+1.47] | 🟡 N小・参考 |
H2 確認 ✅:1H足 FWD E(R)=+0.01R・RCI[−0.17,+0.20]でゼロを跨ぐ=無エッジ確認。
差の正体:全体FWD 220件のうち1H足が150件(68%)を占めるため、全体平均が押し下げられている。
図2:4H足(緑)vs 1H足(赤)のグループ別FWD勝率。4H×JPYクロスが94%とグループ内で最も高い(N=16・小サンプルの参考値)。指数・金属もN小ながら4H優位。USD/FXのみ4H=50%と両足接近(概念を示すイメージ図であり、実際の値動きではありません)
3-3. 4H足 × グループ別(FWD)
| グループ | N(4H) | 勝率 | 95%CI | E(R) | 対照:1H勝率 |
|---|---|---|---|---|---|
| JPYクロス(jpy_fx) | 16 | 93.8% | [71.7%,98.9%] | +1.19R | — |
| 指数(index) | 5 | 80.0% | [37.6%,96.4%] | +0.87R | — |
| 金属(metal) | 8 | 75.0% | [40.9%,92.9%] | +0.75R | — |
| USD/FX(other_fx) | 24 | 50.0% | [31.4%,68.6%] | +0.17R | — |
| 原油(oil) | 5 | 60.0% | [23.1%,88.2%] | +0.40R | — |
3-4. 時系列推移(4H vs 1H の前半・後半)
| 期間 | 4H勝率 | 4H E(R) | 1H勝率 | 1H E(R) |
|---|---|---|---|---|
| 前半(〜2026-07-27) | 50.0%(21/39) | +0.22R | 44.3%(39/88) | +0.01R |
| 後期(2026-07-28〜8/20) | 95.0%(19/20) | +1.22R | 41.9%(26/62) | −0.02R |
4H足の後期(2026-07-28〜)は 95.0% E(R)=+1.22R と著しく加速しています。 同期間の1H足は41.9%とむしろやや低下し、差は53ppまで拡大しました(N=20の小サンプルに注意)。
図3:4H足(緑)は3期間を通じて急上昇(50.0%→61.5%→95.0%)。1H足(赤)は変動はあるが損益分岐付近を彷徨い方向感なし。P3の53pp差は際立つ(N=20の小サンプルに注意)(概念を示すイメージ図であり、実際の値動きではありません)
④ 解釈と示唆
RSI売られすぎ(30割れ)の逆張りは、時間足が大きいほど有効である可能性が今回のデータから示唆されます。 理由として考えられるのは次の点です。
- 4H足は1H足より価格移動が大きい:同じRSI30割れでも4H足の場合、実際の価格下落幅がより大きく、反発エネルギーも相応に大きくなりやすい。
- 4H足のほうがノイズが少ない:1H足は短期的なノイズ(ランダムな上下)が多いため、RSI30割れが「真の売られすぎ」を示さないケースが多い可能性。
- JPYクロスとの相性(4H×jpy_fx=94%):円クロス通貨ペア(ドル円・ユーロ円等)は東京・欧州・NY時間の切り替わりに大きく動くことが多く、4H足でRSIが30を割ると反発が鮮明に出やすい(N=16の参考値)。
一方で、4H×jpy_fx(N=16)、4H×指数(N=5)、4H×金属(N=8)は小サンプルであり、数字を過信するのは禁物です。 継続的な前向きデータの蓄積で確認することが不可欠です。
本検証の集計期間において、rsi_oversold_bounce の過去成績は1H足より4H足のほうが良好でした(67.8% vs 43.3%)。これは過去ログの事後集計にすぎず、確定的な知見でも将来の成果を示すものでもありません。特定の時間足・銘柄での売買を勧めるものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。
📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)
| 仮説 | 種別 | 宣言基準 | 前向き現在値(平均R) | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| group=metal×dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.06 CI[-0.20~+0.32](101/222・勝率46%) | ✅昇格 |
| trend=上昇×reversalL | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R +0.09 CI[-0.09~+0.26](101/217・勝率46%) | ✅昇格 |
| group=all | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.03 CI[-0.03~+0.10](1007/2277・勝率44%) | 🟡蓄積中 |
| blocked=False | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.04 CI[-0.04~+0.11](795/1789・勝率44%) | 🟡蓄積中 |
| tf=4h×dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.10 CI[-0.03~+0.24](306/646・勝率47%) | 🟡蓄積中 |
| 売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足) | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R +0.21 CI[-0.03~+0.45](114/220・勝率52%) | 🟡蓄積中 |
| group=index | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R -0.05 CI[-0.16~+0.06](258/633・勝率41%) | 🟡蓄積中 |
| blocked=True×dir=short | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R -0.18 CI[-0.38~+0.02](58/165・勝率35%) | 🟡蓄積中 |
| dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.07 CI[-0.02~+0.17](786/1713・勝率46%) | ⛔反証 |
| trend=下降 | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.13 CI[+0.03~+0.24](290/598・勝率48%) | ⛔反証 |
| reversalL(逆張り買い) | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.15 CI[+0.02~+0.28](292/593・勝率49%) | ⛔反証 |
| tier=good | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.20 CI[+0.05~+0.35](213/414・勝率51%) | ⛔反証 |
| trend=中立・もみあい×dir=short | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R -0.22 CI[-0.40~-0.05](72/216・勝率33%) | ⛔反証 |
| trend=下降×reversalL | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.30 CI[+0.06~+0.54](98/176・勝率56%) | ⛔反証 |
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