🧪 AIシグナル研究日誌 #69
RSI売られすぎ逆張り買い — FWD N=179 で4H足67.3%・昇格条件接近を確認
⚡ 30秒でわかる
§1 仮説の背景と今回の位置づけ
RSI売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce)は、RSIが30以下に低下した場面でロングエントリーを提案するシグナルです。 「底値を拾う」という直感に合う戦略ですが、#009 や #023 では 「資産グループによって性能が真逆に分かれる」ことが明らかになっています。
前回の #067 では、全方向FWD N=178 のE(R)=+0.272・CI下限がほぼゼロ到達という「昇格条件1回目接近」を確認しました。 さらに #068 では、このシグナルを上昇トレンド×ロングに絞るとIS N=52で76.9%(CI下限63.2%)という顕著な優位が見つかり、前向きトラッカー[w]を新設しました。
本日(#069)は、全方向FWD N=179 の完全集計を行い、時間足ごとの二極化(4H vs 1H)と時系列の安定化(FWD-1の不毛期脱出)を解析します。 昇格条件として宣言している「前向きE(R)のCI下限>0」が2回連続で達成されているかを確認します。
§2 検証仮説と事前基準
今回の事前宣言は以下のとおりです。
- H1(FWD昇格条件):FWD N=179の平均R(期待値)の95% CI下限 > 0
- H2(時間足二極化):4H足 FWD勝率 が 1H足 FWD勝率 を10pp以上上回る
損益分岐の基準値は 43.0%(TP1:TP2:SL比率と既存研究から設定した全データ共通ハードル)。
§3 概念チャート:RSI30割れ発火の場面
※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動き・数値ではありません)
§4 検証結果:IS→FWD の全体像
シグナルの集計期間は、前向き登録日(2026-06-16)を境にIS(サンプル内)とFWD(前向き)に分割しています。 なお、rsi_oversold_bounce は定義上すべてロング(買い)シグナルのため、方向偏りは生じません。
| 期間 | N | 勝率 | 95% CI(Wilson) | E(R) bootstrap CI |
|---|---|---|---|---|
| 全体(IS+FWD) | 312 | 48.1%(150/312) | [42.6%, 53.6%] | — |
| IS(〜2026-06-15) | 133 | 39.1%(52/133) | [31.2%, 47.6%] | −0.088 |
| FWD(2026-06-16〜) | 179 | 54.7%(98/179) | [47.4%, 61.9%] | +0.277 CI[+0.108, +0.447] |
IS期間は39.1%と損益分岐43%を下回っていましたが、FWD期間には54.7%(+15.6pp)へ改善しました。 FWDのE(R)は+0.277で、bootstrap CI下限が+0.108と明確なプラス域に入っています。
IS期間(〜2026-06-15)は金属グループが長期の下落局面にあり、逆張り買いシグナルが連発しながら機能しない「不毛期」が続いていました(#030, #032, #039 で確認)。 FWD開始後に金属レジームが転換し、全体勝率が大幅に改善した構図は、複数の仮説(reversalL / dir=long / trend=下降×reversalL)と同じパターンです。
§5 時間足別解析(4H vs 1H)
FWD N=179 のうち、時間足別に分解すると鮮明な二極化が見えてきます。
| 時間足 | IS N | IS 勝率 | FWD N | FWD 勝率(95% CI) | FWD E(R) CI |
|---|---|---|---|---|---|
| 1H足(1時間) | 81 | 40.7% | 115 | 47.0%(54/115)CI[38.1%, 56.0%] | +0.095 CI[−0.107, +0.319] |
| 4H足(4時間) | 49 | 38.8% | 55 | 67.3%(37/55)CI[54.1%, 78.2%] | +0.569 CI[+0.273, +0.866] |
4H足: 37/55 = 67.3%(CI下限54.1% > 43%、E(R) CI全域プラス)に対し、 1H足は47.0%(CI下限38.1%、E(R) CI がゼロを跨ぐ)と、差20.3ppの明確な二極化が生じています。
H2(差≥10pp)は確認。ただし 4H足の N=55 は「やや小さいサンプル」であることに注意が必要です。
※ バー高さ・ひげは不確実性を模式的に示したものです。正確な信頼区間(4H: 54.1〜78.2%、1H: 38.1〜56.0%)は上表の数値をご参照ください。
§6 時系列推移:FWD3分割
FWD N=179を時系列で3等分すると、初期の不振→安定という特徴的なパターンが見えます。
| FWD期間 | 日付範囲 | N | 勝率 | E(R) |
