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🧪 AIシグナル研究日誌 #51
上昇×逆張り買い:BB77%比率が全体を引き下げる「希釈効果」——RSI単体73%は昇格基準維持

カテゴリ:🧪 AIシグナル研究日誌  |  公開:2026年7月26日  |  読了:約8分

毎回ひとつの仮説を実データで検証し、勝っても負けても全公開する研究日誌の第51回です。第50回では「上昇×逆張り買い(reversalL)」の前向きN=113でCI下限がゼロ割れ(-0.01)したことと、シグナル別の二極化(RSI73.1% vs BB43.7%)を報告しました。

今回は一歩踏み込んで、「全体CI下限ゼロ割れの主犯はBBの77%比率による希釈効果である」という仮説を正式に検証します。事前に宣言した2条件(H1: RSI単体のCI下限≥43% / H2: BB単体の期待値CI下限≤0)を全件データで確認します。

⏱️ 30秒でわかる今回のまとめ

① 上昇×reversalL 全期間(214件)の勝率は51.9%(111/214) CI[45.2%〜58.5%]
② シグナル二極化:RSI売られすぎ反発 62.7%(32/51)vs BB下限タッチ 48.5%(79/163)——14.2pp差
③ H1通過:RSI全期間 62.7%(32/51) CI[49.0〜74.7%]——前向きCI下限も損益分岐超え ✅ 昇格基準維持
④ H2通過:BB全期間 48.5%(79/163) CI[40.9〜56.1%]——前向き期待値CI下限がマイナス ✅ BBが全体を希釈

① 今回の仮説——BB77%希釈効果の正式検証

AIシグナルシステムが「上昇トレンド中に逆張り買いシグナル(RSI売られすぎ反発 または ボリンジャー下限タッチ)が発火した場合」の成績を追跡しています。

第47回で前向きトラッカー✅昇格を確認後、第50回(前向きN=113)でCI下限がゼロ割れし、降格1回目チェックポイントに到達しました。この時点でシグナル別の分解も実施し、RSI73.1% vs BB43.7%という大きな格差を確認していました。

今回の問い:「BBが113件中87件(77%)を占有しており、このBBの低成績が全体CI下限をゼロ以下に引き下げているのか?」

事前宣言した仮説と合否基準:

前向き期間の数値(73.1%・43.7%)は検証記録として本文に示します。verify.py で独立再計算できる統計は全期間値のみであり、30秒まとめ・表の「全期間」欄の数値はすべてsignals-logから再現可能なフィルタ対応値です。

② チャートで見る:上昇中のRSI30割れ発火条件

「上昇トレンド×逆張り買い(reversalL)」とは、相場が全体的に右肩上がりの局面で、一時的に押し目(RSI売られすぎ or BB下限タッチ)が入ったタイミングで買いシグナルが発火する条件です。

RSI≤30 発火 BB下限 時間 → 価格 上昇トレンド(概念図) トレンド方向 ↗ MA(上昇中) ※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)

図1: 上昇トレンド中の逆張り発火タイミング概念図。黄帯がRSI≤30で買いシグナルが発火する押し目バー。青円がBB下限タッチの例。どちらも「全体上昇中の一時押し」という同じ局面だが、その後の精度に14ppの格差がある。

③ 結果①:RSI73%健在・BB44%低迷の二極化確認

全期間(2624件中クローズ済み全件)のうち、「上昇トレンド×逆張り買い(reversalL)」に該当する214件を集計しました。

シグナル別成績(全期間・前向き比較)

シグナル種別全期間 k/N全期間 勝率前向き N前向き 勝率前向き E(R)
RSI売られすぎ反発
(rsi_oversold_bounce)
32/5162.7%26件73.1%+0.703
BB下限タッチ
(bb_lower_touch)
79/16348.5%87件43.7%+0.018
合計(上昇×revL) 111/21451.9%113件50.4%+0.175

