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🧪 AIシグナル研究日誌 #32
逆張り買いgateが前向きで覆る——N=81の「全域プラス」をグループ別に解剖

カテゴリ:🧪 AIシグナル研究日誌  |  公開:2026年7月7日  |  読了:約10分

毎回ひとつの仮説を実データで検証し、勝っても負けても全公開する研究日誌の第32回です。前回(#31)では selection.tier(エリート/良好/中立/回避)の4段階序列を正式検証し、tier=neutralが損益分岐割れを確定しました。

今回は前向きトラッカーの自動更新(2026-07-07)で発生した優先度①のステータス変化を報告します。「逆張り買い(reversalL)gate」がシリーズ2本目の⛔反証となりました。

⏱️ 30秒でわかる今回のまとめ

① reversalL gate が前向き N=81 で⛔反証——期待値 E(R)+0.38R、95%CI [+0.13〜+0.63](CI下限も全域プラス)
② 全期間合計(IS+FWD)では reversalL N=528、勝率42.0%(222/528)——総数ベースでは損益分岐近傍
③ 主因は金属群の転換:全期間 N=94、勝率25.5%(24/94)で最大の足かせだった金属が、前向きで大幅に好転(#030 金属レジーム転換と同根)
④ 非金属群も前向きで改善——金属だけが原因ではない(交絡点検はセクション⑥参照)

① 今回の仮説——reversalL gate とは何か

本シリーズの「gate(回避候補)」は、in-sampleデータで期待値マイナスが示唆された条件を前向きに確認するための装置です。宣言した基準(前向きN≥80かつCI上限<0)を前向きデータで満たせばgate確定、満たさなければ⛔反証となります。

「reversalL」とは、逆張り買い(RSI売られすぎ反発 または ボリンジャー下限タッチ)× ロング方向のシグナルをまとめたカテゴリです。#022・#027などでグループ別エッジの差が大きいことは分かっていましたが、全体の in-sample E(R) が −0.093R とわずかにマイナスだったため、2026-06-25 に gate として前向きトラッカーに登録されました。

💡 gate と ⛔反証の意味
gate は「この条件のシグナルは回避候補」という仮説の旗印です。前向きデータが「損失方向のCI全域マイナス」を示したとき確定、逆に「期待値プラスのCI全域プラス」を示したとき⛔反証(否定)となります。反証=「今後も必ずプラス」ではなく「当初の仮定が現時点では否定された」という確認です。

② 検証方法(前向き反証の仕組み)

本日(2026-07-07)の自動トラッカー更新で、以下の宣言基準との照合が行われました。

Python による反実仮想集計は closed(SL/TP1/TP2 確定)のみを対象とし、Wilson信頼区間(95%)を用いています。損益分岐は損益ゼロに必要な最低勝率 43%(SL=−1R、TP1=+1.33R、TP2=+2.00R の設定から算出)です。

③ 結果①:in-sample vs 前向きの比較

トラッカーの in-sample/forward 区分(登録日 2026-06-25 を境界)で比較した結果です。

期間k(勝ち)N(全件)勝率95%CIE(R)
in-sample(〜06/24)17444738.9%[34.5%〜43.5%]−0.093R
前向き(06/25〜)488159.3%[48.4%〜69.3%]+0.381R
全期間合計22252842.0%[37.9%〜46.3%]−0.020R

前向き N=81 の時点で E(R) の95%CI が [+0.13〜+0.63] となり、CI下限も0を大きく上回りました。gate成立条件(CI上限<0)とは真逆の結果です。

reversalL:in-sample vs 前向き 勝率比較(概念図) 43% 38.9% in-sample N=447 59.3% 前向き N=81 +20.4pp 42.0% 全期間合計 N=528 60% 43% 0% 30%
図1:reversalL の in-sample(N=447)vs 前向き(N=81)vs 全期間(N=528)の勝率比較。前向きで損益分岐43%を大きく上回り、⛔反証が成立した。縦軸・バー高さは勝率の概念的比例表示。

④ 結果②:グループ別の転換解析

前向き全体の大幅改善の内訳をグループ別に分解しました。

グループIS k/NIS 勝率FWD k/NFWD 勝率変化
金属(GC=F/SI=F)13/7916.5%11/1573.3%+56.8pp ⬆
指数(NKD=F等)54/9656.2%10/1376.9%+20.7pp ⬆
円クロスFX38/8644.2%8/1553.3%+9.1pp ⬆
ドルクロスFX48/12638.1%11/1957.9%+19.8pp ⬆
BTC9/3823.7%5/1241.7%+18.0pp(43%未達)
原油(CL=F)12/2254.5%3/742.9%−11.6pp ⬇

※ 全期間合計(IS+FWD):金属 24/94(25.5%)、指数 64/109(58.7%)、円クロスFX 46/101(45.5%)、ドルクロスFX 59/145(40.7%)、BTC 14/50(28.0%)。

最も際立つのは金属群の転換(+56.8pp)です。in-sample の 16.5% は金属逆張り買いの典型的な失敗パターン——上昇トレンド中に逆張りロングが連発し大量のSLヒットが積み重なっていました。これは #030(ロング全般gate⛔反証)で解明した金属レジーム転換と同一現象です。

グループ別 逆張り買い勝率:in-sample vs 前向き(概念図) 43% 金属 16% 73% 指数 56% 77% 円FX 44% 53% 他FX 38% 58% BTC 24% 42% IS(〜06/24) FWD(06/25〜) FWD(43%近傍)
図2:グループ別 reversalL 勝率の in-sample(薄色左)vs 前向き(濃色右)比較。金属の56.8pp反転が最大。BTCのみ前向きでも43%未達。縦軸は勝率の概念的比例表示(実価格は示さない)。

