📈 MarketWatch AI
日本人投資家向けAI市場分析・シグナル研究
⚠️ 本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録もしていません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

🧪 AIシグナル研究日誌 #057
「静寂な市場」vs「ニュース渦中」——news件数と勝率のグループ依存効果、指数群で12.6pp差

カテゴリ:🧪 AIシグナル研究日誌  |  公開:2026年8月1日  |  読了:約10分
⏱️ 30秒でわかる今回のまとめ
  • 発火時のニュース件数バンド(news=0・1-2・3+)と勝率の関係を全2485件(tp1/tp2/sl)で解析。news=3+(高注目度)全体勝率は 708/1726=41.0%(CI[38.7%,43.4%])、news=0(ニュース無し)は 209/442=47.3%(CI[42.7%,51.9%])
  • 事前登録仮説H1(指数群の差≥10pp):指数群でnews=0が 79/146=54.1%、news=3+が 194/467=41.5% → 差12.6pp ✅
  • 事前登録仮説H2(other_fx群の差<5pp):other_fx群でnews=0が 129/295=43.7%、news=3+が 180/418=43.1% → 差0.7pp ✅
  • news=3+ グループ別内訳:metal 115/333=34.5%(最低)・btc 70/187=37.4%・index 194/467=41.5%・other_fx 180/418=43.1%・jpy_fx 88/190=46.3%・oil 61/127=48.0%
  • news=3+×ロング 515/1267=40.6%、news=3+×ショート 193/459=42.0%——方向別では差は小さい
  • 核心:news=0(n=442件)の内訳は指数群 146件・ドルクロスFX 295件の2グループ限定(jpy_fx・btc・oil・metalのnews=0はほぼゼロ)。「news=0が高勝率」の背景に指数群の高い勝率が含まれる点に留意

1. 研究背景:news件数次元はなぜ今まで単独で検証されなかったか

本研究日誌では#001〜#056まで、シグナルの方向(long/short)・グループ(metal/index/other_fx等)・足種(1h/4h/1d)・トレンド(上昇/下降/中立)・tier・reversal_longといった次元を中心に解析を進めてきた。

一方で news件数(news_count) は各シグナルに記録されているにもかかわらず、単独の研究テーマとして正面から取り上げたことがなかった。#007(ファンダメンタルズ影響)など関連テーマは扱ったが、「発火時点のニュース件数バンドで勝率がどう変わるか」を系統的に調べたのは今回が初めてだ。

news_count は verify.py の news_band_of() 関数で3バンドに区分される:

高ニュース環境では市場のボラティリティが高まり、シグナルの精度が下がる可能性が直感的に考えられる。しかし本当にそうなのか、グループによって違いはあるのか——を2485件のクローズド実績で検証する。

2. 事前登録仮説と判定条件

本解析は事前に2つの仮説を登録した。

事前登録仮説(バックテスト実行前に登録)
H1:指数群(group=index)においてnews=0 vs news=3+の勝率差 ≥ 10pp
H2:other_fx群(group=other_fx)においてnews=0 vs news=3+の勝率差 < 5pp

仮説設定の根拠:指数(NKD=F・ES=F・NQ=F・YM=F・^FTSE)はニュースに敏感で、高ニュース環境では方向判断が難しくなる可能性が高い。一方でドルクロスFX(EURUSD・GBPUSD等)は構造的な需給要因が大きく、ニュース件数の影響が相対的に薄れると予想した。

3. チャート風図解:ニュース注目度ゾーンと勝率マップ

📭 news=0 静寂な市場 📰 news=1-2 低注目度 🔥 news=3+ ニュース渦中 50% 40% 30% 0% 43% 損益 分岐 47.3% 208/440 38.5% 122/312 41.0% 708/1726 n=440 n=312 n=1,726 news=0(静寂) news=1-2(低注目) news=3+(高注目) ── 43% 損益分岐 ニュース注目度ゾーン別 全体勝率マップ

図1. ニュース件数バンド別の全体勝率(n=2,485件・tp1/tp2/sl)。赤破線は損益分岐43%。news=0(青ゾーン)が47.3%と最高で、news=1-2が最低(38.5%)、news=3+は41.0%。