RSIとBBの格差(全期間14.2pp / 前向き29.4pp)は無視できない大きさですが、全期間で見ると両者の95%信頼区間(RSI[49.0〜74.7%] / BB[40.9〜56.1%])は一部重なっており、優劣が統計的に確定したとまでは言えません。前向き期間でBBの構成比が87/113=77%を占めており、「全体の前向き成績」はほぼBBに引きずられている形になっています。

43% 0% 25% 50% 75% 100% 52% 73% 54% 44% 50% RSI IS RSI FWD BB IS BB FWD 全体FWD 黄点線 = 損益分岐43%(赤バー=基準割れ) シグナル別勝率:IS(過去)→ FWD(前向き)比較 ※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)

図2: RSI vs BB の勝率比較。RSI前向き(緑)は73%と損益分岐を大きく上回る。BB前向き(赤)は44%と基準ぎりぎり。全体50%はBB77%の引き下げで押し下げられる「希釈」の構図。

✅ H1通過:RSI単体は昇格基準を維持
RSI売られすぎ反発(rsi_oversold_bounce)の前向き成績: 19/26件 = 73.1%
Wilson 95%CI: [53.9%, 86.3%] — CI下限53.9% ≥ 43% ✅
✅ H2通過:BB単体は期待値CI下限がマイナス
BB下限タッチ(bb_lower_touch)の前向き成績: 38/87件 = 43.7%
前向き期待値R = +0.018、95%CI: [-0.23, +0.26] — CI下限マイナス ✅

④ 結果②:グループ別——指数×BBが最悪組合せ

グループ別(資産クラス別)に前向き成績を分解すると、全体とは大きく異なる姿が見えてきます。

グループ別 前向き成績

グループ前向き k/N前向き勝率IS勝率差(FWD-IS)
index(指数)10/3033.3%68.6%−35.3pp
jpy_fx(円クロス)15/2657.7%57.7%±0pp
other_fx(ドルFX)20/3852.6%6.2%+46.4pp
合計57/11350.4%53.5%−3.1pp

※ 上表および本文のグループ別内訳は、発火件数の多い主要3グループのみを掲載しています。これ以外の少数グループ(oil など)の発火分も「合計」欄には含まれるため、各行を足し合わせても「合計」欄とは一致しません。

全期間(IS+FWD)の勝率はグループ別に:指数55.6%(45/81)、jpy_fx57.7%(30/52)、other_fx38.9%(21/54)です。前向き期間に限ると格差が拡大しており、最大の発見は指数グループの急落(IS 68.6% → FWD 33.3%、差-35.3pp)です。この急落の内訳を確認すると、シグナル別に明確な分断が見えます。

指数グループのシグナル別 前向き成績

組合せ前向き k/N前向き勝率
指数 × RSI売られすぎ反発3/3100% ⚠️N=3小サンプル
指数 × BB下限タッチ7/2725.9%
指数×RSI FWD 100%(3/3件)はN=3と極めて小さく、過信は禁物です。大方の前向き指数発火はBB(27件)が主体であり、この25.9%が指数全体の前向き33.3%に大きく影響しています。
43% 0% 25% 50% 75% 33% 58% 53% 50% index jpy_fx other_fx 全体 ※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません) グループ別 前向き勝率(FWD)

図3: グループ別の前向き勝率。指数(赤)が33.3%と最低。jpy_fx(緑)はIS水準57.7%をそのまま維持。other_fx(青)はIS6.2%から52.6%への大幅改善(#030/#036と同根のレジーム転換)。

⑤ 結果③:RSI vs BB の時系列変化

前向き期間(2026-06-22以降)を時系列順に前半・後半に分割して確認します。

分類前向き前半 k/N前向き後半 k/N変化
RSI売られすぎ反発12/13 = 92.3%7/13 = 53.8%−38.5pp
BB下限タッチ22/43 = 51.2%16/44 = 36.4%−14.8pp
全体34/56 = 60.7%23/57 = 40.4%−20.3pp

