- 方向性指数(0から100でトレンドの強さを表す指標)が25以上の場面で、順張りのシグナルが出たとき、その後の成績を前向きに調べています。
- 仮説を登録してからの前向きの結果(2026年9月27日から17日間)では、70回中20回が勝ち。勝った割合は28.6%でした。
- 偶然のぶれを考えた勝率は19.3%〜40.1%。勝ち負けがとんとんになる勝率(43%)を上端でも下回っています。
- 1回あたり平均で損切り幅の0.37倍の損が出ています(トラッカー参照)。損になる方向が偶然とは言いにくい範囲(マイナス0.59からマイナス0.15)に収まっています。
- ただし前向きの回数はまだ70回で、昇格の判断に必要な80回に届いていません。引き続き観察中です。
1. 今回の研究について
「順張り」とは、トレンドの方向に乗るやり方です。上がっているときに買い、下がっているときに売ります。
「方向性指数(0から100でトレンドの強さを表す指標)」は、今の相場がどれくらい強いトレンドを持っているかを示します。25以上で「強いトレンドがある」と一般に言われます。
一見、「トレンドが強いほど順張りは勝ちやすいのでは」と思いたくなります。でも、強いトレンドの場面では「すでに動き切った後に乗ることになりやすい」という見方もあります。この研究では、その問いを数字で確かめます。
0から100の数字で相場の「勢い」を測ります。25以上で「トレンドがはっきりある」とされます。この指標は方向(上か下か)は示さず、強さだけを測ります。
方向性指数が25以上の場面(紫のシェード)でのシグナルが今回の調査対象。価格が既に大きく動いた後に乗ることになりやすいのが課題。
2. 調査の方法
この仮説は「回避」を目的とします。つまり「この条件に当てはまるシグナルは、成績が悪いので使わない方がいい」という仮説です。
調べた条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| シグナルの種類 | 順張り族(高値・安値ブレイク、MACD(移動平均の収束と拡散:相場の向きと勢いを測る指標)クロス、移動平均クロス) |
| 方向性指数の条件 | シグナル発生時に方向性指数が25以上(「強いトレンド」の場面) |
| 比べる相手(対照) | 方向性指数が20未満(「弱いトレンド」の場面) |
| 仮説の種類 | 回避(成績が悪いので使わない) |
| 仮説登録日 | 2026年9月26日(この日より前のデータは事前に固定) |
| 前向き期間 | 2026年9月27日から現在まで(本記事執筆時で17日間) |
過去に実際に取引されたわけではありません。シグナルが出た時刻の価格で入り、損切り・利益確定の水準に達した時刻を確認し、勝ち(利益確定に到達)か負け(損切りに到達)かを記録します。
3. 事前に固定したデータ(2026年9月26日より前)の結果
仮説を登録する前のデータを「事前に固定したデータ」と呼びます。ここでは仮説の根拠を確認しています。ただし、登録前に数字を見て仮説を作ったため、この結果だけでは「本当に使えるか」の判断はできません。
| 条件 | 回数 | 勝った割合 | 偶然のぶれを考えた勝率(信頼区間) |
|---|---|---|---|
| 全体(ベースライン) | 4825回 | 42.9% | 41.5%〜44.3% |
| 順張り全体 | 2478回 | 42.6% | 40.7%〜44.6% |
| 順張りかつトレンド強(今回の対象) | 1069回 | 41.4% | 38.5%〜44.4% |
| 順張りかつトレンド弱(比較用) | 847回 | 44.4% | 41.1%〜47.8% |
事前期間では、トレンド強(41.4%)とトレンド弱(44.4%)の差は3.0%分で、大きくはありませんでした。ただし方向は仮説と一致しています(トレンド強の方が低い)。
4. 前向きの結果(2026年9月27日以降、本題)
仮説を登録してから積み上げた前向きの数字が本題です。登録前に数字を見ていないため、後付けではありません。
| 条件 | 回数 | 勝った割合 | 偶然のぶれを考えた勝率(信頼区間) | 損益分岐(43%)との比較 |
|---|---|---|---|---|
| 全体(ベースライン) | 358回 | 36.3% | 31.5%〜41.4% | 下回る |