|---|---|---|---|---|
| 前期(FWD-1) | 2026-06-17 〜 06-25 | 59 | 33.9%(20/59) | −0.209 |
| 中期(FWD-2) | 2026-06-25 〜 07-17 | 59 | 64.4%(38/59) | +0.503 |
| 後期(FWD-3) | 2026-07-21 〜 08-12 | 61 | 65.6%(40/61) | +0.530 |
FWD-1(6月中旬〜6月末)は33.9%と低迷していました。これは金属レジームの転換前夜に相当し、 GC=F/SI=Fが下落継続中の場面でRSI逆張り買いが連敗したと推定されます(#030/#039と同じ時期)。 6月25日以降(FWD-2)から64.4%へ急改善し、後期(FWD-3)でも65.6%と安定しています。
なお、この3分割は結果を見たあとに行った事後的な区切りであり、区切り位置を変えれば数値も変わります。直近期の勝率が今後も同水準で続くことを示すものではありません。
§7 探索的発見(トレンド・グループ別)
trend・group フィールドがこのシグナルには記録されていないため、trend_alignment.higher_tf_trend(上位足トレンド)とティッカーからのグループ推定を使っています。正式な verify.py 検証対象外ですのでご注意ください。また、以下はトレンド3区分・グループ6区分という複数の切り口を事後的に比較したもので、多重比較の補正を行っていません。区分ごとのサンプルが小さい行(BTC・原油など)はとくに偶然の偏りが出やすく、数値をそのまま将来の傾向とみなすことはできません。
トレンド別(上位足トレンドを使用)
| 上位足トレンド | FWD N | FWD 勝率 | 95% CI |
|---|---|---|---|
| 上昇 | 43 | 74.4%(32/43) | [59.8%, 85.1%] |
| 中立・もみあい | 54 | 61.1%(33/54) | [47.8%, 73.0%] |
| 下降 | 82 | 40.2%(33/82) | [30.3%, 51.1%] |
上昇トレンドで74.4%という顕著な優位があります。これは#068で確認した 「rsi=os×上昇×ロングがIS76.9%」と整合的です。下降トレンドでは40.2%と損益分岐付近に止まっており、 「下降中の逆張り買いは危険」という直感と合致しています。
ただし、これは上位足トレンドとの整合性の話です。#068では同シグナルで発火時点の相場トレンド (1H/4H発火なら更に上位の日足トレンド)を見ており、厳密な定義が異なります。次回以降の正式検証で確認予定です。
資産グループ別(探索的)
| グループ | FWD N | FWD 勝率 | E(R) |
|---|---|---|---|
| 指数(index) | 29 | 69.0%(20/29) | +0.609 |
| 円クロス(jpy_fx) | 36 | 66.7%(24/36) | +0.555 |
| 金属(metal) | 29 | 51.7%(15/29) | +0.207 |
| 原油(oil) | 17 | 52.9%(9/17) | +0.235 |
| BTC | 12 | 50.0%(6/12) | +0.166 |
| ドルクロス(other_fx) | 56 | 42.9%(24/56) | ±0.000 |
指数(69.0%)と円クロス(66.7%)が突出しており、ドルクロス(42.9%・E(R)ゼロ)が最弱です。 金属はIS期間の大幅損失が回復中(51.7%)ですが、他グループと比べてE(R)は低めです。
なお、ドルクロスFX(EURUSD/GBPUSD等)でのRSI逆張り買いは#023・#055でも 弱さが確認されており、今回の探索的結果と整合しています。
§8 昇格条件の確認
tracker[売られすぎ逆張り買い・全足] の昇格条件は、「前向きN≥80かつ平均Rの95%CI下限>0 を連続2回確認」です。
| 確認回 | 記事 | FWD N | E(R) | tracker cluster補正後 CI | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1回目 | #067 | 178 | +0.272 | [+0.00, +0.54] | 🟡 下限ゼロ到達(ほぼ正値) |
| 2回目(本日) | #069 | 179 | +0.277 | [+0.01, +0.55] | 🟡 下限+0.01(2回連続) |
tracker のcluster補正後CI下限は+0.01(2日前から+0.01移動)と、わずかにプラス域に入りました。 raw bootstrap CI下限は+0.108と明確にプラスです。
昇格の厳密な判定として、tracker は依然 🟡蓄積中を維持しています(自動昇格には至っていません)。 次のチェックポイントでCI下限が引き続きプラスを維持すれば、正式昇格となります。
§9 前向きトラッカー定点観測(2026-08-14)
📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)
| 仮説 | 種別 | 宣言基準 | 前向き現在値(平均R) | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| group=metal×dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.01 CI[-0.26~+0.29](83/191・勝率44%) | ✅昇格 |
| trend=上昇×reversalL | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R +0.21 CI[+0.06~+0.35](90/174・勝率52%) | ✅昇格 |
| group=all | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.03 CI[-0.05~+0.10](819/1860・勝率44%) | 🟡蓄積中 |
| 売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足) | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R +0.28 CI[+0.01~+0.55](98/179・勝率55%) | 🟡蓄積中 |
| trend=下降 | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.11 CI[-0.01~+0.22](254/535・勝率48%) | 🟡蓄積中 |
| 指数×ロング(全足ライブ) | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R +0.11 CI[-0.07~+0.29](206/433・勝率48%) | 🟡蓄積中 |
| dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.09 CI[-0.02~+0.19](654/1406・勝率46%) | ⛔反証 |
| reversalL(逆張り買い) | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.22 CI[+0.08~+0.36](253/483・勝率52%) | ⛔反証 |
| tier=good | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.25 CI[+0.09~+0.41](176/329・勝率54%) | ⛔反証 |
| trend=中立・もみあい×dir=short | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R -0.31 CI[-0.50~-0.12](53/179・勝率30%) | ⛔反証 |
| trend=下降×reversalL | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.33 CI[+0.07~+0.59](90/158・勝率57%) | ⛔反証 |
| rsi=os×trend=上昇 | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R +1.33 CI[+1.33~+1.33](1/1・勝率100%) | 🟡蓄積中 |
※ 表には登録直後で前向きサンプルが極端に少ない仮説(N=1 など)も含まれます。サンプルが少ない行の勝率・平均Rは統計的な意味を持たず、勝率100%という表示も偶然の範囲を出ません。宣言基準(前向きN≥80)を満たすまでは実績としての評価はできません。いずれの行も過去の集計値であり、将来の成果を示すものではありません。
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まとめ
本日(#069)は、rsi_oversold_bounce の前向き実績 N=179 を解析しました。
- IS→FWD改善: 39.1% → 54.7%(+15.6pp)。E(R)bootstrap CI下限+0.108でCI下限がプラス圏
- 時間足二極化(H2クリア): 4H足 67.3% E(R)+0.569(CI全域プラス)vs 1H足 47.0% E(R)+0.095(CI0跨ぎ)、差20.3pp
- 時系列安定: FWD-1(不毛期)33.9% → FWD-2(64.4%)→ FWD-3(65.6%)と安定化
- 昇格条件: tracker cluster補正後 CI[+0.01,+0.55]で2回連続CI下限プラス接近。次回チェックで正式確認予定
- 探索的: 上昇トレンドで74.4%・指数グループで69.0%と高め(多重比較を補正していない事後的な区分けのため参考値。正式検証は次回以降)
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