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🧪 AIシグナル研究日誌 #78
RSI売られすぎ逆張り買い FWD N=232——WCI下限46.2%で損益分岐突破・4H足 66.7%エッジ確立・1H足は無エッジ

カテゴリ:🧪 AIシグナル研究日誌  |  公開:2026年8月24日  |  読了:約10分

毎回ひとつの仮説を実データで検証し、勝っても負けても全公開する研究日誌の第78回です。今回は rsi_oversold_bounce(RSI売られすぎ逆張り買い) の前向きデータ N=232 を時間足別・グループ別・トレンド別に解析します。

📋 30秒でわかる今回の検証結果
① FWD全体 122/232(52.6%)Wilson CI下限 46.2% ——損益分岐43%を初めて上回る
② FWD 4H足 42/63(66.7%)WCI[54.4%,77.1%]——CI全域が43%超え・明確なエッジ
③ FWD 1H足 70/157(44.6%)WCI[37.0%,52.4%]——CI下限37.0%で無エッジ
④ 4H足と1H足の勝率差 +22.1pp、時間足の選択がエッジの有無を決める
⑤ bb_lower_touch比較: 239/540(44.3%)に対しRSIは+8.3pp優位

1. 前提:rsi_oversold_bounceとは

rsi_oversold_bounce は RSI が30以下の売られすぎ圏に達した後に反発するタイミングを逆張りロングで捉えるシグナルです。直感的には「下がりすぎたから買い」という逆張り発想ですが、過去データ(IS期間)では勝率が39.1%(52/133)と損益分岐43%を大きく下回り、エッジがないことが確認されていました。

#023(RSI vs BB 比較)では rsi_oversold_bounce が bb_lower_touch より低い勝率であること、#024(jpy_fx×RSI 棄却)では円クロスFXでは特に19.4%と極めて低い勝率だったことが判明しています。当初から逆張りシグナルとして難しさが際立っていました。

しかし 前向きトラッカー(2026-06-16 登録開始) では、N=232 を積み上げた現在(2026-08-23 時点)、様相が変化しています。本記事ではこの変化の統計的意味を時間足別・グループ別・トレンド別に多角解析します。

2. 今回の仮説設定

今回は3つの事前仮説を検証します。

仮説内容判定基準
H1FWD全体のWilson CI下限が損益分岐43%を超えるWCI下限 > 43%
H2FWD 4H足のWilson CI下限が損益分岐43%を超えるWCI下限 > 43%
H3FWD 1H足のWilson CI下限が43%以下(エッジなし)WCI下限 ≤ 43%

IS期間(登録前)の39.1%と前向き期間(登録後)の比較が中心です。仮説ではなく探索的発見として、グループ別・トレンド別の交絡も分析します。

3. FWD全体の結果——WCI下限が初の43%超え

期間k/n勝率Wilson CI判定
IS(登録前)52/13339.1%[31.2%, 47.6%]❌ 損益分岐割れ
FWD(登録後)122/23252.6%[46.2%, 58.9%]✅ CI下限43%超
H1 ✅ 達成:FWD 122/232(52.6%)WCI[46.2%, 58.9%]——CI下限 46.2% が損益分岐43%を初めて上回りました。IS期間の39.1%から前向きで13.5pp改善しています。これは今シリーズで継続観察してきた rsi_oversold_edge の前向きトラッカーで、WCI下限が43%を超えた初めてのチェックポイントです。

IS期間 39.1%(CI上限47.6%が43%を含む)と比べ、前向き期間は CI 全体が43%より上にあります。ただし勝率 52.6% は損益分岐水準を7.6pp上回る程度であり、CI 幅が依然広いことに注意が必要です。

時間足別勝率の比較

rsi_oversold_bounce 期間・時間足別勝率 IS(登録前) FWD全体 FWD 4H FWD 1H FWD jpy_fx 43%(損益分岐) 0% 50% 100% IS 全体 39.1% FWD 全体 52.6% FWD 4H 66.7% FWD 1H 44.6% FWD jpy_fx 66.0%