| 順張り全体 | 198回 | 31.3% | 25.3%〜38.1% | 下回る |
| 順張りかつトレンド強(今回の対象) | 70回 | 28.6% | 19.3%〜40.1% | 下回る |
| 順張りかつトレンド弱(比較用) | 88回 | 37.5% | 28.1%〜47.9% | 下回る |
今回の対象(トレンド強)は勝った割合28.6%で、偶然のぶれを考えた勝率の上端(40.1%)も損益分岐(43%)を下回っています。
トレンド弱(37.5%)と比べても8.9%分低く、トレンドが強い場面の順張りは特に成績が悪い傾向が見られます。
ただし全体のベースラインも36.3%と低調(事前期間の42.9%より大きく下がっている)なので、「この17日間は全体的に難しい相場環境だった」という影響も含まれています。
赤棒(トレンド強)が最も低い。全体・トレンド弱とも損益分岐43%を下回る厳しい期間。
平均の損益について
損益は「損切りになったときの損を1とした倍数」で表します。
| 条件 | 1回あたりの平均損益 | 偶然のぶれを考えた幅(損益の信頼区間) |
|---|---|---|
| 順張りかつトレンド強(今回の対象) | 損切り幅の0.37倍の損 | マイナス0.59からマイナス0.15(全域がマイナス) |
| 順張りかつトレンド弱(比較用) | 損切り幅の0.17倍の損 | マイナス0.42からプラス0.08(偶然の範囲内) |
トレンドが強い場面は、損になる方向のぶれ幅の上端(マイナス0.15)も0を下回っています。これは「偶然とは言いにくい損の傾向」を示しています。トレンド弱は上端がプラス0.08で、まだ偶然の範囲内に収まっています。
※ 平均損益の数値はトラッカーの計算値です。
5. 解釈と注意点
「トレンドが強い場面の順張りが負けやすい」理由として考えられること
- 方向性指数が高い場面は「価格がすでに大きく動いた後」が多く、「乗り遅れ」になりやすい。
- 強いトレンドはVIX(恐怖指数:市場の不安度を0から100で表す指標)の上昇局面や急落・急騰と重なることがある。こうした場面は反転しやすい。
- 方向性指数が25以上の場面は「追いかけ買い・追いかけ売り」に相当し、遅いエントリーになりがち。
ただしこれらはあくまで「考えられる理由」であり、数字で証明したわけではありません。
まだ判断できない理由
前向きの回数は70回で、昇格の判断に必要な回数(80回)には届いていません。また前向き期間の全体勝率(36.3%)が事前期間(42.9%)より大きく低いため、「トレンドが強すぎるから悪い」のか「この期間全体が悪い」のか、区別が難しい状況です。
6. 現在のトラッカー(観察中の仮説一覧から抜粋)
このサイトで登録・観察している仮説の一覧から、今回の仮説の現在地を確認します。表の勝ち回数・勝率はシグナル記録から直接集計した値です(トラッカーの集計時刻の差で1件前後することがあります)。
| 仮説の内容 | 種類 | 前向き回数 | 前向き勝率 | 偶然のぶれを考えた勝率(信頼区間) | 昇格まで | 状態 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 順張りかつトレンド強(方向性指数25以上)の回避 | 回避 | 70回 | 28.6% | 19.3%〜40.1% | あと10回以上 | 観察中 |
※ 損益分岐 43%。昇格の判断には前向き80回以上が必要。
7. ここまでのまとめ
仮説登録(9/26)を境に、後付けでない前向きデータ(赤)が積み上がっています。現時点で70回、引き続き観察中。
今の状況を整理すると
- 事前期間(1069回)ではトレンド強の勝率は41.4%で、トレンド弱(44.4%)より低い。
- 前向き期間(70回)では28.6%とさらに低く、損益分岐43%を大きく下回っている。
- 1回あたりの平均損益はマイナス0.37で、偶然の範囲を超えている可能性がある。
- ただし、この期間全体が難しい相場環境(全体勝率36.3%)であることも影響している可能性がある。
- 昇格(回避確定)の判断を始められる最低の前向き回数は80回(現在70回)。
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