MarketWatch AI
日本人投資家のためのマーケット情報サイト
📚 解説記事
🧪 AIシグナル研究日誌

日足で安値ブレイクの売りをするとき、損切りと利確の組み合わせで結果は変わるか? 2369件で調べた【研究日誌 #123】

公開:2026年10月11日 調査期間:2026年9月24日まで 出口の相性ラボ 第3回

⚠️ この記事は情報提供を目的としています。投資の判断はご自身でお願いします。将来の成績を保証するものではありません。
⏱ 30秒でわかる今回のまとめ

1. 今回の研究について

直近20本のロウソク足の安値を下に抜けたとき、売りのシグナルが出ます。このとき、損切りの置き方と利益確定の場所をどう変えると成績が変わるかを調べました。

これは「出口の相性ラボ」シリーズの第3回です。前2回は買い側(ボリンジャーバンド下限タッチの買い・高値ブレイクの買い)を調べました。今回は初めての売り側です。

対象となるデータは、2026年9月24日までに記録した日足(1日の足)の取引2369件です。18銘柄(金・銀・原油・株価指数5本・FX9通貨ペア・ビットコイン)が対象です。

損益の単位について 損切りになったときの損を1とした倍数で表します。たとえば「損切り幅の0.10倍のプラス」なら、0.10倍だけ平均的に勝っている計算になります。
安値ブレイクの売り:入口と損切り・利確の置き方(概念図) 安値 ▼ 売り入口 🛑 損切り(直近高値の上) ATRの1.5倍(いまの方式) ✅ 利確①(ATRの2倍・いまの方式) 🔵 利確②(ボリンジャーバンド下限)

※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)。オレンジ枠が入口のロウソク足。

2. 探索期間(2026年9月24日まで)の結果

全18銘柄の数字

探索期間に記録した入口は2372件、そのうち確定したのは2369件です。基準方式(ATR(平均的な値動きの幅)の1.5倍で損切り・ATRの2倍で利確)での平均は損切り幅の0.08倍の損でした。

合計で72通りの組み合わせを調べましたが、「統計的に目立つ」と判定された組み合わせは0件でした。

目立つかどうかの基準は、同じ手順を何度繰り返しても偶然で出た「目立つ」組み合わせが平均0.2マス程度になるよう設計されています(旗立て基準:差が損切り幅の0.15倍以上・前後半で同じ向き・ボンフェローニ補正)。目立つ組み合わせが1マス程度なら、まだ偶然の可能性があります。

良い組み合わせと悪い組み合わせの比較

いまの方式との差を使って比べます。同じ入口の中でしか比べられないので、この差を使います。

損切りの方法 利確の方法 平均損益 基準との差 差のぶれ幅 件数 「目立つ」旗
ATRの1.5倍(いまの方式) ATRの2倍(いまの方式) −0.08 基準 — 2369件 —
ATRの1.5倍 ボリンジャーバンド下限(−2σ) +0.02 +0.10 +0.02〜+0.17 920件 なし
ATRの1.5倍 損切り幅の3倍 −0.12 −0.04 −0.13〜+0.05 2364件 なし

「ボリンジャーバンド下限(売りの場合は−2σ)を利確ラインにする」組み合わせは損切り幅の0.02倍のプラスで、いまの方式より損切り幅の0.10倍高く見えます。しかし差のぶれ幅の中央(損切り幅の0.10倍)は旗立て基準の0.15倍に届かず、偶然の可能性があります。「目立つ」旗は立ちませんでした。

組み合わせが多いと偶然で良く見えるものが出ます。 今回は72通りを調べたので、本当は差がないのに「良さそう」と出る組み合わせが偶然含まれている可能性があります。前向き(2026年9月25日以降)のデータで確かめることが大切です。
平均損益の比較(探索期間・全18銘柄) 0 いまの方式 −0.08 ATRとボリンジャー下限 +0.02 ATRと3倍利確 −0.12 +0.04 −0.12 旗立て基準(差0.15倍以上) を通過した組:0件

※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)。値はデータから算出。

資産クラス別の結果(基準方式)