4. 時間足別の構造差——4H vs 1H の非対称

今回の最大の発見は 時間足による大きな勝率格差 です。

時間足k/n勝率Wilson CI判定
FWD 4H42/6366.7%[54.4%, 77.1%]✅ CI全域が43%超え
FWD 1H70/15744.6%[37.0%, 52.4%]⚠️ CI下限37.0%で無エッジ
H2 ✅ 達成:FWD 4H足 42/63(66.7%)WCI[54.4%, 77.1%]——CI下限が54.4%と43%を11.4pp上回り、明確なエッジが確認されています(ただし §6 のとおり 4H 足は上昇トレンドと完全に重なっており、両者の寄与は未分離です)。#015で確認した「4H足ロングが1H足に劣る」という全体パターンとは逆に、RSI売られすぎ逆張りでは4H足の方が大きく上回っています。
H3 ✅ 達成:FWD 1H足 70/157(44.6%)WCI[37.0%, 52.4%]——CI下限は37.0%で43%を下回り、無エッジと判断されます。1H足での RSI 逆張りは現時点では期待値的な優位性を確認できません。

4H足と1H足の勝率差は +22.1pp(66.7% vs 44.6%)と大きな構造的乖離があります。RSI売られすぎシグナルは発火する時間足に強く依存しており、現時点のデータは 発火した時間足がエッジの有無を左右している可能性 を示唆しています(トレンドとの交絡が未分離のため、確定的な条件とは言えません)。

1D足(参考)

FWD 1D足は k=10, n=12(83.3%)ですが、N=12 は小サンプルのため参考値に留めます。WCI[55.2%, 95.3%] は幅が非常に広く、統計的な確定には n≥30 以上の蓄積が必要です。

5. グループ別パターン——jpy_fx の優位性

グループk/n勝率Wilson CI備考
jpy_fx(円クロス)31/4766.0%[51.7%, 77.8%]CI下限51.7%≫43%
metal(金・銀)19/3455.9%[39.5%, 71.1%]CI下限43%をわずかに下回る
index(指数)28/5848.3%[35.9%, 60.8%]CI下限35.9%
other_fx(ドル建て)28/6344.4%[32.8%, 56.7%]CI下限32.8%

jpy_fx(USDJPY、EURJPY、GBPJPY、AUDJPY) が 31/47(66.0%)WCI[51.7%, 77.8%] と最も高い勝率を示しています。IS期間では 19.4%(#024で棄却確認)だった円クロスFXが、前向き期間では大きく改善しています。この逆転は金属グループのレジーム転換(#030/#039)と並ぶ重要な変化です。

探索的発見: FWD 4H×jpy_fx = 15/16(93.8%)WCI[71.7%, 98.9%]——N=16 の小サンプルながら、4H足かつ円クロスの組み合わせで非常に高い数値となりました。ただし WCI 幅が71.7%〜98.9%と非常に広く、統計的確定には N≥30 以上が必要です。参考値として記録するに留め、特定の通貨ペアの売買を推奨するものではありません。

一方で指数グループ(48.3%)とドル建てFX(44.4%)は CI 下限が43%を大きく下回り、グループによって大きな非対称があることが分かります。IS期間での「指数×RSI=60%が BB 逆転」という観察は、前向きでは維持されていません。

6. トレンド別の偏り

上位足トレンドk/n勝率Wilson CI備考
上昇42/6366.7%[54.4%, 77.1%]CI全域43%超
中立・もみあい43/8053.8%[42.9%, 64.3%]CI下限42.9%≒43%(要継続観察)
下降37/8941.6%[31.9%, 52.0%]CI下限31.9%で損益分岐割れ

