🧪 売られすぎで買う作戦は、トレンドの向きで結果が変わる? 362回の前向き検証で確かめた
AIシグナル研究日誌 #107
毎回ひとつの仮説を実際のデータで確かめ、勝っても負けても全部公開する研究日誌の第107回です。今回の題材は、RSI(相対力指数:売買の勢いを0〜100で表す指標)が売られすぎの水準から反発したときに出る買いのシグナルを、トレンドの向きで分け直した分析です。
近いテーマを扱った#105では、RSI が売られすぎのときの逆張りの買い(下がったところで買うこと)の全体(全期間・条件はこの記事と一部異なる)を分析しました。今回は「上昇トレンドで出たシグナルと、下降トレンドで出たシグナルでは、成績がどう違うか」を問います。結論から言うと、はっきりした差が見られました。
① 登録日の翌日からの前向きの期間の全体(362回中187回):勝率51.7%。登録日までの期間(39.1%)から逆転しました
② トレンド別にはっきりした差:上昇トレンド61.9%(84回中52回)、中立56.4%(117回中66回)、下降42.9%(161回中69回)
③ 下降トレンドでの逆張りの買いは、勝ち負けがとんとんの水準(1回あたりの平均損益がほぼゼロ)。「売られすぎ」でも、さらに下がる例が多かった
④ 320回目の節目(2026-09-09)は、平均損益の偶然のぶれの幅の下の端がゼロ付近で、惜しくも不合格。次の節目は400回目
① 今回の仮説と背景
このシグナルは、RSI が30以下に下がったときに逆張りの買いを考えるものです。「売られすぎたものは戻る」という考え方が根拠にありますが、「下降トレンドでは、売られすぎがさらに進む」という反論もあります。
この仮説は、2026年6月16日に前向きの集計表(トラッカー)に登録されました。登録日まで(検証に使った期間)と、翌日以降(その後の前向きの期間)で、勝率がどう変わるかを追い続けています。今回は、前向きの期間が362回に届いたところで、トレンドという新しい切り口で分け直します。
② 登録日の前と後の全体の比較
登録日(2026年6月16日)までを「検証に使った期間」、その翌日(6月17日)からを「その後の前向きの期間」として分けた、全体の数字です。
| 期間 | 回数 | 勝ち | 勝率 | 勝率の偶然のぶれの幅 | 1回あたりの平均損益(損切り幅を1とした倍率) |
|---|---|---|---|---|---|
| 検証に使った期間(〜2026-06-16) | 133 | 52 | 39.1% | 31.2%〜47.6% | −0.088 |
| その後の前向きの期間(2026-06-17〜) | 362 | 187 | 51.7% | 46.5%〜56.8% | +0.205 |
検証に使った期間は、勝ち負けがとんとんになる勝率(43%)を下回る 39.1% でした。「売られすぎたから買う」と機械的に判定するだけでは足りなかった可能性を示しています。一方、その後の前向きの期間は 51.7% で、プラスの側で推移しています。
ただし、前向きの期間の全体でプラスになっているのは良い知らせですが、中身を見るとトレンドによって大きな差があります。
③ トレンド別の勝率の差
前向きの期間の362回を、トレンドの向き(1段長い時間足のトレンド)で分けたのが次の表です。
| トレンド | 回数 | 勝ち | 勝率 | 勝率の偶然のぶれの幅 | 1回あたりの平均損益(損切り幅を1とした倍率) |
|---|---|---|---|---|---|
| 上昇トレンド | 84 | 52 | 61.9% | 51.2%〜71.6% | +0.444 |
| 中立・もみあい | 117 | 66 | 56.4% | 47.4%〜65.1% | +0.316 |
| 下降トレンド | 161 | 69 | 42.9% | 35.5%〜50.6% | 0.000 |
この差のポイントを整理すると:
- 上昇トレンドでの逆張り:大きな流れが上向きの中で、一時的に売られすぎた状態は、いわゆる「押し目」(上昇の途中の一時的な下げ)の場面に近いと解釈できる可能性があります
- 中立・もみあいでの逆張り:方向感がない分、売られすぎからの戻りも起きやすく、56.4%とプラスの側
- 下降トレンドでの逆張り:RSI が30以下になっても「さらに売られる」展開が多く見られました。平均損益がほぼゼロというのは、「勝ちと負けを合わせると、ほぼプラスマイナスゼロ」という状態です
④ 時間足別の補足