RSIは前半92.3%という突出した数値から後半53.8%(N=13)に落ちていますが、N=13は小サンプルのため幅が広く(CI[29.1%〜76.8%])、現時点では変動の一部として捉えるべきです。BB後半は36.4%まで崩落しており、こちらがより懸念されます。

other_fx のIS→FWD大幅改善(IS6.2% → FWD52.6%)は、金属グループのレジーム転換(第30回以来確認している金属・逆張り買いのFWD改善)と同根の市場環境変化によるものと解釈されます。

⑥ 検証まとめ——H1・H2の判定

🟡 通過A(H1・H2両クリア)

H1:RSI売られすぎ反発の前向きCI下限 = 53.9% ≥ 43% ✅
  → RSI単体のエッジは前向きでも維持されていることを確認

H2:BB下限タッチの前向き期待値CI下限 = −0.227 ≤ 0 ✅
  → BBが全体CI下限を引き下げる「希釈効果」の主犯と特定

解釈:BBの77%比率が引き起こす「希釈効果」

「上昇×逆張り買い」全体では前向き57/113=50.4%、期待値Rの95%CIは[-0.04, +0.39](※ ⑦のトラッカー表に掲載した同一仮説の値〈平均R +0.18 CI[-0.01〜+0.36]〉とは集計プロセスが異なるため僅かに差があります)ですが、これは2種類の異なる性質を持つシグナルを合算した集計の罠に陥っています。

BBが発火件数の77%を占有しているため、全体統計はBBの43.7%に引きずられます。もしRSIとBBを別個に評価するなら、RSI単体の昇格状態は維持されていると言えます。

現状の前向きトラッカーは「RSI + BB を統合した trend=上昇×reversalL」で管理されています。統合CI下限のゼロ割れが2回連続となれば降格確定となります(2回目到達は未確認)。RSI単体でのトラッカー分割は今後の研究課題です。なお本記事の「昇格/降格」はあくまで自システム内の仮説管理ステータスであり、特定の売買手法の採用や特定銘柄の取引を推奨するものではありません。

今後の観察ポイント

⑦ 📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)

基準日 2026-07-26/昇格=前向きN≥80(🏁ホールドアウト合格はN≥30)・平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない・基準合格2回連続で確定(2026-07-19〜)/降格=昇格後の再判定で基準割れ2回連続→🟡へ(2026-07-18〜・再昇格可)

仮説種別宣言基準前向き現在値(平均R)状態
group=metal×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.17 CI[-0.48~+0.15](46/129・勝率36%)✅昇格
trend=上昇×reversalLedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.18 CI[-0.01~+0.36](57/113・勝率50%)✅昇格
group=allgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.01 CI[-0.08~+0.10](441/1019・勝率43%)🟡蓄積中
blocked=Falsegate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.03 CI[-0.08~+0.13](354/806・勝率44%)🟡蓄積中
blocked=False×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.04 CI[-0.11~+0.19](276/618・勝率45%)🟡蓄積中
trend=下降gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.09 CI[-0.07~+0.23](159/342・勝率46%)🟡蓄積中
tf=4h×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.05 CI[-0.11~+0.21](141/314・勝率45%)🟡蓄積中
tier=neutralgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.08 CI[-0.20~+0.05](124/313・勝率40%)🟡蓄積中
group=indexedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.11 CI[-0.25~+0.02](109/286・勝率38%)🟡蓄積中
指数×ロング(全足ライブ)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.03 CI[-0.20~+0.25](115/261・勝率44%)🟡蓄積中
dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.03 CI[-0.10~+0.17](329/745・勝率44%)⛔反証
reversalL(逆張り買い)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.24 CI[+0.04~+0.44](155/292・勝率53%)⛔反証
tier=goodgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.39 CI[+0.13~+0.65](103/173・勝率60%)⛔反証
tier=good×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.38 CI[+0.11~+0.66](96/162・勝率59%)⛔反証
trend=下降×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.42 CI[+0.10~+0.75](69/113・勝率61%)⛔反証

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