トレンド別では「上昇トレンド中の RSI 売られすぎ逆張り」が 42/63(66.7%)と最も高い勝率を示しています。注目すべきは 4H足と上昇トレンドが完全に一致している 点です——4H: k=42, n=63(66.7%)と trend=上昇: k=42, n=63(66.7%)がまったく同じ数値であり、前向きデータでは「4H足=上昇トレンド」という強い構造的交絡が存在します。

「4H足が良い」のか「上昇トレンドが良い」のかが現時点では分離できません。4H足の内訳でトレンド別分析を行うと k=42, n=63 すべてが trend=上昇 に集中していることが確認されています。今後のデータ蓄積で両者の独立した寄与を分離することが課題です。

下降トレンドでは 37/89(41.6%)と損益分岐を下回り、「下落中に RSI が売られすぎ水準に達する」局面でのロング逆張りが機能しないことを示唆しています。この結果は #022(逆張り×トレンド依存性解析)と一致する方向性です。

7. bb_lower_touch との比較

同じ逆張り系シグナル bb_lower_touch(BB下限タッチ)との比較は、RSI 逆張りの相対的なポジションを理解するために重要です。

シグナルFWD k/nFWD 勝率Wilson CI差異
rsi_oversold_bounce122/23252.6%[46.2%, 58.9%]
bb_lower_touch239/54044.3%[40.1%, 48.5%]RSI が +8.3pp 優位

RSI 売られすぎシグナルは、BB 下限タッチと比べて +8.3pp の勝率優位性 があります。IS 期間では RSI が BB に劣っていたこと(#023 確認)と比較すると、前向き期間では立場が逆転しています。BB の 239/540(44.3%)は WCI[40.1%, 48.5%] とほぼ損益分岐水準です。ただし RSI の CI 下限 46.2% と BB の CI 上限 48.5% は一部重なっており、両者の信頼区間は完全には分離していません。点推定では差が見られるものの、統計的に優劣が確定したとまでは言えず、今後のデータ蓄積での再確認が必要です。

8. 前向きトラッカー更新

仮説ID登録日フィルターFWD k/n勝率WCIステータス
rsi_oversold_edge 2026-06-16 signal=rsi_oversold_bounce 122/232 52.6% [46.2%, 58.9%] 🟡 継続観察(WCI下限が43%を初めて超えた時点)

今回の検証でWilson CI 下限が初めて損益分岐 43% を超えました。ただし昇格基準(「E(R) RCI 下限 > 0 を 2 回連続確認」)に対しては、期待値ベースの CI 下限はトラッカーの最新値(rci_lo≒−0.006)でまだゼロをまたいでいます。勝率 CI は43%を超えましたが、期待値 CI はまだゼロ近傍です。継続的な蓄積が必要です。

次の観察点:
  • 4H足の N が増えた際に、トレンド別の交絡(4H=上昇の重複)が解消するか
  • jpy_fx 前向き成績の継続(N=47→N≥80 の蓄積を待つ)
  • 下降トレンドでのエッジ欠如が続くか(41.6%、N=89 で確認中)
  • 1D足(N=12)の成績が蓄積されると 4H と同様のパターンが出るか

9. まとめと今後の観察点

今回の検証結果をまとめます。

RSI売られすぎ逆張り買いは「全体では徐々にエッジが形成されつつあるが、4H足に限定すると明確、1H足には現時点でエッジなし」という構造が見えてきています。この知見の意味は、同じシグナルを使う際に時間足の選択が結果を大きく左右する可能性があることを示唆しています。ただし過去の実績は将来を保証せず、確定的な結論を出すためには更なるデータ蓄積が必要です。

本記事に掲載されている情報・データはすべて過去の実績および反実仮想シミュレーションに基づくものです。将来の運用成果を保証するものではなく、また投資の勧誘を目的とするものでもありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録を受けていません。掲載内容はあくまで情報提供を目的としており、投資判断・売買の決定はご自身の責任において行ってください。金融商品取引に伴うリスクを十分に理解された上でご利用ください。