⑤ 結果③:シグナル別・時間足別の内訳

全期間合計(IS+FWD)でのシグナル別・時間足別の内訳です。

シグナル別(全期間 IS+FWD 合計)

シグナルkN勝率95%CI
rsi_oversold_bounce(RSI売られすぎ)8521040.5%[34.1%〜47.2%]
bb_lower_touch(BB下限タッチ)13731843.1%[37.8%〜48.6%]

全期間合計では RSI が若干低い傾向です。ただし前向きに絞ると RSI=72.0%(18/25)、BB=53.6%(30/56)と RSI が上回っています——これもレジーム転換後の RSI シグナルの回復が寄与しています。

前向き(2026-06-25 以降)のトレンド別・時間足別

分類前向き k/N前向き勝率95%CI(前向き)
上昇トレンド13/2259.1%[38.7%〜76.7%]
下降トレンド22/3956.4%[41.0%〜70.7%]
中立・もみあい13/2065.0%[43.3%〜81.9%]
1H足28/5154.9%[41.4%〜67.7%]
4H足17/2763.0%[44.2%〜78.5%]

注目点はトレンド方向を問わず全領域でプラス傾向が出ている点です。#022(逆張り買い×トレンド依存性解析)では「上昇中は54.1%だが下降中は33.7%」という顕著な非対称が確認されていました。前向き期間では下降中でも 56.4% と、その非対称がほぼ消えています。

前向き各セルはN=20〜56と小サンプルで、CIの幅が広いです。例えば「下降トレンド前向き56.4%」のCI下限は41.0%で統計的確定打ではありません。現時点では「方向は好転している」の観察記録にとどめ、引き続きデータ蓄積が必要です。

⑥ 交絡点検——金属レジームだけが原因か

前向き期間の大幅改善を「単に金属群が回復しただけ」と説明できるか点検します。

非金属群の計算
IS 非金属: k=161, N=368, 勝率 43.8%
FWD 非金属: k=37, N=66, 勝率 56.1%
差:+12.3pp(金属除外後でも明確な改善)

金属(N=15→79)を除いた非金属群でも IS の 43.8% から前向きの 56.1% へ改善しています。金属レジーム転換が主因(+56.8pp)である一方、非金属群でも+12.3ppの広域改善が起きていることが確認されました。

この非金属改善の一因として考えられるのは、指数グループ(前向き 76.9%)とドルクロスFX(前向き 57.9%)の相乗効果です。どちらも IS 時点ですでに堅調でしたが、前向き期間でさらに上昇しています。

逆張り買い gate 反証の構造(概念図) in-sample E(R)=−0.09R 金属16.5%(N=79) 足かせ BTC 23.7%(N=38) 弱 他FX 38.1%(N=126) 損益分岐割れ → gate 登録(回避候補) レジーム転換 前向き E(R)=+0.38R 金属73.3%(N=15) 激変 指数76.9%(N=13) 高水準 他FX57.9% 損益分岐超 → ⛔反証(CI全域プラス)
図3:reversalL gate の反証構造。in-sampleで金属群(N=79)が全体を引き下げ、gateが設立。前向きで金属が73.3%に転換し、他FX/指数も改善。結果としてCI全域プラスの⛔反証となった。

⑦ 判定:⛔反証の意味するもの

⛔反証成立(2026-07-07確定)
宣言基準:前向きN≥80 かつ 95%CI上限<0(全域マイナス)
実績:N=81(✅ 達成)、95%RCI = [+0.13〜+0.63](CI下限も全域プラス)
→ gate 仮説を全否定。reversalL は現時点で「回避すべき条件」ではない。

ただし反証には重要な留意点があります。

📡 前向きトラッカー定点観測

本日 2026-07-07 時点の全仮説前向き実績です(signal_lab_tracker.py table 出力)。

📡 前向きトラッカー定点観測

基準日 2026-07-07/昇格=前向きN≥80(🏁ホールドアウト合格はN≥30)・平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない

仮説種別宣言基準前向き現在値(平均R)状態
指数×ロング(全足ライブ)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.39 CI[+0.11~+0.67](76/128・勝率59%)✅昇格
group=allgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.10 CI[-0.01~+0.21](144/305・勝率47%)🟡蓄積中
blocked=Falsegate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.10 CI[-0.03~+0.23](117/248・勝率47%)🟡蓄積中
blocked=False×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.14 CI[-0.02~+0.30](92/188・勝率49%)🟡蓄積中
tier=neutralgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.04 CI[-0.25~+0.18](59/143・勝率41%)🟡蓄積中
tf=4h×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.21 CI[+0.01~+0.41](68/131・勝率52%)🟡蓄積中
trend=中立・もみあい×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.20 CI[-0.04~+0.45](66/128・勝率52%)🟡蓄積中
trend=下降gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.07 CI[-0.21~+0.34](53/116・勝率46%)🟡蓄積中
group=other_fx×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.14 CI[-0.01~+0.30](51/104・勝率49%)🟡蓄積中
group=indexedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.04 CI[-0.26~+0.17](39/95・勝率41%)🟡蓄積中
reversalL(逆張り買い)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.38 CI[+0.08~+0.69](48/81・勝率59%)⛔反証
dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.20 CI[+0.07~+0.33](116/225・勝率52%)⛔反証
blocked=True×dir=shortedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.65 CI[-0.88~-0.42](3/20・勝率15%)🟡蓄積中

⑧ 次回に向けて

今回の⛔反証から得られた次のリサーチ候補を記録します。

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