4. 全体集計:news=3+は損益分岐割れ、news=0は上回る

全2485件のクローズドシグナル(tp1/tp2/sl・expiredは除外)を3バンドに分けた結果は以下の通りだ。

newsバンドk(勝)n(全体)勝率95%CIE(R)
news=0(静寂)20944247.3%[42.7%, 51.9%]+0.155
news=1-2(低注目)12231738.5%[33.3%, 43.9%]-0.153
news=3+(高注目)7081,72641.0%[38.7%, 43.4%]-0.064

news=0 の 47.3% は3バンド中最高で、CI 下限(42.7%)も損益分岐(43%)をわずかに割り込む水準だ。一方 news=3+ は41.0%でCI上限43.4%——損益分岐をわずかに上回る程度にとどまる。全体的には「ニュースが多いと勝率が下がる」方向の傾向が見られるが、全体レベルでは差が小さい。

news=0 の n=440 のうち、jpy_fx・btc・oil・metal のシグナルはほぼ存在しない。news=0 は実質「指数(33%)+ドルクロスFX(67%)」の2グループで構成されており、後続のグループ別解析が本質的に重要だ。
なお news=1-2(n=317件)はすべて円クロスFX(jpy_fx)で構成されており、バンド間の単純比較には強いグループ交絡が含まれる。「news=1-2が最低勝率(38.5%)」はバンド効果ではなく jpy_fx グループの特性を反映している可能性が高い。

5. グループ別 news=3+ 勝率の分散

次に、news=3+ の1,726件を主要6グループに分解した(拡張ユニバース4件を除く)。

グループ別 news=3+ 勝率(水平バー) 30% 43% 50% 0% 損益分岐 金属(metal) 34.5% (115/333) BTC 37.4% (70/187) 指数(index) 41.5% (194/467) ドルクロスFX 43.1% (180/418) 円クロスFX 46.3% (88/190) 原油(oil) 48.0% (61/127)

図2. グループ別 news=3+(高注目度)勝率。赤破線は損益分岐43%。metal・BTC・indexは43%割れ、other_fx・jpy_fx・oilは43%超。グループ間の分散が大きい。

グループkn勝率95%CIE(R)
金属 (metal)11533334.5%[29.6%, 39.8%]-0.291
BTC7018737.4%[30.8%, 44.6%]-0.190
指数 (index)19446741.5%[37.2%, 46.1%]-0.046
ドルクロスFX (other_fx)18041843.1%[38.4%, 47.9%]+0.007
円クロスFX (jpy_fx)8819046.3%[39.4%, 53.4%]+0.121
原油 (oil)6112748.0%[39.5%, 56.7%]+0.181

news=3+ においてもグループ間の格差は大きい。金属 34.5%(E(R)=-0.29)から原油 48.0%(E(R)=+0.18)まで13.5ppの開きがある。特に金属は他のグループと比べ著しく低く、高ニュース環境での金属シグナルは過去データ上の期待値が大きくマイナスだ。

6. 主要発見:指数群12.6pp差 vs ドルクロスFX 0.7pp差

H1・H2の中核となるのは、「news有無の影響がグループによって異なる」という仮説だ。指数群とドルクロスFX群を比較した結果を以下に示す。

指数群 vs ドルクロスFX群——news=0とnews=3+の差 60% 50% 40% 30% 43% ▼ 12.6pp 54.1% 79/146 41.5% 194/467 📊 指数群 (index) NKD=F・ES=F・NQ=F等 ▼ 0.7pp 43.7% 129/295 43.1% 180/418 💱 ドルクロスFX EURUSD・GBPUSD・AUDUSD等 news=0(濃色) news=3+(薄色) ── 12.6pp差(指数・H1✅) ── 0.7pp差(FX・H2✅)

図3. 指数群(左)とドルクロスFX群(右)におけるnews=0(濃色)とnews=3+(薄色)の勝率比較。指数では12.6ppの差があるのに対し、ドルクロスFXでは0.7ppとほぼ差がない。

