🧪 上昇トレンドのなかでRSI(勢い指標)が30を割ったとき、反発の買いは勝ちやすい? 過去52回は77%、前向き46回は46%
AIシグナル研究日誌 #124
毎回ひとつの仮説を実データで確かめ、勝っても負けても全公開する研究日誌の第124回です。前回(#123)では日足で安値ブレイクの売り(出口の相性ラボ第3回)を調べました。
今回は、2026年8月11日に事前登録した仮説「上昇トレンドのなかでRSI(相対力指数:買われすぎ・売られすぎを0から100の数字で表す指標)が30以下になった場面で、反発の買いは勝ちやすいか」を取り上げます。登録から約2か月が経ち、前向きのデータが46回分たまりました。
RSIが30を割ると「売られすぎ」とされます。上昇トレンドのなかでこの場面から反発をねらって買うシグナルが、登録前の期間に52回出ました。
・登録前の勝った割合は 76.9%(52回中40回) でした。しかし、この数字は「結果を見てから見つけたパターン」のため、大きく見えるのが自然です。
・事前登録後に前向きで確かめた46回では、45.7%(46回中21回) でした。偶然のぶれを考えた幅は32.2%〜59.8%で、勝ち負けがとんとんになる勝率(43%)とほぼ重なります。
・時間足別では、4時間足で 59.1%(22回中13回)、1時間足で 34.8%(23回中8回) と、結果が大きく分かれました。
・現在の状態は「🟡蓄積中」のままです。まだ結論を出せる件数(80回)に達していません。
① 今回確かめたこと
RSI(相対力指数)は、値動きの勢いを0から100の数字で表す指標です。30以下になると「売られすぎ」とされ、反発の可能性があると言われています。
このシステムでは、上昇トレンドのなかでRSIが30以下になった場面で「反発をねらって買う」シグナルが出ます。これは直感的に理解しやすい考え方です。上がっている流れのなかで一時的に売られすぎた場面を拾う、というものです。
上昇トレンドのなかでRSIが30以下(黄色の帯)になった場面で、反発をねらって買うシグナルが出ます。イメージ図のため実際の値動きとは異なります。
2026年8月11日に、この仮説を「結果を見る前に宣言する」形で事前登録しました。事前登録とは、「この基準を満たせば合格」という条件を先に決めてから検証を始めることです。後から都合のよい解釈をふせぐためのルールです。
② 確かめ方と基準
確かめ方は次の通りです。
- 対象:システムが記録した決済済みシグナル(利益確定か損切りで終わったもの)
- 場面:上昇トレンドのなかでRSIが30以下になった場面での反発の買い
- 勝ち:利益確定(損切り幅の1.33倍か2倍のもうけ)
- 負け:損切り(損切り幅の1倍の損)
- 偶然のぶれを考えた幅(信頼区間):95%
このシステムでは、勝ったときの利益は損切り幅の1.33倍または2倍です。負けたときの損は損切り幅の1倍です。この比率では、約43%の勝率があれば長期的に収支がとんとんになる計算です。43%を下回ると長期的にはマイナスになると考えられます。
期間の分け方は次の通りです。
- 登録前の期間:2026年8月11日(仮説登録日)より前に出たシグナル(52回)
- 前向き期間:2026年8月12日以降に出たシグナル(46回)
③ 登録前とその後:大きな差の理由
まず登録前の期間とその後の前向き期間の勝率を比べます。
図2:登録前(76.9%)と前向き期間(45.7%)を比べたもの。赤い破線が「勝ち負けがとんとんになる勝率(43%)」です。前向き期間はとんとんの線とほぼ重なります。
| 期間 | 回数 | 勝ち | 勝率 | 偶然のぶれを考えた幅(信頼区間) | 1回あたり平均の損益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 登録前の期間 | 52回 | 40回 | 76.9% | 63.9%〜86.3% | 損切り幅の+0.79倍 |
| 前向き期間 | 46回 | 21回 | 45.7% | 32.2%〜59.8% | 損切り幅の+0.06倍 |
| 全シグナル平均(参考) | 5,174回 | — | 42.5% | — | 損切り幅の-0.01倍 |
※ 買いに限らず全方向(買い・売りの両方)で集計した場合:登録前は74回中45回勝ち(60.8%、偶然のぶれを考えた幅 49.4%〜71.1%)、前向き期間は72回中34回勝ち(47.2%、偶然のぶれを考えた幅 36.1%〜58.6%)でした。
なぜ登録前はこんなに高かったのか
登録前の76.9%という数字は、一見すると非常に高く見えます。しかし、これには理由があります。
「結果が出てから見つけたパターン」は、いつも実態より良く見えます。「上昇トレンド中のRSI売られすぎ」という条件を、過去のデータの中から探したとき、偶然うまくいっていた場面が多く集まる可能性があります。これを「後付けのバイアス」と言います。
このサイトの研究は、まさにこの問題を前向きに確かめるために、「結果を見る前に仮説を登録してから検証する」というルールを採っています。登録後の46回で45.7%となったことは、バイアスが修正された結果と見ることができます。
④ 時間足別に見る(前向き期間)
前向き期間の46回を、1時間足(1時間ごとに更新されるチャートで出たシグナル)と4時間足(4時間ごとに更新されるチャートで出たシグナル)に分けて見ます。なお、46回の内訳は1時間足23回+4時間足22回+その他(日足など)1回です。
図3:前向き期間(46回)を時間足で分けた勝率。1時間足(23回)は34.8%、4時間足(22回)は59.1%でした。赤い破線が43%(とんとん)です。
| 時間足 | 回数 | 勝ち | 勝率 | 偶然のぶれを考えた幅(信頼区間) | 1回あたり平均の損益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1時間足 | 23回 | 8回 | 34.8% | 18.8%〜55.1% | 損切り幅の-0.19倍 |