資産クラスによって成績の差があります。

資産クラス 平均損益 件数
株価指数(日経・米国株(S&P500)・ナスダック・ダウ・英国株指数) −0.17 673件
FX(9通貨ペア) −0.05 1056件
コモディティ(金・銀・原油) −0.06 535件
ビットコイン(参考値・1銘柄) +0.10 105件
全18銘柄(合計) −0.08 2369件

株価指数が最も苦しく(損切り幅の0.17倍の損)、FXやコモディティも全クラスでマイナスでした。ビットコインのみ損切り幅の0.10倍のプラスでしたが、105件と件数が少ないため参考値にとどまります(資産クラス別の「目立つ」基準は件数200以上かつ差が損切り幅の0.25倍以上のため、ビットコインは対象外です)。

どの損切り・利確の組み合わせでも、株価指数の安値ブレイクの売りは特に苦しい傾向があります。ただし探索期間のデータであり、前向き(2026年9月25日以降)で確かめるまで結論にはなりません。

3. 前向き(2026年9月25日以降)の検証

「出口の相性ラボ」の前向き検証は2026年9月25日から始まっています。今回の入口(日足・安値ブレイクの売り)については、まだデータを積み重ねている最中です。

前向きとは、結果を見る前にあらかじめ「どのような組み合わせが良いか」を登録してから数えるやり方です。探索期間の数字は、過去のデータを後から見た結果なので、偶然の良し悪しが混ざっています。前向きのデータが積み上がれば、より信頼できる結論が出せます。

4. 前向きトラッカーの現在地(2026年10月11日)

すべての仮説の前向き結果を一覧しています。これらは「入口の種類」についての仮説で、今回調べた「出口の組み合わせ」とは別の検証です。

📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)

基準日 2026-10-11/昇格=前向きN≥80(🏁ホールドアウト合格はN≥30)・平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない・基準合格2回連続で確定(2026-07-19〜)/降格=昇格後の再判定で基準割れ2回連続→🟡へ(2026-07-18〜・再昇格可)

表の見方:「仮説」は、どんな場面で出たシグナルかを表します(小さな文字は研究用の管理名)。「種別」は、その場面のシグナルが「勝ちやすいか」「負けやすいか(避けたほうがよいか)」のどちらを確かめているかです。「平均R」は1回あたりの損益を、損切りになったときの損を1として表した数字で、「CI」はその数字のぶれの幅(95%)です。「CI下限>0」は、ぶれの幅がまるごと0より上=偶然ではなくプラスと言える、という意味です。時間足の指定がない仮説は、1時間足・4時間足・日足を合わせた数字です。
言葉の意味(17語・タップで開く)
  • 全銘柄=このシグナルが見張っている18銘柄(金・銀・原油・株価指数・為替・ビットコイン)
  • 株価指数=日経平均・S&P500・ナスダック100・NYダウ・英FTSE100
  • 円の通貨ペア=ドル円・ユーロ円・ポンド円・豪ドル円
  • 円以外の通貨ペア=ユーロドル・ポンドドル・豪ドル米ドル・ユーロ豪ドル・ポンド豪ドル
  • 逆張り買い=下がったところで買うこと(ここでは「RSI売られすぎからの反発」か「ボリンジャーバンド−2σタッチ」で買ったもの)
  • 壁=利益確定の目標までの間にある直近の高値(売りなら安値)
  • 選別ランク=過去の成績をもとにシグナルを「最上位・良・普通・避けたい」に分けた目安
  • 移動平均線=直近25本・75本の値段の平均をつないだ線(日足なら25日・75日)
  • RSI=値動きの勢いを0〜100で表す指標(30以下は売られすぎ、70以上は買われすぎの目安)
  • MACD=2本の移動平均の差で勢いの変わり目を見る指標
  • ボリンジャーバンド=平均からのばらつきで引いた帯(−2σは下の線、+2σは上の線)
  • ゴールデンクロス=短い期間の線が長い期間の線を下から上へ抜けること(デッドクロスはその逆)
  • 関連ニュース=シグナルが出たときに集まっていた、その銘柄のニュースの本数
  • 順張り=値動きの向きに乗るシグナル(直近20本の高値・安値の抜け、MACD・移動平均線のクロス)
  • ADX=トレンドの強さを表す指標(20未満は弱い、25以上は強いの目安。上げか下げかは表さない)
  • VIX=米国株の「恐怖指数」(市場の不安が大きいほど高い)
  • ファンダの見立て=毎日朝夕のまとめ(経済指標・ニュース・金融政策)から出す、その銘柄の上げ下げの見立て
仮説種別宣言基準前向き現在値(平均R)状態
円以外の通貨ペアの買い
group=other_fx×dir=long
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R -0.02
CI[-0.13~+0.08]
378/904・勝率42%
🟡蓄積中
株価指数の買い
指数×ロング(全足ライブ)
勝ちやすいか
edge
前向きN≥80
平均RのCI下限>0
平均R +0.03
CI[-0.11~+0.17]
371/839・勝率44%
🟡蓄積中
値段が2本の移動平均線より上の買い
ステート 上昇配置(>MA25&75)×ロング
勝ちやすいか
edge
前向きN≥30🏁
平均RのCI下限>0
平均R +0.02
CI[-0.11~+0.14]
351/806・勝率44%
🟡蓄積中
「RSI売られすぎからの反発」のシグナル
売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足)
勝ちやすいか
edge
前向きN≥80
平均RのCI下限>0
平均R +0.15
CI[-0.01~+0.31]
203/411・勝率49%
🟡蓄積中
「直近20本の安値を下抜け」のシグナル
signal=low_break
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R -0.01
CI[-0.15~+0.14]
116/273・勝率42%
🟡蓄積中
買い全般
dir=long
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.03
CI[-0.05~+0.10]
1325/3014・勝率44%
⛔反証
下降トレンド中の逆張り買い
trend=下降×reversalL
負けやすいか
gate
前向きN≥80
平均RのCI上限<0
平均R +0.18
CI[+0.04~+0.33]
197/388・勝率51%
⛔反証