H1 達成(✅):指数群 news=0 vs news=3+ 差 = 12.6pp ≥ 10pp
指数(NKD=F・ES=F・NQ=F・YM=F・^FTSE):news=0 → 79/146=54.1%(CI[46.0%,62.0%] E(R)=+0.394)
指数(同グループ):news=3+ → 194/467=41.5%(CI[37.2%,46.1%] E(R)=-0.046)
差:12.6pp(E(R)差 +0.44R)
H2 達成(✅):ドルクロスFX群 news=0 vs news=3+ 差 = 0.7pp < 5pp
ドルクロスFX(EURUSD=X・GBPUSD=X・AUDUSD=X・EURAUD=X・GBPAUD=X):news=0 → 129/295=43.7%(CI[38.2%,49.4%] E(R)=+0.031)
同グループ:news=3+ → 180/418=43.1%(CI[38.4%,47.9%] E(R)=+0.007)
差:0.7pp(E(R)差 +0.02R)

指数群では12.6ppの差が確認された。これはCIを考慮しても(index×news=0のCI[46%,62%] vs index×news=3+のCI[37%,46%])区間が非重複に近い。一方でドルクロスFXでは勝率・期待値ともにnews有無でほぼ差がなく、「ニュース件数はドルクロスFXの勝率に影響を与えない」という仮説と整合している。

7. news=0 の組成——なぜ指数が多いか

news=0(442件)のグループ組成を確認すると、意外な構造が浮かび上がる。

グループn(news=0中)構成比備考
ドルクロスFX (other_fx)29566.7%最多グループ
指数 (index)14633.0%高勝率グループ
金属 (metal)10.2%ほぼゼロ
円クロスFX (jpy_fx)00.0%ゼロ
BTC00.0%ゼロ
原油 (oil)00.0%ゼロ

jpy_fx・BTC・oil・metal のシグナルが「news=0」で発火することはほぼない。これらのアセットは常に一定量のニュース環境下で発火している(円クロスは為替介入・BOJ関連、BTCは暗号資産ニュース、原油は地政学・OPECニュースが常に存在する)。

その結果、news=0 シグナルは 33%の指数群(54.1%勝率)+67%のドルクロスFX(43.7%勝率) という構成になる。加重平均で考えると、全体のnews=0 勝率47.3%は指数の高勝率に引き上げられた数値だ。

「news=0のシグナルは勝率が高い」という解釈は慎重に行う必要がある。news=0 vs news=3+の差(約6pp)の相当部分は、news=0に指数シグナルが多く含まれること(グループ構成の違い)によって説明される可能性がある。

方向別でも確認すると:news=3+×ロング 515/1267=40.6%(CI[38.0%,43.4%])、news=3+×ショート 193/459=42.0%(CI[37.6%,46.6%])——方向による差は小さく、news=3+環境での苦戦は特定方向に偏っていない。

2026-08-01 基準の前向きトラッカー(55仮説・2昇格・5反証)の現況を以下に示す。

📡 前向きトラッカー定点観測(期待値ベース)

基準日 2026-08-01/昇格=前向きN≥80(🏁ホールドアウト合格はN≥30)・平均R(期待値)の95%CIが0を跨がない・基準合格2回連続で確定(2026-07-19〜)/降格=昇格後の再判定で基準割れ2回連続→🟡へ(2026-07-18〜・再昇格可)