| 4時間足 | 22回 | 13回 | 59.1% | 38.7%〜76.7% | 損切り幅の+0.38倍 |
| 合計(全足) | 46回 | 21回 | 45.7% | 32.2%〜59.8% | 損切り幅の+0.06倍 |
1時間足の34.8%は、とんとんの43%を下回っています。偶然のぶれを考えた幅(18.8%〜55.1%)は広く、まだ件数が少ないため結論は出せませんが、芳しくない傾向が見えます。
一方、4時間足の59.1%は比較的高く、1回あたり平均の損益も損切り幅の+0.38倍と良い水準です。ただし、偶然のぶれを考えた幅(38.7%〜76.7%)は依然として広いため、件数を積み重ねて確かめる必要があります。
⑤ 現在の判定
仮説の合格基準は「前向きのデータが80回以上集まり、1回あたり平均の損益の偶然のぶれを考えた幅の下の端が0を上回ること」です。現在は46回で基準の件数(80回)に達していないため、状態は「🟡蓄積中」のままです。
| 項目 | 現在の値 | 合格基準 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 前向きの件数 | 46回 | 80回以上 | まだ |
| 前向き勝率 | 45.7% | — | 参考値 |
| 平均の損益のぶれ幅の下端 | 件数不足のため未判定 | 0を上回る | まだ |
| 全体状態 | 🟡 蓄積中(引き続きデータを積み重ねます) | ||
引き続き、結果が出るたびに前向きのデータを積み重ねていきます。次の節点となる件数の目安は、あと34回(合計80回)です。
📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)
このシステムで確かめている全仮説の現在地をまとめます。基準日は2026年10月13日です。
📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)
| 仮説 | 種別 | 宣言基準 | 前向き現在値(平均R) | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 円以外の通貨ペアの買い group=other_fx×dir=long | 負けやすいか gate | 前向きN≥80 平均RのCI上限<0 | 平均R -0.03 CI[-0.13~+0.08] 378/906・勝率42% | 🟡蓄積中 |
| 株価指数の買い 指数×ロング(全足ライブ) | 勝ちやすいか edge | 前向きN≥80 平均RのCI下限>0 | 平均R +0.03 CI[-0.11~+0.17] 371/839・勝率44% | 🟡蓄積中 |
| 値段が2本の移動平均線より上の買い ステート 上昇配置(>MA25&75)×ロング | 勝ちやすいか edge | 前向きN≥30🏁 平均RのCI下限>0 | 平均R +0.01 CI[-0.11~+0.14] 351/808・勝率43% | 🟡蓄積中 |
| 目標の手前に壁なしの売り blocked=False×dir=short | 負けやすいか gate | 前向きN≥80 平均RのCI上限<0 | 平均R -0.01 CI[-0.12~+0.10] 297/700・勝率42% | 🟡蓄積中 |
| 「RSI売られすぎからの反発」のシグナル 売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足) | 勝ちやすいか edge | 前向きN≥80 平均RのCI下限>0 | 平均R +0.15 CI[-0.01~+0.31] 203/411・勝率49% | 🟡蓄積中 |
| 金・銀の買い group=metal×dir=long | 負けやすいか gate | 前向きN≥80 平均RのCI上限<0 | 平均R +0.07 CI[-0.12~+0.27] 165/359・勝率46% | 🟡蓄積中 |
| 上昇トレンド中の逆張り買い trend=上昇×reversalL | 勝ちやすいか edge | 前向きN≥80 平均RのCI下限>0 | 平均R +0.06 CI[-0.09~+0.20] 156/345・勝率45% | 🟡蓄積中 |
| 目標の手前に壁ありの売り blocked=True×dir=short | 勝ちやすいか edge | 前向きN≥80 平均RのCI下限>0 | 平均R -0.04 CI[-0.19~+0.12] 129/312・勝率41% | 🟡蓄積中 |
| 上昇トレンド中、RSI30以下(売られすぎ)のシグナル(買いも売りも) rsi=os×trend=上昇 | 勝ちやすいか edge | 前向きN≥80 平均RのCI下限>0 | 平均R +0.12 CI[-0.12~+0.36] 35/73・勝率48% | 🟡蓄積中 |
| トレンドが強いとき(ADX25以上)の順張り 順張り×ADX強(25以上)(回避) | 負けやすいか gate | 前向きN≥80 平均RのCI上限<0 | 平均R -0.35 CI[-0.57~-0.13] 19/68・勝率28% | 🟡蓄積中 |
| 買い全般 dir=long | 負けやすいか gate | 前向きN≥80 平均RのCI上限<0 | 平均R +0.03 CI[-0.05~+0.10] 1327/3018・勝率44% | ⛔反証 |
| 下降トレンド中の買い trend=下降×dir=long | 負けやすいか gate | 前向きN≥80 平均RのCI上限<0 | 平均R +0.10 CI[+0.01~+0.20] 446/942・勝率47% | ⛔反証 |
| 全銘柄のシグナル(買いも売りも) group=all | 負けやすいか gate | 前向きN≥80 平均RのCI上限<0 | 平均R +0.01 CI[-0.04~+0.06] 1741/4006・勝率44% | ⏹見込みなし |
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