🧪 AIシグナル研究日誌 #56
日足ロングのシグナル二極化——BB下限タッチ(+1.125R) vs BB上限ブレイク(-1.250R)の2.375R差
- 日足(1d)ロングシグナルの全期間 N=75 件を解剖。全体の勝率は 30/75=40.0%(95%CI [29.7%, 51.3%])で損益分岐(約43%)をわずかに下回る
- BB下限タッチ(逆張り系):N=16・勝率 75.0%(CI [50.5%, 89.8%])・E(R)=+1.125R(95%CI [+0.36, +1.89] — CI全域プラス確定)
- BB上限ブレイク(ブレイク系):N=14・勝率 7.1%(CI [1.3%, 31.5%])・E(R)=-1.250R(95%CI [-1.74, -0.76] — CI全域マイナス確定)
- 2つの差は 2.375R(+1.125R と -1.250R の幅)。前向き期間(2026-07-02 以降 N=34)での bb_upper_break は 10連敗・勝率 0%
- RSI売られすぎバウンス(逆張り系)は N=12・勝率 58.3%(CI [32.0%, 80.7%])と堅調。高値ブレイク(high_break)は N=7・勝率 14.3%と低迷
- 前向きトラッカー「ロング全般(日足)」は 🏁N=31 達成済みで E(R)=-0.398・CI[-0.68, -0.12](全域マイナス)——ブレイク系の集中発火が全体平均を引き下げていると考えられる
1. 日足ロング追跡の経緯と今回の着眼点
2026-06-11 に日足(1d)のシグナル収集が開始された。1時間足・4時間足と比べてデータ蓄積が遅いが、2026-07-31 時点で全期間クローズ済みシグナルは 97 件(ロング75件・ショート22件)に達した。
前向きトラッカー「ロング全般(日足)」は 2026-07-02 に登録され、2026-07-31 時点で前向き N=31(🏁ホールドアウト合格基準 N≥30 を達成)となり、チェックポイントを迎えた。E(R)=-0.398、95%CI [-0.68, -0.12] と CI 全域マイナスである。
この「全域マイナス」の原因を掘り下げるのが今回の課題だ。日足ロングの中には過去データ上の勝率が 75% と高めに出ているシグナルタイプと、勝率 7% と大きく低いシグナルタイプが共存しており、平均値がその二極を隠している可能性がある。
H1(棄却確認): bb_upper_break × 1d × Long の 勝率 Wilson CI 上限 < 43% かつ N≥10
H2(エッジ確認): bb_lower_touch × 1d × Long の 平均 E(R) 95%CI 下限 > 0 かつ N≥10
2. チャート図解:日足ローソクと発火条件
※ 概念を示すイメージ図です(実際の値動きではありません)。左:BB下限タッチ発火後の反発(逆張り系)。右:BB上限ブレイク発火後の失速(ブレイク系)。日足ローソクで同じ「BB突破」でも方向によって成績が大きく異なることを示す。
3. シグナル種別の成績マップ(全期間N=75)
日足ロングシグナル 75 件を発火シグナル種別に分解すると、次の表のようになる。
| シグナル種別 | N | 勝ち | 勝率 | 95%CI(勝率) | E(R) | E(R) 95%CI | 分類 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| BB下限タッチ (bb_lower_touch) | 16 | 12 | 75.0% | [50.5%, 89.8%] | +1.125 | [+0.36, +1.89] ✅ | 逆張り系 |
| RSI売られすぎバウンス (rsi_oversold_bounce) | 12 | 7 | 58.3% | [32.0%, 80.7%] | +0.542 | [-0.48, +1.56] | 逆張り系 |
| MACDゴールデンクロス (macd_golden) | 15 | 7 | 46.7% | [24.8%, 69.9%] | +0.133 | [-0.78, +1.05] | トレンド系 |
| 高値ブレイク (high_break) | 7 | 1 | 14.3% | [2.6%, 51.3%] | -1.000 | [-1.98, -0.02] ⚠️ | ブレイク系 |
| BB上限ブレイク (bb_upper_break) | 14 | 1 | 7.1% | [1.3%, 31.5%] | -1.250 | [-1.74, -0.76] ✅ | ブレイク系 |
| 1d Long 全体 | 75 | 30 | 40.0% | [29.7%, 51.3%] | -0.100 | [-0.49, +0.29] | — |
| 1d Short 全体(参照) | 22 | 8 | 36.4% | [19.7%, 57.0%] | -0.227 | [-0.95, +0.49] | N小・参考値 |
逆張り系(BB下限タッチ・RSI売られすぎ)とブレイク系(BB上限ブレイク・高値ブレイク)の間には、期待値で最大 2.375R の開きがある。全体平均が -0.100R と損益分岐に接近して見えるのは、この二極が混在しているからだ。参照として日足ショート全体は 8/22=36.4%(N小・CI幅広く参考値のみ)。
4. H1・H2 事前合否基準と検証結果
bb_lower_touch × 1d × Long:N=16、勝率 75.0%、E(R)=+1.125R
95%CI [+0.36, +1.89] — 全域プラス確定(CI下限 +0.36 > 0)
bb_upper_break × 1d × Long:N=14、勝率 7.1%、Wilson CI [1.3%, 31.5%]
CI上限 31.5% < 43% 達成。E(R)=-1.250R、95%CI [-1.74, -0.76] — 全域マイナス確定
H1・H2 ともに宣言した基準を満たした。bb_upper_break と bb_lower_touch はともに N ≥ 10 を確保しているが、サンプル数は依然として小さく、結果は暫定的なものとして扱う必要がある。
5. なぜ日足ではブレイク系が機能しないのか
仮説として考えられる理由は次の通りだが、確定的な因果関係ではなく「考え方の一つ」として提示する。
- 日足レベルの「偽ブレイク」効果:BB 上限突破は日足では「買われすぎの頂点」で発生することが多く、そこからの反落が SL を叩く「ヒゲ」として残りやすい。1時間足では同じ BB 上限ブレイクが短期トレンド追随として機能することがあるが、日足では時間軸が大きいため反動も大きくなる可能性がある
- 逆張りとトレンドフォローの時間軸依存:短期足(1h)では勢いが継続しやすく「ブレイク後に追う」戦略が有効になりやすい。日足では値動きの「周期」が長く、ブレイク後に均衡点へ戻ってくる時間的余裕がある
- BB下限タッチの「自己実現予言」効果:多くの市場参加者が日足 BB 下限をサポートとして意識するため、タッチ後の反発が起きやすい可能性がある
6. 前向きFWD(2026-07-02 以降)の状況
前向きトラッカー登録日(2026-07-02)以降の日足ロングシグナルは N=34 件(tracker表示では N=31)となっている。