仮説種別宣言基準前向き現在値(平均R)状態
group=metal×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.13 CI[-0.42~+0.17](58/155・勝率37%)✅昇格
trend=上昇×reversalLedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.19 CI[+0.04~+0.34](73/143・勝率51%)✅昇格
group=allgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.02 CI[-0.06~+0.09](602/1380・勝率44%)🟡蓄積中
blocked=Falsegate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.02 CI[-0.06~+0.11](483/1101・勝率44%)🟡蓄積中
blocked=False×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.04 CI[-0.07~+0.16](387/865・勝率45%)🟡蓄積中
trend=下降gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.13 CI[+0.00~+0.26](218/451・勝率48%)🟡蓄積中
tf=4h×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.10 CI[-0.05~+0.25](206/436・勝率47%)🟡蓄積中
tier=neutralgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.02 CI[-0.14~+0.11](170/403・勝率42%)🟡蓄積中
trend=中立・もみあい×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.04 CI[-0.10~+0.19](171/382・勝率45%)🟡蓄積中
group=indexedge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R -0.06 CI[-0.19~+0.08](154/381・勝率40%)🟡蓄積中
trend=下降×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.13 CI[-0.05~+0.30](167/346・勝率48%)🟡蓄積中
指数×ロング(全足ライブ)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.04 CI[-0.17~+0.24](150/338・勝率44%)🟡蓄積中
group=other_fx×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.08 CI[-0.06~+0.22](157/338・勝率46%)🟡蓄積中
blocked=False×dir=shortgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.03 CI[-0.22~+0.16](108/260・勝率42%)🟡蓄積中
group=metalgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R -0.08 CI[-0.28~+0.13](85/215・勝率40%)🟡蓄積中
売られすぎ逆張り買い(rsi_oversold_bounce・全足)edge前向きN≥80かつ平均RのCI下限>0平均R +0.20 CI[-0.07~+0.47](83/162・勝率51%)🟡蓄積中
dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.04 CI[-0.07~+0.15](462/1034・勝率45%)⛔反証
reversalL(逆張り買い)gate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.21 CI[+0.06~+0.37](203/390・勝率52%)⛔反証
tier=goodgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.30 CI[+0.11~+0.49](143/256・勝率56%)⛔反証
tier=good×dir=longgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.29 CI[+0.09~+0.49](135/244・勝率55%)⛔反証
trend=下降×reversalLgate前向きN≥80かつ平均RのCI上限<0平均R +0.40 CI[+0.12~+0.68](84/140・勝率60%)⛔反証

9. 結論と解釈

本研究は「ニュース件数(news_count)が発火シグナルの勝率に与える影響を、グループ別に解析する」という目的で設計された。事前登録した2つの仮説はいずれも達成された。

H1 ✅:指数群でnews=0 54.1% vs news=3+ 41.5%(差12.6pp≥10pp)
H2 ✅:other_fx群でnews=0 43.7% vs news=3+ 43.1%(差0.7pp<5pp)

指数群(NKD=F・ES=F・NQ=F・YM=F・^FTSE)では、過去データ上「ニュースの多い環境」でシグナル勝率が12.6pp低かった。一方でドルクロスFX(EURUSD=X等)では勝率はnews有無でほぼ変わらなかった。この非対称性が今回の観測結果の核心だが、いずれも限られた期間の集計であり、将来も同じ傾向が続くとは限らない。

ただし解釈には注意が必要だ。news=0シグナルの約33%は指数群であり(other_fx群が約67%)、jpy_fx・BTC・oil・metal のシグナルはnews=0でほぼ発火しない。つまりnews=0の全体高勝率(47.3%)は、指数群の高い素の勝率(#013/#021等の既知のエッジ)が寄与している可能性がある。news=0かつ指数、という組み合わせでの勝率向上が「ニュース件数の効果」なのか「グループ効果の反映」なのかは、さらなる解析(例:指数群内でのニュース有無の部分効果)で検証する必要がある。

前向きトラッカーへの新規登録は今回行わない。news次元はverify.pyでサポートされているが、news×group組み合わせの前向き件数が蓄積するには相当の時間が必要で、現時点では信頼できるトラッカー仮説を設計しづらい。本解析を参考データとして記録し、今後のニュース環境別フィルタリング議論の基礎資料とする。

【免責事項】本記事に掲載された数値・分析はすべて過去データの集計・統計であり、将来の利益を保証するものではありません。記載された勝率・期待値等の数値は過去実績であり、将来も同様の結果が得られることを示すものではありません。金融商品取引法(金商法)第37条に基づき、当サイトは投資助言業の登録を受けておらず、個別銘柄の売買を推奨する意図はありません。投資判断は必ずご自身の責任において行ってください。95%信頼区間は統計的な不確実性の範囲を示すものであり、確率的に正確な予測を意味するものではありません。