(表は一部抜粋。全件は シグナル研究ページ で確認できます)

5. まとめ

今回の結論を正直に伝えます。

探索期間のデータ(2369件)では、損切りと利確の組み合わせを72通り変えても、統計的に目立つ組み合わせは0件でした。「ボリンジャーバンド下限を利確にする組み合わせ」がやや良く見えますが、差の大きさが旗立て基準に届かず、偶然の可能性を排除できません。

また、株価指数での安値ブレイクの売りは特にマイナスが大きく(損切り幅の0.17倍の損)、この入口での売りが難しい傾向が見て取れます。ビットコインは唯一プラスでしたが、件数が少ないので参考程度にとどまります。

「出口の組み合わせを変えれば必ず良くなる」という前提は、今回の探索期間のデータでは支持されませんでした。これはこれで大切な情報です。前向き(2026年9月25日以降)のデータが積み上がれば、また確かめます。

関連する解説

📊 発火条件の図解カタログ

安値ブレイク・高値ブレイク・RSI(値動きの勢いを表す指標)・MACD(勢いの変わり目を見る指標)など、シグナルの発火条件を図で説明しています。今回の「安値ブレイクの売り」の仕組みも確認できます。

🧪 研究日誌 #111(第1回 出口の相性)

ボリンジャーバンド下限タッチの買いで、損切りを変えると成績がどう変わるかを調べた最初の回です。

🧪 研究日誌 #117(第2回 出口の相性)

高値ブレイクの買いで、損切りと利確の組み合わせを調べた回です。

🧪 シグナル研究のトップページ

前向きトラッカーの全一覧と、過去の研究日誌をまとめて見られます。

免責事項・ご注意

このページは情報提供を目的としており、特定の銘柄や投資商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。市場には損失リスクが伴い、元本を割り込む可能性があります。過去の成績は将来の結果を保証するものではありません。

当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録もしていません。そのため、個別の投資助言は行いません。

本記事の成績データは、当サイトのシグナル記録をもとにした独自のシミュレーション集計であり、実際の取引成績とは異なります。データは自動収集・自動計算によるもので、誤りが含まれる可能性があり、正確性は保証しません。