| シグナル種別 | FWD N | FWD 勝ち | FWD 勝率 | FWD E(R) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| BB上限ブレイク (bb_upper_break) | 10 | 0 | 0.0%(10連敗) | -1.500 | 全域マイナス確定 |
| MACDゴールデンクロス (macd_golden) | 6 | 3 | 50.0% | +0.250 | N小・参考値 |
| 高値ブレイク (high_break) | 4 | 0 | 0.0%(4連敗) | -1.500 | N小・参考値 |
| RSI売られすぎバウンス (rsi_oversold_bounce) | 3 | 3 | 100.0% | +2.000 | N=3・過信禁止 |
| BB下限タッチ (bb_lower_touch) | 3 | 1 | 33.3% | -0.333 | N=3・過信禁止 |
| FWD 1d Long 合計 | 34 | 8 | 23.5% | -0.676 | CI[-1.18, -0.17] |
FWD では bb_upper_break が10連敗(0.0%)と最悪の状況が継続している。N=10 とある程度の件数があるため、単なる運の偏りとは考えにくい。high_break も FWD で 4連敗となっている。
一方、rsi_oversold_bounce は FWD N=3 で 3連勝(100%)だが、N が小さすぎるため過信は禁物だ。bb_lower_touch は IS で 11/13=84.6% と非常に高かったが、FWD N=3 では 33.3% に留まり、IS・FWD での乖離が目立つ(ただし FWD N=3 は小さすぎて判断保留)。
7. 期待値比較:シグナル別E(R)の棒グラフ
※ 概念を示すイメージ図です(実際の収益を約束するものではありません)。縦軸は期待値E(R)(1Rは1ATR×1.5のリスク相当)。
※ 概念を示すイメージ図です(実際の収益を約束するものではありません)。前向きFWD期間のシグナル別勝率。rsi_oversold_bounce N=3 は参考値のみ(N小)。赤い水平線は損益分岐(約43%)。
8. 前向きトラッカー定点観測
2026-07-31 基準のトラッカー全一覧を掲載する(上から昇格確定・蓄積中・反証の順)。
📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)
| 仮説 | 種別 | 宣言基準 | 前向き現在値(平均R) | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| group=metal×dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R -0.10 CI[-0.40~+0.19](58/151・勝率38%) | ✅昇格 |
| trend=上昇×reversalL | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R +0.17 CI[+0.02~+0.33](69/137・勝率50%) | ✅昇格 |
| group=all | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.02 CI[-0.06~+0.10](578/1325・勝率44%) | 🟡蓄積中 |
| blocked=False | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.02 CI[-0.07~+0.12](461/1051・勝率44%) | 🟡蓄積中 |
| tf=4h×dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.10 CI[-0.06~+0.26](199/421・勝率47%) | 🟡蓄積中 |
| tier=neutral | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R -0.04 CI[-0.17~+0.10](156/378・勝率41%) | 🟡蓄積中 |
| group=index | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R -0.07 CI[-0.20~+0.07](145/363・勝率40%) | 🟡蓄積中 |
| 指数×ロング(全足ライブ) | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R +0.03 CI[-0.18~+0.23](142/323・勝率44%) | 🟡蓄積中 |
| 売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足) | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R +0.15 CI[-0.12~+0.42](77/156・勝率49%) | 🟡蓄積中 |
| ロング全般(日足) | edge | 前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0 | 平均R -0.40 CI[-0.68~-0.12](8/31・勝率26%)🏁N≥30 | 🟡蓄積中 |
| group=index×dir=short | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.21 CI[-0.07~+0.48](45/87・勝率52%) | 🟡蓄積中 |
| other_fx×逆張り買い(回避) | gate | 前向きN≥30かつ平均RのCI上限<0🏁 | 平均R +0.23 CI[-0.08~+0.55](46/87・勝率53%) | 🟡蓄積中 |
| dir=long | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.04 CI[-0.07~+0.16](444/994・勝率45%) | ⛔反証 |
| reversalL(逆張り買い) | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.20 CI[+0.04~+0.37](192/373・勝率52%) | ⛔反証 |
| tier=good | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.32 CI[+0.12~+0.51](140/248・勝率56%) | ⛔反証 |
| trend=下降×reversalL | gate | 前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0 | 平均R +0.41 CI[+0.12~+0.69](82/136・勝率60%) | ⛔反証 |
9. 関連カード
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