前向きの期間の362回を、時間足ごとに分けた補足のデータです。
| 時間足 | 回数 | 勝ち | 勝率 | 勝率の偶然のぶれの幅 | 1回あたりの平均損益(損切り幅を1とした倍率) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1時間足 | 234 | 111 | 47.4% | 41.1%〜53.8% | +0.107 |
| 4時間足 | 110 | 61 | 55.5% | 46.1%〜64.4% | +0.294 |
| 日足 | 18 | 15 | 83.3% | 60.8%〜94.2% | +0.944 |
4時間足(55.5%)は1時間足(47.4%)より高い傾向があります。時間足が長くなるほど「一時的な売られすぎ」の細かいぶれが小さくなる可能性がありますが、4時間足は110回なので、引き続き前向きの観測を続けます。
⑤ 節目ごとの推移
このシステムは80回ごとを「節目」とし、1回あたりの平均損益の偶然のぶれの幅の下の端が、2回続けてプラスになれば昇格(有望な仮説として認定)とする決まりで管理しています。
重要な経緯をまとめます:
- 296回目(2026-09-05):下の端 +0.050。プラスの側で推移
- 320回目(2026-09-09):節目に到達。下の端 −0.001。わずかにマイナスで不合格。昇格には2回続けてのプラスが必要
- 323〜337回目(2026-09-10〜14):一時的にマイナスが続く
- 343〜362回目(2026-09-15〜23):下の端がふたたびプラスの側で推移
- 次の節目は400回目:残り38回。今後のシグナルの出るペースによっては、10〜15日ほどで届く見込み
⑥ 前向き検証の集計表
| 項目 | 数字 | 補足 |
|---|---|---|
| 仮説 | 売られすぎからの反発で買う | すべての時間足 |
| 登録日 | 2026-06-16 | 前向きの期間は、翌日(2026-06-17)以降に出たシグナル |
| 前向きの期間の回数 | 362 | 決済まで終わったシグナルの数 |
| 前向きの期間の勝率 | 51.7%(362回中187回) | 偶然のぶれの幅 46.5%〜56.8% |
| 前向きの期間の1回あたりの平均損益 | +0.205 | ぶれの幅の下の端 +0.032 |
| 検証に使った期間の勝率 | 39.1%(133回中52回) | 勝ち負けがとんとんの43%を下回っていた |
| 昇格の状況 | 追跡中(続けての合格0回) | 次の節目:400回目 |
| 直近の節目の結果 | 320回目で不合格(下の端 −0.001) | わずかにマイナス |
⑦ 考察と次の問い
今回の分析でいちばん注目できる点は、「このシグナルでは、成績が1段長い時間足のトレンドの向きによって大きく分かれた」ことです。
前向きの期間の全体では51.7%で、1回あたりの平均損益はプラスですが、これは上昇・中立トレンドでの高い勝率が、下降トレンドの低い勝率を補っている形です。下降トレンドだけを取り出すと42.9%で、1回あたりの平均損益はほぼゼロでした。
この研究の限界と注意点
- 前向きの観察期間は約3か月(362回)。期間が特定の相場の環境に偏っている可能性がある
- 「1段長い時間足のトレンド」は、当サイトの記録にある値で機械的に分けたもので、市場参加者が感覚で判断するトレンドとは違う場合がある
- 平均損益のぶれの幅の下の端がプラスを保つことは、昇格の条件のひとつにすぎない(400回目と480回目の、2回続けての合格が必要)
- ここで示す数字はすべて過去のデータに基づく観察であり、将来の成績を示すものではない
次の問い
この結果から考えられる自然な次の一歩は、「下降トレンドの中で出たシグナルを除いたら、昇格の条件を満たすか」です。上昇と中立トレンドの回数(84+117=201回)を、別の仮説として追いかける候補として記録します。
本記事に記載された情報は情報提供のみを目的としており、金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。当サイトは金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録も行っていません。投資判断はご自身の責任と判断においてお願いします。過去の成績は将来の成果を保証しません。記載の数字は、このサイトのシグナルの実際の記録を機械的に集計したもので、主観的な選別は行っていません。